忍者ブログ

反逆のメロディー

  • posted at:2023-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
はんぎゃくのめろでぃー
日活
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年7月22日 併映「あしたのジョー」
監督:澤田幸弘
企画:水の江滝子
脚本:佐治乾 蘇武路夫
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:神保小四郎
美術:千葉和彦
編集:井上治
助監督:伊地智啓
音楽:玉木宏樹
色彩計測:畠中照夫
現像:東洋現像所
製作担当者:長谷川朝次郎
技斗:渡井嘉久雄
出演:原田芳雄 地井武男 藤竜也 梶芽衣子 富士真奈美
シネマスコープ カラー 84分

淡野組組長・淡野大次郎は社会からの批判により解散を決意した。これを機に街を出た元組員の塚田哲は新興都市K市に向かった。その市は元々立花組のシマだったが、今は東京からきた新興やくざの矢東会が幅を利かせていた。哲は偶然知り合ったゲバ作を誘って矢東会が仕切る特殊浴場・鹿島パラダイスをダイナマイトで襲い現金をせしめた。その頃、哲が立花組と拘わりがあるのではないかと考えた矢東会代表の武沢は組に乗り込み、立花組長の妻のお竜に心当たりはないかと尋ねた。残念ながらないわとお竜が白を切ると、武沢は野郎の始末は任せてもらうと言った。関東の矢東会を招き入れたのは立花だった。出所するまでの間、矢東会の力を借りて組を維持するつもりでいたのだが、現状は乗っ取られたも同然だった。揉め事を起こせば相手の思う壺にはまるため、今は波風を立てないようにするのが精一杯だった。立花が帰ってくるまであとひと月の辛抱だとお竜は組員たちの不満を鎮めながら我慢を重ねていた。

大金を手に入れた哲とゲバ作だったが捕まるのは時間の問題だった。ゲバ作がこの街の住民ではないことがわかると哲は今夜中に街を出るべきだと言った。だが哲といれば今後もワクワクするような出来事が起きるのではないかと考えたゲバ作は別れを惜しみバイクでジープを追った。するとその途中で矢東会に捕まりリンチに遭った。ゲバ作を放っておけない哲はアジトに潜り込み武沢の背後にぴったりとくっつくとナイフを突きつけた。お前は何の魂胆があってこの街にきたのかと聞かれた哲は、俺は立花の腹違いの弟だと言った。そして彼が淡野組の元組員だとわかると武沢は急に態度を変えた。何故なら武沢は立花から淡野組には絶対に手を出すなときつく言われていたからだ。立花組は俺が面倒を見るからお前たちはこの街から出て行ってくれと哲が頼むと武沢たちは渋々従うことにした。すると矢東会に散々痛めつけられてきた立花組の青山がドス健を刺殺し、また青山も宮坂の銃弾に倒れた。

ドス健の葬式にバラの花束を持って駆けつけたのは矢東会の星野だった。ところがそこでは立花組と矢東会の合同葬儀を行っており、しかも刑事が同席していたことから星野は情けない奴らだと嘆いて大暴れし逮捕された。そんな矢東会と葬儀を最後に縁を切って正解だったと考えた哲は、弱者救済を掲げて立花組の若衆とともに立ちあがった。

屋台的映画館
PR

パンク侍、斬られて候

  • posted at:2022-12-21
  • written by:砂月(すなつき)
ぱんくざむらいきられてそうろう
東映ビデオ
配給:東映
製作年:2018年
公開日:2018年6月30日
監督:石井岳龍
製作:若泉久央
エグゼクティブプロデューサー:西澤力 笹岡敦
企画:伊藤和宏
プロデュース:伊藤和宏
プロデューサー:湊谷恭史
共同プロデューサー:上田徳浩 鈴木健太郎 古賀俊輔 紀伊宗之 新野安行
原作:町田康
脚本:宮藤官九郎
特撮監督:尾上克郎
美術:林田裕至
撮影:松本ヨシユキ
特殊撮影:鈴木啓造
照明:宮西孝明
録音:古谷正志
セットデザイナー:郡司英雄
特殊美術デザイン:佐久嶋依里
装飾:須坂文昭 郷原慶太
小道具:松永一太
キャラクターデザイン: 澤田石和寛
衣裳デザイン: 澤田石和寛
衣裳:横山智和
床山:荒井孝治
結髪:丹羽峯子
メイク:船引美智子
ヘア:TAKUYA BABA
ヘアメイクアドバイザー:JIMI FUJIU
アクションコーディネーター:諸鍜治裕太
助監督:茂木克仁
制作担当:森田勝政
スクリプター:田口良子
編集:武田峻彦
キャスティングディレクター:杉野剛
俳優担当:奥田由美
ラインプロデューサー:斎藤大輔
プロダクションマネージャー:佐藤正晃
テクニカルプロデューサー:大屋哲男
VFXプロデューサー :道木伸隆
DIプロデューサー:齋藤精二
カラーグレーダー:齋藤精二
VFXスーパーバイザー: 森田淳也
音楽:森俊之
主題歌:「Anarchy in the U.K.」Sex Pistols
エンディングテーマ:「夜のスピード」感覚ピエロ
企画制作:dTV
制作プロダクション:THEFOOL
制作著作:エイベックス通信放送
出演:綾野剛 北川景子 東出昌大 染谷将太 村上淳
アメリカンビスタ カラー 131分

時は江戸時代、北にある黒和藩に一人の流れ者がやってきた。街道を進む男が峠の茶屋を通り過ぎると盲目の娘を連れた巡礼の老人が近づいてきた。すると男は刀を抜くが早いか一瞬で斬り捨てたのだった。その浪人の名は掛十之進と言った。茶屋で一服していた黒和藩藩士長岡主馬は突然のことに驚き何故斬ったのかと問うと、十之進はこの者たちがいずれこの土地に恐るべき災いをもたらすため事前に斬ったのだと答えた。近頃流行病のように急速に蔓延している新興宗教の腹ふり党は隣の牛逐藩を壊滅状態に追い込んだ。老人は牛逐藩からの流れ者であり、黒和藩の民も邪教に既に蝕まれていた。黒和藩もいずれ滅亡だろうと言い残し十之進は去ろうとしたが、それは脅迫だと言って主馬は刀を抜いたが超人的剣客の十之進に軽くあしらわれた。そして残って欲しければ仕官させろと言われた主馬は慌てて城に戻った。十之進は初めから主馬を騙すつもりで巡礼の老人を斬ったのだ。腹ふり党を根絶する方法なんてある訳ねえだろうがよと独り言ちながら老人の死体を蹴飛ばすとその体にあるはずの腹ふり党信者の刺青がなかった。焦った彼はその横で泣き続ける娘の処分に困るが、結局斬れずに立ち去った。

主馬から十之進の話を聞いた筆頭家老の内藤帯刀は、腹ふり党の件を利用して次席家老大浦主膳を追い落とすことが出来るのではないかと考えた。帯刀と主膳は幼い頃から犬猿の仲。その上司である藩主黒和直仁は全く融通の利かない堅物であり直情径行であるが故に藩の政は混乱を極め、藩内は内藤派と大浦派に分かれていた。十之進の魂胆を見抜いていた帯刀は彼を利用しようと考え城の本丸大広間で行われる会議に同席させた。そして腹ふり党対策要員として十之進を起用し今すぐ策を講じることを殿に進言すると当然の如く主膳は反対した。その後、腹ふり党によって藩内に混乱が生じれば主膳の責任問題となり大浦派は一掃される、という筋書きだった。一方、大広間で恥をかかされ怒りが収まらない主膳は、用人の幕暮孫兵衛を通じて十之進に刺客を送った。十之進は真鍋五千郎と斬り合うが、その途中で二人が超人的剣客養成所「そこの穴」で剣や武術を超えた修羅の技を学んだ竹馬の友だったことがことがわかり意気投合した。五千郎は自分が主膳に雇われたことを十之進に話し、報酬を孫兵衛に返した。二人の会話を聞いてどうでも良くなった孫兵衛の密告により主膳は屁高村のさるまわ奉行に左遷された。それから数日後、帯刀のもとに牛逐藩に派遣していた江下レの魂次という密偵から中間報告が届いたが、そこには腹ふり党がとっくの昔に滅び牛逐藩は至って平和だと書いてあった。嘘がばれれば帯刀は失脚し十之進も処刑されることは確実だった。そこで帯刀は腹ふり党をでっち上げることに決めた。

屋台的映画館

春子超常現象研究所

  • posted at:2022-10-28
  • written by:砂月(すなつき)
はるこちょうじょうげんしょうけんきゅうじょ
「春子超常現象研究所」製作委員会
配給:S・D・P
製作年:2015年
公開日:2015年12月5日
監督:竹葉リサ
エグゼクティブプロデューサー:外山康弘
クリエイティブプロデューサー:蔭山周
プロデューサー:小野恵賜 竹葉リサ
共同プロデューサー:西村喜廣 合アレン
脚本:竹葉リサ
撮影:Shu G.百瀬
照明:太田博
録音:百々保之 高島良太
衣裳監督:Mikio Sakabe
衣裳:戸村優香
美術監督:片桐真理子
ヘアメイク:元木美紗
特殊造形:北落香奈子
マジックエフェクト:テツヲ
アクション監督:田渕景也
助監督:成田将
脚本協力:金子二郎
音楽:藤永憲太郎
主題歌:「Day and Night」Andersons
編集:西村喜廣
制作:有馬圏 Scott Nankivel
出演:中村蒼 野崎萌香 青木さやか ブラザートム  黒木正浩
アメリカンビスタ カラー 73分

超常現象に憧れ追い求めていた大月春子は、書道部の先生をしていた父親のエコひいきのせいで孤立した高校生活を送り家族のことが嫌いになった。それから10年後、フリーターとなって独り暮らしをしていた彼女はテレビに悪態をつく毎日を送っていた。その悪態が1万回を迎えたときテレビの電源が切れた。驚いた春子は何勝手に切れてんだよとブツクサ言いながらテレビを叩くが、「切れたんじゃねえよ、ブチ切れてんだよ」と何処からか男の声が聞こえた。その声の主はテレビだった。閃光とともに現れた人の姿をしたテレビは春子を指差し「お前の独り言は聞き飽きたわ」と怒鳴った。目の前で起きた超常現象に心ときめいた彼女は早速パソコンで検索するが、過去にテレビ頭の男が現れたという事例は見つからなかった。これがオリジナル超常現象だと確信した春子は待ちに待った幸運が訪れたのだと喜んだ。もうこれ以上悪態をつかれるのは御免だとテレビは出て行くが、入れ替わりにやってきたのはMNKの集金人だった。テレビが出て行ったためうちには関係ないと断ろうとしたのだが、集金人とバッタリ会ったテレビがこの部屋に住んでいると言ったため支払わなければならなくなった。春子は仕方なく「超常現象研究所」という宛名で領収書を切ってもらうことにした。

幼稚園の時に勉強をさせられ過ぎて一時的に目が見えなくなった春子だったが、回復すると今度は余計なものまで見えるようになった。テレビとの出会いは今まで体験した超常現象の中でも最高傑作だった。成り行きで奇妙な同棲生活が始まると春子は不思議な魅力を持つテレビの虜になった。公園でブラブラしていると子供たちから石を投げられヒモと呼ばれたことから、テレビは就職活動をすることにした。ラブホテルの受付の面接に行ってみたが断られ、その代わりに臓器の運び屋の仕事を紹介された。気が進まず公園のトイレで用を足しているとアラブ人から声を掛けられた。二人が会話しているのを隣で見ていたMNK番組プロデューサーの鈴木は彼をスカウトした。テレビがアシスタントを担当することになったのは教育テレビの「やさしいアラビア語教室」だった。収録の出来栄えに満足し気を良くした鈴木は、ラジオのフランス語講座も任せることにした。何せテレビは12か国語を操れるのだ。彼の人気は瞬く間に上昇し一躍時の人となった。そんなテレビを春子は陰から寂しげな目で見つめた。

屋台的映画館

ハッピーフライト

  • posted at:2022-10-22
  • written by:砂月(すなつき)
はっぴーふらいと
フジテレビジョン=アルタミラピクチャーズ=東宝=電通
配給:東宝
製作年:2008年
公開日:2008年11月15日
監督:矢口史靖
製作:亀山千広
エグゼクティブプロデューサー:桝井省志
企画:石原隆 小形雄二 島谷能成 中村光孝
プロデューサー:関口大輔 佐々木芳野 堀川慎太郎
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
音楽:ミッキー吉野
主題歌:「COME FLY WITH ME」FRANK SINATRA
撮影:喜久村徳章
照明:長田達也
録音:甲斐匡
美術:瀬下幸治
装飾:秋田谷宣博
整音:郡弘道
編集:宮島竜治
記録:松澤一美
キャスティング:吉川威史
助監督:山口晃二
製作担当:荒木正人 齋藤玉恵
特撮監督:佛田洋
VFXスーパーバイザー:野口光一
VFXプロダクションマネージャー:横尾裕次
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
出演:田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか 吹石一恵 田畑智子
シネマスコープ カラー 103分

副操縦士の鈴木和博はホノルル行き1980便で路線訓練の試験に合格すれば、OJT(On the job training=実践しながらの訓練)終了となり機長に昇格する。幸いなことに試験教官は温厚な望月教官が担当することになっていたことから和博は楽勝だと考えていた。ところが当日になって望月が風邪をこじらせてしまい、代わりにやってきたのは厳しさで知られる原田教官だった。シミュレーターの操縦訓練では難解なプログラムを前にしてパニックに陥っており、今度こそうまく出来るか心配でたまらなかった。

新人キャビンアテンダントの斎藤悦子は同僚の田中真里や高田郁美とともに1980便で初めて国際線フライトに乗務することとなっていたが、搭乗開始前のブリーフィングに遅刻した。そこで待っていたのは鬼チーパーとして恐れられているチーフパーサーの山崎麗子だった。離陸前の室内作業で段取りがわからずモタモタしていると手慣れたCAたちから睨まれた。

出発前の点検で飛行中の速度を計るピトー管を凍結から守るヒーターの一部とスタートバルブに故障が見つかったが、若い整備士の中村弘樹は先輩の小泉賢吾の指示を仰がずに勝手に作業を始めた。出発時間が迫る中、気が気ではない小泉は7分でやれと命令した。

空港カウンターでも騒動が起きていた。1980便のエコノミー席が三席オーバーセールとなっており、吉田美樹は三人の家族連れを優先するためにビジネス席からファースト席に一人、老夫婦をエコノミー席からビジネス席に移動させた。問題は一席残ったビジネス席だったが、美樹はサラリーマン風の男性と交渉して快く聞き入れてもらった。その様子を見たグランドスタッフの木村菜採は後輩の成長を喜んだ。

OCC(オペレーションコントロールセンター)に気象状況を問い合わせ、問題ないことを確認した和博は原田にそのことを報告した。そして四つあるピトー管はヒーターの故障が一つだけであれば修理の持ち越しが可能なのでこのまま出発出来ると自信なさげに言うと、原田はいいだろうと親指を立てた。和博の口からは安堵のため息が漏れた。

屋台的映画館

白昼の無頼漢

  • posted at:2022-10-09
  • written by:砂月(すなつき)
はくちゅうのぶらいかん
ニュー東映(東京撮影所)
配給:ニュー東映
製作年:1961年
公開日:1961年11月1日
監督:深作欣二
企画:大賀義文
脚本:佐治乾
撮影:星島一郎
録音:大谷政信
照明:原田政重
美術:近藤照男
音楽:河辺公一
編集:田中修
助監督:田口勝彦
進行主任:澁谷幹雄
出演:丹波哲郎 中原ひとみ 曽根晴美 久保菜穂子 八代万智子
シネマスコープ カラー 82分

人里離れた屋敷にやってきたのはいずれも脛に疵持つアメリカ人のジョン・ケンディとその妻のアン、そしてラジオ店を営む金山正夫だった。ケンディは浪費家の妻のために部下が持っていた軍隊の鉄砲を日本のヤクザに売り飛ばして免職となり、ほとぼりが冷めたところで再び日本に舞い戻った。金山こと韓国人の洪金成は朝鮮半島の北と南を二股掛けたスパイで革命が起こると日本に逃げ込んだ。そんな彼らを招いたのは宮原という男だった。宮原は情婦の亜紀、弟分の三郎を紹介すると頭の中に描いた計画を披露した。東京にはアメリカ軍の経理を代行するニューヨークシティー銀行があり毎週木曜日に基地まで現金を送り届けている。危険は承知だが人数さえ揃えば50万ドルを強奪することは可能だ。そこに遅れてきた色魔の黒人アメリカ兵トム・トゥエインが加わると、宮原はやるかやらないかの返事は明日の朝聞くと言った。そしてノーなら今夜のうちに出て行ってもいいが、その場合には命の保証はないと釘を刺した。

翌朝、食卓には全員が揃っていた。金山が分け前について口にすると、宮原は俺が発案者だから50万ドルのうちの30万ドルをもらい、残りの20万ドルを6人で分ければいいと言った。一人頭5万ドルになると言うが、それでは計算がおかしいと金山は反発した。すると宮原は笑いながら6人のうち2人は死ぬからちゃんと合うと言った。その後、ルートの下見を行い、現金輸送車が銀行を午前10時に出発することや道路事情などを細かく調べ上げた。輸送車を追う者と二股地点で見張る者の他に襲撃地点で待ち伏せる者を7人で分担する必要があり、そのためにはチームワークが欠かせなかった。だがケンディは白人以外の者たちを毛嫌いし特にトムにはつらく当たった。そのトムはというとアンや亜紀に色目を使っていた。彼のせいでチームが崩壊してしまうと考えた三郎は宮原と相談し特殊バーで働く混血の花子を与えることにした。だがトムは彼女を同胞のように感じ抱こうとしなかった。同じ頃、屋敷に現れたのは基地周辺に根を張るヤクザの芝山だった。彼は舎弟を殺した男を追っていたが、それがトムだとわかり宮原の後をつけてきたのだ。だが札束を見せられても宮原は動じなかった。計画が終了するまでは人手が不足することを避けたかったからだ。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア