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赤胴鈴之助 三つ目の鳥人

  • posted at:2023-04-01
  • written by:砂月(すなつき)
あかどうすずのすけみつめのちょうじん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1958年
公開日:1958年3月11日 併映「母」
監督:森一生
企画:土田正義
原作:武内つなよし
潤色:穂積純太郎
脚本:岡本繁男 松村正温
撮影:宮川一夫
録音:林土太郎
美術:太田誠一
照明:岡本健一
音楽:渡辺浦人
編集:宮田味津三
音響効果:倉島暢
擬斗:宮内昌平
助監督:田中徳三
主題歌:コロムビア・レコード ビクター・レコード
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:梅若正二 中村玉緒 林成年 近藤美恵子 黒川弥太郎
シネマスコープ カラー 71分

江戸の町に鳥の羽飾りをつけた奇怪な怪人が現れ戌年生まれの子供を次々とさらって行った。そして親元に「子供を返して欲しくば護持院ヶ原の一本杉まで千両箱を持参すべし」と書かれた矢文とともに小柄の刺さった人形を送りつけたのだった。言うことを聞かなければ我が子の命がないと考えた親たちは天狗の仕業だと恐れおののいていた。三つの目を持つ鳥人は風のように現れ煙のように消え失せた。奉行所はその鳥人の首に千両の賞金を懸けた。

師匠千葉周作の推挙により江戸町奉行土井安房守の剣術指南となった赤胴鈴之助は屋敷の庭で土井の一子鶴千代に稽古をつけていたが、ただならぬ気配を感じ庭の隅へ行くと小柄の刺さった人形が落ちていた。三つ目の鳥人は命が欲しければこの屋敷の指南役から手を引けと鈴之助に命じ姿を見せぬまま高笑いとともに飛び去った。翌日の夕方、屋敷を抜け出し鈴之助の長屋を訪ねた鶴千代は浅草へ連れて行ってくれと言った。稽古仲間の金二郎から武士の子なら肝試しに一度は行かなければならないとそそのかされ、夢に見るまでお化け屋敷に興味が湧いたのだった。殿様にお許しをいただかなければと鈴之助は断るが、一人ででも行くと駄々をこね出したため子供の扱いに慣れたしのぶも連れて行くことにした。

浅草にきた三人は南蛮渡来お化け屋敷と書かれた看板を掲げる小屋に入るが、それは鶴千代を連れ去るための罠だった。三つ目の鳥人は鈴之助をつけ狙う火京物太夫と岳林坊を利用して二人から引き離すと、次は妖婆の催眠術でしのぶを操った。三つ目の鳥人は一人になった鶴千代を易々と外へ連れ出すが、子供の叫び声を聞いて駆けつけた竜巻雷之進が立ちはだかった。そして遅れてやってきた鈴之助が剣を構えると雷之進は鶴千代を引き受けた。鈴之助は三つ目の鳥人に斬り掛かるがひらりと宙に舞うと同時に姿を消した。見えない者との勝負に苦戦する鈴之助。だが気配を感じて刀を振ると手応えがあり三つ目の鳥人は血を滴らせながら逃げて行った。勝負を見届けた雷之進は三つ目の鳥人が一瞬真空斬りの構えを見せたことに疑問を感じていた。

屋台的映画館
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喜劇 急行列車

  • posted at:2023-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
きげききゅうこうれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年6月3日 併映「あゝ同期の桜」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:山口和彦
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
協力:日本国有鉄道
出演:渥美清 西村晃 小沢昭一 江原真二郎 大原麗子
シネマスコープ カラー 90分

国鉄東京車掌区で専務車掌を務める青木吾一は17時発佐世保・長崎行きの寝台特急さくら号に乗務した。横浜駅を過ぎ一段落したところで弁当箱を広げると、車掌室に一人の老人が訪ねてきた。その老人は東北・気仙沼で蒸気機関車の機関士をしていたのだという。それを聞いた吾一は気仙沼線の陸前階上駅で働いていた時のことを思い出した。17歳だった彼が駅員となって初めて着任したのが陸前階上駅であり、もしかして会っていたかもしれないと考えると感慨深いものがあった。久しぶりの東北訛りを聞いてうれしくなった吾一は、土産話として一等寝台車を見せて欲しいという願いを叶えることにした。

乗車券の確認をする時間になり吾一が車内を巡回していると、乗客の中に憧れの人がいることに驚いた。横須賀線で車掌をしていた際に塚田毬子に一目惚れし、学生として鎌倉ー東京間を往復する彼女と毎日会えることを楽しみにしていたのだった。ドキドキしながら乗務員室に戻った吾一はその時のことを思い出しながら独り言を呟いていたが、マイクのスイッチが入ったままになっていることに気づかずその声が車内に流れたのだった。慌てた同僚が指摘をすると吾一はどうしようと落ち込んだ。だがすぐに思い直し、自分が書いた小説の一節を朗読したことにしてその場を収めた。乗客が就寝の準備を始めた頃、毬子は吾一に電報を打って欲しいと頼んだ。電文の文字数を確認する際にそれが夫と離別する内容だと知った彼は考え直した方がいいと諭すが毬子の決意は固かった。

早朝、列車が徳山駅に着いた頃、乗客のホステス5人組が騒ぎだした。指輪などのアクセサリーが盗まれたというのだ。他にも盗られた者がいるのではないかと考えた吾一は聞き取りを行うと、その時間に眠れなかった毬子がスリの犯行を目撃したと証言した。岡山を発車したくらいに男が廊下をウロウロした後、隣の車両に行ったというのだ。顔は暗くて良く見えなかったが特徴は覚えていた。そこで吾一が男の向かった車両へ何事もなかったように彼女を歩かせると、毬子は一号車の中ほどまで行ったところで合図を送った。列車が門司駅に到着すると鉄道公安職員が乗り込み男の取り調べを行ったが盗品は出てこなかった。だが不審な動きをした女を調べたところ、犬のケージバッグからアクセサリーが見つかった。二人は示し合わせて悪事を働いていたのだ。

屋台的映画館

太陽を盗んだ男

  • posted at:2023-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
たいようをぬすんだおとこ
キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年10月6日
監督:長谷川和彦
製作:山本又一朗
プロデューサー:伊地智啓
原案:レナード・シュレイダー
脚本:レナード・シュレイダー 長谷川和彦
撮影:鈴木達麿
照明:熊谷秀夫
録音:紅谷愃一
美術:横尾嘉良
編集:鈴木晄
音楽:井上堯之
編曲:星勝
助監督:相米慎二 高橋芳朗 矢野広成 榎戸耕 森安建雄
擬斗:西本良治郎
カーアクション:三石千尋&マイクスタントマンチーム
化学指導:島本哲男
合成:デン・フィルム・エフェクト
現像:東洋現像所
製作進行:大谷康之 黒沢清
製作担当者:古川石也 山本勉
協力:東洋工業株式会社
出演:菅原文太 沢田研二 池上季実子 北村和夫 神山繁
アメリカンビスタ カラー 147分

堀口中学校で3年3組を受け持つ理科教師の城戸誠は遅刻の常習者で毎日を無気力に過ごしている。そんな彼の関心事は「巨大なエネルギー」を手に入れることであり、自宅の部屋には実験器具が所狭しと並べられていた。ある日の夕方、帰宅した彼はいつも窓から入ってくるニャロメと名付けた野良猫をミルクで手懐けるとアパートの屋上へ連れて行った。そして誰もいないことを確認すると殺虫剤の缶に仕込んだ催眠ガスを吹き付けて効果を見た。それが有効であることを確認すると深夜になるのを待ち交番に出掛けた。老人に変装した彼は巡査に道を尋ね、相手が油断した隙に催眠ガスを顔に吹き掛けた。

翌日、誠は学校行事の親睦会で箱根高原にいた。木陰で新聞を広げた彼は昨夜の事件の記事を目で追った。すると隅に小さく載っておりそれを声に出して読んだ。「交番の巡査、拳銃をうばわる」。山をバックに記念撮影を終えバスに乗り込むと、誠は振り返って生徒の様子を見てから眼をつむった。バスは首都高速道路をノロノロと進みやがて皇居に差し掛かった。北の丸公園駐車場でトイレ休憩を終えたバスが出発しようとしたその時、旧陸軍の歩兵服に身を固め両手に銃を握り締めた老人が乗り込んできた。冗談はやめろよと運転手が止めようとしたのと同時に銃が火を噴きガラスが飛び散った。前の席にいた誠は銃身を握ると上へ向けて老人の胸倉をつかんだ。だが老人が手榴弾を取り出したため手を離さざるを得ず銃の先端で突き飛ばされた。運転手に走らせろと命じたバスは皇居へ向かっていた。坂下門に突進するバスは守衛所の警官たちによって門を閉められたため急停車した。老人が車内から撃ってきたことから警官たちは応戦しようとするが、手榴弾で守衛所は木っ端微塵に吹き飛ばされた。

日はとっぷりと暮れライトに照らされたバスは警察車両が取り囲まれていた。後から到着した山下満州男警部は説得を続ける警官から拡声器を受け取ると引き続き呼び掛けた。狙撃班が到着し打ち合わせを行っていると誠が出てきた。白いハンカチを掲げて警官隊の方へ歩いて行くと、山下は犯人の要求を聞かせてくださいと尋ねた。天皇陛下とお会いしてお話ししたいと言っていると誠が説明すると山下は言葉を失った。これ以上事態を長引かせたくない山下は犯人と直接交渉を行うことにするが、作戦を傍で聞いていた誠は老人を刺激したくないからと同行を志願した。

屋台的映画館

私を抱いてそしてキスして

  • posted at:2023-03-21
  • written by:砂月(すなつき)
わたしをだいてそしてきすして
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1992年
公開日:1992年11月14日
監督:佐藤純彌
企画:黒澤満 坂上順
プロデューサー:小島吉弘
原作:家田荘子
脚本:田部俊行 麻生かさね 高橋洋
撮影:池田健策
美術:小澤秀高
照明:増川弘邦
録音:柿沼紀彦
編集:西東清明
監督補:伊藤裕彰
助監督:鳥井邦男
キャスティング:飯塚滋
進行主任:大塚泰之
音楽:渡辺俊幸
音楽プロデューサー:高桑忠男
主題歌:「愛する時間に」来生たかお
音楽製作:東映音楽出版
製作協力:セントラルアーツ
出演:南野陽子 赤井英和 三浦友和 平田満 柳沢慎吾
アメリカンビスタ カラー 108分

旅行代理店「コスモトラベル」で働く合田圭子は、3年の間音信不通となっていた昔の恋人の田辺謙一と水族館で会うことになった。少し痩せたように見える謙一は圭子と顔を合わせるなり君は何ともないかと言った。何のことかわからず聞き返すと、謙一はHIV検査を受け陽性だったと言った。圭子にもしものことがあったら大変だと思って打ち明けたのだが、彼女の受けた衝撃はとても大きかった。圭子は検査に付き添うという謙一を振り切って逃げるようにその場を後にした。

数日後、東京都八幡台保健所で検査結果を聞いた圭子が信号待ちをしているとジャーナリストの津島美幸が声を掛けてきた。彼女は社会問題となっているエイズについて調べており、その一環で自身も検査を受けたのだ。結果は陰性だったと美幸が言うと、圭子はだからって私には関係ないでしょと冷たく突き放した。公衆衛生医師から陽性と告げられた彼女は酷く落ち込んでいた。ウイルスは涙や唾液にも含まれているが、極めて微量だから空気感染や日常生活での接触で感染することはないと説明を受けた。だが性交渉の際は気をつけるようにと釘を刺されたため、感染の原因が謙一にあるのではないかと疑った。自宅に帰ってシャワーを浴び暗い部屋で一人考え事をしていると電話が鳴った。受話器を取るとその相手は謙一の妻だった。圭子の検査結果を聞いた彼女はあなたがうつしたのねと金切り声をあげ、会社にエイズだってことをばらしてやると罵った。謙一は2年前に結婚をしたが、家族全員が陽性判定となったのだ。ショックを受けた圭子は夜の街を彷徨い、泥酔しているところを証券会社勤務の高野晶に介抱された。美人の圭子に心惹かれた晶は彼女をホテルに連れて行くと一夜をともにした。

翌朝、圭子はいつものように出社したが、謙一の妻の言葉が頭から離れなかった。何事もなく仕事が終わろうとしていた夕方、客だと思い電話に出ると受話器の向こうにいたのは晶だった。証券会社という職業柄、彼は伝手を使って勤める会社を突き止めたのだ。晶は仕事を終えて会社から出てきた彼女をデートに誘うが、圭子はどうしていいかわからなかった。

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そろばんずく

  • posted at:2023-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
そろばんずく
フジテレビジョン=ニッポン放送=A to Z
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年8月23日 併映「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」
監督:森田芳光
製作:日枝久 亀淵昭信 秦野嘉王
プロデューサー:角谷優 岡田裕
プロデューサー補:仲川好久 酒井彰 河井真也
脚本:森田芳光
音楽:梅林茂
ビジュアル・アドバイス:伊藤佐智子
撮影:前田米造
美術:中澤克己 古谷良和
録音:橋本文雄
照明:矢部一男
編集:鈴木晄
助監督:原隆仁
製作担当者:青木勝彦
記録:森永恭子
スチール:目黒祐司
色彩計測:佐藤徹
スタイリスト:渥原マヤ
主題歌:「寝た子も起きる子守唄」とんねるず
テーマ曲:「こわいものみたさ」春日野八千男と時津風わたる
製作進行:坂本忠久
企画協力:N.E.W.S.コーポレーション
現像:東京現像所
特殊合成:デン・フィルム・エフェクト
製作協力:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
出演:石橋貴明 木梨憲武 安田成美 小林薫 渡辺徹
アメリカンビスタ カラー 109分

広告代理店「ト社」はライバル会社の「ラ社」に水を開けられていたが、その原因は若者たちの流行を掴めていないことにあった。企画部と営業部による会議が開かれ、かじか沢営業部長がアンケート結果を見ても若者の気持ちがわからないと嘆くと、渋谷係長は数字だけを真に受けると後手後手に回る悪循環に陥る恐れがあると言った。それを聞いた植田が市場調査に意味がないとでも言うのかと意見すると、渋谷は君が作ったデータに疑問を持っているのではないと怒鳴った。議論が白熱する中、壁際にいた春日野八千男と時津風わたるが立ち上がり、思い切った発想の転換が必要だと言った。彼らはセミナー教室に移動すると制服に着替え、講師の平和島のもとで「新人類を理解するには」という講義を受けることになったが、その途中で春日野と時津風はCF撮影の立ち会いに呼び出された。

AスタジオではおっぱいミルクのCF撮影が行われていたが、タレントの演技に納得出来ない監督が何度もダメ出ししていた。重たい空気が漂う中、春日野が監督に、時津風がタレントの耳元で自信をつける言葉をささやくと現場は一気に明るくなり撮影も一発でOKが出た。休憩の時間になり二人がラーメンをすすっていると、その先のテーブルに人気女優の月丸がラ社の天敵雄と食事をしていた。天敵がトイレに立つと二人はすかさず近寄りト社への鞍替えを勧めるが相手にされなかった。

関西のクライアントの花月とホテルのバーで待ち合わせをしていた春日野と時津風は、頃合いを見て銀座で飲み直しましょうと提案した。だが花月は、せっかくのお誘いだがこのホテルに女の人を待たせてあると言った。そこに現れたのは天敵で、待たせてある女の人というのが月丸だった。またしても天敵に出し抜かれた二人は憂さ晴らしに行きつけのカラオケバーに行くが、そこで時津風はカウンター席で物憂げな表情を浮かべる女性に気づいた。春日野は気軽に声なんて掛けたら金を取られるかもしれないぞと忠告するが、時津風はお構いなしに近づいて行った。よかったら一緒に飲みませんかと誘うと彼女は快く席を移動した。悩み事があるなら心配せずに話してごらんと時津風が優しく言うと女性は昔この店にきた彼氏との話を始めた。そしてその勢いで深酒をしてしまい、二人は泥酔した彼女を実家までタクシーで送り届けることになった。翌日、セミナー教室に現れた女性を見て春日野たちは目を丸くした。昨夜、実家に送り届けた彼女は梅づくしのり子という中途入社の新入社員だったのだ。平和島は彼女に早く仕事を覚えさせるために春日野と時津風の下につけることにした。

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