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情炎お七恋唄

  • posted at:2021-10-20
  • written by:砂月(すなつき)
じょうえんおしちこいうた
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年2月29日 併映「秘事」
監督:小原宏裕
企画:伊地智啓
脚本:新関次郎
撮影:森勝
美術:川崎軍二
録音:高橋三郎
照明:土田守保
編集:鈴木晄
音楽:月見里太一
助監督:八巻晶彦
色彩計測:水野尾信正
現像:東洋現像所
製作担当者:大内利男
出演:小川節子 森竜二 浜口竜哉 牧恵子 高見由紀
シネマスコープ カラー 70分

八百善の一人娘お七は本郷小町と呼ばれる程の器量良しだった。そんな彼女に質屋の近江屋作兵衛との縁談が持ち上がったが、お七は気乗りしなかった。大金持ちの跡取り息子とあって父善助や母おひさはその話を快く受けるつもりでいたが、作兵衛のことが嫌いなお七が了承するはずがなかった。その夜、嵐が江戸の町を襲い川が氾濫したこともあって駒込の吉祥寺に避難すると、和尚は寺小姓の吉三郎に世話するように命じた。夜が明けると雨は幾分小降りになったが水は二、三日は引きそうになかった。お七のことが心配でたまらない作兵衛は差し入れを持って吉祥寺に駆けつけ、茶を出しにきた吉三郎に八百善一家に粗相のないようにと小判を渡した。すると吉三郎は誰にでも同じように気を配るのが務めであるため金でもてなしの区別は出来ないと言った。そのやり取りを聞いていたお七は胸のすく思いで笑みがこぼれた。

町の水が引き始めた頃にはお七は吉三郎の澄んだ瞳と優しい心遣いに心を奪われていた。店の様子を見に行くという善助からもうすぐ寺を出なければならないことを聞いたお七は、別れの時が迫っていることを感じた。いずれは親が決めた縁談に従わなければならないため、悩んだお七はその前に吉三郎との思い出を作ることにしたのだった。別れの日、お七が借りた掻巻を返しに行くが帰りたくないと駄々をこねた。すると吉三郎は再び体を重ねたが、お七を捜しにきたおひさはその様子を目撃しこれまでのことをなかったことにして欲しいと頭を下げた。

屋敷に戻ったお七は吉三郎への想いが募るばかりで、一目逢いたいと用事を作って出掛けようにも善助の監視の目は厳しかった。一日も早く作兵衛との縁談をまとめたい善助は彼女を部屋に閉じ込め琴や三味線の習い事をさせた。だが今の思いを何としてでも伝えたいお七は身の回りの世話をするお梅に付け文を届けさせたのだった。お七に逢いたいのは吉三郎も同じだったが、和尚からいずれ出家する身なのだから今から心に迷いがあってはならぬと釘を刺されていた。そんな折に付け文を受け取り何か逢うための手段がないかと考えを巡らせた。

屋台的映画館
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好色元禄(秘)物語

  • posted at:2021-10-17
  • written by:砂月(すなつき)
こうしょくげんろくまるひものがたり
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年10月14日 併映「神戸国際ギャング」
監督:関本郁夫
企画:本田達男 上阪久和
脚本:田中陽造
撮影:塩見作治
照明:井上孝二
録音:荒川輝彦
美術:竹川輝夫
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
助監督:平野勝司
記録:石田照
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
スチール:中山健司
美粧:長友初生
結髪:白鳥里子
衣裳:佐々木常久
擬斗:菅原俊夫
演技事務:伊駒実麿
進行主任:野口忠志
出演:ひし美ゆり子 橘麻紀 名和宏 笑福亭鶴光 汐路章
アメリカンビスタ カラー 67分

西念寺住職清海の妾であるお夏は、玉の輿を狙って呉服屋丹波屋の若旦那世之介に近づき誘惑した。その結果、夫婦の契りを交わした上に母親の形見である櫛まで手に入れたのだった。一刻も早く別れたいお夏は着物の下に笊を入れて子を宿したと嘘をつき、清海は檀家に言い訳が出来ないからと暇を出した。実家の長屋に戻ってきた娘の姿を見た父親の忠兵衛は驚いた顔をするが、清海をだまして手切れ金をせしめたことがわかると激怒した。棺桶職人の忠兵衛にとって清海はお得意様なのだ。するとお夏はちゃんと代わりを捉まえてあるから心配しなくてもいいと言った。彼女は世之介の他に薬種問屋の喜兵衛とも深い関係になっていたのだ。ある日、忠兵衛が酔っ払って帰ってきたことから、お夏がそんな銭何処にあったんだいと尋ねた。するとどうやら世之介が祝言を挙げることになり振舞酒をしこたま飲んできたのだという。血相を変えたお夏が丹波屋に乗り込むと、世之介はうろたえながら許してくれと懇願した。だが父親が現れると世之介は知らない女だと白を切り突き飛ばした。お夏は下働きの男たちに川へ捨てられたが、それを助けたのは西念寺の若い僧侶西鶏だった。息を吹き返したお夏は世之介をどうやって見返すか、そんなことばかり考えていたが、西鶏はその夜、初夜を迎えた世之介とお初の寝所に忍び込んで縞蛇を放った。縞蛇はお初の秘所に潜り込み、その驚いた様子を見て西鶏は面白がった。そのことを翌日に知ったお夏は、仕返しなら自分でやると叱った。

お夏には奔放な彼女とは正反対の貞淑な妹お七がいた。小間物商いをする夫の久松といつか店を持ちたいという夢を見ながら生活しているが、思うように金が貯まらず忠兵衛の世話になっていた。ある日、久松から出合茶屋へ注文の簪を届けるように言われたお七だったが、それは女房を出汁にして安易に大枚を稼ごうと考える久松の浅知恵だった。十両で自分が売られたことを知り逆上したお七は長屋に戻ると久松を鑿で刺殺し、お夏と協力して死体を池に沈めた。

久松を弔った西鶏はつい最近聞いた堺の港の女郎屋で起きた出来事を話し始めた。千人の男と枕を交わした遊女がそのままふっつりと姿を消したのだという。普賢菩薩が男たちの煩悩を清めるために生まれ変わったのではないかと噂が立ったが、西鶏は大罪を犯した女が償いをするためにしたことではないだろうかと言った。話を聞き終えたお七は久松への供養に繋がるかもしれないと考え同じことをする覚悟を決めた。

屋台的映画館

男はつらいよ 知床慕情

  • posted at:2021-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしれとこぼじょう
松竹
配給:松竹
製作年:1987年
公開日:1987年8月15日 併映「塀の中の懲りない面々」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
・・・:「知床旅情」森繁久彌
撮影機材:パナビジョン
協力:北海道 斜里町 羅臼町 中標津町 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 竹下景子 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 107分

桜の季節が終わりツバメが辺りを飛び始めた頃、葛飾柴又の団子屋・くるまやに車寅次郎が帰ってきた。表に当分休業の張り紙があったことから叔父夫婦が温泉旅行にでも行ったのかと思っていたが、妹のさくらから竜造が風邪をこじらせて肺炎を起こして入院していることを聞き顔色が変わった。だがあと数日で退院出来ることがわかると安心したが、居ても立っても居られず病院に行った。元気そうな顔を見た寅次郎が大事にならなくてよかったと声を掛けると、竜造は感謝の言葉を返した。

その夜、疲れた顔をして帰ってきたつねは病院で起きたことをさくらや博に話した。病院の医師に手土産を渡せばそれなりに応えてくれると考える寅次郎は見舞いのついでにウイスキーを渡そうとしたのだが、病院の方針として受け取れないと担当医は突き返した。押し問答が続く中、寅次郎は無理矢理押しつけて帰ってきたのだが、担当医は二度と彼を病院に連れてくるなと激怒しつねにウイスキーを押しつけたのだった。何も知らない寅次郎が二階から下りてくるとあけみが夕食の手伝いにきていた。翌日から店を開けることになり、あけみや印刷工場のゆかりなども総動員で切り盛りすることになっているのだ。自分が除け者にされていると感じた寅次郎は何でもやると言い張るが、団子をこねると体中がかゆくなるだの、串さしは自分の目ん玉を刺すようで嫌だの、餡子を練るのは匂いを嗅いだだけで飽きっぽくなるだのと文句ばかり言ってつねを呆れさせた。それならばとさくらは帳場に座って金庫番でもしていればいいと提案した。するとあけみもその方が絵になるからと煽て、それを聞いた寅次郎は俄然やる気を出した。

翌日、言われた通りに帳場に座るが、注文の電話で相手の名前を聞きそびれ、することがないのでマンガを読み、退屈凌ぎに何度もトイレに立ち、仕舞いには居眠りを始めた。つねがこぼした小言をたまたま聞いた寅次郎は腹を立てて酒を飲みに出掛けたが、反省して帰ってくると閉店後の店の中には暗い空気が漂っていた。肝心な跡取りがあのザマだとつねは嘆き、さくらや様子を見にきた梅太郎は言葉を選んで必死になだめようとしていた。その様子を見た寅次郎は静かに扉を閉めると再び旅に出た。

屋台的映画館

めぞん一刻

  • posted at:2021-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
めぞんいっこく
キティ・フィルム=東映
配給:東映
製作年:1986年
公開日:1986年10月10日 併映「ア・ホーマンス」
監督:澤井信一郎
製作:多賀英典
プロデューサー:伊地智啓 小島吉弘
原作:高橋留美子
脚本:田中陽造
撮影:仙元誠三
美術:桑名忠之
照明:渡辺三雄
録音:宮本久幸
編集:西東清明
記録:宮本衣子
助監督:藤沢勇夫
製作主任:大塚泰之
音楽:久石譲
音楽プロデューサー:高桑忠男 高橋良一
テーマ曲:「アローン・アゲイン」ギルバート・オサリバン
・・・:「ゲット・ダウン」ギルバート・オサリバン
出演:石原真理子 石黒賢 伊武雅刀 宮崎美子 藤田弓子
アメリカンビスタ カラー 99分

閑静な住宅街にひっそりと建つ古びた木造アパート「一刻館」。5号室に住む浪人生の五代祐作は非常識な入居者たちに悩まされ何度も出て行く決意をするが、優柔不断なためいつの間にか何事もなかったように住み続けていた。その入居者とは1号室に住む詮索好きで宴会好きの一の瀬花枝、4号室の住人で年齢、職業不詳の四谷さん、スナック「茶々丸」勤務する6号室の六本木朱美だった。ある日、五代がいつものようにアパートを出て行こうとすると、突然時計の鐘の音が鳴りびいた。一刻館の正面上部には大時計が設置されているが、壊れているはずのその時計が動いたのだ。何か不吉なことが起こるかもしれないと入居者たちがおびえていると、白い犬を連れた若い美女が訪ねてきた。彼女はアパートの新しい管理人としてやってきた音無響子だった。大家から滞納した家賃をとりあえず2ヶ月分支払うように言われたと伝えると、花枝たちは不安が当たったとつぶやいた。だが一目惚れした五代は出て行くことも忘れて鼻の下を長くしたのだった。

茶々丸に集合した入居者たちは今後の対策を講じることにした。まず手始めに四谷さんが頭の中のプランを披露した。響子のために歓迎会を開き、無理矢理酒を飲ませて急性アルコール中毒にする。倒れて抵抗出来なくなったところを犯せば家賃の取り立てどころではなくなる、というものだった。成功を祈って乾杯したが、翌日に決行したところ計画は思い通りに進まなかった。響子は酒豪と呼ばれる四谷さんたちに負けず劣らずだったのだ。ところが突然吐き気を催してトイレに駆け込んだため皆同じ想像をした。つわりだな、と。

大学の受験をしたものの響子のことで頭が一杯な五代は途中で諦めて教室を後にした。電車に乗って帰宅することにしたが、偶然同じ列車に彼女が乗っていることがわかると何処へ行くのか興味が湧き尾行することにした。響子が訪ねた先、そこは実相寺という寺だった。虚無僧の姿をして突然現れた四谷さんとともに和尚との会話を盗み聞きしていた五代は、彼女が未亡人であることを知り衝撃を受けた。

屋台的映画館

nude

  • posted at:2021-10-08
  • written by:砂月(すなつき)
ぬーど
「nude」製作委員会(ハピネット=m-voice=スモーク)
配給:アルシネテラン=ハピネット
製作年:2010年
公開日:2010年9月18日
監督:小沼雄一
製作:藤岡修 宇田川寧
エグゼクティブプロデューサー:木村有一
プロデューサー:永田芳弘 柴原祐一
アソシエイトプロデューサー:鈴木俊輔 加茂義隆
原作:みひろ
脚本:石川美香穂 小沼雄一
撮影:早坂伸
照明:フクナガヒロアキ
録音:小宮元
装飾:龍田哲児
編集:前嶌健治
音楽:宇波拓
衣裳:宮本まさ江
ヘアメイク:喜舎場志乃
キャスティング:谷川原百子
助監督:江利川深夜
制作担当:栗林直人
主題歌:「バイババビンバ」テニスコーツ
制作プロダクション:スモーク
制作協力:ダブ
出演:渡辺奈緒子 佐津川愛美 永山たかし 富田麻帆 湯川尚樹
アメリカンビスタ カラー 106分

山瀬ひろみは高校卒業後、空港の警備員として働くために故郷の新潟を離れて上京した。だがこの就職には下心が隠されていた。タレントの仕事に憧れていた彼女は、あわよくばスカウトマンの目に留まり芸能界デビューすることを夢見ていたのだ。慣れない仕事に迷っていた頃、ひろみは大学に通う広田英介と渋谷で待ち合わせをしていたが、スカウトマンらしき男の姿を見つけると自ら近づきさりげなく通り過ぎた。男は彼女を呼び止めるとモデルの仕事に興味がありませんかと声を掛けた。それが榎本正人との最初の出会いだった。名刺を渡され笑顔になるひろみだったが、それを遮ったのはナンパされているのではないかと気遣う英介だった。それから数日後、ひろみは榎本に電話を掛け喫茶店で具体的な話を聞くことになった。その仕事内容がヌードグラビアであることを知ると、フロンティア芸能事務所がタレント専門ではなくAV事務所であることを初めて説明を受けた。将来どのような活動をしたいかと問われ歌や芝居などいろいろなことがしたいと答えると、有名になるためには自分の存在を世間に知ってもらいながらステップアップするのが近道だと榎本は丁寧に説明した。それを聞いたひろみが戸惑っていると、榎本は難しく考えずに興味があったらまた電話をくださいとにこやかに言った。

ひろみはAV出演をしないことを条件にヌードの仕事を引き受け、それと同時に空港の仕事を辞めた。グラビア撮影のために事務所を訪れた彼女に、榎本は先輩のAV女優を紹介した。彼女が任されたのはひろみの芸名を考えることだった。先輩はしばらく考えた末に「みひろちゃん」と呼び、ひろみは素敵な名前をもらえたことに感謝した。スタジオに通されたみひろは初めての撮影を行い、気に入った一枚をカメラマンから記念にもらった。

みひろとして新たな道を進むことになったが現実は厳しかった。グラビアの仕事はひと月に5、6回しかなく、接客業のアルバイトなどをふたつ掛け持ちした。その頃から英介が頻繁に家にくるようになり、せがまれれば言われるままに生活費を渡した。ある日、内緒にしていたグラビアの仕事が英介にバレてしまった。だがその頃から仕事が順調に増えて行き、あっという間に事務所内で一番の稼ぎ頭となった。全国的に知名度が上がることで、彼女の評判はやがて高校の同級生だった親友の河井さやかの耳にも届いた。

屋台的映画館

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砂月(すなつき)
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