忍者ブログ

仁義なき戦い

  • posted at:2020-12-04
  • written by:砂月(すなつき)
じんぎなきたたかい
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年1月13日 併映「女番長」
監督:深作欣二
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
原作:飯干晃一
脚本:笠原和夫
撮影:吉田貞次
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:鈴木孝俊
音楽:津島利章
編集:宮本信太郎
助監督:清水彰
記録:田中美佐江
装置:近藤幸一
装飾:山田久司
美粧結髪:東和美粧
スチール:藤本武
演技事務:上田義一
衣裳:山崎武
擬斗:上野隆三
進行主任:渡辺操
出演:菅原文太 松方弘樹 田中邦衛 中村英子 渡瀬恒彦
シネマスコープ カラー 99分

敗戦から一年後の呉市。秩序を失った国土に新たな暴力が渦巻き、人々がその無法に立ち向かうには自らの力に頼るしかなかった。復員兵の広能昌三は、闇市での揉め事に巻き込まれた親友の山方新一が負傷したことから土建屋の山守組にそのことを報告した。血気盛んな若衆頭の坂井鉄也は組員を率いて成敗に向かうが、相手が強すぎると聞き及び腰になった。そんな中、やられたのは友達であり、まだ見ぬ相手に対して誰かを雇えば恥をかくのはあんたらだから自分が行くと広能は言った。ところが彼は武器になる物を持っていなかったため坂井はその言葉を信用し拳銃を渡したのだった。山方に怪我をさせたのは着流しの男で今は飲み屋で大暴れしていた。人込みをかき分けて日本刀を振り回す男の前に立った広能は引き金を引いた。すると銃弾は心臓を射抜き男は即死した。

刑務所に収監された広能は食堂で起きた騒動に便乗し一緒に暴れた。反省房に送られたのは広能と、騒動のきっかけを作った土居組の若頭・若杉寛だった。一刻も早く刑務所から出たい若杉はある計画を持ち掛けた。それは隠し持っていた剃刀で自分の腹を切り、広能に刑務官へ報告をしてもらうことだった。保釈となればこっちのものだ。広能がそれを了承すると若杉は兄弟分の契りを結んだ。計画はまんまと成功し、土居組々長・土居清からその話を聞いた実業家の山守義雄は保釈金を支払って広能を出所させたのだった。広能は「任侠」山守組の結成に立ち会い山守から盃をもらったことで組員として認められた。見届け人は土居、媒酌人は長老の大久保憲一だった。

昭和二十四年、賭場で因縁をつけてきた男に対し広能は制裁を加えたが、それを知って青くなったのは山守だった。その男は大久保の遠縁に当たる上田透であり、貫禄が違い過ぎると誰も手打ちの仲裁を引き受ける者はいなかった。広能は指を詰めて山守とともに詫びを入れ、それをきっかけに大久保は市会議員の中原重人を引き合わせた。二日後の迫る議長選は対立候補の金丸昭一市議と五分五分の争いとなっており、中原は相手の票を一つ減らして欲しいと頼んできたのだ。金丸には土居組がバックについているため中原に肩入れすれば弱小の山守組は潰される。かと言って媒酌人である大久保に逆らうことは出来ず、仮に金丸が勝てば勢力を拡げる土居組に天下を取られるのだ。板挟みに遭う山守組はいよいよ窮地に追い込まれた。

屋台的映画館
PR

フィギュアなあなた

  • posted at:2020-12-01
  • written by:砂月(すなつき)
ふぃぎゅあなあなた
角川書店=ファムファタル
配給:角川映画
製作年:2013年
公開日:2013年6月15日
監督:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
企画:安田猛
製作:加茂克也 石井隆
プロデューサー:大森氏勝 阿知波孝
原作:石井隆
脚本:石井隆
撮影:佐々木原保志 山本圭昭
照明:祷宮信
録音:北村峰晴
美術:鈴木隆之
装飾:西渕浩裕
音楽:安川午朗
編集:村山勇二
ヘアメイク:竹村由三子 辻由美子
衣裳:森口誠治
アクションコーディネーター:柴原孝典 秋永正之
ガンエフェクト:納富貴久男 高原浩一
助監督:池本晋
製作担当:高見明夫
製作プロダクション:ファムファタル
出演:柄本佑 佐々木心音 風間ルミ 桜木梨奈 中山崚
アメリカンビスタ カラー 112分

大手出版社の編集部に勤務する内山健太郎は、上司の及川部長から無理矢理押しつけられた仕事のせいで総務部への異動を命じられた。自分のことをわかってくれていると思っていた同僚で恋人の細木恵美からはプライドがあるなら辞めればと突き放され、他の同僚からも相手にされなくなった。その夜、勢いに任せて飲み歩き泥酔した健太郎は、アパートに帰ると冷蔵庫からビールを取り出し一気に飲み干した。そして棚に飾ってあるコレクションのフィギュアに手を伸ばすと、あなただけが味方ですと呟いた。翌日、出社すると自分が居るべき机がなかった。異動は翌週だったが及川は早く厄介払いをしたかったのだ。その夜も健太郎は繁華街で泥酔し、客引きに導かれるがままにガラスバーの店へ入った。ところがダンサーのひと言が気に障り、騒動を起こしたことでつまみ出されたのだった。気が立っているところに今度は後ろからきたカップルの肩が当たり、謝らずに行こうとしたため健太郎は酒の勢いで怒鳴りつけた。するとスーツ姿のヨッちゃんがすごい形相で執拗に追い掛けてきたのだった。健太郎は雑居ビルの非常階段を最上階まで駆け上がり扉を開けて逃げ込んだが、フロアの奥まで行くと人の話し声が聞こえてきた。そこには「憩いの場イルカ」という店があり、薄暗い部屋の中を覗くと誰もいなかったため足を踏み入れてみた。だが置かれていたアタッシェケースから白い粉の詰まった袋が見えたことで身の危険を感じ逃げ出したのだった。ところが「パブ サチコとアッキーナ」という別の店に吸い寄せられるように入って行った健太郎はそこで異様な光景を目にした。赤い電灯に照らし出されていたのは山のように積まれたマネキン人形の残骸だった。恐る恐るそれらを眺めていると、健太郎はその中に五体満足のマネキンがあることに気づいた。それはセーラー服を着ていたが、まるで人間のように艶めかしかった。皮膚は肌触りが良く細部まで精巧に出来ていた。まだ見ぬ恋人と巡りあった様に感じた健太郎だったが、それはヨッちゃんの怒声によって掻き消された。殴られ蹴られボロ布のようになる健太郎。ところがイルカにいたヤクザたちと対立したヨッちゃんは射殺され、一緒についてきていた宏美も犯された上に殺された。健太郎は息を潜めてベッドの下に身を隠していたがついに見つかった。ヤクザたちはイルカに入ってきた彼の顔を覚えており、ここで見たことをしゃべられてはマズいと口を封じることにした。健太郎が死の覚悟を決めたとき、あのマネキンがスッと立ちあがった。

屋台的映画館

百円の恋

  • posted at:2020-11-28
  • written by:砂月(すなつき)
ひゃくえんのこい
東映ビデオ
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
製作年:2014年
公開日:2014年12月20日
監督:武正晴
製作:間宮登良松
企画監修:黒澤満
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫
プロデューサー:佐藤現 平体雄二 狩野善則
脚本:足立紳
撮影:西村博光
照明:常谷良男
録音:古谷正志
美術:将多
編集:洲崎千恵子
音響効果:柴崎憲治
衣裳:宮本まさ江
ヘアメイク:金森恵
助監督:山田一洋
制作担当:大川伸介
音楽:海田庄吾
主題歌:「百八円の恋」クリープハイプ
企画協力:セントラル・アーツ オフィス作 ブレス
製作プロダクション:スタジオブルー
出演:安藤サクラ 新井浩文 伊藤洋三郎 稲川実代子 早織
アメリカンビスタ カラー 113分

母親一人で切り盛りする実家で弁当屋のさいとう亭に引きこもり自堕落な生活を送る斉藤一子、32歳。ある日、離婚をして息子の太郎と戻ってきた妹の二三子と同居することになったが、彼女の日常には特に変化が見えなかった。腹が減れば近所にあるコンビニ風の100円ショップ・百円生活に行って食べたいものを買い、好きな時間に眠り、それ以外はゲームやマンガ漬けの日々を送った。一週間が経った頃、不満が爆発した二三子とケンカをした一子は家を出て行った。母・佳子から貰った資金を使ってアパートに住むことになり、今後のことを考えて働くことに決めた。彼女が履歴書を提出した先は、いつも利用している百円生活だった。店長の岡野淳は学生時代にさいとう亭をよく利用しており、深夜勤務ならと即決した。その夜、店長よりも勤続年数の長いベテラン店員の野間明から研修を受けながら働くことになったが、休憩時間になりタバコを燻らせながらバックヤードで休んでいると知らない女がやってきて廃棄処分のうどんを勝手に持って帰った。野間によると彼女は池内敏子という元店員で、レジの金を盗んだことがわかりクビになったのだという。

一子の最初の客は早朝にやってきた青木ボクシングジムのボクサー・狩野祐二だった。ふらりと店に現れては大量のバナナを買って行くため野間たちは「バナナマン」と陰で呼んでいたが、一子に気を取られて肝心のバナナを置き忘れて帰ってしまった。一子が次の出勤時にジムへそれを届けると、祐二はいつもこの道を通るよなとぶっきらぼうに言い、その流れでにデートに誘った。彼女はジムの前を通る度に祐二のことを気に掛けており、照れる一子は明後日ならとOKを出した。

動物園でのデートから数日後、岡野が心労で辞め本部から店長代理として佐田和弘が派遣されてきた。店内が混乱する中、バナナを買いにきた祐二は金の代わりに二枚のチケットをレジ台に置き何も持たずに帰っていた。それは彼が出場する試合のチケットだった。祐二の年齢はプロボクサーの上限である36歳に達しており、それが彼にとって引退試合だった。祐二はその試合の1ラウンドでKO負けを喫したが、初めてプロボクシングを目の前で観戦した一子は迫力に圧倒された。

屋台的映画館

手紙(2006年)

  • posted at:2020-11-25
  • written by:砂月(すなつき)
てがみ
ギャガ・コミュニケーションズ=日活=葵プロモーション=毎日新聞社=S・D・P=レントラックジャパン
配給:ヒューマックスシネマ
製作年:2006年
公開日:2006年11月3日
監督:生野慈朗
製作:宇野康秀 大澤茂樹 高瀬哲 細野義朗 日下孝明 常田照雄
エグゼクティブプロデューサー:河井信哉 星野有香 大村正一郎 松山彦蔵
製作エグゼクティブ:永江信昭 熱田俊治
プロデューサー:朴木浩美 橋口一成
原作:東野圭吾
脚本:安倍照雄 清水友佳子
音楽:佐藤直樹
ラインプロデューサー:新津岳人
監督補:川原圭敬
音楽プロデューサー:志田博英
撮影:藤石修
照明:磯野雅宏
録音:北村峰晴
美術:山崎輝
編集:川島章正
助監督:高橋正弥
スクリプター:長坂由紀子
製作担当:増子美和
アソシエイトプロデューサー:水上繁雄 角田豊
主題歌:「コ・モ・レ・ビ」高橋瞳
製作委員会:高森厚太郎 牧田実 奈良聡久 藤下リョウジ 鈴木謙一 小川義延 村上葉子 鈴木佐和 浅野由香 宮脇祐介
制作プロダクション:葵プロモーション
出演:山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 吹石一恵 尾上寛之
アメリカンビスタ カラー 121分

武島剛志は弟の大学への進学資金を稼ぐために運送会社で働いていたが、腰を痛めて会社をクビになった。困り果て資産家の邸宅に空き巣に入ったのだが、帰宅した家主の緒方敏江に目撃され、焦った剛志は金を返すから勘弁してくださいと謝罪した。追いすがる彼の行動に恐怖を感じた老女は生け花用のハサミを振り回して抵抗したが、それが偶然腹に刺さり敏江は死んだ。二人暮らしの兄が逮捕されたことで、弟の直貴は進学を諦めリサイクル工場で働くことにした。桜が咲く季節、離れて暮らす二人を手紙が繋いでいた。

お笑いの世界を目指す直貴は親友の寺尾祐輔と中学時代から漫才コンビ「テラタケ」を組んでいた。実家が酒屋の祐輔は工場の食堂に商品の納品をすることがあり、昼休みの時間を利用していつも練習を行うのだ。直貴は今の仕事に着くまで何度も転職し住居も変えていた。職場や居場所はインターネットを通じてあっという間に知られ、その度に嫌がらせを受けた。それも会社の寮に住むことになってようやく解放されたのだ。そんなことを腹を割って話せるのは祐輔しかいなかった。

入社からしばらくすると直貴は食堂で働く白石由美子から声を掛けられた。面識はなかったが、どうやら送迎バスの中で一緒になるらしい。それから度々話し掛けてくるが、彼はそれを煩わしく思い相手にしなかった。それでも今日はクリスマスだからと帰り際にプレゼントを渡された。寮に帰り包みを紐解くと、中から手編みの毛糸の手袋と手紙が出てきた。とてもうれしかったがなるべく拘らないように努めることにした。

テラタケはお笑い年越しライブに出演したが、気を利かせた祐輔は由美子を招待していた。ステージを終え三人と食事をした後、寮に戻ると剛志から手紙が届いていた。直貴は誰もいない食堂でお茶をすすりながらゆっくりと読もうと考えていたが、そこに先輩の倉田たちが帰ってきたため慌ててポケットに突っ込んだ。ところがそのうちの一人がそれを見つけ面白がって倉田に渡した。倉田は差出人の住所を見てそこが千葉刑務所からだと見抜き、そんな奴は人間の屑だと言ってテーブルの上に放り投げたのだった。兄を馬鹿にされたことで頭に血が上った直貴は倉田を殴り飛ばした。騒動が治まり直貴が部屋で頭を冷やしていると倉田が数学を教えてもらいたいから自分の部屋にきて欲しいと言った。彼は大学入学資格検定の勉強を独学で行っていたのだ。直貴が部屋にくると倉田は千葉刑務所に入っていた過去を告白し、妻に苦労を掛けた自分と重なってつい余計なことを口走ってしまったと謝罪した。

屋台的映画館

高校三年生

  • posted at:2020-11-22
  • written by:砂月(すなつき)
こうこうさんねんせい
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年11月16日 併映「近世名勝負物語 花の講道館」
監督:井上芳夫
企画:竹谷豊一郎
原作:富島健夫
脚本:池田一朗
撮影:中川芳久
録音:渡辺利一
照明:柴田恒吉
美術:山口熙
編集:関口章治
助監督:崎山周
製作主任:上嶋博明
音楽:西山登
現像:東京現像所
主題歌:「高校三年生」舟木一夫
挿入歌:「只今授業中」舟木一夫
協賛:愛知県一宮市
出演:姿美千子 高田美和 倉石功 舟木一夫 浜田ゆう子
シネマスコープ カラー 84分

小杉知子は桜ケ丘高校の三年生。彼女の実家はツイード生地を扱う由緒ある織物工場で、彼女はそこからいつも自転車で通っていた。ある日、帰宅すると家の中に不穏な空気が漂っていた。部屋から聞こえてくる話し声に聞き耳を立てると、どうやら只事ではないことがわかった。姉の澄子に恋人が出来たが、家業の全権を握る祖母の梅乃はそれが気に食わなかったのだ。跡継ぎとなるべき長女がこの道の素人である保険外交員と一緒になることに反対であり、一切交渉を持ってはならぬと約束させようとした。将来、自分にも同じような問題が降り掛かるのではないかと考えた知子は間に割って入り、家の面子と個人の幸せを秤に掛けたら断固として個人の幸せの方が重たいと思うと意見した。ところが庇ったはずの澄子から子供は口を出すなと言われ、悲しい思いをした知子は自分の部屋に飛び込んだ。

知子の親友の島津小路は授業で習った室生犀星をとても気に入り書店で詩集を探していた。すると国語の原先生と偶然出会い一緒に探したがとうとう見つからなかった。そこで彼は本が入荷するまで自分のを貸すと約束し家まで送ることにした。その帰り道、小路が大学への進学を迷っており、いずれ結婚するのであれば早く結婚生活に入り自分を育てて行く方法を見つけたいという考えを持っていることに原は驚いた。そこでどんな人と結婚したいのかと尋ねると、小路は迷わず先生みたいな人がいいわと言った。

授業が終わり知子が帰ろうとすると、隣のクラスの本多宏から話があると呼び止められた。家に忘れたオパールの指輪を届けて欲しいと澄子から頼まれそれをそれを伝えにきたのだ。知子は姉が家出したことを初めて知り、宏の家に下宿しているのが恋人の瀬本登であることも初めて知った。急いで家に帰ると梅乃はこのままでは済まさないと怒っていた。そんな中、知子はわざと明るい態度で梅乃の前を通り過ぎ、澄子の部屋から指輪を持ち出した。宏の家を訪ねると、そこにはたくさんの荷物が運び込まれていた。銭湯へ行っている二人を待つ間、知子は宏と話をしたが、そこで彼の母親の静子が寿司屋で働きながら女手一つで一家を支えていることを知った。やがて二人が帰ってくると知子は澄子に指輪を渡した。そして初めて会った登には出来るだけ早く結婚して欲しいのとお願いをした。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

最新記事

 

P R

 

フリーエリア