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劇場版 TRICK 霊能力者バトルロイヤル

  • posted at:2019-06-05
  • written by:砂月(すなつき)
げきじょうばんとりっくれいのうりょくしゃばとるろいやる
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2010年
公開日:2010年5月8日
監督:堤幸彦
製作:上松道夫 島谷能成
共同製作:尾木徹 水野文英 吉川鏡 長坂信人
エグゼクティブプロデューサー:平城隆司 市川南
企画:梅澤道彦 塚田素浩
チーフプロデューサー:桑田潔 山内章弘
プロデューサー:船津浩一 蒔田光治 樋口優香
ラインプロデューサー:渡邊範雄
協力プロデューサー:小久保聡 吉川大祐
コンテンツプロデューサー:高野渉
脚本:蒔田光治
音楽:辻陽
監督補:木村ひさし
撮影:斑目重友
美術:稲垣尚夫
VFX:野崎宏二
映像:中村寿昌
照明:川里一幸
録音:臼井久雄
スクリプター:奥平紋子
編集:大野昌寛
助監督:高明
装飾:山田好男
現場編集:似内千晶
制作担当:篠宮隆浩
主題歌:「月恋歌」熊谷育美
制作協力:オフィスクレッシェンド
共同製作:プロダクション尾木 朝日放送 メ~テレ オフィスクレッシェンド
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 松平健 佐藤健
アメリカンビスタ カラー 111分

日本科学技術大学理工学部教授・上田次郎のもとに一人の青年がやってきた。彼は自然豊かな万練村の青年団に所属する中森翔平で、どんな不可思議な現象も科学で証明出来るという上田を頼ってきたのだ。万練村は神が繁栄し栄えるという言葉が由来の「カミハエーリ」という霊媒師によって昔から治められてきた。カミハエーリは霊能力で天変地異を鎮め村の災いを取り除くと言い伝えられているが、50年それを務めてきた翔平の祖母が先日亡くなったことで100日以内に後任を決めなければならなくなった。何故なら大きな災いが訪れると言われているからだ。村にはカミハエーリを選ぶための特別な風習があった。それは全国から集めた霊能力者を戦わせ生き残った者を後継者とするのだ。次のカミハエーリにしたい祖母は彼が小さい頃から奇跡を引き起こす方法を授けてきた。それはマジックの類だったが、それを見た村人たちがとても驚いたことで翔平は霊能力者のふりをし続けなければならなくなったのだ。当然のことながらその戦いに彼も参加することになっており、過去に残虐な殺し合いがあったことから、翔平は二度とそうならないために霊能力者のインチキを暴いて村人たちを納得させて欲しいと上田に願い出たのだった。

「自称」超天才美人巨乳マジシャンの山田奈緒子は客の集まらないステージでも健気にこなしていたが、ある日「てじなーにゃ」の掛け声とともに現れた兄弟マジシャンに居場所を奪われクビになった。興行主はその代わりにインターネットで見つけた万練村の大会を紹介し、カミハエーリに選ばれれば貢物がもらえるかもしれないという話を聞くと奈緒子の心はぐらついた。2ヶ月分の家賃を滞納していることを大家から責められていたからだ。結局プライドよりもお金への思いが勝り、上田から週末に温泉旅行に行かないかと誘われたものの彼女の気持ちは決まっていた。

5月8日土曜日。終点へ向かうバスの中で奈緒子は奇妙な光景を目にした。それは乗客の一人が突然苦しみ始めたのだが、別の男が両手を掲げると乗客は何事もなかったように立ち上がり礼を言った。その男は奈緒子と同じく終点で降りたが、彼女が目を離した隙に姿を消した。1時間半掛けて歩きようやく村にたどり着いた奈緒子は役場で受付を済ませたが、そこにはあの男の姿もあった。実行委員長の木下権三郎によると1時間ほど前にきていたのだという。その頃、村長の宇田川八兵衛宅には上田がいた。翔平の依頼を受けることにした彼は一人で参加することを心細く感じ、温泉旅行と偽って奈緒子を誘おうとしたのだが見事に振られたのだ。宇田川からカミハエーリについての話を聞いていると、霊能力者を名乗る者が村人相手に怪しげなことをやっていると実行委員の男が飛び込んできた。それが奈緒子だとわかると上田は他人のふりをし合図を送った。

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不良番長 一獲千金

  • posted at:2019-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうばんちょういっかくせんきん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年4月18日 併映「博奕打ち 流れ者」
監督:野田幸男
企画:矢部恒 吉田達
脚本:山本英明 松本功
撮影:飯村雅彦
録音:内田陽造
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:深町秀熙
擬斗:日尾孝司
進行主任:坂上順
装置:石井正男
装飾:田島俊英
記録:高津省子
現像:東映化学
音楽:八木正生
主題歌:「番長シャロック」梅宮辰夫
挿入歌:「ダイナマイト・ロック」梅宮辰夫
・・・:「その時わたしに何が起ったの」和田アキ子
出演:梅宮辰夫 谷隼人 夏珠美 大信田礼子 山城新伍
アメリカンビスタ カラー 87分

風俗嬢の桃代と恋仲になった神坂弘は彼女から預かった10万円を増やすためにタニーと高崎競馬場へ向かった。一獲千金を夢見る神坂は最後のレースに賭け、有り金全てを大穴の1-5に突っ込む指示したが、ここまで負け続けていることを不安視したタニーは自分を信じて1-4を買ったのだ。レースは1-5となり600万円に化けたと大喜びする神坂だったが、タニーが勝った馬券が紙屑同然であることがわかると激しく怒鳴りつけた。ひと騒動ありながらもバイクで何とか新宿までたどり着いた二人は桃代のアパートに転がり込んだのだった。当分世話になることが決まり神坂が桃代の疲れた指を揉んでいるとあるアイデアがひらめいた。それは風俗嬢相手に行う指マッサージだった。この珍商売は評判を呼んだが、ふらりとやってきたスタミナ五郎という変わり者がもっと儲かる話があると言ったため神坂たちは乗ることにした。五郎の大阪時代のダチ公が大宮で特殊浴場の支配人となったが人手不足で嘆いていた。そこで二人にスカウトマンとして人材を送り込んで欲しいというのだ。神坂たちはまず「キャバレー・金の城」の女子寮の前で白衣のマッサージ師の恰好で待ち、ホステスたちが戻ってきたのを見計らって片っ端から声を掛けた。同じ客商売なら土地成金がいくらでも金を落として行く大宮の方が断然儲かるという殺し文句になびいた10人のホステスの引き抜きに成功し、手数料の20万円を手にすることが出来た。だがその状況に黙っていなかったのは金の城を経営する大矢田組だった。幹部の勝又は彼らを事務所に連れ込むと制裁を加えたが、それを止めたのは神坂の少年院時代の親友・桐原重男だった。

桃代の部屋に空き巣として入ったことがきっかけでジャブとバイキングが仲間となり、カポネ団はいよいよ大所帯となった。そうなるとマッサージやスカウトだけではやって行けなくなり新たな商売に手を出さなければならなくなった。そんな矢先、MHK受信料の集金人とラーメン屋で相席になったことでアイデアが浮かんだ神坂は本物の集金人が現れる前に上前をはねる計画を立てた。ところが苦労した割には金にならず、更には相席の集金人・生活まで養わなければならなくなったことでこれまで以上に苦労する羽目になった。その頃、極東海運新報でカメラマンのアルバイトをしているブラン子は、社長の命令である家を張っていたが、退屈していた矢先にタニーと出会ったことで会社を辞める決心をした。早速会社へ向かったが、退職金として渡された金額があまりにも低かったため頭にきてテーブルに置いてあった封筒を勝手に持ち出した。その中に入っているカセットテープには東亜船舶と旭造船が絡む汚職の会話が録音されていた。

屋台的映画館

女優霊

  • posted at:2019-05-29
  • written by:砂月(すなつき)
じょゆうれい
WOWOW=バンダイビジュアル
配給:ビターズ・エンド
製作年:1996年
公開日:1996年3月2日
監督:中田秀夫
プロデューサー:仙頭武則 小林広司
協力プロデューサー:柘植靖司 大澤茂樹
原案:中田秀夫
脚本:高橋洋
音楽プロデューサー:高木健次
音楽:河村章文
撮影:浜田毅
美術:斉藤岩男
照明:渡邊孝一
録音:武進
編集:掛須秀一
スクリプター:吉田真弓
助監督:日垣一博
制作担当:高橋伸行
特別協力:にっかつ撮影所
制作協力:ビターズ・エンド
出演:柳ユーレイ 白鳥靖代 石橋けい 大杉漣 菊地孝典
アメリカンビスタ カラー 75分

監督に昇格した村井俊男に映画を撮るチャンスが巡ってきた。撮影所の第8スタジオにはセットが組まれ、主演女優・黒川ひとみや助演・村上沙織のカメラテストが撮影担当の大谷によって行われた。製作費は限られていたが、助監督が別の映画での使い残しのフィルムをかき集めてきたため演出に多少こだわることが出来た。撮影が進む中、チェックのためにラッシュフィルムが試写されることになったが、その中に身に覚えのない映像が混ざっていた。大谷はそれが未現像のフィルムに重ねて撮影したために起こる現象と結論づけ端尺フィルムを使用することを危険視した。一方で俊男はそのフィルムに興味を持っていた。未現像であれば制作中止の映画という可能性もあったが、彼は子供の頃にテレビで見た記憶があるのだ。もしこれがNGフィルムだとしたら、場面にそぐわない長い髪の少女がバックに映っていることと関係あるのではないか考えた。

翌日は野外での撮影が行われ、一段落した夕方に皆でロケ弁を食べることになった。だが演出のことで頭の中が一杯な俊男はそれどころではなく川原で一人黙々とプランを練っていた。そんな彼の姿を可愛く思った沙織は箸を止め、声を掛けて手を振った。それに気づいた俊男も手を振り返したのだが、一瞬見えた異様な光景に目を疑った。彼女の後ろに停めてあるロケバスの窓にあの長い髪の少女が見えたからだ。だがそれはすぐに消えたため、ただの錯覚だと気を取り直した。その夜、撮影を終えた俊男は撮影所に向かい、技師の六さんにフィルムに映っていた女優のことを尋ねたが、見覚えがなく制作会社が違うから調べておくよ言われた。そのとき俊男は昼間見た少女のことを再び思い出しゾッとした。

ひとみは事務所の社長と対立し移籍を検討していた。業界内ではその女社長の評判は低くトラブルも多かった。解決策として彼女はひとみを利用しようとしたのだが、そんな状況から逃れるために拘束時間が長い映画の仕事を独自に選んだのだった。一方、新人の沙織は自分の演技に自信を持てず現場にも馴染めないでいたが、スタジオ内の和やかなムードはそれらを覆い隠した。その日の撮影終了後、俊男は一人スタジオに残って次の演出プランを練っていたが、誰もいないはずの天井の三重の方から軋む音が聞こえたため気になって仕方がなかった。するとセカンド助監督の定岡が現れ、一緒の方向なのでタクシーで帰りませんかと言った。定岡はスタジオの雰囲気を気味悪がる俊男に自身の体験を話し始めたが、数日後に起こる大事件に巻き込まれることを彼らはまだ知らなかった。

屋台的映画館

不良番長 王手飛車

  • posted at:2019-05-25
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうばんちょうおうてびしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年1月9日 併映「日本女侠伝 真赤な度胸花」
監督:内藤誠
企画:吉田達 矢部恒
脚本:松本功 山本英明
撮影:星島一郎
録音:広上益弘
照明:大野忠三郎
美術:江野慎一
編集:長沢嘉樹
助監督:伊藤俊也
擬斗:日尾孝司
進行主任:清河朝友
装置:吉田喜義
装飾:佐藤善昭
記録:勝原繁子
現像:東映化学
音楽:八木正生
主題歌:「番長シャロック」梅宮辰夫
挿入歌:「惚れちゃって燃えちゃって泣いちゃって」銀座ミユキ
出演:梅宮辰夫 谷隼人 榊原史子 夏珠美 山城新伍
アメリカンビスタ カラー 87分

神坂弘を頭とするカポネ団は「愛の星友の会」という結婚相談所を開設し荒稼ぎしようとした矢先に逮捕された。それから2年後、神坂はヌードスタジオをオープンさせ、タニーは白タクで稼ごうとしたがうまく行かず始終腹を空かせていた。このままではダメだと考えた神坂は昔の仲間を集めて再出発することに決めた。スタジオに元団員を集めると何をやったら儲かるかという話し合いを始めたが、一向に埒が明かなかった。そんな中、口を開いたのは金はあるが行く当てない常連客の教授だった。彼は世界中で流行している経営コンサルタントに目をつけ、資本がいらないその職業を提案した。するとその案はあっさりと受理され、東亜開発から早速依頼を受けたのだった。ノウハウを知らない神坂だったが、彼や教授が行う口八丁のセミナーは評判を呼び、業績が向上したことで社長の大崎武人は世界経営研究所と長期の契約を結んだのだ。報酬を受け取るために社長室へ呼ばれた神坂はそこで旧友の滝川雄平と6年ぶりに再会した。滝川は社長として小さな建設会社を切り盛りしていたが、それを良しとしないのは大門組だった。

滝川建設は東亜開発からマンション建設の発注を受けたが、まず住民の立ち退きという問題を解決しなければならなかった。大崎から金銭を受け取っている滝川は住民の土地を安く買い叩かなければならなかった。何故なら東亜開発が買い取ったその土地の差額を大崎が懐に入れていたからだ。滝川は泥を被る形になったが、3分の1のマージンがもらえることと会社が大きくなるための絶好のチャンスだと思って我慢した。だが立ち退きは一向に進まず悩んでいたところに神坂が現れたことで相談すると、俺に任せろと神坂は胸を叩いた。彼らにとって難敵だったのは印刷工場の女主人・飯塚秋子と工員の桜井保だった。神坂は研究所の事務所として使いたいから土地を譲って欲しい願い出たが、彼が滝川建設の回し者と疑う秋子は信用せずきっぱりと断った。作戦の変更を余儀なくされた神坂が飯塚印刷所の経営状態を調べてみたところ、滝川建設から200万円の手形を借金の形に取られていることがわかった。ここが攻め所だと考えた彼は秋子を喫茶店に呼び出し、経営コンサルタントとして力になると約束した。だがそれが体目当ての嘘だとわかり秋子が毅然とした態度を取ったため、神坂は彼女に惚れ込みペースに飲まれたのだった。

神坂は日頃お世話になっているからと大崎を招待し宴会を開いた。だが翌日、二人のヤクザ者が東亜開発を訪れ、芸者と一夜をともにした彼の写真をネタに強請ってきたのだ。神坂は仲介に入り後々厄介なことになるからと300万円を支払わせることにしたが、それは全て彼が仕組んだ芝居だった。神坂から200万円を受け取った秋子は取り立てにきた滝川にそれを差し出したが、金の出処がわかった滝川は神坂から裏切られたことを知った。

屋台的映画館

世界大戦争

  • posted at:2019-05-22
  • written by:砂月(すなつき)
せかいだいせんそう
東宝
配給:東宝
製作年:1961年
公開日:1961年10月8日 併映「アワモリ君乾杯!」
監督:松林宗恵
製作:藤本真澄 田中友幸
脚本:八住利雄 木村武
撮影:西垣六郎
美術:北猛夫 安倍輝明
音楽:団伊玖磨
照明:森弘充
録音:矢野口文雄
整音:下永尚
監督助手:田実泰良
編集:岩下広一
現像:東洋現像所
製作担当者:森本朴
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・光学撮影:幸隆生 徳政義行
製作担当者:成田貫
特技監督:円谷英二
出演:フランキー堺 宝田明 星由里子 乙羽信子 白川由美
シネマスコープ カラー 181分

昭和36年11月15日、北大西洋で行われている同盟国陣営の総合演習で国籍不明の潜水艦が演習海域に侵入したことを確認した。上空から監視する対潜哨戒機は音波探知機を投下して位置を捕捉すると捕獲部隊が包囲作戦を開始した。連邦国海軍は我が国のミサイル潜水艦が攻撃されたと主張し、戦略爆撃隊の大規模な出動を伴う同盟国軍の総合演習を単なる演習とは認めないとする声明を発表した。そのことが翌日報じられると新聞記者のワトキンスはこれから大変なことが起こることを危惧した。だが運転手の田村茂吉は、ちょっとしたいざこざは始終あることだからいつものように治まりますよと楽観的に答えた。

戦後16年、東京は一面の焼け野原から大都会と呼ばれる姿に復興した。プレスセンターの運転手として働く田村茂吉も裸一貫から努力を積み重ね、今では妻と三人の子供とともに慎ましい生活を送っていた。東京に一軒家を建て、次は神経痛を患う妻・由のために別荘を建てることだった。そしてその次は年頃の長女・冴子の婚礼だ。茂吉は娘が一生幸せに暮らせそうな相手を見つけており、夕食時にそのことを話すと、冴子は自分で幸せはつかみたいと言った。それは茂吉も薄々気づいていた。二階を間借りしている船員で通信技師の高野が長い航海を終えて帰ってくるという話を由から聞いたが、わざわざ冴子が勤める会社に連絡してきたというからだ。複雑な思いが頭の中を駆け巡るうちに茂吉は酔いが回って寝入ってしまった。その頃、高野が乗った貨物船・笠置丸では複数の乗務員が上空の発光体を目撃した。

翌日、東京プレスクラブで運転手仲間とテレビを見ていた茂吉は、ニュース速報で地中海沿岸で軍用機が撃墜されたことを知った。領海上空を侵犯した軍用機に対し強制着陸を命じたが、従わずに発砲、反撃したためだという。そこで彼は証券会社に電話し海運会社などの株を買った。一方、横浜港に到着した高野は冴子の会社に電話し無事であることを報告した。恩人にあった後に帰宅すると冴子や由たちに笑顔で迎えられた。高野が気掛かりだったのは二人の関係をいつ茂吉に話すかということ、そしてもう一つは世界情勢だった。地中海で起こった事件の影響で連鎖的に東南アジアでも動揺が拡がっていたからだ。

連邦国極東ミサイル基地には来たるべき日に備えて新たに6基のミサイルが運び込まれた。夕暮れまでに全てが発射台に設置されたが、国籍不明機が侵入したことがわかったため地下の格納庫に収容されることになった。国籍不明機の正体は同盟国軍の特殊偵察機だった。上空から確認出来た情報は直ちに本土ミサイル基地へ送られ総司令部に伝えられた。

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