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バウンス ko GALS

  • posted at:2023-08-01
  • written by:砂月(すなつき)
ばうんすこぎゃる
「バウンス ko GALS」製作委員会(パナソニックデジタルコンテンツ=テイチク=テレビ東京=ホリプロ=シネマジャパネスク)
配給:クロックワークス メディア・スーツ
製作年:1997年
公開日:1997年10月25日
監督:原田眞人
プロデューサー:鈴木正勝
プロジェクトプランナー:塩屋俊
キャスティングディレクター:小杉征荘
ラインプロデューサー:松岡周作
コープロデューサー:飯泉宏之
脚本:原田眞人
音楽:川崎真弘
撮影監督:阪本善尚
照明:高野和男
録音:中村淳
美術:丸山裕司
音響効果:柴崎憲治
編集:阿部浩英
スクリプター:坂本希代子
ヘアメイク:葉山三紀子
装飾:大庭勇人
スタイリスト:勝俣淳子
スチール:松本信一
ダンスディレクション:EIJI
助監督:竹下真男
製作担当:吉村光男 梨木友徳
制作:ホリプロ
制作協力:塩屋俊アクターズクリニック リクコーポレーション スカイホーク
出演:佐藤仁美 佐藤康恵 岡元夕紀子 村上淳 役所広司
アメリカンビスタ カラー 109分

金曜午後の東京・渋谷、コギャルのマルはアパレルショップで待ち合わせをした男とホテルに向かった。最初から寝るつもりのない彼女はおしゃぶりだけで10万円を吹っ掛けたのだが相手が悪かった。その男はホテトルやデートクラブなどを経営する筋金入りの大島というヤクザで、お前のような奴らがいるから商売あがったりだと言った。その代償として働いてもらうと脅すが、マルは理由を並べて何とか逃れようとした。すると大島はセーター代、ホテル代、レクチャー代を実費で10万円払えば許してやると言った。その結果、金のないマルは身分証と携帯電話を取られて解放された。困った彼女はリーダー的な役割をするジョンコに相談するが、忠告されたことを守らなかったことで説教された。

同じ頃、アメリカ留学を翌日に控える帰国子女のリサは資金を稼ぐためにブルセラショップで制服や使用済みの下着などを売った。収入は思った以上に多かったが、リサは店長のサキに一晩で稼げるだけ稼ぎたいと申し出るとイメージビデオの出演のアルバイトを紹介された。店を出ると奇妙な男から追い掛けられたが、仕方なく話を聞くとどうやら悪い人ではないらしい。その男はサップというあだ名でお金が必要なら俺が面倒を見てやると言う。どうも胡散臭いので仕事があるからと会話を打ち切ろうとするが、裏がありそうで心配だからついて行くと言った。これ以上言い争っても仕方がないのでリサはサップがしたいようにさせることにした。

ジョンコは大島と話をつけるために彼の開店前のバーへ行き、身分証と携帯電話の見返りに自分が10万円分働くと言った。友達の代わりに体を売るのかと大島が尋ねると、ジョンコはパトロンとカラオケに行ったり一緒にご飯を食べて話をすると言った。それを聞いた大島は鼻で笑うが、それが1回の稼ぎだと知り驚いた。ジョンコは常識ある大人が少なくなったことで子供の非常識が通用するようになっただけだと説明し、1万円でのキスは嫌だけど100万円ならいいという子供の発想をまともに受け入れる大人の方がおかしいと言った。それを聞いた大島は妙に納得し、援助交際ではなく今生まれた信頼関係でひと月に1回メシを食おうと約束した。その頃、リサがいる向かいのビルでは騒動が起きていた。

屋台的映画館
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白昼の死角

  • posted at:2023-05-13
  • written by:砂月(すなつき)
はくちゅうのしかく
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年4月7日 併映「激突!格闘技 四角いジャングル」
監督:村川透
製作:角川春樹
企画:角川春樹事務所
プロデューサー:橋本新一
原作:高木彬光
脚本:神波史男
法律監修:鬼頭史郎 近藤良紹
撮影:仙元誠三
照明:山口利雄
録音:林鉱一
サウンドアドバイザー:宮田重利
美術:中村州志
編集:祖田冨美夫
助監督:深町秀熙
音響効果:岩藤竜三
記録:宮本衣子
演技事務:和田徹
装置:清水次郎
装飾:田島俊英
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
宣伝担当:福永邦昭 山本八州男
スチール:遠藤努
現像:東映化学
進行主任:佐藤和之
協力:東映俳優センター
音楽:宇崎竜童
主題歌:「欲望の街」ダウン・タウン・ブギウギバンド
挿入歌:「ワンナイト・ジャム・セッション」ダウン・タウン・ブギウギバンド
出演:夏木勲 島田陽子 丘みつ子 エドワード・J・オルモス 中尾彬
アメリカンビスタ カラー 154分

昭和24年11月24日夜、隅田光一が狂った果てに焼身自殺した。東大法学部の長い歴史の中でも出色といわれた隅田はその合理に徹した鋭敏な頭脳を金儲けの一点に絞り、同級の鶴岡七郎、木島良助、九鬼善司の三人を巻き込んで貸金融業の太陽クラブを設立した。金詰まりの世相に巧みに乗じ瞬くうちに急成長を遂げ銀座に事務所を開くまでになった。そのビジネスモデルとは目を引く広告を打って資金を調達し、それを個人商店や企業などに高利で貸し付けるというものだった。だが約一年後、隅田が闇金融容疑で検挙されたことで信用を失い一気に崩壊の一途を辿った。隅田は自殺という手段によって一切の精算を図ったのだった。

隅田の体を焼き尽くす炎を見た鶴岡は犯罪者として生まれ変わった。彼は隅田がやってきた闇金融ではなくもっと大きなことをやろうと考えた。するとその話を聞いた木島と九鬼も面白がってついてきたのだった。彼らは戦後の混乱期に乗じて金融王となった金森光蔵を毀損手形で強請ろうとするが、その時に太田洋助というヤクザと出会ったことで路線を変更した。昭和25年2月、鶴岡はなけなしの資金をはたいて六甲商事という手形金融業の小さな事務所を開いたが、それはある計画の第一歩だった。今泉昌男という金融ブローカーの紹介で新洋汽船が1億円の融資を求めていることを木島から聞いた鶴岡は四日後の午後に計画を決行することに決めた。彼はまず市之丞という旅役者の座長に演技指導を行い日本造船東京支店長・木下雄次郎に仕立て上げた。その頃、太田は配下とともに社員役のオーディションを行った。四日後、税務署員に扮した九鬼は脱税容疑の捜査と称して常陽精工東京本社を訪れ職員全員を応接室に押し込んだ。その間に手際よく準備を行い、常陽精工は日本造船へと姿を変えた。午後2時20分、木島が新洋汽船の稲垣専務と酒井経理部長を引き連れてやってきた。稲垣が1千万円の約束手形10枚で1億円の融資を申し出ると、ニセ木下は今日が土曜日で銀行が休みなので月曜日に調査を行い問題なければお渡しすると約束した。月曜日、詐欺に遭ったことにショックを受けた稲垣が警察に通報すると、木島と今泉は仲介者として逮捕されたが証拠不十分で釈放された。一方、稲垣の事務所に出向いた鶴岡は、木下という人物から相談があると電話があり帝国ホテルで会ったが、4千万円の担保として提示された約束手形の発行元があなたの会社だったと言った。鶴岡が4千万円で買い戻して欲しいと願い出ると、私の一存では返事が出来ないので社長と相談した上で改めて連絡すると稲垣は苦々しい顔をしながら言った。数日後、浅草に居を構える高島一家の加藤精吉が事務所にやってきて新洋汽船の手形を渡せと言った。委任状がなければ無理だと鶴岡が言うと、加藤は懐から銃を取り出しこれが委任状だと銃口を向けた。

屋台的映画館

反逆のメロディー

  • posted at:2023-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
はんぎゃくのめろでぃー
日活
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年7月22日 併映「あしたのジョー」
監督:澤田幸弘
企画:水の江滝子
脚本:佐治乾 蘇武路夫
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:神保小四郎
美術:千葉和彦
編集:井上治
助監督:伊地智啓
音楽:玉木宏樹
色彩計測:畠中照夫
現像:東洋現像所
製作担当者:長谷川朝次郎
技斗:渡井嘉久雄
出演:原田芳雄 地井武男 藤竜也 梶芽衣子 富士真奈美
シネマスコープ カラー 84分

淡野組組長・淡野大次郎は社会からの批判により解散を決意した。これを機に街を出た元組員の塚田哲は新興都市K市に向かった。その市は元々立花組のシマだったが、今は東京からきた新興やくざの矢東会が幅を利かせていた。哲は偶然知り合ったゲバ作を誘って矢東会が仕切る特殊浴場・鹿島パラダイスをダイナマイトで襲い現金をせしめた。その頃、哲が立花組と拘わりがあるのではないかと考えた矢東会代表の武沢は組に乗り込み、立花組長の妻のお竜に心当たりはないかと尋ねた。残念ながらないわとお竜が白を切ると、武沢は野郎の始末は任せてもらうと言った。関東の矢東会を招き入れたのは立花だった。出所するまでの間、矢東会の力を借りて組を維持するつもりでいたのだが、現状は乗っ取られたも同然だった。揉め事を起こせば相手の思う壺にはまるため、今は波風を立てないようにするのが精一杯だった。立花が帰ってくるまであとひと月の辛抱だとお竜は組員たちの不満を鎮めながら我慢を重ねていた。

大金を手に入れた哲とゲバ作だったが捕まるのは時間の問題だった。ゲバ作がこの街の住民ではないことがわかると哲は今夜中に街を出るべきだと言った。だが哲といれば今後もワクワクするような出来事が起きるのではないかと考えたゲバ作は別れを惜しみバイクでジープを追った。するとその途中で矢東会に捕まりリンチに遭った。ゲバ作を放っておけない哲はアジトに潜り込み武沢の背後にぴったりとくっつくとナイフを突きつけた。お前は何の魂胆があってこの街にきたのかと聞かれた哲は、俺は立花の腹違いの弟だと言った。そして彼が淡野組の元組員だとわかると武沢は急に態度を変えた。何故なら武沢は立花から淡野組には絶対に手を出すなときつく言われていたからだ。立花組は俺が面倒を見るからお前たちはこの街から出て行ってくれと哲が頼むと武沢たちは渋々従うことにした。すると矢東会に散々痛めつけられてきた立花組の青山がドス健を刺殺し、また青山も宮坂の銃弾に倒れた。

ドス健の葬式にバラの花束を持って駆けつけたのは矢東会の星野だった。ところがそこでは立花組と矢東会の合同葬儀を行っており、しかも刑事が同席していたことから星野は情けない奴らだと嘆いて大暴れし逮捕された。そんな矢東会と葬儀を最後に縁を切って正解だったと考えた哲は、弱者救済を掲げて立花組の若衆とともに立ちあがった。

屋台的映画館

パンク侍、斬られて候

  • posted at:2022-12-21
  • written by:砂月(すなつき)
ぱんくざむらいきられてそうろう
東映ビデオ
配給:東映
製作年:2018年
公開日:2018年6月30日
監督:石井岳龍
製作:若泉久央
エグゼクティブプロデューサー:西澤力 笹岡敦
企画:伊藤和宏
プロデュース:伊藤和宏
プロデューサー:湊谷恭史
共同プロデューサー:上田徳浩 鈴木健太郎 古賀俊輔 紀伊宗之 新野安行
原作:町田康
脚本:宮藤官九郎
特撮監督:尾上克郎
美術:林田裕至
撮影:松本ヨシユキ
特殊撮影:鈴木啓造
照明:宮西孝明
録音:古谷正志
セットデザイナー:郡司英雄
特殊美術デザイン:佐久嶋依里
装飾:須坂文昭 郷原慶太
小道具:松永一太
キャラクターデザイン: 澤田石和寛
衣裳デザイン: 澤田石和寛
衣裳:横山智和
床山:荒井孝治
結髪:丹羽峯子
メイク:船引美智子
ヘア:TAKUYA BABA
ヘアメイクアドバイザー:JIMI FUJIU
アクションコーディネーター:諸鍜治裕太
助監督:茂木克仁
制作担当:森田勝政
スクリプター:田口良子
編集:武田峻彦
キャスティングディレクター:杉野剛
俳優担当:奥田由美
ラインプロデューサー:斎藤大輔
プロダクションマネージャー:佐藤正晃
テクニカルプロデューサー:大屋哲男
VFXプロデューサー :道木伸隆
DIプロデューサー:齋藤精二
カラーグレーダー:齋藤精二
VFXスーパーバイザー: 森田淳也
音楽:森俊之
主題歌:「Anarchy in the U.K.」Sex Pistols
エンディングテーマ:「夜のスピード」感覚ピエロ
企画制作:dTV
制作プロダクション:THEFOOL
制作著作:エイベックス通信放送
出演:綾野剛 北川景子 東出昌大 染谷将太 村上淳
アメリカンビスタ カラー 131分

時は江戸時代、北にある黒和藩に一人の流れ者がやってきた。街道を進む男が峠の茶屋を通り過ぎると盲目の娘を連れた巡礼の老人が近づいてきた。すると男は刀を抜くが早いか一瞬で斬り捨てたのだった。その浪人の名は掛十之進と言った。茶屋で一服していた黒和藩藩士長岡主馬は突然のことに驚き何故斬ったのかと問うと、十之進はこの者たちがいずれこの土地に恐るべき災いをもたらすため事前に斬ったのだと答えた。近頃流行病のように急速に蔓延している新興宗教の腹ふり党は隣の牛逐藩を壊滅状態に追い込んだ。老人は牛逐藩からの流れ者であり、黒和藩の民も邪教に既に蝕まれていた。黒和藩もいずれ滅亡だろうと言い残し十之進は去ろうとしたが、それは脅迫だと言って主馬は刀を抜いたが超人的剣客の十之進に軽くあしらわれた。そして残って欲しければ仕官させろと言われた主馬は慌てて城に戻った。十之進は初めから主馬を騙すつもりで巡礼の老人を斬ったのだ。腹ふり党を根絶する方法なんてある訳ねえだろうがよと独り言ちながら老人の死体を蹴飛ばすとその体にあるはずの腹ふり党信者の刺青がなかった。焦った彼はその横で泣き続ける娘の処分に困るが、結局斬れずに立ち去った。

主馬から十之進の話を聞いた筆頭家老の内藤帯刀は、腹ふり党の件を利用して次席家老大浦主膳を追い落とすことが出来るのではないかと考えた。帯刀と主膳は幼い頃から犬猿の仲。その上司である藩主黒和直仁は全く融通の利かない堅物であり直情径行であるが故に藩の政は混乱を極め、藩内は内藤派と大浦派に分かれていた。十之進の魂胆を見抜いていた帯刀は彼を利用しようと考え城の本丸大広間で行われる会議に同席させた。そして腹ふり党対策要員として十之進を起用し今すぐ策を講じることを殿に進言すると当然の如く主膳は反対した。その後、腹ふり党によって藩内に混乱が生じれば主膳の責任問題となり大浦派は一掃される、という筋書きだった。一方、大広間で恥をかかされ怒りが収まらない主膳は、用人の幕暮孫兵衛を通じて十之進に刺客を送った。十之進は真鍋五千郎と斬り合うが、その途中で二人が超人的剣客養成所「そこの穴」で剣や武術を超えた修羅の技を学んだ竹馬の友だったことがことがわかり意気投合した。五千郎は自分が主膳に雇われたことを十之進に話し、報酬を孫兵衛に返した。二人の会話を聞いてどうでも良くなった孫兵衛の密告により主膳は屁高村のさるまわ奉行に左遷された。それから数日後、帯刀のもとに牛逐藩に派遣していた江下レの魂次という密偵から中間報告が届いたが、そこには腹ふり党がとっくの昔に滅び牛逐藩は至って平和だと書いてあった。嘘がばれれば帯刀は失脚し十之進も処刑されることは確実だった。そこで帯刀は腹ふり党をでっち上げることに決めた。

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春子超常現象研究所

  • posted at:2022-10-28
  • written by:砂月(すなつき)
はるこちょうじょうげんしょうけんきゅうじょ
「春子超常現象研究所」製作委員会
配給:S・D・P
製作年:2015年
公開日:2015年12月5日
監督:竹葉リサ
エグゼクティブプロデューサー:外山康弘
クリエイティブプロデューサー:蔭山周
プロデューサー:小野恵賜 竹葉リサ
共同プロデューサー:西村喜廣 合アレン
脚本:竹葉リサ
撮影:Shu G.百瀬
照明:太田博
録音:百々保之 高島良太
衣裳監督:Mikio Sakabe
衣裳:戸村優香
美術監督:片桐真理子
ヘアメイク:元木美紗
特殊造形:北落香奈子
マジックエフェクト:テツヲ
アクション監督:田渕景也
助監督:成田将
脚本協力:金子二郎
音楽:藤永憲太郎
主題歌:「Day and Night」Andersons
編集:西村喜廣
制作:有馬圏 Scott Nankivel
出演:中村蒼 野崎萌香 青木さやか ブラザートム  黒木正浩
アメリカンビスタ カラー 73分

超常現象に憧れ追い求めていた大月春子は、書道部の先生をしていた父親のエコひいきのせいで孤立した高校生活を送り家族のことが嫌いになった。それから10年後、フリーターとなって独り暮らしをしていた彼女はテレビに悪態をつく毎日を送っていた。その悪態が1万回を迎えたときテレビの電源が切れた。驚いた春子は何勝手に切れてんだよとブツクサ言いながらテレビを叩くが、「切れたんじゃねえよ、ブチ切れてんだよ」と何処からか男の声が聞こえた。その声の主はテレビだった。閃光とともに現れた人の姿をしたテレビは春子を指差し「お前の独り言は聞き飽きたわ」と怒鳴った。目の前で起きた超常現象に心ときめいた彼女は早速パソコンで検索するが、過去にテレビ頭の男が現れたという事例は見つからなかった。これがオリジナル超常現象だと確信した春子は待ちに待った幸運が訪れたのだと喜んだ。もうこれ以上悪態をつかれるのは御免だとテレビは出て行くが、入れ替わりにやってきたのはMNKの集金人だった。テレビが出て行ったためうちには関係ないと断ろうとしたのだが、集金人とバッタリ会ったテレビがこの部屋に住んでいると言ったため支払わなければならなくなった。春子は仕方なく「超常現象研究所」という宛名で領収書を切ってもらうことにした。

幼稚園の時に勉強をさせられ過ぎて一時的に目が見えなくなった春子だったが、回復すると今度は余計なものまで見えるようになった。テレビとの出会いは今まで体験した超常現象の中でも最高傑作だった。成り行きで奇妙な同棲生活が始まると春子は不思議な魅力を持つテレビの虜になった。公園でブラブラしていると子供たちから石を投げられヒモと呼ばれたことから、テレビは就職活動をすることにした。ラブホテルの受付の面接に行ってみたが断られ、その代わりに臓器の運び屋の仕事を紹介された。気が進まず公園のトイレで用を足しているとアラブ人から声を掛けられた。二人が会話しているのを隣で見ていたMNK番組プロデューサーの鈴木は彼をスカウトした。テレビがアシスタントを担当することになったのは教育テレビの「やさしいアラビア語教室」だった。収録の出来栄えに満足し気を良くした鈴木は、ラジオのフランス語講座も任せることにした。何せテレビは12か国語を操れるのだ。彼の人気は瞬く間に上昇し一躍時の人となった。そんなテレビを春子は陰から寂しげな目で見つめた。

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