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殺人拳・2

  • posted at:2021-02-07
  • written by:砂月(すなつき)
さつじんけんつー
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年4月27日 併映「山口組外伝 九州進攻作戦」
監督:小沢茂弘
企画:松平乗道
原案:高田宏治
脚本:高岩肇 小沢茂弘
撮影:吉田貞次
照明:若木得二
録音:中山茂二
美術:井川徳道
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
助監督:野田和男
記録:牧野淑子
装置:稲田源兵衛
装飾:柴田澄臣
背景:宮内省吾
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男
演技事務:森村英次
衣裳:豊中健
擬斗:菅原俊夫
操演効果:鈴木昶
進行主任:真沢洋士
出演:千葉真一 市地洋子 石橋雅史 嶋直樹 山下勝也
アメリカンビスタ カラー 82分

空手の達人・剣琢磨はある人物から仕事を依頼をされた。それは彼らの組織の経理を担当する劉元徳とリオ・グランドルの抹殺だった。劉元徳は数日前に警察に捕まり連日の尋問を受けているため、一刻も早く口を封じねばならなかった。一方、グランドルはタイから持ち込んだ純金の仏像をネコババしオーストラリアへ逃亡しようとしていた。依頼の男は手段と方法は一切任せると言い報酬として二千万円を提示したが、琢磨はその倍を要求した。嫌なら下りると脅すと、男は渋々了承した。その夜、琢磨はわざとバイクを暴走させて警察に捕まり連行された。警官に囲まれながら廊下を進んで行くと、やがて第八取調室が見えてきた。すると琢磨は警官を振り払い取調室のドアを蹴破ると刑事たちをなぎ倒して劉の方に向かった。そして彼の喉元に一撃を食らわせて声帯を潰すと窓を破壊して逃げた。

目の前で重要参考人の証言を不可能にさせられた上にその犯人である琢磨を取り逃がしたことで巡査部長の山上七郎は責任を感じていた。そこで上司の伊原警部に事件の専任を申し出たが認められず、悩んだ末に辞表を提出した。その頃、メルボルンへ高飛びする計画を立てていたグランドルは出発までの時間を映画館で潰していたが、通報により警察に包囲された。ロビーで警官の姿に気づいた彼は裏口から逃げるが、路地では琢磨が待っていた。そしてグランドルが抜いた拳銃を足で払うと素早くバッグを奪い取って行方をくらました。一人残されたグランドルは追ってくる警官相手に銃で応戦するがあえなく射殺された。

京都に本部を置く空手道場・正武館には山上の姿があった。彼は館長・政岡憲道の弟子だった。山上は辞表提出後に休職扱いになったことを疑問に思ったが、それは裏で活動せよという命令だと解釈した。空手道場・竜虎殿の館長である太田黒は全アジア青少年武術センターの設立を名目に東南アジアから五十億円にも上る資金を集めているが、その後ろには黒幕が控えているという噂があった。山上から報告を受けた政岡は東南アジア正武館支部道場の全組織に対し太田黒一派の募金の実情を徹底的に調べさせる命令を出した。そしてこの件に琢磨が拘わっていることを知った政岡は手強い相手だから気をつけろと山上に忠告した。

屋台的映画館
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男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

  • posted at:2021-02-03
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうこいやつれ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1974年
公開日:1974年8月3日 併映「超能力だよ全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:内藤誠
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:益田市観光協会 温泉津町観光協会 津和野町観光協会 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 吉永小百合 前田吟 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 104分

葛飾柴又にある老舗の団子屋とらやの主人・車竜造は甥の寅次郎が帰ってくる夢を見た。元気で幸せそうな彼はいきなり近寄ってきて、長い間心配掛けたけどとうとう結婚したよと言った。それを聞いた竜造は胸が一杯になり泣いていたところを妻のつねに起こされたのだった。そんな話を姪のさくらの前でしていると、その当人が帰ってきた。寅次郎は土産を皆に渡すと島根県にある温泉津温泉での話を始めた。そこの温泉旅館で働いていた彼は近所に住む絹代に恋をしていたが、それがどんな人かとさくらが尋ねると照れてそれ以上話さず二階へ上がった。その夜、寅次郎は食事時に絹代のことを話し始めた。年は三十代半ばで二人の子供がいる彼女は陶芸をして一日中働いている。夫は三年ほど前に上方へ仕事に出たまま行方がわからなくなっており、絹代の健気な姿に寅次郎は心を打たれたのだった。そうなると竜造たちの関心は結婚に絞られるが、さくらの夫・諏訪博が話を深く掘り下げると二人は結婚どころではなくまだ並んで歩いたことすらないことがわかった。それは寅次郎の熱烈な片思いであり、結婚相手として相応しいかを相談するために帰ってきたのだ。勝手にそれを結婚話だと思い込んだことをさくらが代表として謝り、そのお詫びとして彼女は寅次郎と交渉に手慣れた朝日印刷所の社長・桂梅太郎を連れて温泉津温泉に向かった。タクシーが停まったのは石見焼の窯元の工房で、絹代は寅次郎の姿を見るなり満面の笑みで駆け寄ってきた。だが彼女が発したのは意外な言葉だった。二日前に夫が突然帰ってきたというのだ。よかったと作り笑いをする兄をさくらは不憫に思った。その夜、宿泊した旅館で寅次郎は梅太郎をヤケ酒につき合わせたが、翌朝早くに置き手紙して旅立った。

津和野を訪れた寅次郎が食堂でうどんをすすっていると、何処かで聞いたような声の女性が入ってきた。振り返ってみるとそこには二年前に彼が恋心を抱いた歌子が立っていたのだ。歌子は多治見で陶芸家と結婚したが、彼は昨年の秋に病気で他界した。夫が実家で亡くなったため歌子はそのままこの町に住み続けていたのだった。話をひと通り聞き終えた寅次郎は力になりたいと思ったが、掛ける言葉を探すうちにバスがきた。別れ際に、もし何かあったらとらやを訪ねてきなさいと言うと、歌子は小さく頷いた。

屋台的映画館

野獣死すべし(1959年)

  • posted at:2021-01-31
  • written by:砂月(すなつき)
やじゅうしすべし
東宝
配給:東宝
製作年:1959年
公開日:1959年6月9日
監督:須川栄三
製作:藤本真澄 金子正且
原作:大藪春彦
脚本:白坂依志夫
撮影:小泉福造
美術:浜上兵衛
録音:伴利也 下永尚
照明:隠田紀一
音楽:黛敏郎
監督助手:長野卓
編集:金子玲子
特殊技術:東宝技術部
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当者:根津博
出演:仲代達矢 小泉博 団令子 白川由美 佐藤允
シネマスコープ モノクロ 95分

仕事帰りに同僚たちと酒を飲み、ほろ酔い気分で夜道を歩く岡田刑事に若い男が声を掛けた。彼の名は伊達邦彦。車で待ち伏せていた伊達は近づいてきた相手の胸に拳銃を突きつけ、抵抗する間を与えずに撃った。歩道に倒れる岡田から拳銃や警察手帳などを抜き取った彼は死体を後部のトランクに押し込むとシボレーをスタートさせたが、それはほんのわずかな時間の出来事だった。車を人気の少ない場所に移動させると、今度は別の車に乗り換えて逃走した。

大学院の文学部でアメリカ文学を専攻する伊達は頭脳明晰で英語を巧みに扱うことが出来る優秀な学生だった。そんな彼に全幅の信頼を置く多忙な杉村教授は小説の翻訳のアルバイトをさせていた。伊達には同じ文学部に所属する楠見妙子という恋人がいたが、彼の関心は専ら自身が起こした殺人事件の方だった。中目黒の路上に放置されたシボレーのトランクから岡田の死体が発見され、警視庁は被害者が22口径の拳銃によって殺害されたと発表した。捜査一課長は新聞記者の前で鑑識によって詳細はいずれ明らかになると科学の力を豪語するが、岡田を失ったベテラン刑事の桑島は経験が捜査の鍵になると新米の真杉に説いた。真杉は早く犯人を逮捕することが大切ですねと言ったが、事件が解決しても死んだ者は帰ってこないよと桑島は彼の家族のことを思いながら寂し気に呟いた。

伊達の次なる獲物は洋酒喫茶で密かに開くカジノの売上金だった。深夜になり元締のチャーリー陳が店から出てくると、待ち伏せしていた伊達は岡田から奪った警察手帳を見せ不法賭博容疑で手錠を掛けた。不審に思った用心棒の哲は懐から拳銃を抜こうとするが、伊達は素早くそれを奪い取ると殴って気絶させた。陳にはゆっくりと話し掛け、油断した隙を狙って気絶させた。売上金の入った革のバッグを奪った伊達はあらかじめ用意していた車で走り去り、アパートの前でさりげなくナンバープレートを付け替えた。そして部屋に入ると鍵の掛かったバッグをナイフで切り裂き、取り出した札束を眺めてほくそ笑んだ。ついに念願だったアメリカ留学の費用を手にしたのだ。

屋台的映画館

激突!殺人拳

  • posted at:2021-01-28
  • written by:砂月(すなつき)
げきとつさつじんけん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年2月2日 併映「忘八武士道 さ無頼」
監督:小沢茂弘
企画:松平乗道
脚本:高田宏治 鳥居元宏
撮影:塚越堅二
照明:金子凱美
録音:格畑学
美術:鈴木孝俊
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
進行主任:俵坂孝宏
助監督:皆川隆之
記録:梅津泰子
装置:稲田源兵衛
装飾:山田久司
美粧結髪:東和美粧
スチール:木村武司
演技事務:饗庭益雄
衣裳:岩逧保
擬斗:上野隆三
特技:宍戸大全
出演:千葉真一 中島ゆたか 風間千代子 志穂美悦子 山田吾一
アメリカンビスタ カラー 91分

空手の達人で非合法の依頼を請け負う剣琢磨は福岡刑務所に仏法連盟の教誨師として入り込み、死刑を待つ殺人空手の達人・志堅原楯城の脱走を手助けした。琢磨が拳法の使い手であることを見抜いた楯城は二人きりになった際に懇情の名残りとして勝負を挑むが、経穴を突かれて気を失った。無理矢理目覚めさせられた楯城は迎えにきた刑務官に連れられて絞首台に向かうが、突然意識を失い倒れ込んだのだった。監獄法四十三条により彼の身柄は病院へ移送されることになったが、琢磨の相棒・ラクダの張の妨害によって脱走計画は成功したのだった。翌日、琢磨が東京のマンションに戻ると、楯城の弟・義順と妹の奈智が訪ねてきた。兄の姿が見当たらないことを疑問に思った二人はすぐにでも会わせて欲しいと願い出るが、琢磨は密航船で香港に向かったと説明し残りの三百万円を要求した。その言葉を訝しむ義順は力で真実を吐かせようとするが、誤って窓から転落し即死した。奈智を引き渡せば三百万円が手に入ると考えた琢磨は牟田口興産社長・牟田口連蔵と会った。すると牟田口は小切手を渡すと同時に大金の掛かった仕事を依頼した。それは先日死去した石油王・ハメットの娘であるサライ・チュアユットを誘拐することだった。サライのボディーガードは正武館の政岡憲道が務めているが、琢磨なら勝てると履んだのだ。香港からきた依頼人・楊紀春が五千万円の報酬を提示したが、彼女のバックに極東マフィアの五竜会が控えていることを知った琢磨は身の危険を感じ逃げた。

紀春は梁東一を始めとする刺客を放ち、命を狙われた琢磨は復讐を誓った。彼はサライが身を寄せる正武館に乗り込むと道場空手が如何に頼りないかを説き館長である政岡と対決した。死闘の末に敗れたが、琢磨は自分の腕を買って欲しいと願い出たのだった。彼は五竜会がサライを利用して引き継いだベルネラ石油の乗っ取りを企んでいることを話し、対抗出来るのは自分しかいないと売り込んだ。すると政岡は、君の拳法には火のように激しい怒りが籠っているが人として信頼をすると言った。その頃、五竜会のボス・キングストンは九龍城を牛耳るディンサウに殺し屋を集める依頼をした。酒場で見知らぬ強者を見つけたディンサウはすぐさまスカウトし、日本から運ばれてきたばかりの女たちを宛がうことにしたが、強者はその中に奈智がいることに驚き涙の再会を果たした。彼は琢磨が香港へ逃がした楯城だった。楯城が妹の身請けを申し出るとディンサウは琢磨を倒すことが出来ればくれてやると言った。

屋台的映画館

黒薔薇昇天

  • posted at:2021-01-25
  • written by:砂月(すなつき)
くろばらしょうてん
日活
配給:日活
製作年:1975年
公開日:1975年8月9日 併映「わななき」
監督:神代辰巳
プロデューサー:三浦朗
原作:藤本義一
脚本:神代辰巳
撮影:姫田真左久
照明:直井勝正
録音:古川恒夫
美術:横尾嘉良
編集:鈴木晄
助監督:鴨田好史
色彩計測:田中正博
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
協力:レストラン シバタ
出演:谷ナオミ 岸田森 芹明香 山谷初男 高橋明
アメリカンビスタ カラー 72分

大島渚や今村昌平を尊敬し芸術性の高い作品を生み出そうとするブルーフィルム専門の映画監督・十三。女優のメイ子、男優の一(はじめ)、カメラマンの安さん、照明の石やんと行動をともにする十三は、これだと思うロケーションを見つけては製作に取り掛かった。ある日、海が見える旅館で撮影を行っているとメイ子が突然ストップを掛けた。どうやらお腹に子供を宿しているらしい。このまま仕事を続けると胎教に悪いので、子供を産むまで休ませて欲しいというのだが、十三にとって女優を失うことは死活問題に拘るのだ。何とか引き留めようと彼は屁理屈を並べるが、メイ子の気持ちは変わりそうもなかった。一方、一は子供の父親としての責任を取り彼女と結婚することに決めていたのだった。十三は撮影を諦めて大阪に戻ることにしたがメイ子のことは諦めていなかった。

十三たちは副業としてわいせつな音声を記録したカセットテープを製作、販売しているが、そのための素材を様々な場所で録音していた。猫がミルクを舐める音、動物園の動物たちの声、大相撲の勝利者インタビューの息遣い、そして一番のお気に入りは十三自身が通う歯医者で苦労して録音した十七、八の娘の治療を嫌がる声だった。これらを編集してマザーテープを作り販売すれば一本当たり七千円から一万円で売れる。これが映画製作の資金源となっているのだ。そのことをメイ子に説明した十三は、自分が持つ芸術的センスと知恵を信用してつまらないことを気にせず身を任せてくればそれでいいんだと説得した。ところが歯医者で録音した音声の中にこれだと思うような傑作を見つけると、彼女そっちのけで聞き入った。

歯科医と艶めかしい会話をする患者の女性の見当をつけた十三は、歯医者の待合室に行って直接会話をすることにした。彼は探偵を名乗りある人物から依頼を受けたと偽ると、幾代はそれがパトロンの大垣彦市だと疑った。彼女は年寄り相手に嫌気が差し不満解消に歯科医と浮気をしていたのだった。本職が映画監督だがそれでは生活が出来ないため副業として探偵をしていると十三が話すと、幾代は興味を持った。そこで安さんが待つ舟屋に彼女を連れて行くと、落ちぶれた活動屋の芸術的良心として映画を撮らせて欲しいと頭を下げた。

屋台的映画館

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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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