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青春の殺人者

  • posted at:2022-02-28
  • written by:砂月(すなつき)
せいしゅんのさつじんしゃ
今村プロダクション=綜映社=ATG
配給:日本アート・シアター・ギルド
製作年:1976年
公開日:1976年10月23日
監督:長谷川和彦
企画:多賀祥介
製作:今村昌平 大塚和
原作:中上健次
脚本:田村孟
撮影:鈴木達夫
照明:伴野功
美術:木村威夫
録音:久保田幸雄
編集:山地早智子
記録:浅附明子
助監督:石山昭信
製作担当:浅尾政行
音楽:ゴダイゴ
主題歌:「憩いのひととき」ゴダイゴ
出演:水谷豊 原田美枝子 市原悦子 内田良平 桃井かおり
アメリカンビスタ カラー 132分

成田空港の近くで父から任されたスナック・キャサリンを幼馴染の常世田ケイ子と切り盛りする斉木順。雨が降るある日、父が勝手に乗って行った車を取り戻すために電車とバスを乗り継いでタイヤ工場を営む実家を目指した。両親に会いたくない彼は事務所に忍び込んで鍵を持ち出したが、エンジンを掛けたところで見つかった。それはケイ子との別れ話をするために順を呼び出す罠だった。父はケイ子の身辺を興信所を使って調べ上げ生活環境が良くないことを知った。彼女の体に溺れてしまうことを恐れそうなる前に二人を引き離そうと考えたのだが、そもそもスナック経営を始めたときにケイ子を連れてきたのは父だった。別れなければ店を取り上げると言われた順はいつだってそうだと不満を口にした。

母が野菜を買って戻ってくると、順の右手に包丁が握られていた。そしてその先には息をしていない父が血まみれで倒れていた。ケイ子は左耳が聞こえなかった。中学生の頃にイチジクの実を盗んだことを順がケイ子の母親に告げ口し、殴られたことで障害を負った。順は理由を本人からそう聞いていたが、父はケイ子の母親が連れ込んだ男にレイプされたことを知って殴られたからだと言った。それを聞いて頭に血が上った順は台所にあった包丁でめった刺しにしたのだった。母は突然の出来事に驚いたが、警察に自首するという彼を引き留め、これは家庭の問題だから他人に口外すべきではないと言った。父が若い女と蒸発をしたことにすれば何事もなかったように二人で暮らせる。思わぬ形で自由を手に入れ重労働から解放された彼女はこう言った。漠然とこうなることを望んでいたのかも知れない、と。母は土地や建物を売りその金で誰もいないところで暮らそうと提案し、大学や大学院に通って時効が成立したらおとなしい人と結婚しなさいと言った。身近にいる人物で母が一番危険だと考えていたのはケイ子だった。彼女にそそのかされて順が自首するようなことになればそれまでの苦労は水泡に帰すことになるからだ。様々なことを考えているうちに彼が自分を置いてケイ子と逃げるのではないかと思い込んだ母は激しく責め立てた。そして順の頭に後ろからシーツを被せると包丁を振り下ろしたのだが、揉み合ううちにそれが腹に刺さり母は死んだ。夜が明けると順は車で実家を離れた。

屋台的映画館
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GONIN

  • posted at:2022-02-25
  • written by:砂月(すなつき)
ごにん
ぶんか社=イメージ・ファクトリー・アイエム
配給:松竹
製作年:1995年
公開日:1995年9月23日
監督:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:三浦寛二
製作総指揮:奥山和由
プロデューサー:新津岳人 本木克英
脚本:石井隆
撮影:佐々木原保志
撮影効果:奥山悟 上野隆治
照明:牛場賢二
音楽:安川午朗
美術:山崎輝
録音:北村峰晴
編集:川島章正
記録:松葉勢津子
スチール:中原一彦
衣裳:松本美奈子
メイク:山本佐奈恵
特殊メイク:原口智生
刺青:霞涼二
ガン・エフェクト:納富貴久男
擬斗:柴原孝典
助監督:石田和彦 横山浩幸
製作担当:宮川健治
挿入歌:「紅い花」ちあきなおみ
提供:Team Okuyama
製作協力:フロム・ファースト KANOX
出演:佐藤浩市 本木雅弘 根津甚八 椎名桔平 竹中直人
アメリカンビスタ カラー 109分

かつてはヤングエグゼクティブとマスコミにもてはやされたディスコ・バーズのオーナーの万代樹木彦だったが、バブルの崩壊で暴力団・大越組から多額の借金をしたことが原因で返済に苦しんでいた。ある夜、憂さ晴らしのために新宿のバッティングセンターへ行ったが、サラリーマン風の男・荻原昌平に絡まれた。突然振り下ろしてきた金属バットを交わして顔面をぶん殴ると、荻原は号泣し始めた。彼は会社をリストラされて街を彷徨っていたのだ。荻原のことが心配になった万代は彼を車に乗せると店に戻ったが、そこで待っていたのは大越組の若頭・久松茂と組員たちだった。お帰りくださいと頭を下げる万代に対し組員の野本は横柄な態度を取った。すると見兼ねた荻原がバットで応酬したが返り討ちに遭いノックアウトされた。野本は調子に乗って近くにいた女に声を掛けたが、それは美青年の三屋純一だった。体を触られることを嫌がる彼はナイフで一突きした。顔に傷をつけられた野本は懐から出した拳銃を三屋に向けるが、それを止めたのは大越組の若頭・久松茂だった。久松は組長が怒っているから明日顔を出せと万代に言うと何事もなかったように帰って行った。

三屋が店内にいた理由、それは万代に復讐をするためだった。傷害罪で刑務所に入っていた彼はそれが万代の密告によるものだと思い込んでいたのだ。三屋が5千万円を要求してくると、万代は運が良ければ1億円もの大金が絵に描いたように簡単に手に入ると言って計画に誘った。大越組の金庫に眠る札束を強奪する計画を企てる万代は元刑事の氷頭要を仲間に引き入れる予定で、もう一人腕の立つ人物が必要だと考えていたのだ。

翌日、万代は借金の返済の期日を延ばしてもらうために大越の事務所を訪れるが、それは室内に置いてある金庫の在り処を確かめるためだった。その夜、氷頭要を捜してスナック・ピンキーに行くと彼は店の用心棒として働いていた。氷頭は汚職事件でクビになったが、マスコミにネタを売ったのが万代だと思い込んでいたのだ。万代はそれが大越組によるものだと説明し、警察に届け出ることが出来ない金を強奪する計画を話した。だが氷頭は何も言わずに店の奥へ消えた。

屋台的映画館

べらんめえ芸者

  • posted at:2022-02-22
  • written by:砂月(すなつき)
べらんめえげいしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1959年
公開日:1959年12月6日
監督:小石栄一
企画:原伸光
脚本:笠原良三 笠原和夫
撮影:西川庄衛
録音:廣上庄三
照明:吉田一一
美術:藤田博
音楽:米山正夫
編集:祖田冨美夫
助監督:佐伯孚治
進行主任:内田秀雄
主題歌:「べらんめえ芸者」美空ひばり
・・・:「柳橋しぐれ」美空ひばり
振付:花柳啓之
衣裳協力:帯とキモノ研究所
出演:美空ひばり 江原真二郎 小野透 清川虹子 志村喬
シネマスコープ カラー 86分

東京は下町。松乃家の売れっ子芸者の小春姐さんは生まれつき男勝りで曲ったことが大嫌い。昔気質の頑固者である大工の棟梁・政五郎の一人娘だが、似た者同士とあって時折ぶつかることもある。政五郎は腕は超一流だが気乗りがするまで仕事に着手しない。そんな性格が災いしてトラブルを起こしたり好条件の仕事を他人に取られたりしていた。そんな要領の悪い父親を見兼ねた小春は自分だって嫌な客の前でも笑顔でいなければならないと諭した。

国際建築博覧会に出品予定の設計図を巡って父親の平和建設社長・竹田熊吉と対立した大卒エリートの竹田健一は社長室を飛び出した。それと入れ替わりに入ってきたのは小春が贔屓にしている呉服屋・小松屋の紹介で仕事の依頼にきた政五郎だった。二人は昔の大工仲間であり、政五郎は懐かしんで親し気に声を掛けた。だが会社での威厳を守りたい竹田はそれを嫌い、部下の前で余所余所しい態度を取った。それが気に食わない政五郎はこんな会社など真っ平御免だと出て行った。

甘味処で健一と会った小春は、以前座敷で貸したタクシー代を性格上受け取らなかった。すると健一は二人で使っちゃおうと提案し、小春はそれならば普段行けないところに行きたいと言った。健一が向かった先はボウリング場で、初めての彼女を手解きしようと待ち構えていた。ところがストライクを連発したため舌を巻いたのだった。休憩中に世間話をした際、小春の父親が政五郎であることを知った健一は息を飲んだ。政五郎と父親が熊さん兄貴と呼び合う仲であることを知っていたからだ。博覧会に出品する模型を作るには腕の立つ大工が必要だったが、彼にとってこれ以上好都合なことはなかった。そこで手土産を持って弟子入りをお願いすると政五郎は上機嫌で引き受けた。ところが父親が熊吉であることがわかると今すぐに出て行けと怒鳴った。すると健一は、分からず屋の親父とケンカしてきたばかりで家出はこれで三度目だと笑い飛ばした。

屋台的映画館

新 兵隊やくざ

  • posted at:2022-02-19
  • written by:砂月(すなつき)
しんへいたいやくざ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1966年
公開日:1966年1月3日 併映「若親分喧嘩状」
監督:田中徳三
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:中川好久
録音:三枝康徐
照明:伊藤幸夫
美術:下河原友雄
音楽:鏑木創
編集:中静達治
助監督:岡崎明
製作主任:渡辺俊策
出演:勝新太郎 田村高広 嵯峨美智子 成田三樹夫 北城寿太郎
シネマスコープ モノクロ 85分

大宮一等兵と有田上等兵は軍用トラックを奪い再び軍隊から命がけの脱出を図った。だが中国大陸はあまりにも広く、荒野のど真ん中でガス欠を起こしたことで身動きが取れなくなった。仕方なく二人は歩を進めたが、行けども行けども風景は全く変わらなかった。それはまるで同じ場所を何度も歩いているかのようだった。しばらくすると辺りで銃声が鳴り響き銃弾が足元を襲った。慌てて物陰に飛込み様子を窺うと攻撃を仕掛けてきたのは八路軍であることがわかった。隙を見て近くの民家に忍び込んだが、すぐに見つかり窮地に立った。そこに現れた八路軍の討伐に当たる日本軍に助けられ、二人は不本意ながらも軍隊に復帰することにした。有田は憲兵隊の目を誤魔化すには軍隊に潜り込むことも一つの手だと考えた。いわゆる灯台下暗しってやつだ。

鬼頭中尉率いる中隊は「隼」という異名を持つ鬼部隊で、討伐がないときは夜を日に継いで猛烈な訓練が行われ、上官たちは何かに取り憑かれたように兵隊たちをしごいた。そんな日々が馬鹿馬鹿しくなった二人は仮病を使って訓練を休むことにした。すると木崎軍曹がやってきてたるんでいるから病気になるんだと大宮を殴るが、ビクともしないため兵隊たちに代わりに殴らせた。それでも効いた様子が見えないため木崎が靴で殴ろうとすると、大宮は彼をぶん投げ掛かってきた兵隊たちを片っ端から叩きのめした。その結果、一個分隊全員が練兵休になるという前代未聞の事態となり、大宮たちは見回りにきた憲兵から逃れるために再び脱走した。

二人は現地の住民から衣服を奪い取ると貨車に忍び込み天津へ向かった。金がなければ腹も膨れない。そこで大宮は飯にありつくために一般人として軍隊に近づくことを考え出したのだ。彼はまずやる気のなさそうな万年一等兵の豊後に当たりをつけ、世間話をしながら近寄った。そこにやってきた部隊長に浪曲師として慰問したいと一節うなり、甚く気に入られて上官に話をつけて貰えることになった。作戦はまんまと成功し堀内大尉から許可をもらった浪花節語りと三味線なしの三味線弾きはうまい飯と酒をたらふく腹の中に詰め込んだ。だが彼らが軍に近づいた真の目的は倉庫に眠る物資を奪うことだった。

屋台的映画館

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。

  • posted at:2022-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
さいきんいもうとのようすがちょっとおかしいんだが
KADOKAWA=ポニーキャニオン
配給:KADOKAWA
製作年:2014年
公開日:2014年7月19日
監督:青山裕企 伊基公袁
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
製作:安田猛 水口昌彦
企画:菊池剛
プロデューサー:大森氏勝 千綿英久 柴原祐一
ラインプロデューサー:本島章雄
原作:松沢まり
脚本:伊基公袁 港岳彦
撮影:今井裕二
照明:大町昌路
録音:高須賀健吾
美術:山下修侍
装飾:西渕浩祐
特殊造形:百武朋
ヘアメイク:及川奈緒美
編集:矢船陽介
VFXスーパーバイザー:三上英樹
音響効果:松浦大樹
キャスティング:楠間由野
助監督:石井純
制作担当:佐藤潤
音楽:ハジメタル
主題歌:「HOW’S IT GOING?」
挿入歌:「ナイトメール A%」DDE(誰でもエスパー)
製作プロダクション:角川大映スタジオ
制作プロダクション:ダブ
出演:橋本甜歌 小林ユウキチ 繭 矢野未夏 穐田和恵
アメリカンビスタ カラー 107分

母・香子の再婚で明坂から神前に苗字が替わり、新居で新しい家族と暮らすことになった高校1年生の美月。父親となる哲哉は香子の幼馴染で、その息子の夕哉が一つ年上の兄となった。それからすぐ香子は海外赴任する哲哉に同行したため神前家には美月と夕哉の二人きりで暮らすことに。新生活に馴染めない彼女にとって、学校から帰宅する足取りは重かった。どうしようかと考えてながら歩いていると、歩道橋の階段を上ったところで「いいじゃない、贅沢だわ」と声を掛けられた。驚いて見上げるとそこには黒髪の女性が立っていた。あんたに消えてもらうと言うが早いか彼女が蹴りを入れると美月は階段を転がり落ちて行った。

目覚めると美月は病院のベッドで寝ていた。夕哉の幼馴染で高校3年生の桐谷雪那が偶然通り掛かり救急車を呼んだことで事なきを得たのだ。つきっきりで看病していた夕哉が気を利かして窓を開けると強い風が吹き込んできた。するとそれを境に美月の態度が一変したのだった。今まで他人行儀だったのが急に馴れ馴れしくなり、抱きついてきたかと思えば大胆な行動に出た。そんな突飛な行動に夕哉が面食らっていると美月は突然気を失い、すぐに意識を取り戻すと今までの行動を恥じて泣き叫んだ。

退院して自宅に戻った美月は、病院での行動がまるで自分ではなかったように感じていた。部屋着に着替えようとしていたところで違和感を覚えた彼女がパンティーを脱ぐと、何故かTST(貞操帯)が取りつけられていたのだ。すると混乱する彼女の前にあの女性が現れた。彼女は寿日和という名の幽霊だった。歩道橋近くの交差点で事故に遭った日和が浮遊霊となってさまよっていると、いいカモがやってきたと美月に憑りついた。ところがいくら追い出しても美月が戻ってくるため作戦を変更し、未練を解消して成仏するまで一時的に体を借りることにしたのだ。美月の悲鳴を聞きつけて夕哉がやってくると、日和は美月の体に入り彼を誘惑した。するとTSTについたゲージのメーターがグングン上昇して行ったが、満タンになる寸前に美月が体を取り戻したため、日和は勢い良く放り出された。

屋台的映画館

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砂月(すなつき)
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