忍者ブログ

続 大奥(秘)物語

  • posted at:2022-10-03
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくおおおくまるひものがたり
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年11月1日 併映「侠骨一代」
監督:中島貞夫
企画:岡田茂 翁長孝雄 三村敬三
脚本:國弘威雄 中島丈博
撮影:赤塚滋
照明:和多田弘
録音:溝口正義
美術:鈴木孝俊
編集:神田忠男
助監督:大西卓夫
音楽:池野成
記録:石田照
装置:近藤幸一
装飾:宮川俊夫
美粧:佐藤宇之助
結髪:妹尾茂子
衣裳:三上剛
擬斗:土井淳之祐
進行主任:俵坂孝宏
出演:小川知子 緑魔子 桜町弘子 万里昌代 三島ゆり子
シネマスコープ カラー 95分

天明六年二月、新たに将軍の御手付中臈となる者の御庭御目見が江戸城大奥の庭先で行われた。十代将軍家治はここで気に入った者を名指しすれば良いのだ。おこと、おしの、おふで、おりつ、おきよの五人の御手付中臈はこのことに異常な程の関心を持ち、将来敵になるかもしれない女たちを観察した。そして家治が名指ししたのは西の丸奏者番阿部主水正の養女おちさだった。出世を狙う阿部は娘のおしのを大奥に送り込み将軍の寵愛を受けることに成功していた。更なる目標を達成するために阿部は下級武士の板倉源三郎が連れてきた湯女の娘で異母姉妹のおちさを引き取り行儀作法など全て武家風に三月で仕立て上げた。家治が従姉妹同士を同時に侍らすなど一風変わった性癖を持っていることを知っていた板倉はおしのの妹で美貌の持ち主のおちさを名指しすることを確信していた。そこで彼は御目見の前日に自分の種を仕込んだのだった。

おちさと面会する機会を得たおしのは自分たちの仲をとやかく言われぬように姉妹らしく助け合って行こうと約束するが、家治の心がおちさへと傾いているように感じた。一方、二人の間を波立たせようと企むおことたちは、御添寝役から聞いたという話を二人の前で披露した。御褥で妹とどちらが女として優れているか教えて欲しいと家治に迫ったのだという。おしのは根も葉もないことをと否定したがそれは事実だった。おしのの本心を知ったおちさが姉だけを御召しくださいと申し出ると、家治はおしのを書院番遠藤弥左衛門の妻として下附したのだった。家治がおちさにこだわったのは未だに実子がなかったからだ。西の丸には一橋家の豊千代が控えていたが我が子に家督を継承させることが悲願だったのだ。ところがその矢先に家治が急死し江戸城内外は震駭した。

江戸城では会議が開かれ、かつて一度も将軍を出していない尾張家から大納言宗睦を立てるのが御三家の均衡を保つ最良の策と意見が出されたが、それを拒否する阿部の強い進言で家治の養子となっていた一橋豊千代を十一代将軍家斉として新将軍の座に据えることになった。将軍交代によって本丸奥女中は総入替えとなり、西の丸奥女中が大奥に移り住んだ。今の今まで権勢を振るい贅沢の限りを尽くした女中たちはおちさを恨んだ。

屋台的映画館
PR

続 網走番外地

  • posted at:2022-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくあばしりばんがいち
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年7月10日 併映「関東やくざ者」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:山沢義一
録音:加瀬寿士
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:竹本弘一
進行主任:白浜汎城
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 嵯峨美智子 大坂志郎 中谷一郎 安部徹
シネマスコープ カラー 87分

深夜の函館銀行に二人組の男が侵入した。館内を巡回する守衛は物音に気づくが、主犯格の男によって射殺された。もう一人の男がガスバーナーを使って金庫のダイヤルを焼き切ると、主犯格の男は勢いよく扉を開けた。中に宝石のケースが入っているのを見つけた彼は、もう用はないとガスバーナーの男を射殺した。

網走刑務所を出所した橘真一は函館港で青函連絡船がくるのを待っていた。その傍らには橘の舎弟である大槻と、看守の付き添いで護送される桐川の姿があった。桐川は五年前に起きた「郡山の三人殺し」の犯人として実地検証を行うことになっているのだ。久しぶりに娑婆の空気を吸った彼は気が大きくなり、いざとなれば貝になると脅して我儘放題で看守を困らせた。到着した船の中では騒動が起きていた。乗客のカバンが勝手に開けられ中に入っていた集金が盗まれたというのだ。船員たちはくまなく検査を行い、デッキにいた修道尼にも声を掛けた。院長から預かったマリモの模造品の土産だという箱を大事そうに抱えているため調べようとしたが、近くにいた縦縞のスーツを着た男が何もそこまでしなくてもいいだろうと止めた。だが他の乗客から苦情が出る可能性があるからと船員が取り上げようとしたところ修道尼が箱を落とした。三人は慌てて回収したが一つ足りなかった。その一つは足元に転がってきた大槻が拝借したのだった。船が青森港に近づいた頃、救命ボートの下にいた不審な男を船員たちが確保した。

船を下り青森駅に到着した橘たちだったが、列車の脱線事故で東北本線全線が運休となり足止めを食った。おまけに大槻が有り金全てを掏られてしまい一文無しに。申し訳なく思った大槻は地元の親分に頼み込み厳島神社の近くにある物乞いの場所を貸してもらった。すると縦縞のスーツの男が現れマリモを譲って欲しいと札束が放った。大槻は慌ててそれを懐にしまうと今はある人に預けてあり午後七時に大鳥居の前で会うことになっていると説明した。それを聞いた男はまたくると言って去って行った。一方、森長組の事務所を訪ねた橘も神社近くの露天でテキヤをしていた。橘がいることに気づいた大槻は路地裏に彼を呼び出すと男の話をした。橘はカバンから曰くありげなマリモを取り出すと二つに割ってみた。すると中から複数のダイヤが出てきたのだ。銀行から宝石が盗まれたという一昨日の新聞の記事を思い出した橘は厄介な事件に巻き込まれたと思った。

屋台的映画館

続 兵隊やくざ

  • posted at:2021-12-22
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくへいたいやくざ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1965年
公開日:1965年8月14日 併映「若親分出獄」
監督:田中徳三
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:武田千吉郎
録音:奥村雅弘
照明:中岡源権
美術:内藤昭
音楽:小杉太一郎
編集:山田弘
装置:山本佐一郎
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉島暢
助監督:太田昭和
製作主任:田辺満
出演:勝新太郎 田村高廣 水谷良重 小山明子 須賀不二男
シネマスコープ モノクロ 91分

日本の敗色が濃厚となった大東亜戦争末期、関東軍から南方への転属命令を受け、満期除隊が夢と潰えた有田上等兵と荒くれ者の大宮貴三郎一等兵は満州に向かう列車を切り離して脱走を図った。それは命を懸けたイチかバチかの大勝負だったが、見事に成功し二人を乗せた機関車は雪が舞う荒野を突っ走って行った。ところがゲリラが仕掛けた爆弾で進路を絶たれ機関車は脱線、有田たちの体は雪上に投げ出されたのだった。奉天の陸軍病院に運ばれた二人の怪我は幸い軽傷で、美しい看護婦の緒方恭子による看病と三度の飯は天国そのものだった。だがやがて恐れていたことがやってきた。憲兵伍長が取り調べにきたのだ。満州国・北孫呉駅から客車に乗ったはずだと追求されると、有田は二人が警備兵として機関車に配置されていたと嘘をついた。だが客車を切り離したのは誰だと聞かれると、前方に気を配っていて知らないと苦し紛れに答えるしかなかった。憲兵伍長は関東軍の南方移動を妨害しようとする敵工作員の仕業に違いないと考え、公に知れると防諜上よろしくないから口外するなと言った。そのおかげでこれ以上追及されることはなかったが、病棟医長から北支派遣軍第四二四二部隊への転属を命じられた。原隊復帰の後に除隊になると聞いていた有田は愕然とした。

第四二四二部隊は九龍関の西方約一キロの地点にある小さな部落に駐屯していた。威張り腐った最古参の岩波人事係曹長の他にも、この部隊には長い間軍隊で飯を食っている主のような顔をした連中がウヨウヨしていた。そんな上官から殴られても倒れない大宮の名はこの部隊でも忽ち広まった。実戦の訓練が行われ、疲れた大宮が休憩を取っていると困っている様子の一等兵が目に留まった。どうやら銃口を落としてしまったらしく、時間内に見つけられないと上官のビンタが待っていた。すると大宮は胸ポケットから自分の銃口を取り出し、お前の姉さんにすごく世話になったのだからお前が困っているのを見逃すわけには行かないんだと差し出した。彼は恭子の弟だった。大宮は何処から手に入れたのかもう一つ持っており、心配するなと笑った。

屋台的映画館

その後の仁義なき戦い

  • posted at:2021-12-19
  • written by:砂月(すなつき)
そのごのじんぎなきたたかい
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年5月26日 併映「俺達に墓はない」
監督:工藤栄一
企画:日下部五朗 奈村協
原作:飯干晃一
脚本:神波史男 松田寛夫
撮影:中島徹
照明:海地栄
録音:溝口正義
美術:佐野義和
編集:市田勇
助監督:鈴木秀雄
記録:梅津泰子
装置:稲田源兵衛
装飾:渡辺源三
背景:西村三郎
美粧:鳥居清一
結髪:白鳥里子
スチール:中山健司
衣裳:黒木宗幸
擬斗:土井淳之祐
宣伝担当:坂本年文 丸国艦
演技事務:寺内文夫
進行主任:山本吉応
協力:東映俳優センター
音楽:柳ジョージ&レイニーウッド
挿入歌:「偽りのバラード」松崎しげる
・・・:「私の歌」松崎しげる
・・・:「ア!ソウ」ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
・・・:「虫けらの唄」バーブ佐竹
出演:根津甚八 原田美枝子 宇崎竜童 松崎しげる ガッツ石松
アメリカンビスタ カラー 91分

北九州には竜野組と藤岡組の二つの組があった。竜野組は大阪石黒組の大幹部である浅倉組組長・浅倉広吉の盃を貰って系列に入った。石黒組は全国制覇中で各地に勢力を伸ばしており、石黒の代紋を入れたバッジを見ただけで他のヤクザは震え上がるほどであった。だがバックを持たない藤岡組は次第に圧されて落ち目となり、竜野組の縄張りとなった市内の盛り場を追われ土木業で食い繋いでいた。竜野組は金融業や債権取立などあらゆる分野に手を広げたことで三代で今の強力な組織を築き上げたのだった。

竜野組の若衆・根岸昇治は従弟の水沼啓一とともに行儀見習いとして浅倉組に預けられていたが、そこで相羽年男と出会い意気投合した。それ以来三人はケンカの時も遊びの時もいつも一緒だった。ある日、親代わりの池永安春から小遣いを貰った根岸は二人を引き連れてライブハウスに向かったが、そこで因縁の大場三兄弟と鉢合わせし大ゲンカとなった。警察が駆けつける騒動にまで発展すると、根岸は二人の他に会場にいた妹の明子も連れて逃げ出した。この出会いをきっかけに相羽は明子と結婚し組長の竜野忠が仲立ちをした。ある日、水沼が競輪場で居合わせた大場三兄弟に刺され、池永は根岸たちを引き連れシマ荒らしをした賠償金と水沼の慰謝料を請求するために藤岡組に乗り込んだ。だが組長の藤岡英信は競輪場のある場所が代々引き継がれてきているシマだと主張し相手にしなかった。そこで竜野組の若衆たちは建設現場に向かうトラックを妨害し三兄弟に制裁を加えたのだった。その頃、大阪では石黒組で空席となっている若頭の後任問題が浮上していた。昭和52年の冬に大阪市近郊で大きな交通事故があったが、死亡したのは若頭の山崎新一郎だった。本家若頭は将来、傘下600団体、構成員4500人、そして石黒組の二代目組長の座が約束される地位で、組内で誰もが浅倉が適任だと考えていた。ところが石黒組組長・石黒光喜の一存で、しばらく空席のままとし浅倉と花村組組長・花村秀夫を中心とした幹部会で十分に話し合ってから決めることになった。はらわたが煮えくり返る思いをした浅倉は、若頭の津川武志と組んで花村を引きずり下ろす計画を練った。津川はまず藤岡組へ行き竜野組を潰して欲しいと願い出た。藤岡は石黒組が下部組織を潰そうとしていることに疑念を持ったが、敵同士が手を組んだ上に金銭面までバックアップしてくれると聞きおかしな話だと高笑いした。浅倉は臨時総会を開き、60人余りの親分衆の前で上納金が滞っていることを理由に竜野組を破門にした。津川は相羽を利用して根岸たちに近づかせ、竜野が翌日に乗る新幹線の時間を聞き出させようとした。だがその理由が竜野の暗殺だとわかると、相羽は友人を裏切るわけにはいかないと言って抵抗した。

屋台的映画館

狙撃

  • posted at:2021-07-25
  • written by:砂月(すなつき)
そげき
東宝
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年11月23日 併映「野獣暁に死す」
監督:堀川弘通
製作:貝山知弘
脚本:永原秀一
撮影:長谷川清
美術:村木忍
録音:増尾鼎
照明:平野清久
音楽:真鍋理一郎
整音:下永尚
監督助手:吉松安弘
編集:黒岩義民
合成:三瓶一信
現像:東京現像所
製作担当者:江口英彦
振付:竹邑類
技斗:岩本弘司
出演:加山雄三 浅丘ルリ子 森雅之 小沢昭一 岸田森
シネマスコープ カラー 86分

まだ明けやらぬ東京の街。ビルの屋上に陣取る男は腕時計に目をやるとタバコに火を点け、煙で風向きを見た。ライフルに弾を込めるとやがて無線機に連絡が入った。松下徹、三十歳。彼の標的は出発したばかりの新幹線ひかり号の前から七両目、一等車最後列に座る男だった。同じ一等車の最前列の男が帽子を被っていれば計画は予定通り決行、そうでなければ中止となる。了解と答えるとライフルを構えひかり号がくるのを静かに待った。そしてゆっくりと走る車両が見えるとまず最前列の男を確認し、彼が帽子を被っていたことから松下は最降列の男を狙撃した。計画は成功し指定場所のコインロッカーから報酬を受け取ると足早にその場を去った。

数日後、練習を行う射撃場で松下は撮影の仕事できていたファッションモデルの小高章子と知り合った。背景にして写真を撮りたいという依頼を無下に断り、後に申し訳なく思った松下は章子を車で自宅まで送ることにした。その車中で暗殺に関するラジオのニュースが流れると、彼女はその犯人が孤独できっと撃つときは怖くてブルブルと震えたに違いないと言った。マンションまで送り届けてくれたお礼に章子は松下を部屋に通した。章子の趣味は蝶のコレクションで標本がそこら中に置かれていた。その中でも一番のお気に入りはニューギニアなどに生息する「Ornithopter priamus pronomus」というトリバネチョウの一種だった。章子は標本を見る度にまだ見ぬその地で悠々と飛ぶ姿を想像するのだ。章子はベッドに誘うが松下はそれを断り、君のせいじゃないと言って部屋を出た。

松下に舞い込んできたのは金塊の密輸に拘る仕事だった。アメリカ軍基地の傍で銃砲店を開く学生時代からの友人の深沢を訪ねた松下はひかり号での狙撃に使用した銃を返却した。鑑識の目を欺くために深沢は一度使った銃を二度と使わないように心掛けているのだ。松下から次の仕事に関する情報を聞いた深沢はその条件に適した銃を選び出した。手渡したのはベトナム戦争で兵士が持ち帰ってきたソ連製のAK-47だった。アメリカ製の赤外線スコープが装着されていることから、仮に薄暗い場所で複数を相手にしたとしても松下なら使いこなせると深沢は信じていた。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア