「春子超常現象研究所」製作委員会
配給:S・D・P
製作年:2015年
公開日:2015年12月5日
監督:竹葉リサ
エグゼクティブプロデューサー:外山康弘
クリエイティブプロデューサー:蔭山周
プロデューサー:小野恵賜 竹葉リサ
共同プロデューサー:西村喜廣 合アレン
脚本:竹葉リサ
撮影:Shu G.百瀬
照明:太田博
録音:百々保之 高島良太
衣裳監督:Mikio Sakabe
衣裳:戸村優香
美術監督:片桐真理子
ヘアメイク:元木美紗
特殊造形:北落香奈子
マジックエフェクト:テツヲ
アクション監督:田渕景也
助監督:成田将
脚本協力:金子二郎
音楽:藤永憲太郎
主題歌:「Day and Night」Andersons
編集:西村喜廣
制作:有馬圏 Scott Nankivel
出演:中村蒼 野崎萌香 青木さやか ブラザートム 黒木正浩
アメリカンビスタ カラー 73分
超常現象に憧れ追い求めていた大月春子は、書道部の先生をしていた父親のエコひいきのせいで孤立した高校生活を送り家族のことが嫌いになった。それから10年後、フリーターとなって独り暮らしをしていた彼女はテレビに悪態をつく毎日を送っていた。その悪態が1万回を迎えたときテレビの電源が切れた。驚いた春子は何勝手に切れてんだよとブツクサ言いながらテレビを叩くが、「切れたんじゃねえよ、ブチ切れてんだよ」と何処からか男の声が聞こえた。その声の主はテレビだった。閃光とともに現れた人の姿をしたテレビは春子を指差し「お前の独り言は聞き飽きたわ」と怒鳴った。目の前で起きた超常現象に心ときめいた彼女は早速パソコンで検索するが、過去にテレビ頭の男が現れたという事例は見つからなかった。これがオリジナル超常現象だと確信した春子は待ちに待った幸運が訪れたのだと喜んだ。もうこれ以上悪態をつかれるのは御免だとテレビは出て行くが、入れ替わりにやってきたのはMNKの集金人だった。テレビが出て行ったためうちには関係ないと断ろうとしたのだが、集金人とバッタリ会ったテレビがこの部屋に住んでいると言ったため支払わなければならなくなった。春子は仕方なく「超常現象研究所」という宛名で領収書を切ってもらうことにした。
幼稚園の時に勉強をさせられ過ぎて一時的に目が見えなくなった春子だったが、回復すると今度は余計なものまで見えるようになった。テレビとの出会いは今まで体験した超常現象の中でも最高傑作だった。成り行きで奇妙な同棲生活が始まると春子は不思議な魅力を持つテレビの虜になった。公園でブラブラしていると子供たちから石を投げられヒモと呼ばれたことから、テレビは就職活動をすることにした。ラブホテルの受付の面接に行ってみたが断られ、その代わりに臓器の運び屋の仕事を紹介された。気が進まず公園のトイレで用を足しているとアラブ人から声を掛けられた。二人が会話しているのを隣で見ていたMNK番組プロデューサーの鈴木は彼をスカウトした。テレビがアシスタントを担当することになったのは教育テレビの「やさしいアラビア語教室」だった。収録の出来栄えに満足し気を良くした鈴木は、ラジオのフランス語講座も任せることにした。何せテレビは12か国語を操れるのだ。彼の人気は瞬く間に上昇し一躍時の人となった。そんなテレビを春子は陰から寂しげな目で見つめた。
屋台的映画館
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