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空飛ぶゆうれい船

  • posted at:2023-09-22
  • written by:砂月(すなつき)
そらとぶゆうれいせん
東映動画
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年7月30日 併映「飛びだす冒険映画 赤影」「もーれつア太郎」「ひみつのアッコちゃん」
演出:池田宏
製作:大川博
企画:関政次郎 茂呂清一 旗野義文
原作:石森章太郎
脚本:辻真先 池田宏
作画監督:小田部羊一
美術:土田勇
色彩設計:秦秀信
撮影:片山幸男 武田寛
録音:波多野勲
編集:古村均
音響効果:大平紀義
記録:的場節代
製作進行:古沢義治 岸本松司
現像:東映化学工業
音楽:小野崎孝輔
主題歌:泉谷広 ハニー・ナイツ
声の出演:野沢雅子 田中明夫 名古屋章 納谷悟朗 岡田由紀子
シネマスコープ カラー 60分

快活な少年の嵐山隼人は両親とモーターボートで沖合まで釣りに出掛けていたが、その日は一匹も魚が釣れなかった。諦めて帰ろうとしていると、一台の車がガードレールを突き破って崖から転落するのが見えた。急いで救助に向かったが助けを求めに行ったのか運転手はいなかった。後部座席では夫婦が気を失って倒れていたが、それを見た父親はとても驚いた。何故なら男性の方は彼が技師として働く造船所の親会社である黒汐コンツェルンの会長だったからだ。怪我人を背負って切り立った崖を下りることは難しいことから、父親はモーターボートで待つ妻に港へ回して警察に連絡するように指示した。そして隼人と一緒に上の道路まで二人を運ぶことにしたのだが、運が悪いことに終わった頃に雨が降り始めた。このまま雨ざらしにするのは申し訳ないと考えた父親がその先になる屋敷に運び込もうとした矢先、夫人が目を覚ました。彼女は父親を見るなり「幽霊!」と叫んだが、突然車の前に現れた骸骨の幽霊と勘違いしてしまったらしい。詫びる夫人をなだめた父親は会長を背負って屋敷へ向かった。

四人が入った屋敷はまさに「幽霊屋敷」という名が相応しいくらい気味が悪かったが、雨を凌ぐならそれも仕方がなかった。会長をソファーに寝かせると父親は薪を探しに行った。一方、濡れた夫人を可哀想に思った隼人は乾いた衣服を探しに行くが、一人になると心細い彼女もついてきた。奥へ進んで行くと灯りの点いた部屋があり、そこに人影があったことから父親だと思った隼人は声を掛けた。ところが振り向いたのは船長の制服を着た骸骨の幽霊だった。驚いた二人は慌てて駆け出し会長のもとへ戻った。やがて父親が薪を抱えて戻ってくると隼人は目の前で起きた出来事を全て話した。近頃、深い霧の夜になると決まって船の沈没事故が世界各地で起きていた。そして事故に遭った船の乗組員たちは皆その原因が突然現れた幽霊船だったと口をそろえて言った。新聞やテレビではその船長が骸骨の幽霊ではないかと騒いでおり、二人はそれを見たと証言したが父親は信じようとしなかった。暖炉に火が入り部屋が暖かくなると会長が目覚めた。すると何処からともなく靴音がカツカツと鳴り響き、不気味な笑い声とともに幽霊船の船長が窓の外に現れた。

屋台的映画館
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そろばんずく

  • posted at:2023-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
そろばんずく
フジテレビジョン=ニッポン放送=A to Z
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年8月23日 併映「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」
監督:森田芳光
製作:日枝久 亀淵昭信 秦野嘉王
プロデューサー:角谷優 岡田裕
プロデューサー補:仲川好久 酒井彰 河井真也
脚本:森田芳光
音楽:梅林茂
ビジュアル・アドバイス:伊藤佐智子
撮影:前田米造
美術:中澤克己 古谷良和
録音:橋本文雄
照明:矢部一男
編集:鈴木晄
助監督:原隆仁
製作担当者:青木勝彦
記録:森永恭子
スチール:目黒祐司
色彩計測:佐藤徹
スタイリスト:渥原マヤ
主題歌:「寝た子も起きる子守唄」とんねるず
テーマ曲:「こわいものみたさ」春日野八千男と時津風わたる
製作進行:坂本忠久
企画協力:N.E.W.S.コーポレーション
現像:東京現像所
特殊合成:デン・フィルム・エフェクト
製作協力:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
出演:石橋貴明 木梨憲武 安田成美 小林薫 渡辺徹
アメリカンビスタ カラー 109分

広告代理店「ト社」はライバル会社の「ラ社」に水を開けられていたが、その原因は若者たちの流行を掴めていないことにあった。企画部と営業部による会議が開かれ、かじか沢営業部長がアンケート結果を見ても若者の気持ちがわからないと嘆くと、渋谷係長は数字だけを真に受けると後手後手に回る悪循環に陥る恐れがあると言った。それを聞いた植田が市場調査に意味がないとでも言うのかと意見すると、渋谷は君が作ったデータに疑問を持っているのではないと怒鳴った。議論が白熱する中、壁際にいた春日野八千男と時津風わたるが立ち上がり、思い切った発想の転換が必要だと言った。彼らはセミナー教室に移動すると制服に着替え、講師の平和島のもとで「新人類を理解するには」という講義を受けることになったが、その途中で春日野と時津風はCF撮影の立ち会いに呼び出された。

AスタジオではおっぱいミルクのCF撮影が行われていたが、タレントの演技に納得出来ない監督が何度もダメ出ししていた。重たい空気が漂う中、春日野が監督に、時津風がタレントの耳元で自信をつける言葉をささやくと現場は一気に明るくなり撮影も一発でOKが出た。休憩の時間になり二人がラーメンをすすっていると、その先のテーブルに人気女優の月丸がラ社の天敵雄と食事をしていた。天敵がトイレに立つと二人はすかさず近寄りト社への鞍替えを勧めるが相手にされなかった。

関西のクライアントの花月とホテルのバーで待ち合わせをしていた春日野と時津風は、頃合いを見て銀座で飲み直しましょうと提案した。だが花月は、せっかくのお誘いだがこのホテルに女の人を待たせてあると言った。そこに現れたのは天敵で、待たせてある女の人というのが月丸だった。またしても天敵に出し抜かれた二人は憂さ晴らしに行きつけのカラオケバーに行くが、そこで時津風はカウンター席で物憂げな表情を浮かべる女性に気づいた。春日野は気軽に声なんて掛けたら金を取られるかもしれないぞと忠告するが、時津風はお構いなしに近づいて行った。よかったら一緒に飲みませんかと誘うと彼女は快く席を移動した。悩み事があるなら心配せずに話してごらんと時津風が優しく言うと女性は昔この店にきた彼氏との話を始めた。そしてその勢いで深酒をしてしまい、二人は泥酔した彼女を実家までタクシーで送り届けることになった。翌日、セミナー教室に現れた女性を見て春日野たちは目を丸くした。昨夜、実家に送り届けた彼女は梅づくしのり子という中途入社の新入社員だったのだ。平和島は彼女に早く仕事を覚えさせるために春日野と時津風の下につけることにした。

屋台的映画館

続 大奥(秘)物語

  • posted at:2022-10-03
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくおおおくまるひものがたり
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年11月1日 併映「侠骨一代」
監督:中島貞夫
企画:岡田茂 翁長孝雄 三村敬三
脚本:國弘威雄 中島丈博
撮影:赤塚滋
照明:和多田弘
録音:溝口正義
美術:鈴木孝俊
編集:神田忠男
助監督:大西卓夫
音楽:池野成
記録:石田照
装置:近藤幸一
装飾:宮川俊夫
美粧:佐藤宇之助
結髪:妹尾茂子
衣裳:三上剛
擬斗:土井淳之祐
進行主任:俵坂孝宏
出演:小川知子 緑魔子 桜町弘子 万里昌代 三島ゆり子
シネマスコープ カラー 95分

天明六年二月、新たに将軍の御手付中臈となる者の御庭御目見が江戸城大奥の庭先で行われた。十代将軍家治はここで気に入った者を名指しすれば良いのだ。おこと、おしの、おふで、おりつ、おきよの五人の御手付中臈はこのことに異常な程の関心を持ち、将来敵になるかもしれない女たちを観察した。そして家治が名指ししたのは西の丸奏者番阿部主水正の養女おちさだった。出世を狙う阿部は娘のおしのを大奥に送り込み将軍の寵愛を受けることに成功していた。更なる目標を達成するために阿部は下級武士の板倉源三郎が連れてきた湯女の娘で異母姉妹のおちさを引き取り行儀作法など全て武家風に三月で仕立て上げた。家治が従姉妹同士を同時に侍らすなど一風変わった性癖を持っていることを知っていた板倉はおしのの妹で美貌の持ち主のおちさを名指しすることを確信していた。そこで彼は御目見の前日に自分の種を仕込んだのだった。

おちさと面会する機会を得たおしのは自分たちの仲をとやかく言われぬように姉妹らしく助け合って行こうと約束するが、家治の心がおちさへと傾いているように感じた。一方、二人の間を波立たせようと企むおことたちは、御添寝役から聞いたという話を二人の前で披露した。御褥で妹とどちらが女として優れているか教えて欲しいと家治に迫ったのだという。おしのは根も葉もないことをと否定したがそれは事実だった。おしのの本心を知ったおちさが姉だけを御召しくださいと申し出ると、家治はおしのを書院番遠藤弥左衛門の妻として下附したのだった。家治がおちさにこだわったのは未だに実子がなかったからだ。西の丸には一橋家の豊千代が控えていたが我が子に家督を継承させることが悲願だったのだ。ところがその矢先に家治が急死し江戸城内外は震駭した。

江戸城では会議が開かれ、かつて一度も将軍を出していない尾張家から大納言宗睦を立てるのが御三家の均衡を保つ最良の策と意見が出されたが、それを拒否する阿部の強い進言で家治の養子となっていた一橋豊千代を十一代将軍家斉として新将軍の座に据えることになった。将軍交代によって本丸奥女中は総入替えとなり、西の丸奥女中が大奥に移り住んだ。今の今まで権勢を振るい贅沢の限りを尽くした女中たちはおちさを恨んだ。

屋台的映画館

続 網走番外地

  • posted at:2022-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくあばしりばんがいち
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年7月10日 併映「関東やくざ者」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:山沢義一
録音:加瀬寿士
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:竹本弘一
進行主任:白浜汎城
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 嵯峨美智子 大坂志郎 中谷一郎 安部徹
シネマスコープ カラー 87分

深夜の函館銀行に二人組の男が侵入した。館内を巡回する守衛は物音に気づくが、主犯格の男によって射殺された。もう一人の男がガスバーナーを使って金庫のダイヤルを焼き切ると、主犯格の男は勢いよく扉を開けた。中に宝石のケースが入っているのを見つけた彼は、もう用はないとガスバーナーの男を射殺した。

網走刑務所を出所した橘真一は函館港で青函連絡船がくるのを待っていた。その傍らには橘の舎弟である大槻と、看守の付き添いで護送される桐川の姿があった。桐川は五年前に起きた「郡山の三人殺し」の犯人として実地検証を行うことになっているのだ。久しぶりに娑婆の空気を吸った彼は気が大きくなり、いざとなれば貝になると脅して我儘放題で看守を困らせた。到着した船の中では騒動が起きていた。乗客のカバンが勝手に開けられ中に入っていた集金が盗まれたというのだ。船員たちはくまなく検査を行い、デッキにいた修道尼にも声を掛けた。院長から預かったマリモの模造品の土産だという箱を大事そうに抱えているため調べようとしたが、近くにいた縦縞のスーツを着た男が何もそこまでしなくてもいいだろうと止めた。だが他の乗客から苦情が出る可能性があるからと船員が取り上げようとしたところ修道尼が箱を落とした。三人は慌てて回収したが一つ足りなかった。その一つは足元に転がってきた大槻が拝借したのだった。船が青森港に近づいた頃、救命ボートの下にいた不審な男を船員たちが確保した。

船を下り青森駅に到着した橘たちだったが、列車の脱線事故で東北本線全線が運休となり足止めを食った。おまけに大槻が有り金全てを掏られてしまい一文無しに。申し訳なく思った大槻は地元の親分に頼み込み厳島神社の近くにある物乞いの場所を貸してもらった。すると縦縞のスーツの男が現れマリモを譲って欲しいと札束が放った。大槻は慌ててそれを懐にしまうと今はある人に預けてあり午後七時に大鳥居の前で会うことになっていると説明した。それを聞いた男はまたくると言って去って行った。一方、森長組の事務所を訪ねた橘も神社近くの露天でテキヤをしていた。橘がいることに気づいた大槻は路地裏に彼を呼び出すと男の話をした。橘はカバンから曰くありげなマリモを取り出すと二つに割ってみた。すると中から複数のダイヤが出てきたのだ。銀行から宝石が盗まれたという一昨日の新聞の記事を思い出した橘は厄介な事件に巻き込まれたと思った。

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続 兵隊やくざ

  • posted at:2021-12-22
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくへいたいやくざ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1965年
公開日:1965年8月14日 併映「若親分出獄」
監督:田中徳三
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:武田千吉郎
録音:奥村雅弘
照明:中岡源権
美術:内藤昭
音楽:小杉太一郎
編集:山田弘
装置:山本佐一郎
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉島暢
助監督:太田昭和
製作主任:田辺満
出演:勝新太郎 田村高廣 水谷良重 小山明子 須賀不二男
シネマスコープ モノクロ 91分

日本の敗色が濃厚となった大東亜戦争末期、関東軍から南方への転属命令を受け、満期除隊が夢と潰えた有田上等兵と荒くれ者の大宮貴三郎一等兵は満州に向かう列車を切り離して脱走を図った。それは命を懸けたイチかバチかの大勝負だったが、見事に成功し二人を乗せた機関車は雪が舞う荒野を突っ走って行った。ところがゲリラが仕掛けた爆弾で進路を絶たれ機関車は脱線、有田たちの体は雪上に投げ出されたのだった。奉天の陸軍病院に運ばれた二人の怪我は幸い軽傷で、美しい看護婦の緒方恭子による看病と三度の飯は天国そのものだった。だがやがて恐れていたことがやってきた。憲兵伍長が取り調べにきたのだ。満州国・北孫呉駅から客車に乗ったはずだと追求されると、有田は二人が警備兵として機関車に配置されていたと嘘をついた。だが客車を切り離したのは誰だと聞かれると、前方に気を配っていて知らないと苦し紛れに答えるしかなかった。憲兵伍長は関東軍の南方移動を妨害しようとする敵工作員の仕業に違いないと考え、公に知れると防諜上よろしくないから口外するなと言った。そのおかげでこれ以上追及されることはなかったが、病棟医長から北支派遣軍第四二四二部隊への転属を命じられた。原隊復帰の後に除隊になると聞いていた有田は愕然とした。

第四二四二部隊は九龍関の西方約一キロの地点にある小さな部落に駐屯していた。威張り腐った最古参の岩波人事係曹長の他にも、この部隊には長い間軍隊で飯を食っている主のような顔をした連中がウヨウヨしていた。そんな上官から殴られても倒れない大宮の名はこの部隊でも忽ち広まった。実戦の訓練が行われ、疲れた大宮が休憩を取っていると困っている様子の一等兵が目に留まった。どうやら銃口を落としてしまったらしく、時間内に見つけられないと上官のビンタが待っていた。すると大宮は胸ポケットから自分の銃口を取り出し、お前の姉さんにすごく世話になったのだからお前が困っているのを見逃すわけには行かないんだと差し出した。彼は恭子の弟だった。大宮は何処から手に入れたのかもう一つ持っており、心配するなと笑った。

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