東映=サンミュージック
配給:東映
製作年:1981年
公開日:1981年8月8日 併映「吼えろ鉄拳」
監督:澤井信一郎
製作:高岩淡 相澤秀禎
企画:吉田達 高村賢治
プロデューサー:梶淳 長谷川主水 高橋一浩 坂航太
原作:伊藤左千夫
脚本:宮内婦貴子
撮影:森田富士郎
録音:林鉱一
照明:梅谷茂
美術:桑名忠之
助監督:森光正
音楽:菊池俊輔
主題歌:「花一色 野菊のささやき」松田聖子
編集:西東清明
記録:宮本衣子
演技担当:和田徹
音響効果:沢地正幸
装置:中村文栄
装飾:新井栄治
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:堀口栄
スチール:加藤勝雄
宣伝担当:坂本年文
現像:東映化学
進行主任:小島吉弘 高井義典
出演:松田聖子 桑原正 加藤治子 樹木希林 湯原昌幸
アメリカンビスタ カラー 91分
明治の終わり頃、矢切の渡しの東にある矢切村で斎藤家は醤油の醸造所を営んでいた。もうすぐ中学に上がる十五歳の政夫はそこの末っ子で、家業は兄の喜一郎が行っていた。政夫は病気を患う母・きくの面倒を見ていたが、彼は母の身の回りの手伝いをするために時々やってくる二つ上の従姉の民子と会えることをとても楽しみにしていた。民子が住み込みで働くことになると政夫はまるで姉弟のようにじゃれ合ったが、その様子に目くじらを立てたのは喜一郎の妻の初子だった。初子は士族の出であったことから何かとしつけや行儀を持ち出しては叱った。だが二人が仲良くしているのを快く思っていなかったのは政夫を幼い頃から見てきた女中のお増も同じだった。
民子はきくの死んだ妹の娘で、父親の戸村新吉は店で日用雑貨を売っていた。だが修理を請け負うため品物が思うように売れず収入がほとんどなかった。そのことを知っていたきくは、肩身の狭い思いをさせまいと民子にそのことを隠しながら給金を後妻のせいに渡していた。ある日、政夫が街まできくの薬を取りに行っていると突然雨が降り始めた。心配になった彼女は使用人の常吉に船着き場まで迎えに行って欲しいと頼んだ。同じ頃、政夫を同じように心配した民子は船着き場へ歩いて向かっていたのだが、その途中で雨宿りする瞽女と出会い持っていたもう一つの傘を貸してあげた。政夫と民子が一つの傘に入って帰宅していると、後から馬車でやってきた常吉がその姿を見て嫉妬した。翌日、醸造所にやってきた瞽女は傘のお礼に唄と三味線を披露するが、それが終わり屋敷に戻ろうとするきくの目が壁に貼られたいたずら書きに釘付けになった。それは政夫と民子の相合傘だった。怒ったきくはこんな下衆な悪さをするのであれば見つけ次第暇を出すからそう思いなさいと皆に言った。その夜、妙な噂で商いに傷がつかないか心配していると喜一郎から言われたきくは考え込んだ。民子は政夫よりも年上だし血の濃いいとこだから一緒にさせることなど思いもしなかった。だが万が一のことを考え二人を引き離すことにした。
屋台的映画館
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