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よしもとしんきげきえいがしょうてんがいせんそうすちこ
吉本興業
配給:KATSU-do
製作年:2016年
公開日:2017年3月4日
監督:谷口仁則
プロデューサー:東郷泰樹 田島雄一 安達澄子 谷口友紀
脚本:久馬歩 覚王山 谷口仁則
撮影:和田卓
照明:本村毅
録音:杉本崇志
美術:伊藤祐太 濱田美希
特殊効果:松尾美穂 道廣晃聖
編集:谷口仁則 岡貴文 三好和也
音響効果:田口雅敏
スチール:渡邉俊夫
音楽:南方健太郎 上條智志 上條みずほ
制作主任:谷本春華
挿入歌:「フレフレ」エイリアンズ
製作:藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:片岡秀介
スーパーバイザー:黒井和男
制作協力:ゾフィープロダクツ ウォークオン
制作:MBS KATSU-do
出演:すっちー 武田幸三 吉田裕 中川貴志 清水けんじ
アメリカンビスタ カラー 108分

大阪の団地で銃の発砲事件が発生した。応援の連絡を受けた刑事の春日昌平は愛車を駆って現場に向かうが、その途中で息を切らして走る女性警察官の姿を見つけた。乗れと指示したが、彼女は何故か断ろうとする。不審に思いながらも現場へ行くんだろうと尋ねると、現場は現場なんですけどねと煮え切らない返事をした。だがコワモテの春日からの命令に断り切れずに乗り込み、何処の署かと聞かれるとしばらく考えた末に本当のことを打ち明けた。彼女は吉本新喜劇の座長でもある芸人のすち子で、舞台の稽古をしながら楽屋で寝落ちしてしまい衣裳のまま劇場まで走って向かっていたのだ。そのまま現場へ向かった春日はすち子に車で待っているように言うと団地の一室に踏み込んだ。ところが拳銃を持った犯人は人質になっていた女性を春日が介抱しているうちに逃げ出し、エレベーターから降りてきた少女を人質に取ると銃を突きつけた。廊下に張りつめる緊張感。春日と犯人が睨み合う中、ポカンという間の抜けたような音が響いた。待ち切れずにエレベーターで上ってきたすち子が劇場で使うマキザッパで犯人を後ろから殴ったのだ。事件は彼女の活躍によってあっけなく幕を閉じた。

三戦町では平成27年12月13日から28年1月25日に掛けて既に二十数名の行方不明者が発生していた。被害者は年齢、性別、特徴に共通点がないことから犯人が無差別に誘拐を行っている可能性が高かった。いつまた次の犠牲者が出てもおかしくないことから、兵働警部は捜査本部に集まった刑事たちに喝を入れた。そして暴走が過ぎる春日にはこの捜査から外す代わりに新しい任務を命じた。それは明日から3日間、一日署長としてくる芸人の世話をすることだった。兵働から写真を見せられた春日は思わずうめき声を漏らした。そこに写っていたのはすち子だったからだ。

三戦町商店街の定食屋でひたすらナポリタンを食べ続けていた芸人の酒井藍は見知らぬ男に襲われバッグに詰め込まれた。そうとは知らない新喜劇メンバーは、連絡が取れないことを気にしながらも何とか舞台を乗り切った。その後、すち子は商店街を春日と防犯の広報活動をしながら歩いていたが、店主もお客さんも皆朗らかな人たちばかりだったことで上機嫌だった。三戦署に戻ってくつろいでいると春日が娘のゆいを連れてきた。彼女はすち子の大ファンで、一緒に写真を撮ってもらうととても喜んだ。明日の舞台に招待されたゆいだったが、そのとき気になることを口にした。彼女の友人が商店街に行ってから連絡が取れなくなったとその母親から聞いたというのだ。最近、商店街から人が消えるという噂が学校でも話題になっており、気になった春日はいち早く聞き込みを行おうと部屋から飛び出した。その慌て様を見てまた暴走するのではないかと考えたすち子は急いで後を追い掛けた。

屋台的映画館
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怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス

  • posted at:2020-01-24
  • written by:砂月(すなつき)
かいじゅうだいふんせんだいごろうたいごりあす
円谷プロダクション
配給:東宝
製作年:1972年
公開日:1972年12月17日 併映「ゴジラ電撃大作戦」「パンダコパンダ」
監督:飯島敏宏
製作:円谷一
脚本:千束北男
撮影:稲垣湧三
美術:池谷仙克
音楽:冬木透
照明:新井盛
録音:東京映画映像部
整音:西尾昇
光学撮影:宮重道久 茂田幸男 中村司 吉田和広 木村金男 鯨井実 兵頭文造
監督助手:山本正孝
編集:白江隆夫
視覚効果:飯塚定雄
現像:東京現像所
製作担当者:笠井一美
特殊技術:大木淳 中野稔
出演:三波伸介 小坂一也 小林昭二 三角八朗 犬塚弘
スタンダード カラー 85分

今から6年前、水面下数千メートルにある太古の地層で眠り続けていた謎の怪獣が原子力潜水艦の海底爆発事故によって目覚めた。東京湾に現れたその怪獣は上陸後、市街地を火の海に変えたが、自衛隊の攻撃を受けて死んだ。ところがあの怪獣の子供が発見されたことで、罪滅ぼしとばかりにダイゴロウと名付けて保護することになったのだ。その任務には動物園の飼育員の斉藤が抜擢されたが、その理由は子牛やヤギの世話をした経験があるということだけだった。斉藤の愛情を受けたダイゴロウはすくすくと育ったが、大きくなり過ぎて孤島に隔離されるようになった。そして食欲も旺盛であることから今では国費で賄っていたエサ代の予算も底を尽きようとしていたのだ。ダイゴロウは成長期に入ったことで更に食欲が増し、一日50~60キロの食料では間に合わなくなった。そこで斉藤は環境衛生省の鈴木を呼び出し何とかして欲しいと頼んだのだが風向きは変わらなかった。

ダイゴロウを救いたいと願う発明家のオジサンは、エサ代を何とかしたいと考え自分の技能を活かした挑戦をすることにした。それはBCB-TVの人気番組「ビックリ発明大ショック」に出演し、制作したエアロバイクで1分間空を飛んで賞金の200万円を手に入れることだ。ところが離陸直後にエアロバイクは大爆発を起こし、飛んだのはオジサンの方だった。結果は失格。パラシュートで何とか命拾いしたが、引っ掛かった木から滑り落ちて右足を骨折し病院に運ばれた。その後、退院したオジサンは青葉台駅前で街宣活動を行いダイゴロウの救済を訴えたのだが、俺たちの税金を無駄に使うなと通りがかりの男たちから猛反発を受けた。その様子に黙っていられない大工の熊五郎がなだれ込み、オジサンを擁護するつもりで大暴れしたことで聴衆の理解は益々遠のいたのだった。子供たちのお小遣いだけでは到底足りないことから、オジサンは新たな発明品の開発を始め、熊五郎も大好きな酒を我慢してその分を寄付することに決めた。

ある日、政府はダイゴロウのエサ代を節約するためにアンチグロウという薬品で成長を止める方針を打ち出した。新聞でそのことを知ったオジサンが発明にやる気を出す一方、斉藤はアンチグロウを使うことをためらっていた。その煮え切らない態度に怒った鈴木は自ら食料にそれを混ぜたのだった。そしてダイゴロウは事情を察したかのようにそれを口へ運んだ。その新聞記事を読んで熊五郎のはらわたが煮えくり返っていた頃、オジサンはついに発明品を完成させた。再びビックリ発明大ショックに出演すると「雨降りミサイル」を披露した。それは雲の中の水蒸気を冷やすことで雨を降らせる人工降雨装置で、3分以内に雨を降らせることが出来れば今度こそ200万円を手にすることが出来るのだ。ミサイルの打ち上げは成功し程なくして雨ではなく雪が降り出した。テレビ局側はそれを成功とみなし200万円の小切手を手渡したが、オジサンは知っていた。装置が地上に落下していたことを。そして突然の雪が偶然の産物だったことを。良心の呵責を感じるが、ダイゴロウのことを思うと本当のことを明かせなかった。

屋台的映画館

北の螢

  • posted at:2020-01-20
  • written by:砂月(すなつき)
きたのほたる
東映=俳優座映画放送
配給:東映
製作年:1984年
公開日:1984年9月1日
監督:五社英雄
製作:高岩淡 佐藤正之
企画:矢部恒 佐藤雅夫
プロデューサー:佐藤和之 厨子稔雄 遠藤武志
スーパーバイザー:阿久悠
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
録音:平井清重
整音:荒川輝彦
照明:増田悦章
美術:西岡善信 山下謙爾
編集:市田勇
監督補佐:清水彰
助監督:長岡鉦司
装置:野尻裕
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
記録:田中美佐江
衣裳:松田孝
美粧・結髪:東和美粧
演技事務:寺内丈夫
刺青:毛利清二
擬斗:土井淳之祐
馬術指導:渡辺隆馬
音楽:佐藤勝
主題歌:「北の螢」森進一
スチール:中山健司
進行主任:山本吉應
協力:福井市江上町 ほくりくみどりの広場 芝政 土佐料理 司 東映京都美術センター 東映俳優センター
出演:仲代達矢 岩下志麻 佐藤浩市 早乙女愛 隆大介
アメリカンビスタ カラー 125分

明治の初頭。徳川幕府から政権を引き継いだ明治新政府は、広大な土地と無尽蔵な資源を埋蔵する北海道の開発なくしては日本の西洋式近代国家への脱皮はありえないことを熟知していた。しかし未開の自然と想像を絶する極寒の気象条件は人間の侵入を拒み、開拓は大幅に遅れた。そのため北海道開拓使長官・黒田清隆は内務卿・伊藤博文と相談の上、全国の囚人たちを北海道へ押送し開拓労働に就かせることにした。明治14年、札幌の北方約30里に当たる石狩川上流に樺戸集治監が開設され、初代典獄は月潟剛史がその任に就いた。

集治監開設から2年の後の明治16年、絶対的な権力を持つ月潟は破獄を許した各務靭良監視長を平看守に降格させた上に減俸、担当看守9名にも減俸を命じた。そして捕縛した逃走囚60人全員を斬首の刑とし、執行を補充採用者として最近赴任してきた元新選組の永倉新八に任せた。集治監には斬首の作法を心得る者がいないことが抜擢の理由だった。だが据物斬の達人である各務が名乗り出た。62号囚は政府要人の暗殺を企てた国事犯で元は幕府の直参だったが、前田看守を殺したことへの決着をつけたいと考えたからだ。月潟はそれを認め、翌日午後3時に第二獄舎囚人全員を立ち合せた上で行うことを命じた。ところが要領を得ない各務は処刑をしくじり、見兼ねた月潟は各務、62号の両者を斬り捨てたのだった。

逃走囚の捜索の際に各務隊が雪中で発見した旅芸人の行き倒れの中に一人だけ息がある者がいた。三味線弾きのその女・ゆうを気に入った月潟は、情婦のすまが女将を務める料理屋に預けることにした。ある日、峰延道路の進捗状況を視察にきた内務省開拓副長官の石倉武昌は月潟に休養を取るように言った。それは集治監の典獄を4年の間任せられることになっていた月潟にとって寝耳に水の出来事だった。だが北海道の行政が一変して札幌、函館、根室の三県に分かれることになり、札幌県知事の有力候補として彼の名前が挙がっていることを知ると話は別だ。ゆうを石倉の寝所に向かわせる代わりに彼女の要望を飲むことにした。それは国事犯として捕えられている男鹿孝之進との再会だった。かつて京の祇園で芸姑をしていたときに匿ったことがきっかけとなったのだ。ところがゆうは続けて赦免を要求してきたため、頭に血が上った月潟は石倉のところへ行くか今すぐ村を出て行くか選べと怒鳴りつけた。

ゆうが指示通りに石倉のもとへ行ったため、月潟は彼女を男鹿と面会させることにした。あなたを赦免にするためならどんなことでもする覚悟できたとゆうが言うと、男鹿は赦免の必要はないと断った。男鹿は明治政府の囚人に対する扱いに抗議するために自ら犠牲となり1300人の凶悪犯の破獄を手助けする覚悟でいたのだ。それを聞いて驚くゆうに、男鹿は月潟を刺せと命じた。

屋台的映画館

おいら女蛮

  • posted at:2020-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
おいらすけばん
キングレコード
配給:キングレコード
製作年:2006年
公開日:2006年2月4日
監督:井口昇
プロデューサー:山口幸彦 竹村正明 山田宏幸
原作:永井豪
脚本:井口昇
撮影監督:長野泰隆
照明担当:大久保礼司
録音:山田宏幸
音楽:石井雅子
特殊美術:西村喜廣
美術:井上心平
ヘアメイク:鷲野早苗
助監督:井上雄介
制作:ジャンクフィルム
制作協力:サムシングクリエイション
出演:亜紗美 桃瀬えみる 松中沙織 伊東静香 美羽
アメリカンビスタ カラー 61分

産まれたときから女のような顔と声だったことから、学校の奴らからは舐められ馬鹿にされる毎日だった女蛮子(すけ・ばんじ)。男らしくなるように努力し、嫌いな顔をそれらしくなるように自らボコボコになるまで殴り続けたが、何故かいつまでもきれいなままだった。何としてでも自分を変えたい蛮子は行く先々の高校で暴力事件を起こして退学を繰り返し、ついには通える学校がなくなってしまった。彼は元暴走族の父・蛮角との二人暮らしだったが、見かけに寄らず息子思いの蛮角はある計画を思いついた。それは蛮子にセーラー服を着せて女子高に通わせることだった。

無事に儀亜留(ぎゃる)学園に入学することが出来た蛮子だったが、肌に合わない世界にとても苦労した。そんな中、彼に親しく話し掛けてきたのは同じクラスの美人お嬢様・市持子だった。彼女にとって蛮子のようなごっつくて乱暴だが優しい女の子と友達になるのが夢で、ついにそれが実現したのだ。持子はある忠告をした。平和のように見える学園だが裏で牛耳る大番長がいることを。蛮子はそれを笑い飛ばしたが、持子は彼が目をつけられないよう女の子らしくなるレッスンを受けさせることにした。女の子に一番大事な物、それは恥じらいだった。持子が新しく入った部活は「恥じらい部」で、そこでは女の子らしさの作法を身につけることが出来るのだ。学年ごとにレベルが上がり、2年生では人に見られることで羞恥心を高めるトレーニングを、そして3年生では上級者でないと恥ずかし過ぎて気を失ってしまう程の地獄のトレーニングが行われるのだ。だがその様子を見てくだらないと帰ろうとする蛮子を引き留めたのは部長の礼奈宇カン子だった。恥じらい部部長とは仮の姿。真の姿はパンストで学園を支配するスケバングループ・パンス党の番長なのだ。持子が言っていた大番長がカン子のことであることがわかると蛮子は勝負を挑むが、カン子の必殺技・恐怖のカンカン踊り(フレンチカンカンをベースにした連続ハイキック)に手を焼いた。ところが蹴りを受け続けるうちに相手の間合いが読めるようになり、容易に避けることが出来るようになった。そしてカン子が止めの必殺パンスト落としを繰り出したとき、蛮子は相手の蹴りを受け止めると無防備になった急所に一撃を食らわせたのだった。この勝利以後、蛮子にモテ期が到来した。カン子とその手下が彼の強さにゾッコンになる一方で、持子は蛮子の心が自分から離れて行ってしまうのではないかと気が気ではなかった。

屋台的映画館

二階の他人

  • posted at:2020-01-13
  • written by:砂月(すなつき)
にかいのたにん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1961年
公開日:1961年12月15日 併映「小さな花の物語」
監督:山田洋次
製作:今泉周男
原作:多岐川恭
脚本:野村芳太郎 山田洋次
美術:宇野耕司
撮影:森田俊保
照明:須藤清治
編集:谷みどり
録音:栗田周十郎
録音技術:沼上精一
音楽:池田正義
監督助手:不破三雄
装置:若林孝二郎
装飾:鈴木八洲雄
撮影事務:大久保安夫
衣裳:斉藤耐三
撮影助手:鶴見正二
録音助手:松本隆司
照明助手:金沢清
進行:岸本公夫
出演:小坂一也 葵京子 瞳麗子 平尾昌章 関千恵子
シネマスコープ モノクロ 56分

若いサラリーマンの葉室正巳は明子との結婚を機に、郊外に家を建てた。だが方々からの借金を月給と賞与で返すには気が遠くなるほど時間が掛かることから、他人に二階を住まわせて部屋代と食費を徴収しその期間を短縮する計画を立てたのだ。居住者に決まったのは小泉夫妻だった。夫の久雄は会社勤め、妻の晴子はホステスとして働いていたことから月々の支払いは問題ないと判断し許可した。ところがいつまで経っても家賃はもらえず、気を使って言い出せないまま二ヶ月分が滞った。気の弱い正巳の代わって明子が催促を行うが、晴子は今まで親の家にいたから呑気なクセがついちゃってと言い訳した。すぐに何とかすると言いながらも、三日経っても音沙汰がなかった。明子には任せていられないと意気込む正巳だったが、いざ久雄を前にすると何も言えないのだった。

日曜日、晴子を連れてやってきた久雄は正巳の前で土下座した。そして悪いのは全て自分の、いや政治の責任だと言った。彼は学生時代にデモで捕まったことがあり、それを中傷した者のせいで会社をクビになったのだ。久雄が毎日出掛けるのは職探しで、ようやく次の就職口が見つかるかも知れないところだった。明子は心配したが、久雄の話を真に受けた正巳もう少し待ってやろうよと楽観的に言った。明子がひとりになると晴子がやってきて心の内をこぼした。部屋代は支払いを忘れていたのではなく見栄から出た嘘だった。涙ながらに語るその姿に、もう少し待ってみようと思うことにした。その一週間後、久雄の合否判定があったが残念な結果となった。そのことを知った正巳は、自分が勤める会社の倉庫の守衛に欠員があることを思い出し、部長に久雄を推薦した。

ある日、豊橋に住む長兄・鉄平と大ゲンカし家を飛び出した母・とみを次兄の信哉が正巳の家に連れてきた。するととみは小泉夫妻と馬が合いそのまま居ついてしまったのだ。半月が経つ頃、久雄は仕事に行かずに二階でとみと花札賭博で時間を潰すようになった。部長から咎められたことで頭に血が上った正巳は、帰宅後すぐに注意した。ところが久雄は力のない自分が守衛に向かないと言い出す始末。そこで正巳は、あなたが働く気になるまで絶対に食事を出さないと断言した。家計をやりくりする明子は頭を悩ませていた。二階を他人に貸して生活の足しにしようとしたが、未だに部屋代はなし。とみの食事代が増えたことで必要経費を差し引くと二千円の赤字になった。そもそも家賃を当てにしたことが間違えではなかったのかと考えた彼女は、いっそ諦めた方がいいのではないかと相談した。それを聞いて腹を括った正巳は小泉夫妻の追い出しに掛かったが、今度は晴子が開き直り次の住処が見つかるまで出ないといい出したのだった。

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