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君が若者なら

  • posted at:2019-01-19
  • written by:砂月(すなつき)
きみがわかものなら
新星映画社=文学座
配給:松竹
製作年:1970年
公開日:1970年5月27日 併映「明日また生きる」
監督:深作欣二
製作:松丸青史 其田則男 武藤三郎
脚本:中島丈博 松本孝二 深作欣二
撮影:江連高元
美術:平川透徹
音楽:いずみ・たく
照明:平田光治
録音:吉田庄太郎
編集:仲達美
記録:城田孝子
助監督:久保治男
製作主任:小鷹忠
監督助手:箕輪雅夫 片桐康夫 三宅晋輔
撮影助手:奥村義博 宮川博 石川泰行
照明助手:高木広志 平田礼一 鈴木優
美術助手:長沼宗夫 堀内重郎 手塚研一
制作経理:石田輝子
スチール:金田正
宣伝:丸山富之
総合宣伝:時実象平
進行:中田新一 荻原孝
現像:東京現像所
効果:協立音響効果
録音:東京スタジオセンター
協力:オールスタッフプロダクション
出演:石立鉄男 前田吟 河原崎長一郎 林秀樹 峰岸隆之介
アメリカンビスタ カラー 90分

九州の炭鉱町で育ったが、中学生のときの落盤事故で父親を失いひとりぼっちになった樋口喜久男。そして同じ事故で父親を失い、生活に困り体を売って生計を立てる母親に反発した鈴木麻男。中学卒業後、幼馴染の二人は就職列車に乗って他の若者たちとともに上京した。金の卵と呼ばれた彼らは夜間高校に通わせてもらえるという厚遇を約束され、辛抱すれば明るい未来が開けると皆信じていた。石の上にも三年。だが三年経っても暮らしは楽にならなかった。その会社の学歴別賃金昇給表を手に入れた喜久男は、高卒や大卒との開きに愕然とし何とかしなければならないと考えるようになった。その後、工場が倒産すると行き場のなくなった喜久男と麻男は失業保険を頼りにそのまま寮に居座ることにし、同じく行き場のない佐渡の漁師の息子の矢部清、川崎の労働者の息子の井上一郎、北海道の開拓村から出てきた北野竜次も一緒に残った。翌日に銀行の関係者が建物競売の手続きを行うことを知った日の夜、喜久男たちはボクサー志望の竜次が初めてリングに立つ前座4回戦を応援しに行った。そして劣勢の試合の中、彼らは汚いヤジを飛ばすチンピラと乱闘になり留置場に入れられたのだった。静かな部屋で頭を冷やした喜久男はある考えに至った。自分たちのトラックを手に入れて商売するのだ。そして各々では何も出来ないが5人で列を組めば必ず出来るはずだ、と。5年掛かる苦労を5人で分ければ1年となる。そうなれば4年先にはひとり1台トラックが持てるのだ。一郎が1台のトラックでのし上がった飯場のオヤジの話を思い出したことで、自分たちでもやれるのではないかと皆信じるようになった。釈放後、独立を目指して働くことに決めた5人はそれぞれの職場に散った。ボクサーを諦めた竜次は資材の運搬で汗を流し、喜久男は自動車修理工場で腕を磨いた。清はホテルの清掃業に就き、一郎はバーのボーイに、そして麻男はビルの建設に携わった。

トラックを買うために5人はひと月の給料から一定額を積み立てることになっているのだが、清だけ納金が遅れていた。焦った彼はやくざ者と結託して倉庫に忍び込み商品を盗み出そうとしたが、そこに現れたガードマンを殴り倒したことで強盗と窃盗の罪で逮捕された。一郎はホステスとつき合うことになったが、子供が出来たことで生活が苦しくなりトラックどころではなくなったのだ。二人が抜けたことで喜久男と麻男は残った竜次を頼りにしていたが、特別手当の1万円欲しさに経営者側のスト破りに参加したことで警官に警棒で頭を殴られて死んだ。独立の夢を諦めようとした喜久男たちは竜次の姉・秋子を訪ね、積み立てた金を返そうとした。だが彼女は弟の願いを叶えて欲しいとそれを受け取らなかった。その思いを汲んだ二人は土砂運搬業でがむしゃらに働き、雇い主からお墨付きをもらった。そして銀行から融資を受けられることになったことでついに念願のダンプカーを手に入れたのだった。

屋台的映画館
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資金源強奪

  • posted at:2019-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
しきんげんごうだつ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年6月21日 併映「青い性」
監督:深作欣二
企画:日下部五朗 杉本直幸
脚本:高田宏治
撮影:赤堀滋
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:井川徳道
音楽:津島利章
編集:市田勇
監督補佐:皆川隆之
助監督:野田和男
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:山田久司
背景:宮内省吾
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男
衣裳:森護
演技事務:上田義一
擬斗:上野隆三
進行主任:伊藤彰将
出演:北大路欣也 太地喜和子 室田日出男 川谷拓三 山城新伍
アメリカンビスタ カラー 92分

一日も早い出世を願っていた清元武司は、羽田組組長・羽田博厚の命令を受けた幹部の国吉稔らとともに敵対する湘南会の会長を襲撃し射殺した。罪を一人で被った武司は懲役八年の実刑判決を受けた。月日が流れ、熊本刑務所から出てきた彼を出迎えたのは国吉と、武司の情婦の一宮静子だった。国吉らは大分県・杖立温泉の旅館に移動すると組長から預かった出所祝いを渡し組の近況を話し始めた。抗争後、勢力図が大きく変わり、近いうちに羽田と湘南会の二代目との間で兄弟盃を交わすまでになっていた。それを聞いた武司は自分が置かれている立場を理解した。前会長を射殺した者が羽田組の幹部に収まることが出来ないことを。武司はカタギで生きると腹をくくり、それが組のためだと言うと国吉はとても喜んだ。彼が上機嫌で旅館を出て行くと、武司は仕事で一週間ほどしたら戻ってくると静子に伝えた。

急遽、新幹線で大阪に向かった武司は、新大阪駅で出迎えた男と合流した。その男は相棒・小出熊吉とともに爆弾を使って銀行強盗を企てたが、焦って行内でそれを暴発させ一円も持ち出せずに御用となった別所鉄也だった。彼らは刑務所仲間で、気軽に話せる程の仲となっていた。尼崎にいる熊吉を拾い、鉄也が車で向かった先は武司の注文に応じて借りた人目につかない小さな工場だった。三人が中に入ると武司は早速計画を話し始めた。分け前は一人一千万円ずつで警察から追われる心配なし。そんなうま過ぎる話があると聞き、鉄也は大乗り気だったが所帯持ちの熊吉はヤバい話に違いないと身構えた。だが準備する時間が明日までしかないと武司に急かされ鉄也から睨まれると、やると答えるしかなかった。武司は羽田の車を尾行して滋賀県大津市にある雄琴温泉の旅館に入るのを確認すると湖の対岸に向かい、釣り客を装ってそこから裏手の様子を観察した。そこからは旅館の庭が手に取るようにわかり周囲にある物を一つひとつ記憶した。その頃、鉄也は犀榴弾を製造し、熊吉は三人分の潜水用ボンベを手に入れた。仕事の内容を聞かされていない二人は武司が何を始めようとしているのか皆目見当もつかなかった。

日付が変わった深夜、武司の車に集合した三人は行動を開始した。まずスーツに着替えてボンベを背負うとモーターボートで湖の中央へ行った。そのことから鉄也たちは湖底に沈むお宝を引き上げるのではないかと考えたが、答えはそうではなかった。今頃、旅館では大花会の真っ最中であり、そこを狙えば何千万円という大金が手に入るのだ。二人は驚いたが、もう武司に従うしかなかった。静かに岸辺に近づくと計画を実行に移した。

屋台的映画館

レンタネコ

  • posted at:2019-01-12
  • written by:砂月(すなつき)
れんたねこ
レンタネコ製作委員会(VAP=BS日本=Yahoo! JAPAN=パラダイス・カフェ=スールキートス)
配給:スールキートス
製作年:2011年
公開日:2012年5月12日
監督:荻上直子
エグゼクティブプロデューサー:大島満 室川治久 喜多埜裕明
プロデューサー:久保田暁 小室秀一 木幡久美
ラインプロデューサー:武藤牧子
脚本:荻上直子
助監督:小野寺昭洋
キャスティング:山内雅子
撮影:阿部一孝
照明:松尾文章
録音:木野武
美術:富田麻友美
装飾:石山悠樹
スタイリスト:藤井牧子 加藤和恵
ヘアメイク:宮田靖士 久慈拓路
編集:普嶋信一
スクリプター:天池芳美
音響効果:磯村享平
合成:下川亮 遠藤大介
アニマルトレーナー:ZOO動物プロ
音楽:伊東光介
エンディング:「東京ドドンパ娘」平井ひらり
制作プロダクション:パラダイス・カフェ
出演:市川実日子 草村礼子 光石研 山田真歩 田中圭
アメリカンビスタ カラー 110分
 
都会の片隅に建つちょっと古びた平屋の日本家屋。そこに住むのはサヨコという女性で、2年前に亡くなった祖母の仏壇を守りながら生活している。彼女には特殊な能力があるのか、小さな頃からネコが何故か寄ってきた。それは大人になってからも変わらず、今ではたくさんのネコたちと同居するようになっていた。それを商売にうまく利用出来ないかと考えた彼女はレンタネコ屋を始めた。今日もネコたちをリヤカーに乗せると拡声器片手に街へ繰り出した。「レンターネコ、ネコ、ネコ。寂しい人に、ネコ貸します」。学校帰りの小学生にネコババアとからかわれようと、めげないサヨコは河川敷を歩いた。すると何処からかすみませんというか細い声が聞こえた。立ち止まった彼女に近づいてきたのは吉岡さんという上品な老婦人だった。彼女は5匹いる中から、自分と似ているような気がするおとなしい14歳のメスネコの茶とらを気に入った。だがそれで契約が成立するわけではなかった。審査をクリアするにはネコにとって気持ちよく過ごせる環境が整っているかサヨコ自身が実際に目で見て判断するのだ。吉岡さんのマンションを訪ねると、部屋はとても広く日当たりもよかった。亭主を亡くした彼女は寂しさを紛らわすためにモモコというネコを飼ったが、昨年死に別れまたひとりぼっちになった。年を考えると新しくネコを飼うわけにもいかず、毎日を我慢して暮らしていたのだ。そんなときサヨコの声が聞こえ思わず呼び止めたのだった。ひと通り話を聞いたサヨコは笑顔を浮かべて「合格です」と言った。ホッと胸を撫で下ろす吉岡さんに借用書を渡すと、彼女はある疑問を口にした。自分が死んだら茶とらはどうなるのか、と。見捨てることは絶対にしませんとサヨコがキッパリと言うと吉岡さんは安心してサインをした。

ある晴れた日、庭で布団を干していると謎の隣人が声を掛けてきた。その人は彼なのか彼女なのか、話し声は男だが見てくれは主婦に見える。そんな隣人が知り合いにサヨコの前世を勝手に見てもらったらしい。その結果は「セミ」。だからネコにばかり追い掛けられるのだという。セミだから人間の男に見向きもされるはずがないと言われ、はらわたが煮えくり返る思いをしたサヨコはその怒りを布団叩きにぶつけた。するとそこに一本の電話が掛かり怒りは一気に冷めた。電話の相手は吉岡さんの息子さんだった。茶とらを引き取りに行くと、どうやら母親と一緒に暮らすためにマンションを引き払うらしい。しかも自身がネコアレルギーということもあって、部屋の価値が下がることをネコのせいにしている。だが吉岡さんのモモコという穴ぼこが茶とらによって埋まったことがわかるとサヨコは静かにほくそ笑んだ。

屋台的映画館

宇宙快速船

  • posted at:2019-01-08
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうかいそくせん
ニュー東映(東京撮影所)
配給:ニュー東映
製作年:1961年
公開日:1961年7月19日 併映「水戸黄門 助さん格さん大暴れ」
監督:太田浩児
企画:根津昇 吉川義一
原案:渡部昭洋
脚本:森田新
撮影:藤井静
録音:大谷政信
照明:森沢淑明
美術:下沢敬悟
音楽:鏑木創
編集:鈴木寛
助監督:佐藤純弥
進行主任:武田英治
出演:千葉真一 江原真二郎 水上竜子 小宮光江 亀石征一郎
シネマスコープ モノクロ 74分

少年宇宙研究会の仲良し6人組(谷川健一、伊藤辰夫、林三郎、稲宮正、村瀬忠雄、千葉肇)は浅香山で人工衛星の観測会を行うことにした。日中から作業に取り掛かり忠雄が天体望遠鏡を覗いていると銀色をした飛行物体が目の前を落下して行った。驚いた彼はそれが人工衛星だと確信すると健一たちを引き連れて落下地点に向かったが、そこには彼らが知っているルーニク2号とは似ても似つかない宇宙船が着陸していたのだ。健一の父親の谷川博士は日本宇宙科学研究所の所長を務める科学者で、1961年4月にロシアのユーリイ・ガガーリンが有人宇宙飛行を成功させたボストーク3KA-2の後継機をストロフスキー博士と開発した。ルーニク2号のことは谷川の助手の立花真一から度々聞いていたため、その違いを認識することが出来たのだ。6人が遠巻きに調査を始めると、銀色の宇宙服に身を包んだ複数の宇宙人が現れ彼らを取り囲んだ。宇宙人たちがジリジリと詰め寄る中、宇宙快速船の轟音とともに登場したのはアイアンシャープというスーパーヒーローだった。アイアンシャープは子供たちに早くこの場から立ち去るように言うと、次々と宇宙人をなぎ倒したのだった。戦いが不利だと悟った宇宙人たちは宇宙船に乗り込むと逃げ去った。

日本宇宙科学研究所では強力な電波をキャッチし谷川博士はその原因を探っていた。一方、電波望遠鏡を操作していた立花も同様の現象を確認していた。発信源を調べていた立花だったが、電子頭脳が機能を停止したためそれ以上のことはわからなかった。その頃、関東一帯では異常な現象が起きていた。金属音とともに電子機器が逆回転を始め、20分間程停止した。だが故障は一切見つからなかったのだ。日本宇宙科学研究所には真相を聞き出そうと新聞記者が大挙押し寄せていたが、谷川としてもお手上げの状態だった。そこにやってきた健一たちは宇宙人を見たと父親に報告するが記者たちは一笑に付した。だが東京中の電気が止まるとなると話は別だった。

立花は強力な電波の正体が通常地球上では確認することが稀な極超短波・シグマ電波であることを突き止めた。その頃、アメリカでも同様の電波を確認していた。だがその電波はおかしなことに地球上から宇宙に向けて発信されているのだ。日本に飛来した宇宙人と遊星間で行われた交信ではないかと立花が仮定の話をすると、谷川は一刻も早く発信源を特定し企みを暴くべきだと言った。

屋台的映画館

日本誕生

  • posted at:2019-01-04
  • written by:砂月(すなつき)
にっぽんたんじょう
東宝
配給:東宝
製作年:1959年
公開日:1959年10月25日 併映「悪魔の接吻」
監督:稲垣浩
製作:藤本真澄 田中友幸
脚本:八住利雄 菊島隆三
撮影:山田一夫
美術監督:伊藤熹朔
音楽:伊福部昭
美術:植田寛
照明:小島正七
録音:西川善男 下永尚
監督助手:丸輝夫
編集:平一二
現像:東京現像所
製作担当者:川上勝太郎
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・作画合成:向山宏
特殊技術・光学撮影:荒木秀三郎
特技監督:円谷英二
出演:三船敏郎 司葉子 水野久美 上原美佐 香川京子
シネマスコープ カラー 181分

この世の初め、天の一番高い所に高天原という国があった。まだ天も地も固まり切らず混沌としていた頃、高天原に初めて天之御中主神が生まれた。続いて様々な物と創る役目を持った高御産巣日神と神産巣日神が生まれ、次々と十人の神が生まれた。この最後に生まれたのが男神の伊邪那岐神と女神の伊邪那美神で、天之御中主神はふたりに海に漂う脂のような国土を人が住めるように創り上げよと命じた。矛を渡された伊邪那岐神は伊邪那美神とともに天の浮橋へ行き、その矛で混沌とした海をかき混ぜると島が出来上がった。そして島に降りたふたりは夫婦の契りを結び大八島を生んだ。それから伊邪那岐神と伊邪那美神はたくさんの神を生み、一番美しい女神の天照大神には高天原を、月夜見尊には黄泉国を、そして須佐之男命には海の上を治めるように言いつけた。景行天皇の時代、媼はこれらの物語を語り継いだ。

父景行天皇の寵妃を奪ったという兄大碓命の所業が許せない小椎命は、怒りに任せて拳を振り上げた。そのことを景行天皇の耳に入れた大伴建日連は、世継ぎである大碓命に手に掛けた小椎命を殺さなければ民が承知しないと説いた。小椎命を呼び寄せた景行天皇は、裁きを待つ彼に対し熊曽建兄弟が治める西の国の征伐に行くよう命じた。兄弟は名の知れた強者だが勝手な振る舞いをして民を困らせていると伝え聞いていた。降伏させることが男を立てる機会だと考えた小椎命はそれを喜んで引き受けることにした。出兵の前日、小椎命は伊勢に立ち寄り叔母の倭姫命を訪ねた。小椎命は父が自分を頼りにしていること、そして命を落とした兄が自分のせいではないことを伝えた。大碓命と争ったとき小椎命は手加減をしたが、伊勢にまで届いている兄殺しの噂は寵妃が流したものに違いないと訴えた。我が子のように可愛いお前のことを信じていると倭姫命は答え、心置きなく戦ってきなさいとやさしく言った。そこにいた社に仕える巫女弟橘姫に一目惚れした小椎命は、翌日水辺で再会したことを吉兆ととらえた。だがこの熊曽討伐こそ一族出身で天皇の後添いの子若帯を皇位につけようとする大伴健日連の策略だった。小椎命が熊曽建と対峙して討ち死にすることは間違いないからだ。

熊曽建兄弟はそれぞれ考えに違いがあった。残虐非道な兄に対し、無駄な死者を出したくない弟は小椎命に対話を求めた。だがそれが叶わぬことだとわかると戦う決意をした。その夜、館の完成を祝う大掛かりな宴が翌日行われることを知った小椎命は秘策を練った。そして当日、倭姫命から預かった着物で女に化けると陣から抜け出し館に向かった。民が浮かれる中、潜入することに成功した小椎命は兄建を討ち果たし、騒動に駆けつけた弟建とも死闘を繰り広げた。勝負が決すると弟建はこの国で一番強く勇気と知恵のある男として日本武尊と名乗ってくれと懇願し、お前のような男に討たれて本望だと最後に言った。

屋台的映画館

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