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恋愛ズバリ講座

  • posted at:2021-09-20
  • written by:砂月(すなつき)
れんあいずばりこうざ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1961年
公開日:1961年1月21日

『第一話 吝嗇(けちんぼ)』
監督:三輪彰
企画:笠根壮介
構成:並木鏡太郎 土居通芳
脚本:武部弘道 神谷吉彦 中村経美
撮影:山中晋
照明:石森浩
録音:片岡造
美術:小汲明
音楽:渡辺宙明 八木正生
編集:永田紳
助監督:武部弘道
製作主任:奥原徳太郎
出演:天知茂 小畑絹子 松原緑郎 星輝美 御木本伸介

『第二話 弱気(よわき)』
監督:石川義寛
企画:島村達芳
構成:小森白 曲谷守平
脚本:北島隆 出口富雄 青野暉
撮影:森田守
照明:傍士議雄
録音:沼田春雄
美術:岩武仙史
音楽:渡辺宙明 八木正生
編集:笠間秀敏
助監督:北島隆
製作主任:毛利幸久
出演:菅原文太 池内淳子 林寛 沢井三郎 若杉嘉津子

『第三話 好色(こうしょく)』
監督:石井輝男
企画:佐川滉 大西正雄
構成:加戸野五郎 山田達雄
脚本:柴田吉太郎 勝俣真喜治 山際栄三 金谷稔
撮影:須藤登
照明:小山正治
録音:竹口一雄
美術:宮沢計次
音楽:渡辺宙明 八木正生
編集:鹿島秀男
助監督:柴田吉太郎
製作主任:藤岡治郎
振付:竹部薫
出演:三原葉子 浅見比呂志 沖竜次 魚住純子 万里昌代
シネマスコープ モノクロ 82分

『第一話 吝嗇(けちんぼ)』
リッチマンKKの社長・富田は一代で会社を大きくした。ギブアンドテイクの原則に従って生活をしている彼は起業する女性社長のために講座を開いていた。金は天下の回り物と云われるが待っている間に首が回らなくなり首を括ることになりかねない。そこで身分相応にあるだけの金を遣り繰り算段、節約、倹約、合理的に使う方法を学ばねばならないと説いた。「与えて取る」という経済法則を利用しなければならないが、例えケチだと呼ばれようと自分にケチであっても他人にその分を与えた方が良い。蒔かぬ種は生えぬ。その言葉に感銘を受けた大富産業の女社長が特別の授業料を払っても秘訣を教えて欲しいと言うと、富田は自社が経営するホテルで午後3時に待ち合わせをすることにした。特別の授業料が金銭以外のことを示すのではないかと傍にいた総務部長から聞いた富田はプレゼントとして用意したイミテーションの指輪を持ってホテルに向かった。一方、子会社設立のための資金調達を成功させようと考えている女社長は金を払わずに秘訣を手に入れようと考えていた。彼女の方針は「テイクアンドテイク」だった。

『第二話 弱気(よわき)』
建設省の査定官が視察にくるということで静岡県にある水奈辺村では朝から大騒動になっていた。消防団員たちは音楽隊となってマーチを演奏し、役人が乗ったバスが到着すると村長や村民たちはこぞって歓迎した。日本で最初となる原子力発電所を誘致するために皆で降りてきた小池という男を役場へ連れて行くが、彼はただの会社員だった。気弱な小池は違うと言い出すことが出来ず、そうとは知らない村長たちは酒宴を設けた。村会議員は芸者を呼び、助役は二号の後家を紹介した。そんな中、娘の美代子が現れると村長は酌をするように促した。建設場所となる土地を買って欲しいと考える三人は小池の泊りの世話を賭けて畑の大根を引き抜くが、一番長いのを引いたのは村長だった。小池が美代子と逢いたがっていることを知り俄然やる気を出す村長だったが、そもそも小池がこの村へきたのは昔の恋人の美代子を追い掛けてきたからだった。

『第三話 好色(こうしょく)』
教会で結婚式が行われ、花婿と花嫁は牧師の前で愛を誓った。式が終わると親族に見守られながら二人は新婚旅行に出掛けたが、花婿がハンドル操作を誤り車は崖から転落した。一命を取り留めた花婿は軽傷で済んだが、花嫁は帰らぬ人となった。身寄りのない彼女にいいパートナーが見つかったと牧師は喜んでいたが、突然の死に胸を痛めた。花婿の正体は結婚詐欺師であり彼の妹もグルだった。金を持っていそうなカモを見つければ囲い込み、エキストラを雇って親戚などをこしらえた。そして相手を信じ込ませて財産を根こそぎ奪うのが彼らの手口だった。後日、二人が狙いを定めたのはくるみ幼稚園の先生だった。詐欺師が度々園児へのプレゼントを手に現れることで彼女は男を信用した。クリスマスの夜、ダンスパーティーに誘われた先生は男から今日が一生の記念日になるとプロポーズをされたが、恋愛経験の乏しい彼女はその意味を理解出来なかった。だが酒が進むうちにいつもは見せない酒グセの悪さが顔を覗かせ、先生は突然ストリップを始めた。

屋台的映画館
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十三人の刺客(2010年)

  • posted at:2021-09-17
  • written by:砂月(すなつき)
じゅうさんにんのしかく
「十三人の刺客」製作委員会(テレビ朝日=東宝=セディックインターナショナル=電通=小学館=Recorded Picture Company=朝日新聞社=朝日放送=メ~テレ=九州朝日放送=北海道テレビ=Yahoo! JAPAN=TSUTAYAグループ=東日本放送=静岡朝日テレビ=広島ホームテレビ
配給:東宝
製作年:2010年
公開日:2010年9月25日
監督:三池崇史
製作:上松道夫 島谷能成 島本雄二 大西豊 町田智子 脇阪聰史 吉田鏡 武内健二 荻谷忠男 喜多埜裕明 大宮敏靖 伊藤裕造 柘一郎 濱幾太郎
エグゼクティブプロデューサー:中沢敏明 Jeremy Thomas 平城隆司
プロデュース:梅澤道彦 市川南 白石統一郎
共同プロデュース:寿崎和臣 臼井央
プロデューサー:大野貴裕 吉田浩二 前田茂司
原作:池宮彰一郎
脚本:天願大介
音楽:遠藤浩二
CGIプロデューサー:坂美佐子
ラインプロデューサー:小松俊喜 向井達矢
キャスティングプロデューサー:北田由利子
庄内担当プロデューサー:宇生雅明
撮影:北信康
照明:渡部嘉
録音:中村淳
美術:林田裕至
装飾:坂本朗 窪田治
編集:山下健治
音響効果:柴崎憲治
人物デザイン:柘植伊佐夫
衣裳デザイン:澤田石和寛
スタントコーディネート:辻井啓伺
助監督:足立公良 吉見拓真
制作担当:善田真也
制作協力:セディックドゥ 楽映舎
制作:セディックインターナショナル
出演:役所広司 山田孝之 伊勢谷友介 沢村一樹 古田新太
シネマスコープ カラー 141分

弘化元年三月五日、明石藩江戸家老間宮図書が老中土井大炊頭利位の門前にて切腹した。残された書状には将軍徳川家慶の弟に当たる残酷極まりない明石藩主松平斉韶を諫める文言が書き連ねてあった。だが家慶の命により斉韶の行いは穏便に取り計らわれることとなった。

御政道を正すべく土井は御目付役の島田新左衛門を屋敷に呼び出し、明年斉韶が家慶の薦めで老中職に就任することが決まっていることを打ち明けた。そして島田を尾張中納言家来の木曽上松陣屋詰牧野靭負に引き合わせた。靭負は昨年四月に明石松平藩と尾張藩の間で起きた出来事を包み隠さず話すことにした。参勤交代の折、斉韶は尾張領上松で一泊した。万が一にも粗相のないよう尾張家陣屋勤めの藩士は妻や娘も加えて接待を行った。靭負は倅である妥女の嫁千世に膳の片付けを命じたが、彼女は斉韶に手籠めにされた。それを知った妥女は寝所に乗り込むが、不意を突かれて斉韶に惨殺された。目の前で夫の返り血を浴びた千世も自ら喉を突き果てた。大事な二人を失った靭負の悲しみは深く、腹を斬って自害しようにも主君尾張中納言に降り掛かった恥辱を思えばそれも出来なかった。靭負が帰ると土井は島田に意見を求めた。例え天下の仕置を成す老中であっても適うことと適わないことがある。土井はそう言うとある女に会わせた。斉韶の容赦ない年貢の取り立てで民百姓に餓死者が続出した。その女は前年に起きた百姓一揆の首謀者の娘で、両腕と両足の膝から先を落とされた彼女は斉韶の慰み者として献上されたのだ。土井は飽きて捨てられたと見られる女を両国で保護したのだった。このままでは天下の政は乱れ、災いは万民に及ぶことになる。島田は怒りに震える手を抑えながら望み通り見事成し遂げてご覧にいれましょうと答えた。それを聞いた土井は島田の役職を解いた。

斉韶は間宮の遺体を明石藩上屋敷に差し戻すとその家族に縄を掛けた。そのことに怒りを隠せない家臣の鬼頭半兵衛は、御公儀同様の配慮を願うと土井からの言葉があったことを伝えるが、たかが老中のくせにと聞く耳を持たなかった。公儀御墨付の斯様な忠義の家来を持ったからには一族郎党に報いてやらなければならぬ。そう言って間宮の妻を矢で射抜いた。このままでは間宮の面目が保てないと考えた鬼頭は目の前で起きたことを内々に処理するように命じた。そして近習番出口源四郎を呼び、土井の屋敷にいる門番や小者に金を渡して三日の間に招かれた者の名を突き止めるよう命じた。後日、名簿を手に入れた鬼頭はその中に靭負と島田の名があることに気づいた。策士として名高い島田を土井が選んだことがわかると、鬼頭は御家にとっては最も悪い籤を引き当てたということだと近習頭の浅川十太夫に言った。

屋台的映画館

男はつらいよ 寅次郎恋愛塾

  • posted at:2021-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうれんあいじゅく
松竹
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年8月3日 併映「俺ら東京さ行ぐだ」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:秋田鹿角市 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 平田満 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 108分

学校の授業が終わり満男がとらやにやってきた。いつもと様子が違うことに母・さくらは気づいたが、それは仕事の休憩をしていた父・博も同じだった。学校で何かあったのかと博が尋ねると、満男はホームルームの時間に担任の先生から将来何になりたいのかと聞かれたことを話した。ブラスバンド部でフルートを担当していることから音楽家になりたいと答えると、先生は嘲笑しながらそんな夢みたいなこと考えずに足元を見ろと言ったのだという。それを聞いた博は、夢を持つことは結構だが、それが嫌なことから逃げるための口実ではないのかと言った。個性的に育てりゃいいんだよとつねが横から口を出すと、好きに育てても個性的になるわけではないんですと博は反論した。そこにさくらが自分の個性は自分で作り出すものだと言ったため、つねは不満げに寅ちゃんもかいと言った。するとタイミング良くその寅次郎から電話が掛かってきた。彼は今、長崎を旅していた。個性的でいいなあと満男が悪気なく言うと、あれはデタラメだと竜造は嘆いた。

五島列島の北部に位置する上五島に寅次郎はテキヤ仲間のポンシュウと連絡船で渡った。転倒した老婆・江上ハマを助けたことをきっかけに二人はもてなしを受けるが、その夜彼女の容態が急変した。ポンシュウが医者と神父を呼びに行く間、寅次郎はつきっきりで看病をするが、ハマは会えて楽しかったと言い残して息を引き取った。翌日、教会で葬儀が執り行われる中、東京から孫娘の若菜が帰ってきた。役目を終えた寅次郎たちは次の目的地へ向かおうとするが、若菜は二人を呼び止めて礼を言った。

繁華街の旅館に泊まった寅次郎は女中から江上家にまつわる話を聞いた。ハマには一人娘がいるが、東京からきた男に騙されて子供を産んだ。ところが男は逃げてしまい、残されたその娘は島民から叩かれた陰口が原因で海に身投げした。残された孫娘をハマは大切に育てたのだが、それが若菜だった。カトリックでは自殺は罪であることからハマはそのことを苦にして生きてきたのだ。若菜を不憫に思った寅次郎はポンシュウとの旅を止めて彼女に尽くすことに決めた。

屋台的映画館

新聞記者

  • posted at:2021-09-11
  • written by:砂月(すなつき)
しんぶんきしゃ
「新聞記者」フィルムパートナーズ(VAP=スターサンズ=KADOKAWA=朝日新聞社=イオンエンターテイメント)
配給:スターサンズ=イオンエンターテイメント
製作年:2019年
公開日:2019年6月28日
監督:藤井道人
企画:河村光庸
製作:河村光庸 瀬井哲也 堀内大示 宮崎伸夫 有馬一昭
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸 岡本東郎
プロデューサー:髙石明彦
共同プロデューサー:行実良 飯田雅裕 石山成人
アソシエイトプロデューサー:花田聖 塩沢葉子
企画協力:森達也 菊地健雄 寺脇研
原案:望月衣塑子 河村光庸
脚本:詩森ろば 髙石明彦 藤井道人
音楽:岩代太郎
撮影:今村圭佑
照明:平山達弥
録音:鈴木健太郎
美術:津留啓亮
装飾:KEN
編集:古川達馬
ミュージックエディター:石井和之
サウンドエディター:本田征也 勝俣まさよし
衣裳:宮本まさ江
ヘアメイク:橋本申二
助監督:酒見顕守
ラインプロデューサー:平山高志
主題歌:「Where have you gone」OAU
製作協力:和光エージェンシー
製作幹事:VAP
制作プロダクション:The icon
制作:スターサンズ
出演:シム・ウンギョン 松坂桃李 本田翼 岡山天音 郭智博
シネマスコープ カラー 113分

2019年2月20日、白岩聡元大学教育局長が在職中から野党議員と不適切な関係にあったというスキャンダルが政府に近いある全国紙の一面を飾った。東都新聞がその新聞社の本支社発行紙を取り寄せたところ、どれも同じ記事が一面にあり段組みまで統一されていた。このような記事がトップを飾ることは稀であり、社会部の陣野和正は内閣情報調査室によるリークではないかと考えた。内調は内閣の重要政策に関する情報の収集、分析等を行う機関だが、重要な情報を一手に握るため政権に有利な情報操作を行う可能性があるからだ。短い会議が終わると陣野は入社4年目の若手女性記者・吉岡エリカに紙の束を渡した。それは昨夜ファックスで送られてきた新設大学院大学設置計画書と題されたもので、国家戦略特区の新潟市にウイルス研究と最先端高度医療に特化した医療系大学を設置しトップクラスの人材育成を行う旨が書かれていた。だが認可先は文部科学省ではなく内閣府が、経営は民間企業に委託されることになっていた。官邸による介入があるのではないかと考えた陣野はエリカに文書の出処を調べるように言った。それが本物であれば政権がひっくり返る可能性があるからだ。

外務省から内調に出向している若手エリート官僚の杉原拓海。彼が白岩の情報をリークした張本人だった。この件で上司の多田智也から評価された杉原は次の仕事を任されることになった。それは総理御用達で有名なジャーナリストの辻川和正が起こしたレイプ事件を官邸がもみ消しに動いたという噂が発端だった。被害者の後藤さゆりが辻川の不起訴を不服として顔出しで記者会見を行うことを知った多田は杉原に資料を渡し、彼女の弁護士が野党絡みだというチャートを作るように命じた。辻川はさゆりのハニートラップに嵌められたというシナリオだった。

さゆりの日本外国特派員協会での会見に出席したエリカだったが、この件をどのように記事にしていいか迷っていた。すると廊下で父親の同僚だったジムと再会した。現在、ニューヨークタイムズ東京支局に勤務する彼は、日米両国で活躍した真のジャーナリストの娘なら心配ないと勇気づけた。日本人の父と韓国人の母との間に生まれアメリカで育った彼女がジャーナリストの道に進むきっかけとなったのは、誤報騒動で自殺に追い込まれた父親の死だった。ジムの言葉を信じ原稿を書き上げたエリカだったが、朝刊のゲラ刷りを見て愕然とした。ベタ記事扱いになっていることに憤慨した彼女は陣野に抗議するが取り合ってもらえなかった。そこでSNSに、セカンドレイプ禍に勇気ある行動を取ったさゆりを称えたいと投稿した。

屋台的映画館

新 仁義なき戦い 組長の首

  • posted at:2021-09-08
  • written by:砂月(すなつき)
しんじんぎなきたたかいくみちょうのくび
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年11月1日 併映「五月みどりのかまきり夫人の告白」
監督:深作欣二
企画:日下部五朗 橋本慶一 奈村協
脚本:佐治乾 田中陽造 高田宏治
撮影:中島徹
照明:若木得二
録音:中山茂二
美術:鈴木孝俊
音楽:津島利章
編集:堀池幸三
助監督:清水彰
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
背景:平松敬一郎
美粧:長友初生
結髪:白鳥里子
スチール:木村武司
演技事務:西秋節生
衣裳:松田孝
擬斗:上野隆三
進行主任:長岡功
出演:菅原文太 梶芽衣子 渡瀬恒彦 ひし美ゆり子 織本順吉
アメリカンビスタ カラー 94分

麻薬、覚醒剤などを主とする密輸品は、古くから大陸に向けて開かれた日本の玄関口・関門海峡周辺の密輸基地に陸揚げされ、やがて日本全国に捌かれて行く。その莫大な利権を巡って対立してきたのが大和田組と共栄会の二大組織であった。昭和43年6月、北九州。大和田組組長・大和田徳次の命を受けた幹部の楠鉄弥は、旅人の黒田修次とともに共栄会会長・正木巌を襲撃した。大和田の娘婿である楠の立場を心配し身代わりとなった黒田は殺人罪で懲役7年の刑を受けた。いくつもの月日が流れ出所した黒田を出迎えたのは、刑務所で助けられたことをきっかけに舎弟となった志村勝男とその子分の笹木茂だけだった。当初、橘から面会や手紙で情報を得ていたが、突然返事が途絶えた。そんなこともあって不安を抱えながら彼を訪ねると様々なことが変わっていた。会長の死後、共栄会は崩壊し大和田組が勢力を拡大していた。その立役者となった橘は用済みとなり、ヒロポン中毒となった彼を妻の美沙子が支えていた。橘の扱いを見て7年前に交わした大和田との約束が反故にされることを恐れた黒田は彼を交渉人に指名した。

一大勢力化した大和田組には舎弟・赤松猛夫、若頭・相原重彦、幹部・井関政治、高山音松、郷田猪之吉による派閥が出来ていた。橘は会議が終わるのを見計らって大和田と会い、黒田に懲役慰労金として500万円を渡して欲しいと申し出た。ところがその出過ぎた態度が大和田の逆鱗に触れ、橘は破門にされたのだった。交渉が失敗したことがわかると黒田は金か店を譲れと迫り、困った橘はある計画を思いついた。それは大和田の弱点である妾の品子を使って脅迫することだった。翌日、相原から呼び出された黒田は茶封筒を手渡されるが、中に入っていたのは500万円ではなく同等のヒロポンだった。それを赤松組の縄張りで売り捌けば金になると言われ、黒田は早速赤松と交渉した。だが相原が依頼主であることがわかると赤松はそれをつき返し、少しでも早く金を手に入れたい黒田は志村と笹木に売り捌くよう命じた。商売をしているところを赤松組に見つかって二人は半殺しの目に遭い金とヒロポン奪われた。このままでは黒田に合わせる顔がないと考えた笹木は包丁を持って料亭に乗り込み赤松を刺殺した。この事件は相原が独立を企てる赤松を消すために独断で仕組んだものだった。それを知った大和田は相原を叱り、功労者の黒田を客分扱いにした。

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