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あやしい彼女

  • posted at:2018-10-31
  • written by:砂月(すなつき)
あやしいかのじょ
「あやカノ」製作委員会(日本テレビ放送網=CJ E&M=松竹=日活=読売テレビ放送=バップ=小学館=C&Iエンターテインメント=ソニー・ミュージックレーベルズ=札幌テレビ=ミヤギテレビ=静岡第一テレビ=中京テレビ放送=広島テレビ=福岡放送)
配給:松竹
製作年:2016年
公開日:2016年4月1日
監督:水田伸生
製作:中山良夫 由里敬三 久保雅一 鄭泰成 藪下雅也 久保田修 大角正 沢桂一 村松俊亮
ゼネラルプロデューサー:奥田誠治
エグゼクティブプロデューサー:門屋大輔
プロデューサー:畠山直人 八尾香澄
共同プロデューサー:伊藤卓哉 里吉優也
ラインプロデューサー:毛利達也
Based on the film:「Miss Granny」
脚本:吉澤智子
音楽:三宅一徳
劇中歌プロデュース:小林武史
美術:磯見俊裕
撮影:中山光一
照明:松本憲人
録音:鶴巻仁
装飾:佐原敦史 大庭信正
衣裳:篠原奈美
ヘアメイク:酒井夢月
編集:平澤政吾
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
音響効果:松浦大樹
キャスティング:杉野剛
スクリプター:阿保智香子
監督補:相沢淳
助監督:蔵方政俊
製作担当:近藤博
主題歌:「帰り道」anderlist
制作プロダクション:C&Iエンターテインメント
製作幹事:日本テレビ放送網
出演:多部未華子 倍賞美津子 要潤 北村匠海 金井克子
アメリカンビスタ カラー 125分

東京の下町に住む瀬山カツ(73歳)はちゃきちゃきの江戸っ子だが、自慢話と口の悪さが災いして周囲から煙たがられている。彼女がパートとして働く銭湯・佐竹湯の店主の中田次郎とはくず鉄拾いなどをしてきた戦災孤児の仲で、こうして生きているのは彼女のおかげだと次郎は今でも感謝していた。夫に先立たれ女手一つで娘の幸恵を育て上げたカツだったが、その幸恵が結婚式から3年後に離婚して出戻って以来、家庭内では口ゲンカが絶えなかった。その仲裁役を担っているのは孫の翼だった。

ある日、出版社で編集長として働く幸恵は担当する雑誌の売り上げ部数が減ったことが原因で部署を移動になった。一方、バンド活動にのめり込んで学業がおろそかになっている高校生の翼が再び留年する恐れがあることがわかり、彼女はそれが気掛かりでならなかった。その夜、カツが振り込め詐欺に引っ掛かって100万円をだまし取られたことを知ったが、それが幸恵のせいだとカツから言われたことで今まで溜まっていた怒りが一気に爆発した。
 
子育てのせいで好きなことが出来なかったのなら今からやればいいと幸恵に言われたカツは頭にきて家出をした。幸恵が彼女にとって大事な娘だからこそ自分の人生を掛けてきたのだ。それが何故わからないのだろうといつも何かあると訪れる秋葉神社の石段に腰掛けていると、そこから見えるオオトリ写真館の灯りがいつもより明るく見えた。ショーウインドーにオードリー・ヘップバーンのポートレートが飾ってあるその小さな写真館に導かれるように入って行ったカツは、人の好さそうな店主に今まで一度も写真館で記念写真を撮ったことがないこと、映画「ローマの休日」に出てくるようなドレスを一度でもいいから着てみたかったことを楽し気に話した。すると店主は、私がこのカメラでお姫様にしてあげますよと言った。

写真館から出てきたカツを後ろか追いかけてくる一つの光。その正体はスクーターに乗ったひったくり犯だった。男はカツが左手に持つバックをかっさらうと交差点を突っ切ろうとしたが、そこを通りかかった高校生の自転車と接触した。ひき逃げされて頭にきた高校生は友人とともに商店街を走り抜けようとするスクーターを追い掛けたが、その自転車の横を走って追い抜いたのはカツだった。彼女は男の背中に飛び掛かってスクーターを倒すと、後からきた高校生たちが取り押さえた。カツは犯人を説教するうちに違和感を覚えた。ヘルメットのシールドに写る顔の様子がおかしいのだ。驚いた彼女がスクーターのミラーで確認すると、その中には20歳の自分がいた。

屋台的映画館
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五人の賞金稼ぎ

  • posted at:2018-10-27
  • written by:砂月(すなつき)
ごにんのしょうきんかせぎ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年12月13日
監督:工藤栄一
企画:俊藤浩滋 松平乗道
脚本:高田宏治
撮影:鈴木重平
照明:金子凱美
録音:東城絹児郎
美術:雨森義允
音楽:津島利章
編集:神田忠男
助監督:牧口雄二
記録:石田照
装置:近藤幸一
装飾:清水悦夫
美粧:中野進明
結髪:横田三佳代
衣裳:高安彦司
擬斗:上野隆三
進行主任:渡辺操
主題歌:「賞金稼ぎの唄」若山富三郎
協力:銃砲史学会 吉岡新一
出演:若山富三郎 真山知子 土田早苗 天津敏 潮健児
アメリカンビスタ カラー 97分

蘭方医錣市兵衛のもとに一人の百姓が転がり込んできた。彼は新八という若者で市兵衛に助けを求めにきたのだ。領主大関佐渡守の悪政に耐え兼ねた黒羽領の名主榎太左衛門は各村の代表と連名の書状を作り、高田谷村の治三郎が公儀への直訴のために江戸へ向かった。一方、太左衛門は租税減免徳政令が拒否されることを見据えて砦を造りそこで吉報を待つことにした。だがそれにはひと月の間砦を守らなければならず、そのことを浪人別所四郎五郎に相談したところ市兵衛の名が挙がったのだ。太左衛門は市兵衛のもとへ三人を派遣し馬での関所破りを敢行。役人から傷を受けながらも一人たどり着いたのが新八だった。

野洲黒羽領はこの一、二年酷い不作続きだった。そんな中、領主大関佐渡守は公儀の役に就きたいばかりに黒羽五万八千石では無理な江戸城本丸の修復工事を進んで引き受けた。その呷りを受けた百姓たちは米や麦などの穀物を取り上げられたことで食べる物を失い、草や木の根で空腹を満たすしかなかった。その上にこの春からは窓や床板、夜具や鍋釜にまで租税を掛けられ、娘や女房、子供まで売らなければならなくなった。働けなくなった年寄りや病人にまで税を掛け、死ねば墓穴にひとつに米一俵という理不尽さに耐えきれず、ついに租税免除の一揆を起こしたのだった。話をし終えた新八はどうかお助けくださいと頭を下げたが、市兵衛は政治が絡むことには拘りたくないと断った。それでも引き下がろうとしない彼の熱意に負けた市兵衛は、稼いだ賞金が恵まれない人たちの治療費に当てられていることを説明した。そして新八が懐から取り出した領内でかき集めたという五十両余を受け取ると申し出を引き受けることにした。市兵衛の助手千枝が放った伝書鳩につけた書状を受け取った伊賀流忍法者陽炎、龍造寺流棒手裏剣鬼塚隼人、新当流抜刀術望月弥太郎は市兵衛と合流し野洲黒羽に向かった。

百姓たちの粘り強い抵抗に手を焼いていた佐渡守は軍勢を率いて一気に片付けてしまうことが得策だと考えていた。だがそれだと領内で一揆が起こったことが公義に知れ渡り、下手をすれば出世だけでなく取り潰しの口実を与えてしまう可能性があった。それを恐れた家老芝池主水は懸命になだめ自分に任せて欲しいと申し出た。太左衛門のもとへ向かった主水は今すぐ一揆を解散して砦を出よと命じたが、どうか私の命と引き換えに百姓衆をお助けくださいと太左衛門は頭を下げた。すると主水は自分に従うか百姓衆が皆殺しに遭うか選択せよと迫ったのだ。そこに市兵衛の一行が現れ太左衛門は命を救われたのだった。

屋台的映画館

(ハル)

  • posted at:2018-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
はる
光和インターナショナル
配給:東宝
製作年:1996年
公開日:1996年3月16日
監督:森田芳光
企画:鈴木光
制作:鈴木光
プロデューサー:青木勝彦 三沢和子
脚本:森田芳光
撮影:高瀬比呂志
美術:小澤秀高
録音:橋本文雄 柴山申広
照明:小野晃
編集:田中慎二
スクリプター:森永恭子
キャスティング:網中洋子
助監督:杉山泰一
制作主任:氏家英樹
制作担当:坂本忠久
音楽:野力奏一 佐橋俊彦
音楽プロデューサー:裕木陽
主題歌:「TOKYO LOVE」THE BOOM
企画協力:ニューズ・コーポレイション
制作協力:トライアーツ
出演:深津絵里 内野聖陽 山崎直子 竹下宏太郎 水野あや
アメリカンビスタ カラー 118分

食品会社の営業マン・速水昇は映画好きな恋人との話題を増やすために、パソコン通信の「映画フォーラム」にアクセスした。参加するにはハンドル名を登録しなければならず、彼は自分の名前の最初のひと文字と最後のひと文字を取って(ハル)と名乗った。パソコン初心者であり映画にもあまり詳しくない(ハル)はチャットで会話するコアなファンたちの話題について行けなかった。その後、その中の(ほし)と名乗る人物からメールが届いたが、それはみんなが好きなことを言い合っているが、色々な考え方の勉強になるので気にしない方がいいというアドバイスだった。翌日、昇は恋人を食事に誘い、映画フォーラムで話題になった「浜辺のシンフォニー」を観に行こうと言ったが、彼女が既に試写会で観ていたことを知りがっかりした。帰宅後、(ハル)は(ほし)にある疑問をメールで送信した。「みんなの会話の途中で時々出てくる顔のマークのような物は何ですか?」と。それ以後、二人の間で顔文字が必要以上に飛び交ったことから、他のメンバーは何があったのかと訝った。

(ほし)は映画フォーラムで男性を装っていたが、その正体は藤間美津江という女性だった。盛岡市にあるデパートの宝石コーナーの販売員をしていたが、同性の多い職場であることから人間関係に悩んでいた。悩んでは勝手にメールを送り続けていたが、(ハル)から適切なアドバイスを貰えないため決心してデパートを辞めた。パン屋で働き始めた美津江は、映画の中で演じるように仕事も演じれば気が楽になると思ったのだ。一方、昇も思い悩んでいた。親戚の影響でアメリカンフットボールを始めた彼は、そのおかげで大学に推薦入学し今の会社にも入社することが出来た。そして今つき合っている彼女も試合の打ち上げで知り合ったのだが、同期が出世したりすることでアメフトへの情熱が薄れ、生きるための張り合いを失っていたのだ。上司にも恵まれない彼は(ほし)に愚痴のようなメールを送った。今度一度会って酒でも飲もうよ、と添えて。だが(ほし)からは、そっとしておいてほしいと送り返してきた。

ゴールドシアターの茶色いソファーで、ミルクセーキを飲んで時間をつぶすのが好きなんだ。(ほし)が送ってきたメールのその一文を思い出した昇は「タッチダウン」を上映しているゴールドシアターのロビーで恋人を待った。だがその映画館には茶色いソファーもミルクセーキもなかった。遊ばれているのかもしれないと感じた昇がその夜、皮肉めいたメールを送ると、(ほし)からお詫びの返信が届いた。そこには東京に行った3年前にその映画館に行ったこと、(ハル)が今までの通信仲間と違う視点を持っていて興味を持ったこと、そして自分が女性であることを明かした。

屋台的映画館

顔役(1965年)

  • posted at:2018-10-19
  • written by:砂月(すなつき)
かおやく
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年1月3日 併映「徳川家康」
監督:石井輝男
企画:俊藤浩滋 吉田達
脚本:笠原和夫 深作欣二 石井輝男
撮影:星島一郎
録音:大谷政信
照明:元持秀雄
美術:中村修一郎
音楽:八木正生
編集:田中修
助監督:小山幹夫
進行主任:西井剛
現像:東映化学工業株式会社
出演:鶴田浩二 高倉健 佐久間良子 藤純子 三田佳子
シネマスコープ カラー 91分

国立代々木競技場の近くにあるホテルオーヤマに続々と車が集結していた。その会場では関東一帯のやくざ組織である関東城政会の84団体による幹部会が行われ、政府が3兆円の金をつぎ込んで東洋一の大産業地帯を造成しようとしている新浜市の埋立地についての説明がなされた。10年先には人口100万人の都市が3つは出来上がると予想され、大企業コンビナートの移転に連れてマンモス団地も建設されている。やがては東京や大阪に匹敵する一大消費都市になることは間違いなかった。埋立地の一部は県が地元の漁業組合に漁場放棄の見返りとして譲り渡した30万坪の土地で、その顔役の漁業組合長は鳴海一家の三代目で小杉組組長をしていた小杉末造だった。小杉と吉川市長がその土地の実権を握っており、整地が済み次第ここに転業漁民のための酪農地を造成する計画を立てていたが、それを関西同志会会長の尾関が狙っていたのだ。近々漁業組合が整地の入札を行うことになっており、尾関は子分の甲田建設の名を借りて落札しようとしていた。そこで城政会会長の檜山義一が大役を任せて貰えないだろうかと名乗り出ると満場一致で可決された。

東日開発会長の山脇と組んだ檜山は、気の毒だと思っているが関東を代表して派遣できる檜山組3千人の中でもお前以外見当たらないと大幹部の中神正治を指名した。中神はかつて兄弟分と二人で竹内一家に乗り込んで行ったという伝説の持ち主だったが、それもいつも損な役回りを押し付けられていたからだ。この役についたのは他に早見恭一、宮田哲男、染谷勇、桑原次郎、安積徳三郎の5人だった。彼らが埋立地に中神建設の工事事務所を建てると、早速甲田組が挨拶に現れ花瓶を置いて行った。それには爆竹が仕掛けられていたが、その破裂音が抗争の始まりの合図だった。甲田は実弾攻勢で入札に拘る建設業者とパイプを結び、賭場を開いて漁業者から借金の形として権利書を奪った。その頃、中神は足を洗ってバーを経営する柏田弘と会い、昔のよしみで小杉を紹介してもらうことになった。だが客としてやってきた上機嫌の新聞記者・秋田吾郎から大スクープを聞き気が変わった。甲田建設を追っていた彼は、市役所の土木課長が甲田と料理屋で何度も会っていたことを警察が突き止め参考人として出頭を命じたところ、留置場で首を吊って自殺したという情報を掴んだというのだ。それを知った中神は、柏田にさっきの話はなかったことにしてくれと言い残すと店を後にした。秋田が書いた記事はその日の夕刊に載ったが、死人に口なしだと甲田は笑い飛ばした。その頃、中神は小杉の屋敷を訪ね、私どもに力添えをお願いしたいと頭を下げた。すると小杉は、どちらに入札が落ちて血の雨が降ったとしてもカタギの者たちには関係ない話だときっぱり言った。

屋台的映画館

ひと夏の秘密

  • posted at:2018-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
ひとなつのひみつ
日活
配給:日活
製作年:1979年
公開日:1979年8月4日 併映「宇能鴻一郎の女体育教師」
監督:武田一成
プロデューサー:八巻晶彦
脚本:田中陽造
撮影:森勝
照明:小林秀之
録音:建部日出夫
美術:菊川芳江
編集:山田真司
助監督:黒沢直輔
色彩計測:苧野昇
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
音楽:淡海悟郎
主題歌:「海・アゲイン」萩原恵
演奏:ミノタウロス
協力:神津島観光協会
出演:原悦子 渡辺とく子 江角英明 萩原友絵 錆堂連
アメリカンビスタ カラー 72分

初夏の頃、「チチキトクシキウカエラレタシ」という電報を受け取ったちひろは故郷の勿来に戻ってきた。駅を出て乗ったバスは海岸線を走り続け、やがて港町に着いた。九十九屋という店に入り射的の銃を取ると百発百中の腕前で的を撃ち落とした。すると奥から出てきたアルバイトの光一は驚きの表情を見せたが、次第に彼女がちひろであることを理解した。光一はガンを患うちひろの義父・軍治が肺炎を併発して危篤状態に陥ったことで電報を打ったのだが、彼女について高校二年生だった六年前に家出したこと以外は何も知らされていなかった。容体は安定したが何故か面会に行こうとしないちひろに疑問を感じていると、病院から軍治が制服を持ってきて欲しいと言っているという電話があった。光一がそのことを伝えると、以前警官だったのよと言ってちひろは店を出た。そして裏に回り自宅に向かうと部屋の中はあの頃と変わっていなかった。クローゼットを開けたが制服はなく、次に庭の納屋に向かうと洋服ケースの中にクリーニングの袋に入ったままの警官の制服が掛けてあった。その隣にはちひろのセーラー服がこちらもクリーニングの袋に入ったままになっていた。

六年前の夏、学校から帰ったちひろが着替えをしながらくつろいでいると、勤務中の軍治が仏壇の前にいることに気づいた。その日は11歳のときに何者かに殺された実の娘・ミユキの命日だった。彼女は娘の身代わりとして同じ歳のときに貰われてきたのだ。軍治は拳銃をちひろに向けると、こんなに女らしく育ったお前を見ていると憎いと苦々しく言った。そして抵抗したら撃つぞと脅して犯したのだが、そのときに拳銃が暴発し銃弾を一発紛失した責任を取って警察を辞職したのだった。

制服を持って光一と軍治を見舞うことにしたちひろだったが、病院が建つ区域がかつての屠殺場だったことに驚いた。その場所でミユキは殺されていたのだ。腹に牛の角が刺さった状態で。それを聞いた光一はこれ以上そんな話は聞きたくないと一喝し病院に向かった。余命三ヶ月と言われている病室の軍治は痛みを訴えたことで強い鎮痛剤を投与され静かに眠っていた。翌朝、九十九屋にやってきたのは軍治の弟の邦夫だった。彼はミサという未亡人と組み、一億円の保険金を掛けて入水自殺した夫の遺体捜しをモーターボートを使って海で行っていたのだ。その様子は軍治の病室から良く見えた。

屋台的映画館

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