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復讐の歌が聞える

  • posted at:2024-03-19
  • written by:砂月(すなつき)
ふくしゅうのうたがきこえる
松竹=俳優座
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年9月27日
監督:貞永方久 山根成之
製作:岸本吟一 佐藤正之
原作:石原慎太郎
脚本:石原慎太郎
撮影:酒井忠 金宇満司
美術:小島初雄 野呂真一
音楽:真鍋理一郎
録音:中戸田次男
照明:久保田照和 萩原寿保
編集:福井貞男
助監督:吉沢修巳 朝間義隆 斉藤貞郎
製作主任:加藤正夫
製作補:松永英
現像:東洋現像所
録音:東京スタジオセンター
協力:那須ビューホテル 岩井診療所(霞が関ビル)
出演:原田芳雄 内田良平 岩本多代 東野英治郎 松本克平
アメリカンビスタ モノクロ 90分

降りしきる雨の中、一人の男が看守に見送られながら出所した。看守は小さくなっていく背中を見ながら「可哀想に。ついてない男だ」とつぶやいた。7年ぶりに娑婆へ出た竹中克巳は雨に濡れながら最寄りの駅まで歩いていたが、その後ろには尾行する一台の車があった。運転手の相川は窓口の駅員に友人だと嘘をついて行き先を聞き出すと日光まで追跡することにしたのだが、その途中で見失った。翌日の朝刊には出所直後の男が滝壷に飛び込んで死んだという記事が載り、それを見てほくそ笑んだ協立産業の城所譲二社長は緊急会議を開いて全ての関係者を集めた。そして竹中が投身自殺したことを報告すると皆複雑な表情を浮かべた。城所や役員たちにとって7年前の事件は忘れられない出来事であり、竹中の死でようやくそれも終わりを告げたのだ。

1年後、協立産業の関連である化粧品会社で不測の事態が起きた。その会社では本業を隠れ蓑にして麻薬の精製を行っていたが、横流しが発覚したことで穴の開いた分を取り引きが行われる横浜へ社長の徳田が直接持って行くことになった。だが彼は運転手に変装した謎の男によって殺された。これをきっかけに関係者が次々と変死を遂げたが、その傍には決まってスペードのトランプカードが落ちていた。殺されたのは麻薬に絡んだ人物だと考えられたが、予想外だったのは会社を辞めてキャバレーで占い師をしていた高木までが殺されたことだった。周囲に敵は多いが、可能性があるのは相川だと城所は考えた。彼の居場所を知る城所は二人の部下に動向を探るよう命じた。するとついに相川が最初の被害者の証であるスペードのエースということがわかったのだ。ところがその部下たちも死体となって発見され、その傍にはジャックとクイーンが落ちていた。これ以上犠牲者を増やしたくない城所は唯一思い当たる人物の名を挙げた。それは竹中だった。彼の死が新聞に載った後、城所は詳細を知るために警察へ出向き証拠を調べた。すると遺品はあったが死体は見つかっていなかったのだ。城所はもしものことを考えて襲撃に備えることにした。

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ブルーアワーにぶっ飛ばす

  • posted at:2023-05-09
  • written by:砂月(すなつき)
ぶるーあわーにぶっとばす
「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会(カルチュア・エンタテインメント=ビターズ・エンド=TSUTAYA Digital Entertainment=ツインズジャパン=フジパシフィックミュージック=TCエンタテインメント)
配給:ビターズ・エンド
製作年:2019年
公開日:2019年10月11日
監督:箱田優子
製作:中西一雄
共同製作:定井勇二 根本浩史 下田淳行 朝妻一郎 吉田尚子
企画・プロデュース:遠山大輔
プロデューサー:星野秀樹
アソシエイトプロデューサー:小池勇規
協力プロデューサー:吉岡宏城
キャスティングディレクター:元川益暢
ラインプロデューサー:馬渕敦史
音楽:松崎ナオ
音楽監修:池永正二
音楽プロデューサー:篠崎恵子(BASiLiCA)
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:小川武
美術:井上心平
編集:今井大介
装飾:遠藤善人
衣裳:立花文乃
ヘアメイク:望月志穂美
VFXプロデューサー:貞原龍文
アシスタントプロデューサー:原田浩行
助監督:山本亮
制作担当:興津香織
エンディングテーマ:「清く、ただしく」鹿の一族
制作プロダクション:ツインズジャパン
出演:夏帆 シム・ウンギョン 渡辺大知 ユースケ・サンタマリア 黒田大輔
アメリカンビスタ カラー 92分

30歳のCMディレクター・砂田夕佳は今日も忙しい日々を送っている。40代で第一線で活躍している女性は見当たらないし、家庭を持てば直にフェードアウトして行くか飽きられる。結婚している彼女はこの業界で働けるのもあと少しだと考えそれまで全力疾走するつもりだ。夕佳には理解ある優しい夫の玉田篤がいる。だが疲れのせいで口を開けば悪態をつく程心が荒み、ストレスの捌け口として既婚のカメラマンの冨樫晃と一夜をともにした。

ある日、雑誌のイラストを描くアルバイトをしている親友の清浦あさ美が映画を撮りたいと言い出したため、夕佳はビデオカメラを渡そうと喫茶店で待ち合わせをした。特に予定のない彼女はあさ美が手に入れたばかりの青い左ハンドルの中古車でドライブに出掛けようと乗り込むがその行き先すら決めていなかった。そんな矢先、夕佳の母・俊子から電話が掛かり、あさ美は彼女が田舎へ帰るのをためらっていることを知った。施設で過ごす祖母を見舞いたいとは思うが気が進まない。そんな夕佳を隣で見ていたあさ美は、嫌がる彼女を無視して茨城へ向かうことに決めた。ヨタヨタと進む初心者マークをつけたフィアット・パンダ。途中で寄った小美玉市のドライブインであさ美が突然せっかくだから観光をしたいと言い出したが、行っても淋しい気分になるからと夕佳はやめるように説得した。一度言い出したら聞かないあさ美は牛久沼かっぱの小径や日本一の獅子頭へ行くことに決めたが、そこにあったのは特に代わり映えのしないオブジェばかりだった。だがあさ美はそれをビデオカメラで撮り続けた。

夕佳の実家が近づくにつれ景色は緑色濃い山や畑ばかりになって行った。そして到着したときには天気が急変し大雨に見舞われた。ドアには鍵が掛かっており軒先で雨宿りをしながら電話を掛けていると俊子は大急ぎで戻ってきた。砂田家には愚痴っぽい俊子の他に骨董品集めに夢中な父・浩一、引きこもり気味の兄・澄夫とあさ美に会わせたくない人物が揃っていた。夕佳は頃合いを見て東京へ戻ろうとするが、あさ美はそんな家族に興味を抱いた。そしてそれ以上に気になったのがこの家で育った夕佳の過去だった。

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不良少女 野良猫の性春

  • posted at:2021-06-22
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうしょうじょのらねこのせいしゅん
日活
配給:日活
製作年:1973年
公開日:1973年5月31日
監督:神代辰巳
企画:福田慶治
脚本:宮下教雄
撮影:前田米造
美術:川原資三
録音:福島信雅
照明:川島晴雄
編集:辻井正則
音楽:杉田一夫
助監督:高橋芳郎
色彩計測:関寿之
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
出演:片桐夕子 江角英明 大山節子 三都徹 高橋明
シネマスコープ カラー 70分

田園風景広がる赤坂村で暮らす会社員の丸山鳩子は、新しい男を作っては家に連れ込む母親との生活に嫌気が差し大学生の恋人・正夫と駆け落ちすることに決めた。書き置きを残して家を出たまでは良かったが、いつまで経っても待ち合わせ場所の河内汐の宮駅に正夫は現れなかった。心配になって電話をするが出る気配はなし。すっぽかされたことがわかった鳩子は一人で上京することに決めた。

田舎で育った鳩子にとって東京の街は刺激的だった。見る物、聞く物、全てが珍しく、辺りを見回しながら歩いていると胡散臭い男が話し掛けてきた。その様子を遠くから見ていたゴマメは、回転寿司店から出てきた彼女の手を引いてその場から離れさせた。そして甘い言葉を掛けてくる男には気をつけなさいと注意すると、俺が今日から保護者になってやると言った。その大人然とした態度と関西訛りの口調に心細い鳩子は全幅の信頼を寄せた。ゴマメは古びた自分のアパートに彼女を連れて行くと、逸る気持ちを抑えられずに押し倒した。ところが鳩子はのんびりした調子でちょっと待ってと言い、そんなことだと思ったと支度を始めた。そしてあっさりと受け入れたのだった。部屋にはゴマメの他にベッドとプロが住んでいた。ゴマメは大阪で有名な佃煮屋の養子だったが女好きが祟って勘当された。ベッドは元イタリアベッドのセールスマンで、プロは2軍暮らしの元プロ野球選手だった。翌日、ゴマメは鳩子を連れて買い物に出掛けたが、ハンドバッグの中に入れていた財布がないと彼女が慌て出した。それもそのはず、寝ている間にゴマメが抜き取っていたのだ。俺が靴を買ってあげるから諦めなさいと言うと、自分の金とは知らない鳩子はとても喜んだのだった。ゴマメは残った金で皐月賞の馬券を買った。大穴が当たれば借金を返してヤクザとの関係も清算出来るはずだったが、結果を見る前に巻き上げられてしまった。落胆するゴマメは鳩子を部屋に返すと自分は3日の間姿を消した。

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福福荘の福ちゃん

  • posted at:2021-03-12
  • written by:砂月(すなつき)
ふくふくそうのふくちゃん
「福福荘の福ちゃん」製作委員会(ファントム・フィルム=クロックワークス=Third Windows Films=naniiro=ライトハウス・エンターテイメント=テレビマンユニオン=デジタルワン=インクウェル)
配給:ファントム・フィルム
製作年:2014年
公開日:2014年11月8日
監督:藤田容介
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介 藤本款 皆川一 杉田浩光 中谷泰志 許潤行
プロデューサー:新井直子 藤村恵子 Adam Torel
ラインプロデューサー:金森保
コ・プロデューサー:James Liu Sabrina Baracetti & Thomas Bertacche Stephan Holl
脚本:藤田容介
撮影:池内義浩
照明:斉藤徹
録音:深田晃
美術:安宅紀史
装飾:吉野昌秀
助監督:海野敦
制作担当:刈谷真
衣裳:小里幸子
ヘアメイク:百瀬広美
編集:堀善介
音楽:エコモマイ
劇中曲:「星屑の町」徳永ゆうき
・・・:「骨まで愛して」徳永ゆうき
・・・:「出発の歌」上條恒彦と六文銭
製作プロダクション:テレビマンユニオン
制作協力:キリシマ1945
出演:大島美幸 水川あさみ 芹澤興人 飯田あさと 平岩紙
アメリカンビスタ カラー 111分

福ちゃんこと福田辰夫は32歳の独身男。上京してから数十年、塗装職人の彼は福福荘に住み続けている。昼間は仕事で汗を流し、夜は趣味の凧を作っている。時折アパートの住人が訪ねてくるが、彼らの用件は大抵相談事だ。それも福ちゃんの人柄あってのことだった。例えば206号室の野々下彰は、隣の部屋の馬淵典彦がペットとして飼っている蛇がいつ襲ってくるかわからないので怯えているのだという。一方、馬淵にそのことを尋ねてみると、蛇を飼う前から夜中に野々下の叫び声が度々聞こえてくると言った。馬淵の余計なひと言でブチ切れた野々下がアパートを飛び出したことで二人は街中の思い当たる場所を捜したが見つからなかった。だが諦めて帰ろうとしたその時、公園で馬鹿デカい肉まんを頬張っている野々下の姿を見つけた。馬淵はすまなかったと謝るが、野々下はプイと何処かへ行った。馬淵は後を追おうとしたが、今から死のうという人間があんな肉まんを食べるわけがないと引き留めた。夜遅く野々下が帰ってくると馬淵は改めて謝り、仲介に入った福ちゃんが手製のたこ焼きを振る舞った。

ある日、福ちゃんの部屋に仕事仲間の島木拓郎とその妻の良美が手作りの豪華な料理を持って訪ねてきた。福ちゃんはただの食事会だと思っていたが、もう一人くると聞いて不安になった。そのもう一人というのは良美が働くベーグル屋の同僚で、彼の写真を見せて一目惚れしたという笠原克子だった。島木はサプライズなお見合いを計画したのだが、女性が苦手な福ちゃんにとってそれは迷惑以外の何物でもなかった。後日、島木夫妻はピクニックをセッティングしたが、待ち合わせ場所に現れた福ちゃんは野々下と馬淵を連れてきた。成り行きでピクニックは行われ克子の福ちゃんへの興味は薄れたが、逆に三人組の結束は強まって行った。

外資系ファンドマネジメントの会社に勤める杉浦千穂は奇才の写真家・沼倉ヒサシの作品に心を奪われ、それ以来神と崇めるようになった。写真を趣味とした彼女はその5年後に沼倉賞に応募し、ついに念願の大賞を受賞したのだった。会社を辞め沼倉の下で修業することに決めた千穂だったが、彼がただのエロ爺だったことに幻滅し目標を失って廃人のような生活を送るようになった。ある日、近所の喫茶店に出掛けた千穂は、そこの女店主から過去に一生掛かっても癒すことが出来ない程の深い傷を心に負わせた人がいるはずだと言われた。女店主には不思議な力があり、その人の過去が手に取るようにわかるのだ。それから数日後、苦い出来事を思い出した千穂は謝罪するために福福荘を訪れた。福ちゃんが女性嫌いになった原因は彼女にあったのだ。

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復讐するは我にあり

  • posted at:2021-02-20
  • written by:砂月(すなつき)
ふくしゅうするはわれにあり
松竹=今村プロ
配給:松竹
製作年:1979年
公開日:1979年4月21日
監督:今村昌平
製作:井上和男
原作:佐木隆三
脚本:馬場当
美術:佐谷晃能
撮影:姫田真左久
装置:秋山幸雄
照明:岩木保夫
編集:浦岡敬一
録音:吉田庄太郎
音楽:池辺晋一郎
記録:八巻慶子
衣裳:相沢登記雄
結髪:山根末美
現像:東洋現像所
助監督:新城卓
制作補:武重邦夫
制作担当:藤倉博
製作協力:横浜放送映画専門学院
出演:緒形拳 小川真由美 倍賞美津子 フランキー堺 北村和夫
アメリカンビスタ カラー 140分

昭和38年、福岡県築橋市にある日豊本線築橋駅近くの畑で柴田種次郎の遺体が発見された。検視官により死因は金属製鈍器状のものによる頭骨挫傷と胸部刺創、死亡推定時刻は10月18日午後2時から5時の間とされた。また十三曲りの峠で馬場大八の遺体が発見された。死因は左顔面、頸部、胸部刺創による失血死、死亡推定時刻は同日午後4時30分から7時の間とされた。柴田は日本専売公社のタバコ集金係で、馬場は築橋通運の運転手だった。

専売公社築橋出張所は市内にある築橋通運、西海運送、築橋貨物の三社とタバコ臨店配給の請負契約をしている。馬場が運転するトラックは勝山郡久賀町方面へ向かっていたが、道路脇で榎津厳が手を振っていたため同乗させることにした。彼は西海運送で運転手として働いており柴田とは顔馴染みだった。榎津は途中でトラックを停めさせ養豚場を経営する友人に紹介すると馬場を連れ出すが、それは真っ赤な嘘だった。人目につかないところへ誘導すると金槌で殴打しありったけの金を奪った。そして金物屋で手頃な包丁を手に入れるとトラックに戻り、馬場が待っていると嘘をついて出発させた。峠のトンネルに入ると榎津は馬場の胸を包丁で刺し、コントロールを失ったトラックは壁に激突した。命乞いをする馬場の両手を紐で縛ると助手席に押し込み、運転は榎津が行った。そして峠の途中にトラックを停めると馬場を引きずり下ろし荷台に乗っていたシートをかぶせて殴り殺したのだった。あらかじめ用意していた背広に着替えた榎津はそこから歩いてアパートまで帰った。

容疑者として榎津の名が浮かんだのは19日の夕方だった。捜査本部は築橋出張所や三つの運送業者に聞き込みを行い、事情に詳しい者の中からピックアップした。そして関係のある人物を調べて行くうちに割烹「麻里」で働く畑千代子にたどり着いた。彼女は榎津の愛人であり、事件のあった日の夜に今から一緒に大阪へ飛ばないかと電話があった。だが亭主持ちであり、先が見えている旅でもあることから千代子はそれを断ったのだった。

10月25日午前1時半、福岡県警当直は香川県警から緊急連絡を受けた。それは指名手配中の榎津が宇高連絡船から投身自殺を図った形跡があるというものだった。乗客が背広の上衣と革靴一足が置かれているのに気づき、思いつめたような表情をした四十代の男を見掛けたという婦人もいたというのだ。後に警察がその上衣を調べたところ、巌という人物が家族らに宛てた遺書らしき二通のハガキが見つかった。

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