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カミカゼ野郎 真昼の決斗

  • posted at:2018-08-15
  • written by:砂月(すなつき)
かみかぜやろうまひるのけっとう
にんじんプロダクション=國光影業股份有限公司
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年6月4日 併映「地獄の野良犬」
監督:深作欣二
企画:田畑稔
脚本:深作欣二 太田浩児 池田雄一
撮影:山沢義一
録音:井上賢三
照明:川崎保之丞
音楽:八木正生
編集:田中修
助監督:太田浩児
記録:石田照
スチール:遠藤努
進行主任:中野洋
現像:東映化学工業
協力:三菱重工業株式会社 ニッカ・ウイスキー株式会社 日本航空株式会社 ミランダ・カメラ
主題歌:「素敵なカミカゼ野郎」千葉真一
出演:千葉真一 白蘭 大木実 国景子 高倉健
シネマスコープ カラー 90分

中華民国・台北市にある台湾観光份有限公司の頼天賜社長のもとに一通の封書が届いた。その封書の差出人欄には「日本 東京 K.M」と書いてあり、手紙の内容に頼は慌てた。その頃、横浜・中華街に店を構える矢島嘉市、東京に本社を置く日東商事の社長・北沢信にも同様の手紙が届いていた。北沢が他の二人と電話で連絡を取るために窓を閉めようとすると、上空には一機のセスナ機が旋回していた。

東京でのフライトを終えた国際航空のパイロット・御手洗健は休暇を取り赤沢温泉でスキーを満喫していた。明朗闊達で行動力に富む女好きな彼はプロ顔負けな滑り方をする女性に見惚れアプローチを掛けたが無視された。それでもめげない健が全力でアピールしていたそのとき、辺りの空気を震わす銃声が響いた。二人が胸を押さえて倒れた男に近づくとまだ息があったことから急いで救助を求めた。ペンションに戻った健は支配人から表彰ものだとおだてられていい気分になっていたが、刑事たちが彼を見る目は違った。健が所持する28口径の猟銃が犯行に使用された可能性があり、胸を撃たれた矢島が死の間際に「御手洗のヤツ・・・」と言ったというのだ。彼は警察署長から取り調べを受けることになったが、女性は健の無実を証言した。彼女は香蘭というカメラマンで、雪山の写真を撮るために台湾から仕事でやってきたのだ。更に遺体から発見された弾の旋条痕と健の猟銃のものとが一致しなかったため疑いが晴れたのだった。その夜、お礼を言うために香蘭をバーのカウンターに招待した健は話をするうちに異国に興味を持ち一度行ってみたいなと呟いた。すると背後にいた男がパイプを燻らせながらそういうことになるかもしれませんよと言った。そしてその男は隣に座るとあなたの未来を見て差し上げましょうと勝手に占い始め「南進の定めがある」と指摘したのだ。台湾が南に位置することで健の心は動いたが、その占いはある人物から依頼された芝居だった。

健を待ち伏せしていた北沢は車がやってくると強引に止め、冗談でやっているのかと問い詰めた。何のことかわからないと健が尋ねると、北沢はとぼけるのはよしたまえと手紙を渡した。そこには昭和20年8月15日の夜に台湾で起きたことへの復讐をする旨が書かれており、身に覚えのない彼は人違いだと笑い飛ばした。その後、職場の国際航空へ向かうと何故か主任や事務員が、彼が台湾へ行く前提で話し掛けてきたため戸惑った。三菱MU-2を130万円のギャラで台湾に運ぶことになっており、渡航に必要な手続きは全て仕事を依頼してきた矢島が行っているというのだ。会社に着く前にサングラスの男から止めた方がいいと忠告されていたが、タクシーで乗りつけた香蘭がMU-2の乗客であることがわかると健は腹を固めてパイロットを引き受けることにした。

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河内のオッサンの唄 よう来たのワレ

  • posted at:2018-07-05
  • written by:砂月(すなつき)
かわちのおっさんのうたようきたのわれ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年12月25日 併映「トラック野郎 天下御免」
監督:斎藤武市
企画:坂上順
脚本:松本功 高田純 関本郁夫
撮影:出先哲也
録音:長井修堂
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:福湯通夫
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
装置:井保国夫
装飾:新井栄治
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「河内のオッサンの唄」ミス花子
河内音頭作詞:もず唱平
河内音頭指導:三音家浅丸社中
方言指導:山本稔
制作協力:株式会社カインドウェア
出演:川谷拓三 夏純子 岩城滉一 伊佐山ひろ子 ミス花子
シネマスコープ カラー 93分

自称天才博打打ちの徳田松太郎、通称・徳松も家に帰れば女房の花子に頭が上がらない。何故なら師走にも拘らず地主の息子の堺忠三郎が開く賭場に入り浸り、年越しに用意した金を巻き上げられたからだ。それは徳松だけでなく八百仙吉ら仲間も同様だった。そこで一念発起した彼らは新世界界隈で焼き芋を売ったり日雇いの工事現場で肉体労働をしたりと朝から晩まで働いた。それから数日後、花子のもとに電報が届いた。「アスカネモツテカエル、トクマツ」。

翌日、唐山長次が運転するトラックの荷台で仲間と酒を酌み交わした上機嫌の徳松は花子の笑顔を楽しみにしていたが、権藤勇の言葉で気が変わった。彼の行きつけのアルサロは美人ぞろいで評判だというのだ。懐が温かくなり気が大きくなった徳松は皆でその店に繰り出すことに決めた。店で飲み始めてしばらくすると権藤がそろそろ2階へ上がるよう皆を促したのだが、お母ちゃんに渡す金がなくなってしまうと仙吉が止めたのだ。するとホステスがサイコロ賭博を提案し、徳松はそれに乗った。勝てば金が増える上にタダでデキるからだ。ところが勝負はボロ負け、ほとんどの有り金を巻き上げられてしまった。このままでは女房に顔向けが出来ない徳松たちは最後の望みを掛けて競艇場に繰り出したのだがここでもツキに見放された。場内で偶然出会った当たりまくりの忠三郎から2-3がカタいと有力な情報を貰ったものの、それを真っ向から否定したのは謎のサングラスの男だった。彼が4-5で500円の舟券を買うように指示すると徳松は藁をも掴む思いで素直に従った。するとその予想は的中し、信用した徳松は男に言われるがままに舟券を次々と買った。そして最終レースでは大穴を的中させ、皆が家に帰っても恥ずかしくない程の大金を手にしたのだった。徳松たちが喜ぶ中、男は姿を消した。

徳松たちを乗せたトラックが河内方面へ向かっていると、同じ方向に歩いて行くあの男の姿を見つけた。トラックから飛び降りた彼らは先生と崇めるその男を取り囲むと感謝の気持ちを伝え、お礼をするために無理矢理トラックに乗せたのだった。河内松原に戻ると待ちわびた花子たちが押し寄せてきたため、徳松は世話になった先生を皆に紹介した。そこに大変やと叫びながら現れたのは忠三郎の母・サダだった。何事かと徳松が尋ねると、忠三郎が暴力団の難波組に博打を仕掛けられて長屋の権利書を持ち出そうとしているというのだ。住む家を取り上げられればまともな正月を迎えることが出来ないことから何か名案はないかと知恵を絞った。すると長次がふと呟いた。先生がいるじゃないですか、と。嫌がる彼を引き連れて向かった先は忠三郎の邸で、勝負は今にも始まろうとしていた。そこに割り込んだ徳松が先生に勝負を促すと、彼は切羽詰まって「半」に張った。その結果、窮地を切り抜けた上に騒動を聞きつけた警察が踏み込んだことで命を落とさずに済んだのだった。

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河内のオッサンの唄

  • posted at:2018-06-23
  • written by:砂月(すなつき)
かわちのおっさんのうた
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年11月17日 併映「新女囚さそり 701号」
監督:斎藤武市
企画:坂上順
脚本:関本郁夫 高田純
撮影:中島芳男
録音:小松忠之
照明:萩原猶義
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:馬場昭格
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:志村一治
装置:井保国夫
装飾:高井義典
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「河内のオッサンの唄」ミス花子
出演:川谷拓三 岩城滉一 夏純子 奈美悦子 清水美恵
シネマスコープ カラー 89分

河内松原に住む徳田松太郎は三十路を過ぎてもまだ独り身の白タク運転手。喧嘩早くて粗忽者だが河内男の心意気を身につけた好漢である。そんな彼を皆親しみを込めて徳松と呼んでいた。博打好きだが才能のない彼は仕事で稼いだ金を地主の息子・堺忠三郎が開く賭場につぎ込み丸裸にされて朝帰りする、そんな毎日を送っていた。徳松がいつものように河内松原駅の前で客引きをしていると、金髪かつらをつけた八百千枝子がやってきた。浮気癖のある彼女は新しい男を見つけては家を出て行き、ほとぼりが冷めると帰ってくるのだ。そんなとき夫の仙吉との間に仲裁役として入るのが徳松の役目で、このたこ焼き屋の夫婦ゲンカは町の名物でもあった。ある日、怪我をした老婆がリアカーで運ばれてきた。彼女は六升とのあだ名で呼ばれる酒豪の林田かねで、倒れていた場所が大和川の工事現場付近だったことから山村建設の仕業だと断定し河内者の男気を見せつけろと団結した。徒党を組んだ徳松たちはバックに剛田組がいようが構わず飯場に突入し、通報でやってきた警官隊も巻き込んで大暴れした。そして釈放された彼らを女将たちは紙吹雪とクラッカーで歓迎した。その夜、徳松の家で宴会が行われたが、勝手知ったる他人の家。テキパキと働くのは彼を慕う倉本花子だった。隣のおばさんから醤油を取ってきて欲しいと頼まれた花子が玄関を出ようとすると、入り口に懐かしい人が立っていた。それは東京でファッションモデルとして活躍しているかねの娘のかほるだった。三年ぶりの帰郷ということで皆彼女を歓迎した。お開きになり自宅に戻るとかほるは誰か訪ねてこなかったかとかねに聞いた。それが東京者の三人連れだったことがわかると、かほるは夜明け前に出て行った。

博打で身上を潰した花子の父の墓参りをしたその夜、徳松に一生一度のツキが回ってきた。丁半博打で勝ちまくり誰も手に負えない状態になっていたのだ。天才を豪語する徳松を黙らせようとしたのは、夜食の海苔巻きを納めにきた花子だった。彼女は海苔巻きの売り上げに加えて体を賭けると啖呵を切り一世一代の勝負を行った。結果はピンゾロの丁で徳松の勝ち。煮ても焼いても食えないじゃじゃ馬に用はないと捨てゼリフ残して帰った徳松を許せなかったのはその場で一部始終を見ていた仙吉だった。博打の形はちゃんとつけるのが河内者の仁義という教えのもと彼はかねたちと結託してある行動に出た。まず寝入った徳松を豪勢な花火の灯りで叩き起こし、出てきたところを白無垢姿の花子に対面させるのだ。果たしてその作戦は成功し、面食らった徳松を力ずくで正装に着替えさせると強引に祝言を挙げさせたのだ。だが酒が飲めればいいかねたちにとってそんなことはどうでもよく、居場所を奪われた二人は刈り取りが終わった田んぼで朝を迎えたのだった。

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怪竜大決戦

  • posted at:2018-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
かいりゅうだいけっせん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年12月21日 併映「黄金バット」
監督:山内鉄也
企画:岡田茂 新海竹介
脚本:伊上勝
撮影:わし尾元也
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
音楽:津島利章
編集:神田忠男
助監督:牧口雄二
記録:矢部はつ子
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:堤野正直
結髪:橋本明子
衣裳:三上剛
擬斗:上野隆三
合成:松木春吉
進行主任:並河正夫
特殊撮影・撮影:赤塚滋 国定玖仁男
特殊撮影・照明:金子凱美
特殊撮影・助監督:俵坂昭康
特殊撮影・記録:塚越恵江
主題歌:「怪竜大決戦」ヤング・フレッシュ
出演:松方弘樹 小川知子 鈴村由美 金子信雄 林真一郎
シネマスコープ カラー 85分

近江の国尾形城の乗っ取りを企てた家老結城大乗は忍者たちと結託し謀反を起こした。寝室の城主尾形左馬亮が大乗によって斬殺された頃、月夜に照らされる一艘の小舟が城からの脱出に成功していた。幼き若君雷丸は家臣に助け出されたのだが、彼らを待っていたのは巨大な海竜だった。忍者の頭領大蛇丸は奥の手を使って若君の命を狙ったのだが、それを阻んだのは突然飛来した大鷲だった。大鷲は海竜に襲い掛かり爪で額を一撃すると、雷丸をさらって飛び去って行った。

大鷲にさらわれてから十四年余、飛騨の国蟇ヶ岳に住む蟇道人に忍術を仕込まれた雷丸は青年忍者となっていた。数日前から身辺が騒がしくなってきたことに気づいていた道人は、お墨付きを与えた雷丸に里へ行くよう促した。明日あたり里の者が薬草を取りにくるかもしれないから用意をしてくれと言われ庵に戻ろうとした雷丸は複数の忍者に襲われた。自分の名を知っていることに眉をひそめた彼は持ち前の敏捷さで危機を乗り越え、残り一人を木に縛りつけた。そして何故自分の命を狙ったのかと刀を突きつけて問いただしたが、忍者は舌を噛み切って果てたのだった。他にも気配を感じ小太刀を木に向けて投げつけるとその後ろに隠れていた何者かが走り去った。雷丸が先回りして捕らえると忍者ではなく、通りすがりに殺し合いを見てしまい恐ろしくなり逃げ出した綱手という娘だった。幼い時に別れた父親を捜している彼女は、昔蟇ヶ岳に住んでいたことを知って手掛かりを求めて蜘蛛ヶ峰からやってきたのだ。父親の顔も名も知らず、ただ一つの手掛かりは大事にしている御守袋のみ。困り果てた雷丸は師匠なら何か知っているかもしれないと考え会せることにした。

夕刻、道人の庵に現れたのはかつての弟子の大蛇丸だった。彼は道人の命を狙うために蛇の化身となって近づいたが手の内は見透かされていた。仕方なく御機嫌伺いと嘘をついたが、欺いて秘伝昇竜の一巻を盗んだ男の言葉を信用するはずがなかった。道人は巻物を手に入れた大蛇丸が尾形家の忘れ形見を亡き者にしようと企んで小舟を襲うことを予知しており、雷丸を助けるために大鷲を差し向けた。そのときに受けた額の傷が大蛇丸にもあるのだ。雷丸が成人したことを知り立ち戻ったのであろうと指摘すると大蛇丸は開き直り、手の者が今時分始末したに違いないと言った。そして道人を葬り去ろうとしたが力の差は歴然だった。だが見せた隙をつき大蛇丸は道人を後ろから斬ったのだった。夕餉の支度をするために雷丸が綱手を連れて戻ると道人は虫の息となっていた。道人は最後の力で印可し蟇の妖術を授けた。そして雷丸の生い立ちを明かし、大蛇丸と結城大乗の成敗を命じたのだった。翌日、雷丸は両親と道人の恨みを晴らすために綱手と別れて近江の国に向かった。

屋台的映画館

華麗なる追跡

  • posted at:2018-03-05
  • written by:砂月(すなつき)
かれいなるついせき
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年4月26日 併映「県警対組織暴力」
監督:鈴木則文
企画:吉峰甲子夫 高村賢治
脚本:掛札昌裕 金子武郎
撮影:山沢義一
録音:内田陽造
照明:大野忠三郎
美術:北川弘
音楽:八木正生
編集:戸田健夫
助監督:沢井信一郎
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:松本可則
装置:小早川一
装飾:酒井喬二
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
協力:伊豆 長岡 エイトランド
志穂美悦子 ファッション・コーディネイター:北本正子
衣裳協力:池袋 東武百貨店
出演:志穂美悦子 マッハ文朱 郷鍈治 石橋雅史 円山理映子
アメリカンビスタ カラー 83分

カーレーサーの矢代忍は鈴鹿サーキットで行われたゴールデンカップで優勝を飾ったが、彼女には秘密機関TESO(東南アジア特別調査機関)のエージェントという別の顔があった。レース終了後、スポーツカーで帰宅していると所長の前島勇人からお祝いの連絡が入ったが本題はそれではなかった。麻薬組織を捜査していたエージェントが、忍が長年追い掛けていた男の名を浮かび上がらせたのだ。ヘンリー中谷は日本にいた。アメリカ本土、中南米、東南アジアと男の姿を追い求めて日本へ戻ってきた忍の勘は当たっていたのだ。前島の下へ向かった忍は、そこで潜伏場所が赤坂の秘密賭博場を根城にしていること、そして潜入捜査で絶対に失敗が許されないことを説明された。仮にヘンリーの手掛かりが消えた場合、彼と背後関係の情報が永遠に闇の中へ葬り去られるからだ。現在のヘンリーの顔は整形によって5年前の看守時代の面影はなくなっていたことから忍はその写真を脳裏に焼き付けたのだった。純白のドレスに身を包んだ忍はルーレットテーブルに近づきヘンリーがいるのを確認した。忍が勝ち続けるのに対しヘンリーは賭け金を失い、30万円とペンで書き込んだ自分の名刺を賭けようとしてディーラーに止められた。俺を誰だと思っているんだと凄むヘンリーに、忍はその名刺を買ってあげましょうと声を掛けた。ヘンリーに気に入られることに成功した忍だったが、ボディーガードが彼を連れ出そうとしたため拳で攻撃した。その結果、賭博場は大混乱に陥りヘンリーはボディーガードの一人に連れ去られてしまった。

ある日、アオキフローリストという花屋に女が訪ねてきた。その店を営むのは青木新平と凪子の兄妹で、そこでは花を扱うだけでなく忍のファンクラブの受け付けも行っていた。忍は花屋が入るマンションに住んでおり、女は彼女に用があると言ったことから凪子はてっきりファンクラブの入会者だと思って対応した。そこに帰ってきた忍に高校時代の世話になった正田有希子だと自己紹介すると、二人は久しぶりの再会を抱き合って喜んだのだった。有希子はおじから任されたアンティークショップに連れて行くと、おばさまに忍の今の姿を見せたかったと思わず漏らした。するとそれを聞いた忍は、父の事件が母の命を縮めたのよと苦々しく言った。

5年前、忍の父・正之は光洋丸の船長時代に積荷から時価5億円相当のヘロインが見つかったことで麻薬の運び屋として逮捕された。その後、懲役12年の判決が下ったが、正之は面会にきた忍に無実を訴えたのだ。そして何年掛かってでもその陰謀を暴いて無実を晴らすというと、それを聞いていた看守が静かにしろと殴りつけ、強引に独居房へ連れて行かれたのだった。それから翌日、正之が死んだという知らせを受けた妻の綾子と忍は刑務所に駆けつけたが、その酷い有り様に言葉を失った。監視の目を盗んで毒を呷って自殺したと看守は言ったが、遺体には明らかな暴行の痕が無数にあるため、例え検視官が確認したと言っても忍はそれを鵜呑みにすることは出来なかった。その後、綾子は心を痛めて体調を崩しこの世を去った。度重なる不幸が襲ったことで、忍は父の潔白を証明するために命を懸けて真犯人を追い詰めることに決めたのだった。

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