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軽井沢夫人

  • posted at:2022-12-06
  • written by:砂月(すなつき)
かるいざわふじん
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1982年
公開日:1982年8月6日 併映「ジェラシー・ゲーム」
監督:小沼勝
プロデューサー:岡田裕 八巻晶彦
企画:大畑信政
原作:嵯峨島昭
脚本:いどあきお
撮影:前田米造
照明:木村誠作
録音:伊藤晴康
美術:渡辺平八郎
編集:井上治
選曲:林大輔
助監督:加藤文彦
色彩計測:福沢正典
現像:東洋現像所
製作担当者:香西靖仁
企画協力:(株)さち子プロ あづまゆたか
出演:高田美和 五代高之 土屋嘉男 北見敏之 吉川由美
アメリカンビスタ カラー 93分

大学生の紫藤純一は夏休みの間、先輩の紹介で軽井沢にあるレストラン・チェザーレでアルバイトをすることになった。それから数日後、中川総業社長・中川玄一郎の別荘でパーティーが行われることになり、純一はウェイターとしてキャプテンやコックとともに派遣された。中川総業は資本金80億円、関連会社28社の大企業だった。経済界に繋がりを持ち戦後急成長を遂げ姻戚関係に岡崎財閥の会長がいた。パーティーの用意が進む中、純一は話し掛けてきた玄一郎の妻・佳子の美しさに心惹かれた。それ以来彼女のことが気になって仕方がなかった。パーティーが始まり政財界の大物や夫人、令嬢など様々な人物がやってきたが、純一の目には別格のように映っていた。料理はいよいよメインディッシュの登場となり彼は豚の丸焼きをワゴンで運んでいたが、テーブルに移そうとした時にゲストの肘が当たり床にぶちまけてしまった。更に飛び散ったソースが他のゲストの服などに掛かったため、玄一郎が激怒した。純一が茫然としながら厨房に戻るとキャプテンは怒りのあまり殴り掛かった。すると佳子が駆け寄りお願いですからこの方を責めないでくださいとすがった。そこにやってきた玄一郎はそんな奴のことは放っとけと言うが佳子には可哀想でそんなことは出来なかった。

翌日、チェザーレ社長の鮎川蓉子に呼び出された純一は、あれだけの失態をしでかしたのだから辞めさせなければ申し訳が立たないと言われた。クビになり行く当てを失った彼が喫茶店のテラスでコーヒーを飲んでいると、一人息子の有一を連れた佳子を偶然見掛けた。慌てて駆け寄りパーティーでは大変ご迷惑をお掛けしましたと頭を下げると、彼女は蓉子から話は全て聞いたと言った。玄一郎の振る舞いによって純一の心を傷つけたことを詫びた佳子はその救済策として有一の家庭教師を願い出ると、純一は喜んで引き受けることにした。有一を通じて佳子との仲を深めた純一は、住居として亡くなった彼女の姉が住んでいた別荘を提供された。彼の行動をパーティーの頃から監視していた佳子の姪のは高倉亜矢は、おばさまをターゲットにして財産や人間関係を利用しようとしていると忠告した。だが純一に全幅の信頼を寄せる佳子は真っ向からそれを否定した。

屋台的映画館
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エスパイ

  • posted at:2022-12-03
  • written by:砂月(すなつき)
えすぱい
東宝映像
配給:東宝
製作年:1974年
公開日:1974年12月28日 併映「伊豆の踊子」
監督:福田純
製作:田中友幸 田中文雄
原作:小松左京
脚本:小川英
撮影:上田正治 原一民
美術:村木忍
照明:森本正邦
録音:伴利也
スチール:中尾孝
音楽:平尾昌晃 京建輔
主題歌:「愛こそすべて」尾崎紀世彦
監督助手:西川常三郎
編集:池田美千子
効果:東宝効果集団
整音:東宝録音センター
製作担当者:篠田啓助
特殊技術・撮影:富岡素敬
特殊技術・照明:大口良雄
特殊技術・合成:三瓶一信
特殊技術・作画:塚田猛昭
特殊技術・光学撮影:宮西武史
特殊技術・操演:小川昭二
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・監督助手:田淵吉男
特技監督:中野昭慶
協力監督:大森健次郎
出演:藤岡弘 由美かおる 草刈正雄 岡田英次 睦五郎
シネマスコープ カラー 94分

大手自動車メーカーのテストドライバー・三木次郎はある日の走行試験で路上の鳩に驚きハンドル操作を誤った。車はスピンしながらガードレールに迫り彼は死を覚悟した。ところが車は何故かガードレールから離れた場所に停まり、自身も傷一つ負わなかったことを三木は幸運が訪れたのだと思った。これも何かの運命の巡り合わせかもしれないと考え愛犬のシーザーと帰ろうとしたところ、彼の前に一台の車が停まった。乗っていたのは田村良夫とマリア原田の訳ありげな二人だった。三木が連れてこられたのは国際公害研究機構というビルだったが、公害とは無縁の自分が呼ばれた理由がわからなかった。すると支部長の法条は君の超能力を役立たせてもらいたいと隣の部屋へ案内した。法条は以前から三木に目をつけており、テストコースに田村とマリアを派遣していた。マリアが撮ったフィルム映像を上映するとガードレールに突進する車は何故か逆の方向へ押し戻されるという物理的に非常識な様子が映っていた。これは君の念動力によるものだと田村が言ったが、三木はそんな力がこの世にあることさえ信じられなかった。その巨大な力を制御出来るように三木はこの施設で訓練を行うことになった。

東欧の小国・バルトニアで紛争が勃発し、しばらく鳴りを潜めていた東西両勢力の対立が一気にエスカレートした。国連は東欧紛争調停委員を選出しジュネーブ平和会議に漕ぎつけたが、その矢先に4人の調停委員はヨーロッパ国際特急の車内で暗殺された。窓にはブラインドが掛かっており外からの射撃は不可能だった。だがそれを可能にするのは超能力者の犯行に違いなかった。世間にそれが公表されていないのは無用な恐怖と混乱を招く恐れがあるからだ。法条が支部長を務めるその組織の本当の名称は国際超能力機構だった。P・Bと呼ばれる先覚者が国連内の秘密組織として作ったが、世界の要人や彼らは超能力を持ったスパイを意味する「エスパイ」と呼ばれていた。超能力は諸刃の剣であり政治や軍事に悪用されることがあれば世界の脅威になる。殺人超能力集団は既に動き出しているが、未だ正体や真の目的は掴めていなかった。その矢先に半年前に行方不明になったボールという男が突然トルコ支部に助けを求めてきた。恐ろしくて逃げ出したという逆エスパイの手先だったその男の口を割れば敵の情報が掴めることから、法条は田村とマリアにイスタンブールへ向かうよう命じた。

屋台的映画館

東京流れ者

  • posted at:2022-11-30
  • written by:砂月(すなつき)
とうきょうながれもの
日活
配給:日活
製作年:1966年
公開日:1966年4月10日 併映「日本仁侠伝 血祭り喧嘩状」
監督:鈴木清順
企画:仲川哲朗
原作:川内康範
脚本:川内康範
撮影:峰重義
照明:熊谷秀夫
録音:秋野能伸
美術:木村威夫
編集:井上親彌
助監督:葛生雅美
色彩計測:森勝
現像:東洋現像所
製作担当者:岡田康房
漫画:清水崑
音楽:鏑木創
主題歌:「東京流れ者」渡哲也
挿入歌:「ブルーナイトインアカサカ」鹿乃侑子
・・・:「男のエレジー」二谷英明
技斗:高瀬将敏
出演:渡哲也 松原智恵子 川地民夫 二谷英明 郷鍈治
シネマスコープ カラー 110分

やくざ稼業から不動産業にくら替えした倉田組を苦々しく思う大塚組は元組長の倉田が持つ自社ビルを分捕る計画を立てたが、いつ暴発するかわからない本堂哲也の存在を脅威に感じていた。かつて不死身の哲と呼ばれた哲也だったが、倉田組が解散したことにより自らも足を洗った。組長の大塚は身内になるよう誘ったが断られたため、ちょっかいを出して昔のように暴れさせ倉田の責任問題に発展させようとした。だが倉田を慕う彼は言いつけを守り一切抵抗をしなかった。今までとは人が変わり倉田の片腕にはなりそうもないと考えた大塚はそれをチャンスと見て計画を推し進めることにした。

倉田はクラブ・アルルを買い入れるために金融業者の吉井から借金をしていた。800万円の手形の期限が3日後に迫っていたが、アルルの支配人をする部下の熊本によると300万円しか用意出来そうもないという。本来なら余裕で工面出来る金額だが、組を解散したことや大塚組に遠慮して誰も見向きもしなくなったのだ。倉田から話を聞いた哲也は吉井に会って直接掛け合うことにした。300万円を先に払い残金の500万円を毎月100万円ずつ返済し、出来なければ命を差し上げると言った。するとあんたはそんなに倉田さんのことが好きなのかいと吉井は笑い返済期限を延ばすことにした。やがて二人が酒を飲み始めると事務員の睦子はこっそりと抜け出しジャズ喫茶マンホールに出入りする恋人の田中に二人の会話を報告した。翌日の午後3時に手形の書き換えのために倉田が尋ねてくることを伝えると、田中はうまく行ったら結婚しようと言った。大塚の命令でアルル専属の歌手で哲也の恋人の千春を誘拐した田中は待っていた車に乗り込んだが、違う道を走っていることに気づき何処へ行くんだと運転手に尋ねた。振り向いたその顔は哲也だった。驚いた田中は殴り掛かるが、彼のハンドル捌きにより気絶した。千春を救い出した哲也はタクシーでマンションまで送るとおやすみとだけ言って別れた。

午後3時前に800万円を耳を揃えて返すという電話が哲也から掛かった。何かあったら困るから持ってきて欲しいと吉井が言うと、哲也は命を差し上げると言った話を信用出来ないのかと苛立たし気に言った。吉井は少し考えた末に抵当物件の一切を用意して伺うと約束すると、哲也は早速車を向かわせますと喜んで電話を切った。吉井が会話したのは哲也の声真似をした田中だった。

屋台的映画館

玉割り人ゆき 西の廓夕月楼

  • posted at:2022-11-27
  • written by:砂月(すなつき)
たまわりにんゆきにしのくるわゆうづきろう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年2月14日 併映「くの一忍法 観音開き」「愉快な極道」
監督:牧口雄二
企画:三村敬三 奈村協
原作:三木孝祐 松森正
脚本:田中陽造
撮影:塩見作治
照明:海地栄
録音:荒川輝彦
美術:竹川輝夫
音楽:渡辺岳夫
編集:神田忠男
助監督:俵坂昭康
記録:森村幸子
装置:近藤幸一
装飾:布部栄一
スチール:木村武司
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:豊中健
和楽:中本敏生
方言指導:小島恵子
謡曲指導:伊藤清子
演技事務:伊駒実麿
進行主任:俵坂孝宏
出演:潤ますみ 森崎由紀 中島葵 長島隆一 成瀬正
アメリカンビスタ カラー 64分

昭和初年、金沢。当時、遊郭には売られてきた女に性の技巧を教え、娼妓に対しては特殊な技を仕込む師匠たちがいた。廓ではそれを玉割り人と呼んだが、その中でもゆきは京都島原きっての腕前と評判が良かった。彼女は競売人の目の前で性技を仕込む様子を披露した。それは下の口を上の口と同じように使う訓練で、閉めたり緩めたり自由に扱えてこそ床上手だと言った。ゆきが生卵を下の口に差し込むと、横たわる廓の女は力みながらそんな無茶は出来ないと言った。濡れて開けば自然に卵は吸い込まれるものだからそこを気張って潰せばいいと指導すると、やがて穴から割れた殻と黄身が飛び出してきたのだった。ゆきは紙で黄身を受け止めると競売人に検分をお願いした。競売人たちがその出来に驚く中、質問があると一人の男が口を開いた。その酔っ払った男は下の口から卵を飲み込んでそれが娼妓の栄養になるのかと言った。するとゆきはそれが娼妓ためではなく廓に男を釘づけにする技術だと答えた。それを聞いた男がお前さんの下の口がどんな具合に締めつけるのか実演して欲しいと言うと、ゆきは玉割り人の技術は酔っ払い相手の見世物ではないと言った。

ゆきが母親の命日に墓参りに出掛けると何処からか謡声が聞こえてきた。その主を辿ると、一つ先の墓で手を合わせるあの酔っ払いの男がいた。彼は夕月楼の主人・清次郎だった。ゆきにはそれが上手いか下手かはわからなかったが、声に籠る気迫が身に染みた。謡いの神童と呼ばれた清次郎は、廓の跡継ぎにしておくにはもったいないと東京の家元が11歳の夏に連れて帰った。それから13年も経つと彼は評判の謡曲師となった。ある日、生まれ故郷の金沢にぶらりと帰ると地元で評判高い吉富宗市という謡曲師と出会った。清次郎は金沢一が日本一だと天狗になっている宗市の鼻をくじいてやろうと思い、黒塚を謡ってみろと注文をつけた。黒塚は御家流の秘曲であるため生半可な気持ちでこなせる曲ではなかったが、宗市は命がけで謡った。だがその気合が体調に異変を起こし息を詰まらせてその場に倒れた。その頭の上に立ちはだかった清次郎はそれでも日本一かと罵った。その後、宗市は一人娘のお俊を残して自殺し、清次郎も謡を捨てたのだった。

屋台的映画館

息子(1991年)

  • posted at:2022-11-25
  • written by:砂月(すなつき)
むすこ
松竹映像
配給:松竹
製作年:1991年
公開日:1991年10月12日
監督:山田洋次
総指揮:大谷信義
プロデューサー:中川滋弘 深澤宏
原作:椎名誠
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:松村禎三
照明:青木好文
録音:鈴木功
編集:石井厳
スチール:金田正
調音:松本隆司
美粧:宮沢兼子 田村滋男
装置:守篤信
装飾:露木幸次
進行:副田稔
題字:榊莫山
監督助手:五十嵐敬司
製作担当:峰順一
衣裳:松竹衣裳
現像:IMAGICA
出演:三國連太郎 永瀬正敏 和久井映見 原田美枝子 田中隆三
シネマスコープ カラー 121分

東京で一人暮らしをする浅野哲夫は新宿の居酒屋でアルバイトをしているが、帰りはいつも朝方になる。ある日、いつものように帰宅すると父親の昭男から電話が掛かってきた。その日は母・きぬ江の一周忌だったが、帰ってこなかったため忘れているのではないかと心配になったのだ。そのことは覚えていたが、次男の自分がわざわざ帰る必要はないと思っていた。だが昭男は今から支度して新幹線に乗れば1時の法要に間に合うと言って一方的に切った。岩手県か、と哲夫はつぶやいた。親戚に何を言われるかわからないという昭男の言葉が気になり哲夫は着の身着のまま岩手に向かった。何とか時間内にお寺に着いたが、兄の忠司から服装を注意された。彼のアロハシャツにジーンズという姿は厳粛な場にそぐわなかったからだ。着替えはまだバッグに入ったままだった。

法要は滞りなく終わり、その夜哲夫は実家で過ごすことになった。そこには昭男と忠司の他に忠司の妻の玲子と二人の子供たち、昭男の弟の守とその妻の綾子、昭男の長女のとし子と夫の徹がいた。昭男が徹にあげたい物があると言って自分の部屋にハワイ土産でもらったウイスキーを哲夫と取りに行くと、守はせっかく兄弟が集まっているのだから今後の親父のことを話し合ったらどうだと言った。どうするのかと守が尋ねると、忠司は父を迎えるつもりだから千葉にマンションを買ったんだと答えた。すると玲子が後を継ぎ、昭男が来れば子供たちが喜ぶだろうが11階ということもあってそこから見える風景を喜んでもらえるかわからないと言った。それを聞いた綾子が庭付きの家は無理なのかと尋ねると、忠司は今どき東京近郊でそんな家をサラリーマンが買えるはずがないと怒ったように答えた。昭男が戻ってくると皆黙っていたが、綾子がこんな不便な暮らしをいつまでもさせるわけには行かないと親孝行の子供たちが言っていると口火を切った。すると昭男は毎日山を眺めて川の流れの音を聞いて畑の土を好きなだけ触る気ままな暮らしを不便だとは思ったことがないと言った。だとしてもいつかは体が効かなくなる日が来ると綾子が言うと、昭男は腹を立て自分の始末は自分でつけるから余計な心配はするなと怒鳴った。翌日、皆が次々と帰る中、哲夫は父親のお守りをするために残ることにした。

屋台的映画館

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