東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1992年
公開日:1992年11月14日
監督:佐藤純彌
企画:黒澤満 坂上順
プロデューサー:小島吉弘
原作:家田荘子
脚本:田部俊行 麻生かさね 高橋洋
撮影:池田健策
美術:小澤秀高
照明:増川弘邦
録音:柿沼紀彦
編集:西東清明
監督補:伊藤裕彰
助監督:鳥井邦男
キャスティング:飯塚滋
進行主任:大塚泰之
音楽:渡辺俊幸
音楽プロデューサー:高桑忠男
主題歌:「愛する時間に」来生たかお
音楽製作:東映音楽出版
製作協力:セントラルアーツ
出演:南野陽子 赤井英和 三浦友和 平田満 柳沢慎吾
アメリカンビスタ カラー 108分
旅行代理店「コスモトラベル」で働く合田圭子は、3年の間音信不通となっていた昔の恋人の田辺謙一と水族館で会うことになった。少し痩せたように見える謙一は圭子と顔を合わせるなり君は何ともないかと言った。何のことかわからず聞き返すと、謙一はHIV検査を受け陽性だったと言った。圭子にもしものことがあったら大変だと思って打ち明けたのだが、彼女の受けた衝撃はとても大きかった。圭子は検査に付き添うという謙一を振り切って逃げるようにその場を後にした。
数日後、東京都八幡台保健所で検査結果を聞いた圭子が信号待ちをしているとジャーナリストの津島美幸が声を掛けてきた。彼女は社会問題となっているエイズについて調べており、その一環で自身も検査を受けたのだ。結果は陰性だったと美幸が言うと、圭子はだからって私には関係ないでしょと冷たく突き放した。公衆衛生医師から陽性と告げられた彼女は酷く落ち込んでいた。ウイルスは涙や唾液にも含まれているが、極めて微量だから空気感染や日常生活での接触で感染することはないと説明を受けた。だが性交渉の際は気をつけるようにと釘を刺されたため、感染の原因が謙一にあるのではないかと疑った。自宅に帰ってシャワーを浴び暗い部屋で一人考え事をしていると電話が鳴った。受話器を取るとその相手は謙一の妻だった。圭子の検査結果を聞いた彼女はあなたがうつしたのねと金切り声をあげ、会社にエイズだってことをばらしてやると罵った。謙一は2年前に結婚をしたが、家族全員が陽性判定となったのだ。ショックを受けた圭子は夜の街を彷徨い、泥酔しているところを証券会社勤務の高野晶に介抱された。美人の圭子に心惹かれた晶は彼女をホテルに連れて行くと一夜をともにした。
翌朝、圭子はいつものように出社したが、謙一の妻の言葉が頭から離れなかった。何事もなく仕事が終わろうとしていた夕方、客だと思い電話に出ると受話器の向こうにいたのは晶だった。証券会社という職業柄、彼は伝手を使って勤める会社を突き止めたのだ。晶は仕事を終えて会社から出てきた彼女をデートに誘うが、圭子はどうしていいかわからなかった。
屋台的映画館
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