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ジャズ大名

  • posted at:2020-10-20
  • written by:砂月(すなつき)
じゃずだいみょう
大映
配給:松竹
製作年:1986年
公開日:1986年4月19日 併映「犬死にせしもの」
監督:岡本喜八
製作:山本洋 小林正夫
企画:島田開 鈴木良紀
プロデューサー:室岡信明
原作:筒井康隆
脚本:岡本喜八 石堂淑朗
音楽:筒井康隆 山下洋輔
音楽プロデューサー:三浦光紀
撮影:加藤雄大
録音:田中信行
照明:佐藤幸次郎
美術:竹中和雄
編集:黒岩義民
助監督:月野木隆
記録:山内薫
通訳:綱島順子
製作主任:須藤正徳
プロダクションコーディネーター:岡本みね子
製作協力:大映映像 喜八プロダクション
出演:古谷一行 神崎愛 岡本真実 唐十郎 殿山泰司
アメリカンビスタ カラー 85分

1865年、南北戦争の終結により奴隷制は崩壊した。解放されたジョーはテキサス州に住む兄たちと会うために旅を続けていた。西に向かってふらふらと歩く彼の背中にはトロンボーンが紐でくくりつけられており、ボーモント近くの激戦地跡を抜けるとまたそこから西へ数日間歩き続けた。やがてサビーン河畔にたどり着きくつろいでいると何やら騒がしい声が聞こえた。それは河を渡ってきたジョーの兄サム、従兄のルイ、叔父のボブだった。三人はニュー・オーリアンズから出港する船に乗って故郷のアフリカに帰るつもりでいたが、そこからきたジョーは同じような考えの黒人がごった返しているし船賃が上がる一方だから止めた方がいいと言った。それならば各々が持っている楽器を使った楽隊屋をニュー・オーリアンズでやって船賃をガッポリと稼げばいいとサムが提案するが、ジョーはあそこには楽隊屋がワンサカといて、おまけに今までに聞いたことがない新しい音楽が流行っているんだと言った。ジョーがその曲をハミングすると、ボブはクラリネットを吹き鳴らした。するとルイがコルネットで続き、サムが太鼓でリズムを刻んだ。最初は霊歌のような調子だったが、ジョーのアドバイスで練習を繰り返すうちに陽気な曲へと変容した。

夢中になった四人が演奏をしながら街道を行進しているとメキシコ商人と鉢合わせした。髭面のアマンドという男は近くのアカプルコに行けば大きな船が毎日アフリカへ向けて出航していると言った。しかも船長は皆彼の友達なのでただで乗せてくれるのだという。音楽を演奏してくれれば長い旅も楽しくなるので一緒にきて欲しいとアマンドが言うと、ボブはお安い御用だと引き受けた。一行がシェラ・マドレ山中に差し掛かった頃、アマンドはボブたちに演奏を始めるように言った。そこはインディオが住む地域で彼らはメキシコ人を敵視していた。だがアマンドはその部族が音楽好きだと聞いていたため楽隊屋を利用してやり過ごそうと考えたのだった。ところが飛んできた矢に結びつけられた矢ぶみには「静かにしろ」と書かれており、物音を立てないようにして通過した。

4ヶ月後、四人は騙されたことを知らずに香港行きのグスタフォ・カンパ号に乗っていた。だが長期間、貨物室で練習を行うことで演奏は上達して行った。それからまた4ヶ月後、鳴らなくなったクラリネットを前にボブが死んだ。それから間もなく船は大嵐に遭い、ジョーたちは積荷に押し潰されるよりはましだとボートで逃げた。漂流の末にたどり着いたのは、日本駿河ノ国庵原藩の浜辺だった。

屋台的映画館
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性盗ねずみ小僧

  • posted at:2020-10-17
  • written by:砂月(すなつき)
せいとうねずみこぞう
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年1月29日 併映「濡れた唇」
監督:曽根中生
企画:伊地智啓
脚本:長谷川和彦
撮影:森勝
美術:松井敏行
録音:神保小四郎
照明:土田守保
編集:井上親弥
音楽:多摩零
助監督:小原宏裕
色彩計測:水野尾信正
現像:東洋現像所
製作担当者:大鷲勝道
出演:小川節子 森竜二 五條博 高見由紀 浜口竜哉
シネマスコープ カラー 67分

天保の頃、次郎吉という無宿者が強盗の罪で捕らえられた。水呑百姓の家に生まれた彼は大飢饉により貧苦に見舞われた一家を救うため江戸呉服越後屋に丁稚奉公に出た。ぐうたらで要領の悪い次郎吉を面白がる呉服屋の娘おたかは、わざと風呂場で裸のまま倒れてみたりしてからかった。その後、心を入れ替えて三年間真面目に働いた次郎吉は藪入りで実家に帰ったが、両親は死に妹のおみつは人買いに連れ去られていた。誰もいない家を後にした次郎吉が越後屋に戻ると、女将のおきんと番頭の善助の話し声が聞こえた。丁稚は百姓と同じで、生かさぬように殺さぬように働かせばいいのだ、と。更にはほのかな恋心を抱いていたおたかの松屋との婚礼話が既に結納まで済んでおり、嫁入り道具もほとんど注文済みであとは晴れ着の丈を合わせるだけだという。そしておたかから得体の知れないところがあって気味が悪いと言われるのを聞きカッとなり台所から包丁を持ち出した次郎吉は、三人を縛り上げると善吉の目の前でおたかをおきんを代わる代わる犯した。

仕事を探していた次郎吉は口入れ屋で手頃なものを斡旋された。それはやくざ者同士の喧嘩の助っ人だった。ところがどちらの一家も先頭に立つのは助っ人で、当人たちは後ろで震えているのだ。無駄に命を捨てるのは御免だと考えた次郎吉は刀を抜き仲間とともに威勢よく駆け出したが、睨み合いに終始した。すると相手も同様で斬り掛ってくることはなかった。相手方に入れ墨がきっかけで三年前に知り合った緋桜の金助がいることがわかると一緒に逃げ出した。兄貴面をしたい次郎吉はたらふく酒を飲みその勢いで賭場に向かった。だが目が出ず身包みを剥された彼は裏の戸が開いていた屋敷に忍び込んだ。障子の向こうからよがり声が聞こえたためそっと開けると商家の御寮が春画を見ながら自慰に耽っていたのだ。体を求められたうえに口止め料をもらったことで味を占めた次郎吉は同じような家を選んで忍び込んだ。

複雑な家庭環境から放蕩生活を送り、武士を捨てて入れ墨を背負った緋桜の金助。彼の正体は遠山金四郎景元だった。父景晋に呼び戻された景元は世直しのために働いてみる気はないかと言われた。飢饉に乗じて私腹を肥やす一部の商人、そして結託した悪徳大名を一掃するには腰抜け老中を廃して自らその座に就かなければならないと景晋は考えたのだ。そのためには民衆の声を代弁する偶像が必要だった。そこで景晋は、市中を騒がせている鼠小僧と呼ばれる盗賊に近づいて世直しを吹き込み民衆を扇動させるよう景元に命じた。その鼠小僧の手掛かりは、背中に大蛇の入れ墨をしていることしかわからなかった。

屋台的映画館

直撃地獄拳 大逆転

  • posted at:2020-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
ちょくげきじごくけんだいぎゃくてん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年12月28日 併映「新仁義なき戦い」
監督:石井輝男
企画:矢部恒 坂上順
脚本:石井輝男 橋本新一
撮影:出先哲也
録音:広上益弘
照明:梅谷茂
美術:藤田博
音楽:鏑木創
編集:祖田冨美夫
助監督:橋本新一
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
記録:宮本衣子
装置:根上徳一
装飾:米沢一弘
美粧:住吉久良蔵
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:石川通生
現像:東映化学
協力:オリエント時計株式会社
出演:千葉真一 志穂美悦子 中島ゆたか 佐藤允 山城新伍
シネマスコープ カラー 86分

国際慈善会議名誉会長のザビーネ・カウフマン夫人が娘のジュリーを連れて来日した。交通事故で夫を亡くし自身も下半身麻痺で車椅子生活となった彼女は、日本の身体障害者のためにカウフマン家に伝わる宝石類の展示会を行い、その収益金全てを寄付すると声明した。慈善展示会が予定日を三日も過ぎて開催されないのは理由があった。時価10億円といわれる「ファラオの星」が何者かに盗まれ、それと同時にジュリーが誘拐されたのだった。警察に通報すればジュリーを殺すと犯人から脅迫されたことから、ザビーネ夫人は保険会社の社長である衆木公威に相談を持ち掛けたのだった。犯人はジュリーの命と引き換えに宝飾品に掛けられた保険金10億円を要求したが、損害を回避したい衆木は元警視総監の嵐山を頼ったのだった。

嵐山は麻薬組織の壊滅に尽力した三人の男たちを再び召集することに決めた。彼らの居場所は既に調べ上げており、口説き落とす方法は姪で秘書の恵美に一任した。一人目は甲賀龍一。ニューヨークマフィア日本総支配人のマリオ・水原一味を撃滅後、自衛隊のレンジャー部隊に入隊した甲賀だったが、面会にきた恵美に過去の出来事をバラすと脅され渋々了承した。二人目は隼猛。再び一匹狼となった殺し屋は元警視総監である嵐山の説得により参加することに決めた。三人目は桜一郎。好色家の桜は女に走り、億単位の仕事にも拘らず金より愛情が大切だと恵美の依頼を断った。嵐山から頭数が揃わなければ計画を進められないと言われた甲賀は説得に向かうが、桜が愛する中条華子は恵美と比べ物にならない容姿をしていたのだ。驚いた甲賀は桜のためを思い彼女がいると嘘をついて無理矢理別れさせたが、納得出来ない桜はそのことに激怒した。だが甲賀と隼のお互いがこの件で恨みを買ったから三方一両損の大岡捌きだと言って矛を収めさせた。

ザビーネ夫人の秘書であるブルーノ・今村が国会議事堂前で犯人と取り引きを行い、子供と宝飾品と引き換えに現金を渡すことになっている。取り引き日である日曜日午後1時30分。甲賀たちが張り込む中、現れたのは女だった。だがその女はメモをブルーノに渡すと去って行った。そこには銀座ニューハルクの屋上へくるようにと書いており彼は急いで指定場所へ向かった。ジュリーを見つけたブルーノが彼女を抱きかかえると、傍に置いたバッグを掻っ攫う人物が現れた。甲賀と隼はその後を追うがコワモテの男たちに妨害された。

屋台的映画館

男はつらいよ 純情篇

  • posted at:2020-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよじゅんじょうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月15日 併映「やるぞみておれ為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:若林六郎
装飾:町田武
進行:柴田忠
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会 五島観光連盟 福江市 玉之浦町
出演:渥美清 若尾文子 倍賞千恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 89分

旅先の食堂で食事をしていた車寅次郎はテレビの画面に釘づけになった。公共放送では生まれ故郷である葛飾柴又の特集をしており、そこには帝釈天の御前様や若者の団子離れを嘆く叔父の竜造、妹のさくらとその子供の満男の姿が映ったからだ。その光景を懐かしく思う寅次郎は早速とらやに電話を掛けるが、10円玉の持ち合わせがなかったために言いたいことを伝える前に切れてしまった。途中下車した山口での出来事だった。

長崎の港に着いた寅次郎だったが、最終便が既に出航し明日まで五島行きの船が出ないと聞いてその先のことを決めかねていた。目の前には彼と同じように船に乗りそびれた赤ん坊連れの女性がいたため、その子が風邪をひくから早い所暖かい部屋に入った方がいいと声を掛けた。すると絹代は泊まる部屋代を貸してくださいと申し訳なさそうに言った。旅館に着くと彼女は夫の愚痴をこぼし、部屋代を体で返そうとした。そんな絹代の姿にさくらを重ねた寅次郎は心から同情し、仮に行きずりの男が妹に手を出すようなことがあれば俺はそいつを殺すと言った。翌日、福江市の港に着くと寅次郎はテキヤの仲間と一緒に仕事場へ向かおうとしたが、絹代がその場から動こうとしないため気になって声を掛けた。駆け落ち同然で家を出てきたため子供を連れて帰りづらいのだという。このまま放っておけない寅次郎は彼女の実家がある福江島まで送り届けることにしたが、絹江の父・千造は夫のもとへ帰れと言った。彼の話に感銘を受け失敗しても帰るところがあると思ううちは一人前になれないと悟った寅次郎だったが、自分を取り巻く人たちの顔が次々と思い浮かび故郷へ帰ることに決めた。

気分よくとらやを訪れた寅次郎だったが、叔父の竜造や叔母のつね、そして油を売りにきていた朝日印刷所の桂梅太郎社長までもが彼を見るなり浮かない顔をした。きっと何かを隠しているに違いないと感づいた寅次郎だったが、それが自分のいない間に部屋を他人に貸していたことだとわかるといじけて出て行こうとした。ところがその下宿人が目の覚めるような美人の明石夕子だと知り旅へ出るのを止めた。

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ジョゼと虎と魚たち(2003年)

  • posted at:2020-10-08
  • written by:砂月(すなつき)
じょぜととらとさかなたち
ジョゼと虎と魚たち・フィルムパートナーズ(アスミック・エース エンタテインメント=IMJ エンタテインメント=関西テレビ放送=エス・エス・エム=博報堂)
配給:アスミック・エース
製作年:2003年
公開日:2003年12月13日
監督:犬童一心
エグゼクティブ・プロデューサー:椎名保 三木裕明
共同エグゼクティブ・プロデューサー:山崎一彦 泉正隆 安永義郎
共同プロデューサー:井上文雄
プロデューサー:久保田修 小川真司
原作:田辺聖子
脚本:渡辺あや
撮影:蔦井孝洋
照明:疋田ヨシタケ
録音:志満順一
美術:斎藤岩男
整音:浦田和治
編集:上野聡一
イメージフォト:左内正史
イメージイラスト:D[di:]
スタイリスト:伊賀大介
音楽:くるり
主題歌:「ハイウェイ」くるり
助監督:五十嵐昭徳
製作担当:鎌田賢一
装飾:西渕浩祐
音響効果:岡瀬晶彦
キャスティング:杉野剛
スクリプター:甲斐哲子
出演:妻夫木聡 池脇千鶴 上野樹里 新井浩文 江口徳子
アメリカンビスタ カラー 116分

深夜のマージャン店でアルバイトをする大学生の恒夫。彼はある夜、客たちから奇妙な噂を聞いた。10年くらい前から明け方になると謎の老婆がボロボロの乳母車を押しながらトボトボと歩いているらしい。乗っているのは孫のミイラか、札束か、それともヤクか。だがその姿を見た者は皆無だというのだ。明け方になり店で飼っている犬の散歩に出掛けた恒夫は、坂を下ってくる乳母車に遭遇した。ガードレールにぶつかって止まると、その後をヨタヨタと追いかけてきた老婆は恒夫に中を見て欲しいと言った。呆気に取られた恒夫が恐る恐る毛布をめくると、そこには少女がいた。すると彼女は突然包丁を振り回して斬り掛かってきたのだ。危うく難を逃れた恒夫はお詫びとして家に招待され朝食をごちそうになった。乳母車の少女は生まれつき病気で歩けず、物心ついたときから外に出たいといい出したことから、世間体を気にした祖母は人目につかないような夜明け間もない時間を選んで散歩させていたのだ。食卓に並んだのはご飯に味噌汁という一般的なもので、特に少女が焼いた厚焼き玉子はとてもおいしかった。

数日後、マージャン店で若い男が大声で話していたが、恒夫は会話の内容が気になった。その男は乳母車の中身が知りたくて老婆を待ち伏せをしたのだが、彼女が寸前に手を離したために中を確認することが出来なかったのだという。マージャンで借金が嵩む彼は金目の物が入っていると信じて込んでおり、次に本気で襲ってきた場合に少女が危険にさらされるのではないかと考えた。そこで恒夫は仕事を終えるとスクーターを飛ばして少女の家に向かうが返事はない。心配になった彼が台所の方へ回ると窓越しに朝食の支度をする彼女の姿が見えた。その頬には絆創膏が貼ってあり、話を聞くとどうも男に襲われたらしい。だがそれは若い男ではなく太ったチビのおっさんで、少女が振り回した包丁が何処かに当たり血を流しながら慌てて逃げて行ったというのだ。恒夫は散歩を止めさせようと助言するが、花や猫などを見なければならないから嫌だと少女は反対した。それ以降、何かと理由をつけては少女の家に通い食事を一緒にした。ある日、ふと名前が気になり尋ねると、少女はジョゼと名乗った。祖母はくみ子と呼んでいることを知っていたが恒夫は彼女をその名前で呼ぶことにした。ジョゼの部屋には祖母が近所のゴミ捨て場から拾ってきた本が堆く積まれており、そこから様々な知識を得ていた。中でもフランソワーズ・サガンの「一年ののち」がお気に入りで、恒夫がその本を手に取ると普段は素っ気ない彼女が続編を読みたいと熱望した。だがそれは既に絶版となっていた。

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