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日本女侠伝 侠客芸者

  • posted at:2022-12-09
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんきょうきゃくげいしゃ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年7月31日 併映「不良番長 送り狼」
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:野上龍雄
撮影:鈴木重平
照明:井上孝二
録音:渡部芳丈
美術:雨森義允
音楽:木下忠司
編集:宮本信太郎
助監督:篠塚正秀
記録:矢部はつ子
装置:梶谷信男
装飾:松原邦四郎
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
進行主任:上田正直
振付:藤間勘五郎
民謡指導:別府金蝶 別府富子
和楽:中本敏生
協力:北九州市 第一港運株式会社
出演:藤純子 若山富三郎 三島ゆり子 土田早苗 桜町弘子
シネマスコープ カラー 99分

明治末期の北九州は石炭ブームに湧いていた。博多には成金から金を搾り取る馬賊芸者というのがいたが、中でも信次は男勝りの気風と度胸が評判を呼んだ。人情の厚い彼女は一生の思い出に遊んでみたいという薄汚れた花田炭坑の鉱夫だろうと選り好みせず丁寧に持て成した。それが例え先約として大実業家で鉱業会社社長の大須賀喜造のお座敷が入っていてもだ。何故ならお金持ちは何時でも遊べるし、大須賀はいけ好かない男だからだ。大須賀は地元やくざの親分である万場安次郎と手を組み九州一の炭坑主にのし上がろうと考えていた。一方、万場も彼がお気に入りの信次との縁談を成功させて深い関係を築こうとしていた。信次は断ったものの一度顔を見せるが、惚れた腫れたなどとんだお門違いですよと言って部屋を出た。同じ頃、料亭を訪ねてきたのは納屋頭の島田清吉という若い男だった。三人の鉱夫たちは翌日山に入ることになっていたが、何時まで経っても帰ってこないため捜しにきたのだ。帰るから勘定をしてくれと清吉が言うと、信次はもう十分にいただきましたと答えた。その金額が十円だと聞き驚いた清吉が残りを全て言うと、遊びは心意気だから私が済んだと言ったらそれでいいじゃないかと信次は怒ったように言った。清吉が意地になって払うと言うと、信次も強情にいらないと言い返した。二人は睨み合うが、やがて信次は笑い出し馬鹿馬鹿しいからもうやめましょうと別れの杯を差し出した。清吉はそれを断ったが、義理とかではなく奈良漬けを見ただけでひっくり返る程の下戸だったのだ。

清吉が帰ろうとすると大須賀が声を掛けてきた。何としてでも花田炭坑を手に入れたい彼は提示した金額に色をつけてもいいと迫って口説き落とそうとした。だが先代が亡くなった時に枕元で日本一の山にすると約束をした清吉は、どんな条件を突きつけられても手放す気は毛頭ないと断った。すると大須賀は、君の強気は関東電力第一種指定業者の金看板があってのことだが、あまり強がると元も子もないぞと脅した。

屋台的映画館
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虹の中のレモン

  • posted at:2022-07-25
  • written by:砂月(すなつき)
にじのなかのれもん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年7月20日 併映「天使の誘惑」
監督:斎藤耕一
製作:升本喜年
企画:堀威夫
脚本:桜井義久
撮影:大越千虎
美術:宇野耕司
音楽:チャーリイ脇野 北川裕
照明:本橋昭一
録音:堀義臣
編集:太田和夫
調音:松本隆司
監督助手:立仙雅巳
装置:中村文吾
進行:宗本弘美
現像:東洋現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「虹の中のレモン」ザ・ビレッジ・シンガーズ
協力:サマーランド 江の島鎌倉観光株式会社
出演:清水道夫 林ゆたか 小池哲夫 笹井一臣 小松久
シネマスコープ カラー 87分

鎌倉にある大邸宅の前田邸はしばらく主人が不在の状態で、管理は下働きの吉岡とその娘の民子が行っている。このだだっ広い部屋を何か利用する手立てはないかと親友の真山エミとともに考えた結果、児童福祉のために開放することにした。ある日、二人はいつものように託児所の子供たちを集めて寸劇を行おうとするが、やることが同じだの子供だましだのと不評の声が飛んだ。困ったエミが例えばどんなのがいいのかと尋ねると、子供の一人がヴィレッジ・シンガーズのようなグループサウンズが聞きたいと言った。ヴィレッジ・シンガーズは「バラ色の雲」や「亜麻色の髪の乙女」などのヒット曲を持つ五人組(清水道夫、林ゆたか、小池哲夫、笹井一臣、小松久)だったが、エミたちはグループサウンズのことを何も知らなかった。同じ頃、そのヴィレッジ・シンガーズはサマーランドのステージで演奏をしていた。所属事務所から一週間の夏休みをもらった五人だったが、各々やりたいことがバラバラだった。そこで彼らの先輩に当たる芸能記者の田部井が「理由なき蒸発」を提案すると興味本位で実践してみることにした。

翌日、ヴィレッジ・シンガーズの五人は鎌倉の海岸にいた。身分を隠して女の子をナンパしてみようと考えたのだが周りはアベックばかり。何だか世間からあぶれたようで悲しい気分になり別行動を取ろうとしたところ二人の令嬢を見つけた。さりげなく近づき声を掛けると二人は快く応じた。その二人とは令嬢に扮したエミと民子だった。二人はとりあえず暇で時間を持て余している上にタダで働いてくれそうな若者をスカウトしにきたのだが、そんな都合のいい人はそう簡単には見つからなかった。手ぶらで帰って子供たちに笑われるならいっそ学生アルバイトでも頼もうかと考えていたところに声を掛けてきたのが五人だった。エミたちは彼らが暇な大学生だと思い込み、海のそばにある涼しい邸にぜひ来てくださいと言った。腕に縒りを掛けた食事が三食出る上に可愛い女の子たちと過ごせるとなれば五人の答えはひとつだった。

若者たちが本当に来てくれるのか心配だったが、五人は約束の時間に訪ねてきた。エミは紅茶でもてなすと早々に片付け始め、民子が奥から持ってきた着ぐるみに着替えさせた。そして五人は子供たちの前に立たされたが、わんぱくな子供たちにもみくちゃにされた。約束が違うと言って五人が着ぐるみの頭を外すと子供たちは歓声を上げた。エミたちはそこで初めて五人がヴィレッジ・シンガーズだということを知った。

屋台的映画館

日本沈没(2006年)

  • posted at:2021-12-13
  • written by:砂月(すなつき)
にほんちんぼつ
映画「日本沈没」製作委員会(TBS=東宝=セディックインターナショナル=電通=J-dream=S・D・P=MBS=小学館=毎日新聞社)
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年7月15日
監督:樋口真嗣
製作統括:近藤邦勝 島谷能成 島本雄二 喜多川擴 細野義朗 久安学 亀井修 常田照雄
エグゼクティブプロデューサー:濵名一哉
プロデューサー:中沢敏明
原作:小松左京
脚本:成島出 加藤正人
音楽:岩代太郎
特殊技術統括・監督補:尾上克郎
VFXプロデューサー:大屋哲男
ラインプロデューサー:吉田浩二
撮影監督:河津太郎
美術:原田恭明
装飾:高畠一朗
録音:中村淳
編集:奥田浩史
キャスティング:富田敏家
スクリプター:河島順子
音響効果:柴崎憲治
特殊効果・操演:岸浦秀一
アクションディレクター:諸鍛冶裕太
助監督:足立公良
製作担当:梶川信幸 坪内一
プロデューサー補:鶴岡智之
アシスタントプロデューサー:辻本珠子
特撮監督:神谷誠
主題歌:「Keep Holding U」SunMin thanX Kubota
制作プロダクション:セディックインターナショナル
出演:草彅剛 柴咲コウ 及川光博 福田麻由子 吉田日出子
シネマスコープ カラー 138分

静岡県駿河湾沖で深さ30キロを震源とする地震が発生し沼津市などは壊滅的な被害を受けた。アメリカ測地学会のユージン・コックス博士はこの地震が日本沈没の序章に過ぎないことを政府が主催した緊急会議で唱えた。マントル対流により日本海溝の地下深くに潜り込んでいる太平洋プレートは上部マントルと下部マントルの境界面に溜まり、瘤のように蓄積されるメガリスが一定量を超えると崩壊を起こす。日本の地下で今まさにその大変動が始まっておりプレートの境界面に位置する日本列島は巨大な地殻変動により海底へ引きずり込まれるというのだ。日本沈没の確率は30年で50パーセント、50年で80パーセントと聞き、山本尚之内閣総理大臣は絶望的な未来を憂えた。

東都大学教授で地球物理学者の田所雄介博士は国際海洋開発センター所属の潜水艇パイロット・小野寺俊夫と結城達也を率いて深海調査艇「わだつみ6500」で宮城県金華山沖に潜った。すると深度5830メートル付近の日本海溝で乱泥流に襲われたが、それは地殻の海溝崖から噴出していたのだ。田所は想像を絶する何かが起こりかけていることを察した。地上に戻り小野寺がわだつみのメンテナンスを行っていると一人の女性が訪ねてきた。彼女は沼津市で被災現場に取り残された小野寺と避難民の少女・倉木美咲を救出した東京消防庁・第八消防方面本部ハイパーレスキュー隊員の阿部玲子だった。美咲は軽傷で済んだが、父親は亡くなり母親は瓦礫の下から救出されたものの意識が戻らなかった。玲子の叔母である田野倉珠江に引き取られたが美咲に笑顔はなく、そんな彼女を元気づけるために会って欲しいとお願いにきたのだった。玲子から教えてもらった住所に行くとそこにはもんじゃ焼き屋があった。離れた席に座って様子を見ていると美咲は珠江や常連客たちに大事にされていることがわかり安心した。だが余震で美咲が恐怖のあまり椅子から崩れ落ちると、小野寺は慌てて駆け寄り優しく抱きしめた。

日本海溝の地底を流れるマントルに異変が観測されたため、田所を中心とするチームは高知県足摺岬沖で海底掘削調査船「ちきゅう」を使った地殻変動の予測調査を行った。その後、田所は南太平洋に浮かぶクック諸島のマンガイア島に渡り岩石を採取した。それを兵庫県にある大型放射光分析施設「SPring-8」に送ったところ2千万年前の物であることがわかった。2千万年前に日本列島はユーラシア大陸から引き剥がされたが、そのときにマントルに落ちたメガリスの残骸がクック諸島から湧き出していたのだ。全国各地の地震波測定で地殻に異常な変化が起きていることは確認されており、田所はこれから何かとてつもないことが起こるのではないかと考えた。そこで独自に収集した膨大なデータと資料を解析し変動の時期を算出したところ、残り1年足らずで日本列島が沈没する結論が出たことで愕然とした。

屋台的映画館

人魚伝説

  • posted at:2021-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
にんぎょでんせつ
ディレクターズ・カンパニー=日本アート・シアター・ギルド
配給:日本アート・シアター・ギルド
製作年:1984年
公開日:1984年4月14日
監督:池田敏春
製作:佐々木史朗 宮坂進
企画:多賀祥介
プロデューサー:根岸吉太郎 山本勉
原作:宮谷一彦
脚本:西岡琢也
撮影:前田米造
水中撮影:中村征夫
照明:井上幸男
録音:小野寺修
美術:小川富美夫
編集:川島章正
記録:白鳥あかね
助監督:白石宏一 渡辺容大 上山勝
企画協力:奥山和由
製作担当:長田忠彦
製作進行:上原英和 石川賢一
音楽:本多俊之
出演:白都真理 江藤潤 清水健太郎 青木義朗 宮下順子
スタンダード カラー 110分

とある漁師町で夫婦海女として漁を行う佐伯啓介とみぎわ。みがわが潜水をして貝などを獲り、命綱を担当する啓介が船から見守るのだ。この町の町長は利権に目がなく、儲かると聞けばすぐに飛びついた。ハマチの養殖場を作った際は漁師たちに保証金を支払って強引に推し進めたが、エサのやり過ぎで海の底まで腐らせ事業は失敗した。町長は責任を逃れ、海の後始末をさせられたのは漁師たちだった。ようやくそれが治まりかけた頃、新たにぶち上げたのがレジャーランドの建設だった。だがこの計画には裏があった。町側は漁師たちに土地を売り渡すよう交渉を持ち掛けたが、啓介は断固として反対した。ある夜、船で漁場の様子を見ていた彼は小船で釣り糸を垂れる人影を見た。釣れるわけがないと悪態をつきながらラジオのスイッチを入れると、沖からモーターボートが高速で近づいてきた。エンジン音に驚いた啓介は網を破られては堪らないと大声で注意を促すが、小船はモーターボートの人物によって爆破された。翌日、啓介は目の前で起きた出来事を漁協の組合長に報告するが、もしそれが本当なら死体が見つかるはずだと相手にされなかった。

その日は海が荒れて漁が休みになったが、みぎわは啓介を連れて沖に出ることに決めた。彼が何度も寝言で釣り船のことを繰り返すことから真偽を確かめるために海に潜ることに決めたのだ。ポイントに着くとみぎわは海深く潜るが死体らしきものは見つからなかった。息の限界を感じ綱を引っ張るが反応はなし。啓介に伝わっていないのかと考え更に強く引っ張ると、銛で胸を射抜かれた彼の体が水中に没した。沈み行く夫の道連れになるみぎわ。もがくうちに綱は岩に擦れて切れるが、今度は水面から発射された水中銃が彼女の左腕を貫いたのだった。痛みのあまり彼女は気を失った。

日の暮れた岩場に打ち上げられ命を取り留めたみぎわは歩いて家まで帰ろうとした。その際、自転車で巡回する警官を見つけ自分の身に起きたことを洗いざらい早口でまくし立てた。ところが彼女は夫殺しの犯人としてマークされていたのだ。みぎわは捕まえようとする警官を振り払うと、啓介の友人であるカメラマンの宮本祥平と連絡を取った。祥平は彼女を渡鹿野島へ連れて行くと、すなっく逢坂のママ・夏子に事情を話ししばらく匿ってもらうことにした。

屋台的映画館

二階の他人

  • posted at:2020-01-13
  • written by:砂月(すなつき)
にかいのたにん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1961年
公開日:1961年12月15日 併映「小さな花の物語」
監督:山田洋次
製作:今泉周男
原作:多岐川恭
脚本:野村芳太郎 山田洋次
美術:宇野耕司
撮影:森田俊保
照明:須藤清治
編集:谷みどり
録音:栗田周十郎
録音技術:沼上精一
音楽:池田正義
監督助手:不破三雄
装置:若林孝二郎
装飾:鈴木八洲雄
撮影事務:大久保安夫
衣裳:斉藤耐三
撮影助手:鶴見正二
録音助手:松本隆司
照明助手:金沢清
進行:岸本公夫
出演:小坂一也 葵京子 瞳麗子 平尾昌章 関千恵子
シネマスコープ モノクロ 56分

若いサラリーマンの葉室正巳は明子との結婚を機に、郊外に家を建てた。だが方々からの借金を月給と賞与で返すには気が遠くなるほど時間が掛かることから、他人に二階を住まわせて部屋代と食費を徴収しその期間を短縮する計画を立てたのだ。居住者に決まったのは小泉夫妻だった。夫の久雄は会社勤め、妻の晴子はホステスとして働いていたことから月々の支払いは問題ないと判断し許可した。ところがいつまで経っても家賃はもらえず、気を使って言い出せないまま二ヶ月分が滞った。気の弱い正巳の代わって明子が催促を行うが、晴子は今まで親の家にいたから呑気なクセがついちゃってと言い訳した。すぐに何とかすると言いながらも、三日経っても音沙汰がなかった。明子には任せていられないと意気込む正巳だったが、いざ久雄を前にすると何も言えないのだった。

日曜日、晴子を連れてやってきた久雄は正巳の前で土下座した。そして悪いのは全て自分の、いや政治の責任だと言った。彼は学生時代にデモで捕まったことがあり、それを中傷した者のせいで会社をクビになったのだ。久雄が毎日出掛けるのは職探しで、ようやく次の就職口が見つかるかも知れないところだった。明子は心配したが、久雄の話を真に受けた正巳もう少し待ってやろうよと楽観的に言った。明子がひとりになると晴子がやってきて心の内をこぼした。部屋代は支払いを忘れていたのではなく見栄から出た嘘だった。涙ながらに語るその姿に、もう少し待ってみようと思うことにした。その一週間後、久雄の合否判定があったが残念な結果となった。そのことを知った正巳は、自分が勤める会社の倉庫の守衛に欠員があることを思い出し、部長に久雄を推薦した。

ある日、豊橋に住む長兄・鉄平と大ゲンカし家を飛び出した母・とみを次兄の信哉が正巳の家に連れてきた。するととみは小泉夫妻と馬が合いそのまま居ついてしまったのだ。半月が経つ頃、久雄は仕事に行かずに二階でとみと花札賭博で時間を潰すようになった。部長から咎められたことで頭に血が上った正巳は、帰宅後すぐに注意した。ところが久雄は力のない自分が守衛に向かないと言い出す始末。そこで正巳は、あなたが働く気になるまで絶対に食事を出さないと断言した。家計をやりくりする明子は頭を悩ませていた。二階を他人に貸して生活の足しにしようとしたが、未だに部屋代はなし。とみの食事代が増えたことで必要経費を差し引くと二千円の赤字になった。そもそも家賃を当てにしたことが間違えではなかったのかと考えた彼女は、いっそ諦めた方がいいのではないかと相談した。それを聞いて腹を括った正巳は小泉夫妻の追い出しに掛かったが、今度は晴子が開き直り次の住処が見つかるまで出ないといい出したのだった。

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