忍者ブログ

日本女侠伝 血斗乱れ花

  • posted at:2023-10-04
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんけっとうみだればな
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1971年
公開日:1971年4月3日 併映「現代やくざ 盃返します」
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:野上龍雄
撮影:山岸長樹
照明:和多田弘
録音:溝口正義
美術:石原昭
音楽:渡辺岳夫
編集:宮本信太郎
助監督:俵坂昭康
記録:牧野淑子
装置:吉岡茂一
装飾:松原邦四郎
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:松田孝
擬斗:上野隆三
舞踊振付:藤間勘五郎
出演:藤純子 高倉健 津川雅彦 山本麟一 大木実
アメリカンビスタ カラー 107分

明治中頃の大阪船場。呉服反物商平野屋の一人娘平野ていは婿養子の藤吉に手を焼いていた。友人の貝山平吉にそそのかされ石炭で一山当てる夢を見るようになった彼は店の金を持ち出しては湯水のように使った。大晦日になり平野屋の行く末を心配した堂島の庄兵ヱがやってきて二百円を置いて行ったが、ていは裏からこっそりと帰ってきた藤吉が部屋にいることがわかると本当に店を続けて行く気があるのかと問うた。ないと言ったらどうするかと藤吉が逆に問うと、ていは平野屋のために貸してくれた金だから返すのが当然だと答えた。彼女の説得に藤吉は悪かったと頭を下げるが、夜になると金を持って姿を消した。

年が明けた翌日、ていは炭鉱のある北九州へ向かった。作業をしていた藤吉は彼女の姿を見て驚いたが、自分が商いに向いていないことや自らの腕で石炭を掘り出すのを男の仕事として誇りに思っていることを正直に話した。石炭もお前も自分の命だからどちらも手放す気はないと藤吉が真っ直ぐな目で言うと、ていは心の中で決めていた返事を口に出そうとした。だが平吉が炭坑の入口で何か大きな声でわめきそれに気づいた藤吉が慌てて飛んで行ったため伝えられなかった。しばらくして平吉がていを呼ぶ声が聞え胸騒ぎを感じて入口へ急ぐと、藤吉は落盤事故で息絶えていた。夫の死をきっかけを機にていは山を引き継ぐことに決め大阪の店を畳むことにした。

藤吉が命を懸けて掴もうとした物を自分も掴んでみたいと考えたていは、大阪へ帰って一切を始末してから再び北九州の地を踏んだ。管理は全て平吉に任せていたが、彼をしても新しい山と毛嫌いされて工夫が集まらなかった。そこでていは工夫を回してもらうために大島鉱業事務所の笹倉炭鉱を訪ねるが、過酷な労働に耐え兼ねて脱走した工夫に仕置きをする現場を見てしまい申し出を取り下げることにしたが、それが笹倉勘造の逆鱗に触れた。怒りが収まらない笹倉はていを手籠めにしようとしたが、通り掛かった川船頭の吉岡幸次によって助けられた。

屋台的映画館
PR

日本女侠伝 鉄火芸者

  • posted at:2023-08-13
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんてっかげいしゃ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年8月1日 併映「不良番長 出たとこ勝負」
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:古谷伸
照明:和多田弘
録音:中山茂二
美術:富田治郎
音楽:木下忠司
編集:宮本信太郎
助監督:俵坂昭康
記録:矢部はつ子
装置:米沢勝
装飾:柴田澄臣
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:上野隆三
振付:藤間勘五郎
進行主任:福井良春
出演:藤純子 菅原文太 佐々木愛 正司照江 山本麟一
アメリカンビスタ カラー 100分

大正中頃の深川。置屋の女将に呼び出された辰巳芸者の小しずは、組合の幹事連中と内々に話し合い今度の羽織会の留めで保名を踊って欲しいと言われた。毎年の留めは仇吉に決まっていると小しずは断るが、女将は彼女がもう年だし贔屓にしている米問屋安川商会社長の安川重平が米の買い占めで人気を無くしているため、看板を塗り替えるためにも男嫌いで芸一筋のあんたに一花咲いてもらいたいというのが大方の意見だったと伝えた。小しずはそれを聞いてうれしかったが、仇吉のことを考えると素直に喜べなかった。その夜、安川が客として来ているお座敷で若い芸者が泣かされていると聞いた小しずは、酔ったふりをして乗り込むと持ち前の鉄火肌で啖呵を切った。彼女が父親のように慕う米問屋浅井商店の浅井喜一郎とは早めに縁を切った方が利口かも知れないぞとそそのかされるが、その浅井がやってきて話はそこで終わった。自分のお座敷が台無しにされたことが気に食わない仇吉は裏で何処で聞いたか知らない留めの話を持ち出し、どんな保名を踊るのか楽しみだと小しずに嫌味を言った。

浅井と差し向かいで飲むことになった安川は、嵯峨町の問屋筋で米の安売りをしているのはあんたの所だけだから相場を安定させるためにも売り控えをして欲しいと言った。そのせいで買い占めた米の値が上がらないのかと痛い所を突かれた安川は、今年の生米の作柄は不良の見込みだし寝かせて置けば値が上がるのは確実だからお互いに儲かっていいじゃないかと言った。協力してもらえれば昵懇の間柄である寺西総理に頼んで便宜を図って差し上げると提案したが、浅井はそういうご助力は結構ですときっぱりと言った。それじゃあ仲立ちした顔が立たないじゃないか安川は怒り出すが、浅井はあんたも侠客なら少しは貧乏人の心をわかってやったらどうですかと静かに言った。気骨は立派だがほどほどにしないと暖簾が傾くことになりかねないぞと安川が脅すと、浅井はお互い商人なんだから好きなようにやろうじゃないかと言って席を立った。安川には警察も怖がって手を出せない関東義心会の後ろ盾があったが、浅井は浪速商人のど根性を見せてやろうと考えていた。

屋台的映画館

忍者秘帖 梟の城

  • posted at:2023-06-01
  • written by:砂月(すなつき)
にんじゃひちょうふくろうのしろ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1963年
公開日:1963年3月24日 併映「伝七捕物帖 女狐小判」
監督:工藤栄一
企画:橋本慶一 三村敬三
原作:司馬遼太郎
脚本:池田一朗
撮影:わし尾元也
照明:前田光秋
録音:野津裕男
美術:富田治郎
音楽:鈴木静一
法竹吹定:海童道宗祖
編集:河合勝己
助監督:山内鉄也
記録:河島利江
装置:米沢勝
装飾:川本宗春
美粧:林政信
結髪:桜井文子
衣裳:小林勝
擬斗:足立伶二郎
武芸指導:中島正義
進行主任:田村裕夫
出演:大友柳太朗 大木実 高千穂ひづる 本間千代子 立川さゆり
シネマスコープ カラー 91分

天正九年、織田信長が伊賀を攻略した。羽柴秀吉率いる大軍の前に伊賀忍者は全滅の危機に瀕したが、なおも執拗な抵抗を繰り返していた。秀吉の手の者に父と母が鱠のように斬られるのをただ見ているしかなかったあゆらは悔いて自害した。そんな妹や両親の仇を討つために葛籠重蔵は秀吉への復讐を誓った。師匠の下柘植次郎左衛門からは構えて人並の心を持つなと教えられていたが、今はそれを否定することを恥と思っていなかった。生きた人間が死んだ者たちへしてやれることはただ仕返しあるのみと考えたのだった。

十年の歳月が流れ、明智光秀の乱により信長の天下は崩落し、新たに豊臣秀吉が我が世の春を謳歌するに至った。重蔵は下忍の黒阿弥とともに人里離れた家で暮らしていたが、ある日次郎左衛門が娘の木さるを連れて訪ねてきた。秀吉への復讐の火が消えていないことを知った次郎左衛門は重蔵にそれを仕事にしてみないかと言った。その依頼人は堺の今井宗久という商人で、二日後の丑の刻に東福寺山門で落ち合うことになっていると伝えた。

雨が降る二日後の丑の刻、小萩という女が迎えにきたが宗久との関係を明かさないため後ろから斬り掛かってみた。すると彼女はいとも簡単に見切って傘の柄で刀を受け止めたのだった。小萩は愛染堂まで案内すると帰って行ったが、そこにいたのは宗久ではなく島津家の松浦蔵人と漁師上がりの雲太郎だった。だが役人の囲まれ罠にはめられたことに気づいた重蔵は蔵人を小柄で一突きすると建物を抜け出し堺へ向かった。屋敷に忍び込むと宗久は重蔵がくるのを待っていた。小萩は宗久の養女であり小松谷に住んでいることから連絡役を任せていたのだ。茶人でもある宗久は重蔵を茶室に招くと仕事依頼の理由を説明した。秀吉は立ち上げた遠征軍を朝鮮へ差し向けようとしたが、そのおかげで朝鮮と明国との商いの道が絶えてしまった。このままでは自滅あるのみ。そこで宗久は朝鮮に攻め込む前に秀吉を亡き者にしようと考えたのだ。秀吉が死ねば権力の帰趨が始まり戦となる。そうなれば商いがうまく行き、中には一緒に手を組んで天下を目指そうとする者が出てくることは間違いなかった。重蔵がそれは三河の徳川家康ではないかと尋ねると宗久は口をつぐんだ。

屋台的映画館

肉体の門(1988年)

  • posted at:2023-02-20
  • written by:砂月(すなつき)
にくたいのもん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1988年
公開日:1988年4月9日
監督:五社英雄
企画:日下部五朗 佐藤雅夫
プロデューサー:厨子稔雄 天野和人
原作:田村泰次郎
脚本:笠原和夫
撮影:森田富士郎
美術:西岡善信
照明:増田悦章
録音:堀池美夫
整音:荒川輝彦
編集:市田勇
記録:田中美佐江
監督補佐:鈴木秀雄
装置:稲田源兵衛
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
衣裳:宮川信男
美粧:長友初生
結髪:山田真佐子
ヘアメイク:河野明子
衣裳コーディネーター:森護
衣裳協力:カティアール
キャスティング:葛原隆康
手話指導:明石励造
振付:謝珠栄 相良まみ」
題字:堀三千三
通訳:岡田厚詩
擬斗:土井淳之祐
演技事務:寺内文夫
進行:尾崎隆夫
スチール:中山健司
音楽:泉盛望文
挿入歌:「星の流れに」八代亜紀
・・・:「帰り船」田端義夫
進行主任:長岡功
出演:かたせ梨乃 名取裕子 加納みゆき 西川峰子 山咲千里
アメリカンビスタ カラー 119分

アメリカ軍の占領下にある終戦後の東京。有楽町の廃墟ビルに住む浅田せんは街娼グループを率いているが、ある夜進駐軍による取り締まりから仲間と逃げる際に菊間町子を巻き込んでしまった。翌日、せんは彼女に食事代と電車賃を渡して帰らせようとしたが、町子はこのまま一緒にいさせて欲しいと願い出た。彼女の夫は陸軍中尉で硫黄島で玉砕し、住む場所も失ったことでどうやって暮らして行くか悩んでいたところだったのだ。せんはダメだと断ったが、それでもしつこく頭を下げるため、仲間たちの同意を得た上で厳しい決まりを守ることが出来るのならば入れてやると言った。その決まりとは、稼ぎは平等に分けること、稼ぎの一割はパラダイスの資金にキープすること、そして稼ぎにならない色恋をしてはならないことの三つだった。この掟を破った者は皆でヤキを入れて叩き出すがそれでもいいかとせんが問うと、町子はパラダイスって何ですかと質問した。パラダイスとはせんたちが計画しているダンスホールであり、今いる廃墟ビルを化粧直しして開業することが目標だった。事業が軌道に乗ればもう体を売る必要はなくなるのだ。資金のキープは既に一斗缶にして三缶分に達しており、あと三年もすれば実現しそうだという。それを聞いて安心した町子はせんと血の契りを結んだ。

街娼グループにはせん(関東小政)の他に菅マヤ(ボルネオマヤ)、本庄光代(きすぐれのミッチ)、安井花江(フーテンのろく)、乾美乃(ジープのみの)、柴田幸子(ベイビー)がいた。せんたちは廃墟ビルの中に一トン神社という奇妙な神社を作っていたが、御本尊として祀られていたのはB-29爆撃機が落として行った一トン爆弾だった。それは二年前に落とされたにも拘らず爆発しなかった不発弾で、いつも商売の前に必ず拝んでから出掛けていた。彼女らのライバルは有楽町を縄張りとする北川澄子(ラクチョウのお澄)がリーダーのラクチョウ一家だった。ある夜、澄子の妹分である大森銀子(血桜お銀)がマヤを訪ねてやってきた。仲間のテリーを可愛がったお礼をしたいというのだ。するとそこにやってきたせんが、文句があるならこっちに言いなと言った。銀子は二人を廃車バスのアジトへ連れ帰り澄子と対面させた。

屋台的映画館

日本女侠伝 真赤な度胸花

  • posted at:2023-02-04
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんまっかなどきょうばな
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年1月9日 併映「不良番長 王手飛車」
監督:降旗康男
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:古谷伸
照明:和多田弘
録音:渡部芳丈
美術:井川徳道
音楽:八木正生
編集:宮本信太郎
助監督:篠塚正秀
記録:梅津泰子
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
進行主任:福井良春
協力:十勝農業組合連合会 釧路市 吉永長吉郎
出演:藤純子 高倉健 山城新伍 山本麟一 小松方正
アメリカンビスタ カラー 94分

明治末期の北海道釧路。博労総代の松尾兼之助はともに苦労をして育てた十頭の馬を木島が借金の形にしたと聞き博徒大野金次郎の賭場へやってきた。馬を博労の鑑札なしで売買することは法律で禁止されているため、兼之助は証文を然るべきところへ出せば貴様を監獄へぶち込むことが出来ると脅した。それが嫌なら町から出て行けと言い放つが、大野の子分によって暗殺された。兼之助の死によって博労の鑑札が宙に浮いたままになっており、久寿里町の向井三蔵助役が道庁に問い合わせたところ組合側で後継者を決めるように言われた。番頭の陣之内七兵衛は兼之助の一人娘の雪を後継者に推薦するが、向井は道庁が直接認可して春秋二回開催される馬市の運営一切を任される重要な博労総代の鑑札を九州から北海道へ初めてくるような小娘に務まるはずがないと言った。七兵衛は我々がついているから大丈夫だと胸を張るが、向井はその申請にある筋から異議が出ていると言った。そこに松尾の下で働いていた益川源次が現れ、傍にいた大野の部下は飼子頭だった彼が適任だと言った。

騒動を起こして留置場に入れられた七兵衛との面会を申し出たのは長旅で北海道にやってきた雪だった。雪は警察に対し松尾側の飼子だけ逮捕されたのは一方的で不当であり、釈放しなければ新聞社に訴えると申し出たのだ。事を荒立てたくない署長と向井の判断により七兵衛は釈放された。雪が北海道にきたのは博労総代になるためではなかった。八年前に母親が亡くなってから彼女は支那大陸に渡ることを夢見ておりそれがようやく実現することになった。満州のある日本人小学校に奉職することが決まり翌月の末に日本を離れることになっていた。北海道にきたのは兼之助の分骨を貰うことでありそれを佐賀で眠る母親の傍に埋めてあげようと思ったからだ。ところが突然警察から飼子たちの町外への強制退去を命じられたことから、理不尽さを肌で感じた雪は兼之助の後を継ぐことに決めた。組合の理事会が開かれ表決が行われた結果、五対五で真っ二つに割れた。勝敗の鍵を握るのは兼之助が推奨し株を譲渡したもう一人の理事の風見五郎だったが、今は行方不明になっていた。組合長は票が割れた以上、網走方面にいるというその人物を捜し出して白黒をつける以外に方法はないと言った。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア