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ハナ肇の一発大冒険

  • posted at:2019-04-06
  • written by:砂月(すなつき)
はなはじめのいっぱつだいぼうけん
松竹=渡辺プロ
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年1月3日 併映「やればやれるぜ 全員集合!! 」
監督:山田洋次
制作:脇田茂
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:重田重盛
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:小尾幸魚
音楽:坂田晃一
調音:佐藤広文
監督助手:大嶺俊順
装置:川添善治
進行:池田義徳
現像:東京現像所
制作主任:内藤誠
出演:ハナ肇 倍賞千恵子 倍賞美津子 入川保則 中村晃子
シネマスコープ カラー 89分

東京の下町にある商店街で間貫一が営む精肉店はコロッケがおいしいと評判の店だった。ある日、フランスから一通のハガキが届くと、彼はそれを見るなり身支度を整えて出掛けて行った。貫一が向かった先は、渡航手続きを行うためのエールフランス航空の事務所だった。係員から旅行の目的を尋ねられた貫一はサントロペにいるハガキの人物に会いたいと言った。そして信じてもらえるかどうかと前置きをしてからそれにまつわる話を始めた。三ヶ月ほど前の土曜日、得意先の用事を終えた貫一が上機嫌で高速道路を飛ばしていると行ったこともない所に出てしまった。腹ごしらえのために入ったレストランはとても雰囲気が良く、心地がいい音楽は毎日の仕事から離れて何処かへ行ってしまいたいような気分にさせた。料理を待っているときに相席をしてきたのは見ず知らずの女性で、彼女は豪快にステーキを食べる貫一の姿を見て微笑んだ。会話をしているうちに貫一が一人でドライブしていることがわかると、その女性は私も一緒に連れて行って欲しいと頼んだ。貫一は驚いたが、妻ではない美人を助手席に乗せる機会はまずないため喜んで応じた。着いた所は木更津で、貫一は彼女の指示に従ってカーフェリー・あかつきに乗って横浜に向かった。船内で二人きりになると女性は自分に関することを話し始めた。彼女は速水亜子と言い、東京駅に向かって歩いていたら後ろからつけられている気がしてあのレストランに逃げ込んだ。すると頼もしそうな男が目についたため貫一に声を掛けたのだ。それを聞いた貫一は心配ないと勇気づけ心配なら行き先まで送ると約束した。だがそれが横浜のホテルだとわかると貫一の心の中に波風が立った。その後方では様子を窺う二人組の悪漢がいた。

その夜、心配する家族を納得させるための電話を掛けた貫一は、それが終わると亜子の部屋に緊張しながら入った。彼女が酒を飲みたいと言ったため地下にあるバーへ行くことになったが、その際に貫一はとても大事な物が入っているというバッグを受け取った。だがわざわざそんな物を持ち歩かなければならない理由がわからず質問すると、亜子は中から巾着を取り出し中身を見せた。キラキラと光り輝く物、それは無数のダイヤモンドだった。彼女は京都のある人物にそれを届ける任務の遂行中で、怖くてたまらず貫一に頼ったのだ。思いもよらぬ責任を背負うことになった貫一は、数分前とは違った緊張感に襲われた。バーでは悪漢の兄貴分と弟分が亜子からダイヤを横取りする計画を練っていた。そうとは知らない貫一は二人に声を掛けて一緒に飲むことにした。貫一はフェリーの中で船酔いする兄貴分を介抱したことで彼らと顔馴染みになっていたのだ。亜子が体調を崩して寝込んでしまったため三人は場所を変えて深酒をすることになったが、貫一の注意が逸れた隙に兄貴分はバッグから巾着を掏り取った。

屋台的映画館
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バージンブルース

  • posted at:2019-03-15
  • written by:砂月(すなつき)
ばーじんぶるーす
日活
配給:日活
製作年:1974年
公開日:1974年11月22日 併映「あばよダチ公」
監督:藤田敏八
プロデューサー:伊藤亮爾
脚本:内田栄一
撮影:安藤庄平
美術:横尾嘉良
録音:紅谷愃一
照明:松下文雄
編集:井上治
助監督:八巻晶彦
色彩計測:田村輝行
現像:東洋現像所
制作担当者:青木勝彦
音楽:武川行秀 ミッキー吉野
主題歌:「バージンブルース」野坂昭如
挿入歌:「黒の舟唄」野坂昭如
協力:鷲羽山 下電ホテル 別館 ひついしホテル ホテル目黒エンペラー
出演:秋吉久美子 高岡健二 清水理絵 多々良純 林ゆたか
シネマスコープ カラー 99分

浪人一年目の畑まみはお茶の水予備校に通っている。予備校には女子寮があり、彼女が住む二階の部屋のお隣さん・小林ちあきを姉のように慕っていた。ある夜、ちあきの部屋に泥棒が入ったが、家探しをするうちに彼女が目を覚ました。目が合う二人。驚いた泥棒は窓から飛び降りた拍子に足をくじき、ひきずりながら逃げて行った。まみは隣から聞こえた物音のおかげで安眠できず、翌日の日曜日はすっかり寝坊した。するとちあきも同様に遅く起きてきたのだった。寮生が店屋物を取ったことで自分も注文すればよかったと後悔していたちあきはあることに気づいた。配達にきた出前持ちが足を引きずっていたのだ。彼が昨夜の泥棒ではないかと疑ったちあきはまみを連れて太洋軒に行き、店の主人から男が昨夜から足を痛めていることを聞き出した。そして出前から戻ってくると追求し、しらばくれて店を出て行くとちあきは後を追い掛けた。男は橋本誠という青年だったが、彼が部屋に入った時に押し入れの中の秘密を知ってしまったため、ちあきは強く出ることが出来なかった。

ちあきの秘密とは、日頃の鬱憤を晴らすために行う万引きだった。それは物が欲しいわけではなくスリルを味わうためなのだ。ある日の休日、彼女に誘われたまみを含む6人は新宿に向かうことになっていたが、思いつきで四谷に変更になった。スーパーで決行された集団万引きは成功したかに見えたが、店を出たところで店員に声を掛けられ、合図役を担当していたまみはまんまと逃げ切った。隠れているところにちあきの姿が見えたため二人は再会を喜んだが、冷静になってみると今後のことが頭をよぎった。寮に帰った方がいいのか、それともこのまま逃げ回るか。そんなことを考えているうちに、コートを着た中年男が後をつけていることに気づき隠れた。

まみは声を掛けてきた男が刑事だと思ったがそうではなかった。面識がある平田洋一郎とちあきは、昨年秋の新宿でのコンパで散々飲まされて一夜の関係を持ったのだ。その頃、平田はサラリーマンをしていたが、脱サラをしてチェーンのラーメン店を始めた。だが経営はうまく行かず今は借金取りに追われる生活を送っていた。スナックショップで二人に食事を奢った平田はホテルに誘うが、下心をあっさりと見破られて断られた。結局、寮に戻ることに決めたまみたちだったが、玄関の前までくると足がすくんだ。そこに出前から帰る誠が通り掛かり、事情がわかるとうちへおいでと言った。彼は二人を養うために注文をごまかして食事を運び、店の売り上げをくすねていたが、ついに店主から現場を押さえられボコボコに殴られた。顔を腫らした誠の姿を見たまみたちは、もうこれ以上迷惑を掛けられないと考え故郷の岡山に帰ることに決めた。だがそれには運賃などの費用が掛かることから平田を利用することにした。

屋台的映画館

八甲田山

  • posted at:2019-02-02
  • written by:砂月(すなつき)
はっこうださん
橋本プロダクション=東宝映画=シナノ企画
配給:東宝
製作年:1977年
公開日:1977年6月18日(青森県先行公開 1977年6月4日)
監督:森谷司郎
制作:橋本忍 野村芳太郎 田中友幸
企画:吉成孝昌 佐藤正之 馬場和夫 川鍋兼男
原作:新田次郎
脚本:橋本忍
撮影:木村大作
美術:阿久根巌
録音:吉田庄太郎
照明:高島利雄 大沢暉男
音楽:芥川也寸志
助監督:神山征二郎 橋本信吾 永井正夫 桃沢裕幸 中沢新一
編集:池田美千子
記録:米山久江
タイトル:米内康夫
現像:東洋現像所
制作担当:小山孝和
出演:高倉健 北大路欣也 加山雄三 三國連太郎 丹波哲郎
シネマスコープ カラー 169分


明治三十四年十月、第四旅団司令部において重要な会議が行われた。日本とロシアとの海戦は時間の問題となっており、軍はそれに備えて兵器の充実や兵の教育に力を入れていた。だが中林大佐には現陸軍に準備不足と感じている部分があった。それは寒地訓練だった。予測される戦場は遼東半島から満州に掛けてであるが、先の日清戦争では寒さのためにこの遼東半島で四千人もの凍傷者を出したことで軍の作戦に大きな支障をきたした。次に戦う相手はシベリアの寒さに耐えうる装備と極寒零下数十度においてもなお戦う術を修得するロシア軍であることから、それに対する訓練は一日でも怠ることは出来なかった。また海戦ともなればいち早いロシア艦隊は津軽海峡と陸奥湾の封鎖を行い、その際に艦砲射撃で鉄道や道路を破壊される恐れがあった。そして青森ー弘前、青森ー八戸方面がそれぞれ遮断されると八甲田山系を縦断する以外に方法がなかった。そこで中林は師団参謀長としての私案である寒地装備訓練と同時に万が一の場合の交通路確保の作戦を中隊もしくは小隊編成で行う八甲田山の踏破による調査を提案した。そして友田少将は雪中行軍の経験者である青森歩兵第五連隊の神田大尉と弘前歩兵第三十一連隊の徳島大尉を指名した。会議後、弘前と青森の双方から出発して八甲田山辺りですれ違うという行軍計画を児島大佐が提案すると、自然条件が同じであることを考えればそれが最適だと津村中佐も同意した。

行軍が翌年の一月末か二月初めと決まり、準備のために田茂木野村に出向いた神田は村長の作右衛門から話を聞いた。だが様々なことを聞くうちに今回の作戦が如何に無謀であるかを思い知らされた。その季節は雪が深い上に風が強く一度踏み込んだら生きて帰れない、まるで白い地獄だというのだ。失敗は絶対に許されないことから神田は徳島と情報交換を行ったが、その中で踏破が中林や友田の命令ではなく連隊の責任ということになっていることを知り驚愕した。だがもう引くに引けない二人は資料を参考にして具体的な方法を話し合った。神田が別れ際に今度会うときは雪の八甲田の何処かでと言うと、徳島は静かに頷いた。

徳島は第三十一連隊の雪中行軍計画書を提出した。十泊十一日で行程二百四十キロを踏破するいう無謀な計画書を読んだ児島は驚きどういうことかと説明を求めた。すると徳島は壁に貼ってある地図の前に立ち、弘前から十和田湖に進み南側に沿って進んだ後、北上して八甲田山の北側を進んで弘前に戻るという計画を説明した。そしてその行程になったのは連隊長の責任だと言うと児島は反論出来なかった。徳島は続けて、第五連隊が八甲田を経て八戸方面に向かうため、我々がすれ違うには迂回する以外に方法はないと言った。行軍は見習い士官や下士官を主力にした二十七名の編制するが、それは研究に主眼を置いていることと、いざという場合に国民に対して申し訳が立つからだ。徳島は旅団司令部で安請け合いしたことを後悔していると胸の内を正直に打ち明けた。児島はそれを黙って聞くしかなかった。

屋台的映画館

(ハル)

  • posted at:2018-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
はる
光和インターナショナル
配給:東宝
製作年:1996年
公開日:1996年3月16日
監督:森田芳光
企画:鈴木光
制作:鈴木光
プロデューサー:青木勝彦 三沢和子
脚本:森田芳光
撮影:高瀬比呂志
美術:小澤秀高
録音:橋本文雄 柴山申広
照明:小野晃
編集:田中慎二
スクリプター:森永恭子
キャスティング:網中洋子
助監督:杉山泰一
制作主任:氏家英樹
制作担当:坂本忠久
音楽:野力奏一 佐橋俊彦
音楽プロデューサー:裕木陽
主題歌:「TOKYO LOVE」THE BOOM
企画協力:ニューズ・コーポレイション
制作協力:トライアーツ
出演:深津絵里 内野聖陽 山崎直子 竹下宏太郎 水野あや
アメリカンビスタ カラー 118分

食品会社の営業マン・速水昇は映画好きな恋人との話題を増やすために、パソコン通信の「映画フォーラム」にアクセスした。参加するにはハンドル名を登録しなければならず、彼は自分の名前の最初のひと文字と最後のひと文字を取って(ハル)と名乗った。パソコン初心者であり映画にもあまり詳しくない(ハル)はチャットで会話するコアなファンたちの話題について行けなかった。その後、その中の(ほし)と名乗る人物からメールが届いたが、それはみんなが好きなことを言い合っているが、色々な考え方の勉強になるので気にしない方がいいというアドバイスだった。翌日、昇は恋人を食事に誘い、映画フォーラムで話題になった「浜辺のシンフォニー」を観に行こうと言ったが、彼女が既に試写会で観ていたことを知りがっかりした。帰宅後、(ハル)は(ほし)にある疑問をメールで送信した。「みんなの会話の途中で時々出てくる顔のマークのような物は何ですか?」と。それ以後、二人の間で顔文字が必要以上に飛び交ったことから、他のメンバーは何があったのかと訝った。

(ほし)は映画フォーラムで男性を装っていたが、その正体は藤間美津江という女性だった。盛岡市にあるデパートの宝石コーナーの販売員をしていたが、同性の多い職場であることから人間関係に悩んでいた。悩んでは勝手にメールを送り続けていたが、(ハル)から適切なアドバイスを貰えないため決心してデパートを辞めた。パン屋で働き始めた美津江は、映画の中で演じるように仕事も演じれば気が楽になると思ったのだ。一方、昇も思い悩んでいた。親戚の影響でアメリカンフットボールを始めた彼は、そのおかげで大学に推薦入学し今の会社にも入社することが出来た。そして今つき合っている彼女も試合の打ち上げで知り合ったのだが、同期が出世したりすることでアメフトへの情熱が薄れ、生きるための張り合いを失っていたのだ。上司にも恵まれない彼は(ほし)に愚痴のようなメールを送った。今度一度会って酒でも飲もうよ、と添えて。だが(ほし)からは、そっとしておいてほしいと送り返してきた。

ゴールドシアターの茶色いソファーで、ミルクセーキを飲んで時間をつぶすのが好きなんだ。(ほし)が送ってきたメールのその一文を思い出した昇は「タッチダウン」を上映しているゴールドシアターのロビーで恋人を待った。だがその映画館には茶色いソファーもミルクセーキもなかった。遊ばれているのかもしれないと感じた昇がその夜、皮肉めいたメールを送ると、(ほし)からお詫びの返信が届いた。そこには東京に行った3年前にその映画館に行ったこと、(ハル)が今までの通信仲間と違う視点を持っていて興味を持ったこと、そして自分が女性であることを明かした。

屋台的映画館

花井さちこの華麗な生涯

  • posted at:2018-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
はないさちこのかれいなしょうがい
新東宝映画=国映
配給:アルゴ・ピクチャーズ
製作年:2004年
公開日:2005年11月26日
監督:女池充
企画:朝倉大介
プロデューサー:衣川伸人 森田一人 増子恭一
協力プロデューサー:岩田治樹
脚本:中野貴雄
音楽/アニメーション:岸岡太郎
撮影:伊藤寛
録音:小南鈴之介
編集:金子尚樹
助監督:永井卓爾
特殊造形:むくなしよる
特殊メイク:小川美穂
ガンエフェクト:ビル横山
アニメーション撮影:沖野雅英
ミサイル/エンドクレジット:清水康彦
制作協力:Vシアター
協賛:報映産業株式会社
出演:黒田笑 速水今日子 水原香菜恵 蛍雪次朗 松江哲明
アメリカンビスタ カラー 90分

新宿歌舞伎町のイメクラで働く花井さちこは仕事終わりに喫茶店に立ち寄った。席に座り注文を取りにきたマスターにアイスキャラメルマキアートを頼むと、携帯電話に掛かってきた社長からの指示に従って入り口に近い席に移ろうとした。だが電波状態が悪く店内をうろついているとマスターが置きっぱなしにしていた掃除のバケツにつまづき別の客のテーブルに倒れ掛かったのだった。ノートパソコンを挟んで向かい合い商談を行う二人組はそんな彼女を気にせずに取り引きを続け、一人が対象物を受け取ろうとしたのだが、もう一人がバッグの中を引っ掻き回してもそれが見つからなかった。それもそのはず、さちこがぶつかった弾みで男のバッグをぶちまけたときに筒状の金属が何処かへ転がって行ったからだ。そうとは知らずに騙されたと思い込んだ男は懐から拳銃を取り出すと発砲した。目の前で起きた事件に興奮したさちこが携帯電話のカメラでその様子を撮影しようとすると、男は再びもう一人に2発発砲した。銃弾を受けた男は絶命し、マスターは床に寝そべるさちこに大丈夫ですかと声を掛けた。彼女の額には銃弾が突き刺さっていたのだ。ところがさちこはおもむろに起き上がると大丈夫ですと言って店を出て行った。フラフラと歩くさちこを心配したマスターは傍に転がっていた金属を忘れて行ったハンドバックに放り込むとそれを手渡したのだった。しばらく歩いて座り込んだ彼女に声を掛けてきた警官は、その目を見てまともな精神状態ではないことがわかると取り調べと称してホテルに連れ込み強姦した。その頃、喫茶店では死体の処理に困ったマスターが苦労していた。何とか地域指定ゴミ袋に押し込んだが、殺害した当の本人は店の中で何かを一心不乱に探しているのだ。指くらいの大きさの金属と言われて思い出したマスターが女のバッグに入れたことを話すと、男は彼を射殺した。店を出ようとしたときに携帯電話の着信メロディーが流れ、それがさちこの物からだとわかるとその中の情報を手掛かりに彼女の自宅を割り出したのだった。

自分の身に何が起きたか記憶のないさちこはホテルで目覚め、全裸のままノロノロと洗面所まで歩いて行った。額に大きな傷のある異様な姿。それが鏡に映った自分の姿であることに驚き我に返ったのだった。そこで彼女はハンドバッグの中からペンシルアイライナーを取り出すとその穴に差し込んでみた。すると銃弾が脳の中枢部に押し込まれて行き刺激を受けたことで彼女の新たな一面が覚醒したのだった。猛烈な知識欲が突如襲い現代フランス哲学などあらゆるものに興味を持つようになったさちこは、図書館へ行き蔵書を片っ端から読み漁った。それでも飽き足りない彼女はドイツ哲学の著者である佐伯教授を直接訪ね、形而上学的現実に対する考察はいささか論理実証的過ぎる面があるのではないかと質問した。すると佐伯は突然のことでうろたえ答えることが出来なかった。

屋台的映画館

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