東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年6月3日 併映「あゝ同期の桜」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:山口和彦
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
協力:日本国有鉄道
出演:渥美清 西村晃 小沢昭一 江原真二郎 大原麗子
シネマスコープ カラー 90分
国鉄東京車掌区で専務車掌を務める青木吾一は17時発佐世保・長崎行きの寝台特急さくら号に乗務した。横浜駅を過ぎ一段落したところで弁当箱を広げると、車掌室に一人の老人が訪ねてきた。その老人は東北・気仙沼で蒸気機関車の機関士をしていたのだという。それを聞いた吾一は気仙沼線の陸前階上駅で働いていた時のことを思い出した。17歳だった彼が駅員となって初めて着任したのが陸前階上駅であり、もしかして会っていたかもしれないと考えると感慨深いものがあった。久しぶりの東北訛りを聞いてうれしくなった吾一は、土産話として一等寝台車を見せて欲しいという願いを叶えることにした。
乗車券の確認をする時間になり吾一が車内を巡回していると、乗客の中に憧れの人がいることに驚いた。横須賀線で車掌をしていた際に塚田毬子に一目惚れし、学生として鎌倉ー東京間を往復する彼女と毎日会えることを楽しみにしていたのだった。ドキドキしながら乗務員室に戻った吾一はその時のことを思い出しながら独り言を呟いていたが、マイクのスイッチが入ったままになっていることに気づかずその声が車内に流れたのだった。慌てた同僚が指摘をすると吾一はどうしようと落ち込んだ。だがすぐに思い直し、自分が書いた小説の一節を朗読したことにしてその場を収めた。乗客が就寝の準備を始めた頃、毬子は吾一に電報を打って欲しいと頼んだ。電文の文字数を確認する際にそれが夫と離別する内容だと知った彼は考え直した方がいいと諭すが毬子の決意は固かった。
早朝、列車が徳山駅に着いた頃、乗客のホステス5人組が騒ぎだした。指輪などのアクセサリーが盗まれたというのだ。他にも盗られた者がいるのではないかと考えた吾一は聞き取りを行うと、その時間に眠れなかった毬子がスリの犯行を目撃したと証言した。岡山を発車したくらいに男が廊下をウロウロした後、隣の車両に行ったというのだ。顔は暗くて良く見えなかったが特徴は覚えていた。そこで吾一が男の向かった車両へ何事もなかったように彼女を歩かせると、毬子は一号車の中ほどまで行ったところで合図を送った。列車が門司駅に到着すると鉄道公安職員が乗り込み男の取り調べを行ったが盗品は出てこなかった。だが不審な動きをした女を調べたところ、犬のケージバッグからアクセサリーが見つかった。二人は示し合わせて悪事を働いていたのだ。
屋台的映画館
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