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惑星大戦争

  • posted at:2018-12-10
  • written by:砂月(すなつき)
わくせいだいせんそう
東宝映画=東宝映像
配給:東宝
製作年:1977年
公開日:1977年12月17日 併映「霧の旗」
監督:福田純
製作:田中友幸 田中文雄
原案:神宮寺八郎
脚本:中西隆三 永原秀一
撮影:逢沢譲
美術:薩谷和夫
録音:伴利也
照明:小島真二
音楽:津島利章
電子音響デザイン:大野松雄
効果:東宝効果集団
整音:東宝録音センター
監督助手:今村一平
編集:池田美千子
スチール:石月美穂
現像:東京現像所
製作担当者:橋本利明
特殊技術・撮影:山本武
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:森本正邦
特殊技術・スチール:田中一清
特殊技術・合成:三瓶一信
特殊撮影・操演:松本光司
特殊技術・監督助手:川北紘一
特殊技術・光学撮影:宮西武史
特殊技術・作画:塚田猛昭
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・制作担当者:篠田啓助
特技監督:中野昭慶
出演:森田健作 浅野ゆう子 宮内洋 新克利 大滝秀治
シネマスコープ カラー 91分

1988年秋、地球に流星雨が飛来し一部が地上へ落下する現象が起きていた。それと同時に世界各地で電波障害などが発生し通信網などが混乱を起こしていた。休暇を取りアメリカから帰ってきた国連宇宙局本部の三好孝次は日本支部の松沢所長から呼び出しを受けた。全米各地で謎の飛行物体が目撃され、UFO騒ぎで大混乱に陥っているというのだ。それはワシントン付近に集中しており、シュミット博士を中心とする研究グループが追跡調査を行ったがまだその正体を確認出来ていなかった。嫌な予感がすると松沢が言い掛けたとき、交信不能だった宇宙ステーション「テラ」と20時間ぶりに繋がった。三笠忠隊員は金星上から周波数1420メガヘルツの断続的な電波が地球に向けて送信されていることを報告した。それは通信用のものだと考えられたが解読出来ず、地球からも金星へ向けた同じ周波数の電波が送信されていることがわかった。三笠がそれらの情報を伝えていると突如モニターの画面が乱れ、再び正常に戻ると彼は巨大なローマ船がステーションにぶつかると叫んだ。通信が途切れ室内に静寂が訪れたが、松沢は全力を尽くして調査しろとスタッフ全員に発破を掛けた。

三好は宇宙防衛艦「轟天」建設プロジェクトの中心人物だった滝川正人を訪ねた。1980年代に世界各地でUFOの目撃騒動が起き、宇宙からの侵略を危惧した国防軍は滝川に建設を依頼した。その後、建設が始まったが完成寸前で強制的に中止したのは滝川自身だった。その頃になると騒動は下火になっていたこともあって、平和な地球には不必要だとし計画の中止とともに国防軍を退官したのだ。そのときのメンバーの一人が三好だった。彼は本部からの指令できたことを明かし、流星雨と謎の飛行物体とに関連があるというデータが存在し、テラの事故も同様であると説明した。そこへ松沢からシュミットが調査中に森の中で殺されたという電話が掛かり、滝川は只事ではない感じた。ところが三好が帰った直後にシュミットが現れたのだ。数日前から得体の知れない男たちにつけ狙われ身の危険を感じた彼は、わざと偽のニュースを流して極秘で会いにきたのだ。シュミットはすぐにでも轟天を完成させてもらいたいと単刀直入に言った。そして最終部分を君が完成させることが無理ならば、その作業を国連が行うから設計図を渡して欲しいと言った。だが滝川はそれを断った。何故なら彼は目の前にいる男を信用出来なかったからだ。すると男はおもむろに立ち上がり銃を構えた。そこにやってきたのは不審に思って引き返してきた三好で、隙を突かれて銃を取り落とした男は窓を破って逃走した。この事件を宇宙からの挑戦と判断した政府は急遽、大石国防軍司令を長とする防衛対策本部を設置した。大石は情報分析の結果、敵基地は金星上にありと断定し滝川に轟天の完成を要請した。滝川はこれを承諾し、建設計画は再び動き出したのだった。

屋台的映画館
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女番長 タイマン勝負

  • posted at:2018-12-06
  • written by:砂月(すなつき)
すけばんたいまんしょうぶ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年1月15日 併映「仁義なき戦い 頂上作戦」
監督:関本郁夫
企画:杉本直幸 奈村協
脚本:鴨井達比古 志村正浩
撮影:古谷伸
照明:和多田弘
録音:荒川輝彦
美術:雨森義允
音楽:広瀬健次郎
編集:市田勇
助監督:萩原将司
記録:石田照
装置:温井弘司
装飾:西田忠男
背景:西村和比古
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男
演技事務:森村英次
衣裳:高安彦司
擬斗:土井淳之祐
進行主任:大岸誠
出演:池玲子 衣麻遼子 藤山律子 田島晴美 一の瀬玲奈
シネマスコープ カラー 87分

姉・みちよを弄び自殺へと追いやった大島興業のボス・大島文男への復讐を誓う相沢桂子は、ついに彼の居場所を突き止めナイフで刺した。だが致命傷には至らず、逮捕された彼女は信愛女子学院へ送られた。同室のひまわり会女番長・スペードの美和こと立花美和からヤキを入れられた桂子は、3日後に彼女が退院すると頭角を現して次々と配下を増やして行き、ついに頂点に立ったのだった。退院の日、半月前に退院をした松尾幸恵やその彼女のマブダチの太田節子と出会ったが、行く当てのない3人はブラブラと辺りをさまよった。ヒッチハイクで停まってくれたスクラップ屋のポンコツ車で何とか市街地までたどり着き、食堂でようやくまともな食事にありつくことが出来たのだが、面白くないとホステスを辞めた節子を連れ戻そうとクラブの用心棒たちがやってきたことで面倒に巻き込まれた。桂子が一緒について行くと節子の客のツケが118万円あることがわかった。節子が困っていると、私が払うから100万円にまけて欲しいと桂子は言った。するとママは了承し、その条件として1週間以内に顧客の集金を行うこと、もしそれが出来なければ身柄を預かる節子が大島興業へ引き渡されることを約束させた。クラブのオーナーが因縁の相手だとわかると桂子は尚更ファイトが湧いた。だが彼女には先にやらなければならないことがあった。それは美和を捜し出し勝負にケリをつけることだった。手っ取り早い方法として彼女が選んだのは、ひまわり会の連中を片っ端からカツアゲすることだった。すると予想通り幹部がやってきたため、締め上げて女番長のところへ案内させた。だが美和は仲間を捨てて蒸発し、リーダはカミソリ絵里こと黒木絵里に替わっていた。そこで桂子は絵里とタイマン勝負を行い勝利するとひまわり会を支配下に収めた。

旧ひまわり会は解散状態となり、桂子のもとへきたのは沢光代、戸上清子、杉野ユキの3人だけだった。美和の情報を集めつつ桂子たちが行うのはクラブの集金で、会社だろうが税務署だろうがお構いなく上がり込み容赦なく金を巻き上げて行った。その頃、大島は自分のクラブへ地主を招待し、工場建設のための土地を特別な価格で買い取る代わりに周辺の土地を据え置きで説得して欲しいと圧力を掛けた。そしていい返事をもらえるように節子を宛がおうとしたのだが、それに待ったを掛けたのは桂子だった。彼女は久しぶりの挨拶もそこそこに、テーブルに札束を叩きつけて節子を連れて行こうとした。だが大島は俺とここで会った以上ただで帰れると思った大間違いだと桂子を倉庫へ連れて行き制裁を加えたが、それを止めたのはホステスとして働く絵里だった。彼女はこれを機会に桂子との勝負にケリをつけようと考えたが、大島の怒りは絵里など眼中になかった。再び制裁を加える大島に横槍を入れたのは、彼を監視するために関東侠友会が送り込んできた幹部の黒木達也だった。ここは小娘がくるところじゃないと桂子に言って立ち去ろうとしたが、うずくまるホステスの名が絵里だと知り顔色が変わった。

屋台的映画館

宇宙戦艦ヤマト

  • posted at:2018-12-03
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうせんかんやまと
西崎義展(株式会社アカデミー)
配給:西崎義展(株式会社アカデミー) 東映洋画
製作年:1977年
公開日:1977年8月6日
監督:舛田利雄
企画:西崎義展
原案:西崎義展
総指揮:西崎義展
脚本:藤川桂介 山本暎一
音楽:宮川泰
美術:松本零士
設定デザイン:松本零士
アニメーションディレクター:石黒昇
作画監督:芦田豊雄 白土武 小泉謙三 岡迫亘弘 泉口薫 宇田川一彦
背景・美術:槻間八郎
撮影:諌川弘 吉坂研一 藤田正明 山崎友正
タイトル:多々良正春
音響監督:田代敦已
効果:柏原満
編集:鶴渕允寿
録音:アバコ・スタジオ
現像:東京現像所
助監督:棚橋一徳
製作担当:長嶋正治 野村和史 堤隆之 広岡修
オリジナルサントラ盤:コロムビア・レコード
声の出演:納谷悟朗 富山敬 仲村秀生 麻上洋子 永井一郎
アメリカンビスタ カラー 130分

西暦2199年、地球は終末のときを迎えようとしていた。海は蒸発し尽し地上の全生命は死滅した。人類はわずかにその生存圏を地下に求めて細々と生き延びていた。地球を滅亡へと導いたのは、大マゼラン星雲内にあるサンザー太陽系第8番惑星・ガミラスのデスラー総統だった。21世紀初頭以来、宇宙侵略を着々と進めてきたガミラス宇宙艦隊はついに太陽系へその魔の手を伸ばし、地球に対して遊星爆弾による無差別攻撃を加え続けた。地球人は地下都市を築いて必死に生き延びたが、圧倒的な戦力を誇るガミラス軍では地球防衛軍の懸命な努力も皆無に等しかった。情け容赦のないガミラス軍は人類に対し全滅か奴隷かの選択を迫り、頼みの綱である地球防衛艦隊も壊滅寸前となっていた。遊星爆弾による放射能汚染は地球の表面はもとより地下をも犯し始め、人類は絶滅のときを待つばかりとなっていた。

正体不明の飛行物体が火星に墜落し、地球防衛軍火星観測所に常駐していた戦斗科訓練学生の古代進と運行科訓練学生の島大介は探索艇で調査に向かった。宇宙船は地球の物でもガミラスの物でもない形状をしており、ハッチは開いたままになっていた。そしてその付近には美しい女性が倒れていたが既に息はなかった。その女性が持っていた通信カプセルを地球へ持ち帰り地球防衛司令部で分析を行ったところ、それにはイスカンダル星の女王・スターシャからのメッセージと超高速波動エンジンの設計図が記録されていた。人類滅亡が1年と迫る中、その危機から逃れるには「放射能除去装置 コスモクリーナーD」を使用するしかなかった。だが地球からイスカンダル星までは14万8千光年離れている上にスターシャにはそれを送り届ける術がなかった。そこで彼女は波動エンジンを組み立ててイスカンダル星までくることが出来れば放射能除去装置を渡してもいいというのだ。司令長官は懐疑的だったが、今は信じるべきだと地球防衛軍艦隊隊長・沖田十三は言った。九州・坊ノ岬沖で朽ち果てた姿を晒す戦艦大和。その地下では限られた人類を脱出させるための宇宙船が建造されていたが、計画の変更により急遽波動エンジンが搭載されることになった。

「ヤマト」は完成し出航を待つばかりとなっていたが、冥王星ガミラス前線基地から発射された超大型ミサイルが地球に刻一刻と近づいていた。その標的はヤマトだった。地上を偵察し大和の遺跡近辺での不審な動きを探知したガミラスはその拠点を一気に破壊しようとしたのだ。ミサイルが地球到達まで10分を切った頃、艦長となった沖田は装填したエネルギーが120パーセントになったと同時に、航海長となった島へ補助エンジンのスタートを指示した。そして出力が3千になったところで波動エンジンに接続するとついに蘇った船体が地上に姿を現したのだった。主砲による攻撃で難を逃れたヤマトは果てしなく長い航海に出発した。

屋台的映画館

女番長 玉突き遊び

  • posted at:2018-11-28
  • written by:砂月(すなつき)
すけばんたまつきあそび
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年10月19日 併映「衝撃!売春都市」
監督:関本郁夫
企画:三村敬三
脚本:松本功
撮影:鈴木重平 古谷伸
照明:井上孝二
録音:格畑学 中山茂二
美術:竹川輝夫
音楽:クニ河内
編集:神田忠男
助監督:河村満和 萩原将司
記録:牧野淑子 森村幸子
装置:温井弘司
装飾:山田久司
背景:西村和比古
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男 中山健司
演技事務:伊駒実麿
衣裳:高安彦司 松田孝
擬斗:土井淳之祐
キックボクシング指導:風間健
パラセール指導:北島義国
進行主任:上田正直
挿入歌:「泣くなおっぱいちゃん」星まり子
出演:叶優子 田島晴美 藤山律子 城恵美 大堀早苗
アメリカンビスタ カラー 87分

カトレヤ女学院の女番長・三奈とのタイマン勝負で勝利した血桜グループの女番長・山猫お今日こと牧今日子。だが彼女は通報で駆けつけた警官に傷害罪で逮捕され特別少年院に送られた。出所し二年ぶりに住み慣れたミナミの街へ戻ってきた今日子は、白タクで稼ぐかつての仲間のユキと偶然出会ったことで部屋に居候することになった。翌日、今日子が街へ出るとデパートで捨て子騒動に巻き込まれた桃代と弘子に出会った。彼女はその赤ん坊を利用しない手はないと考え、葬儀会場で大騒ぎして大金をせしめると、喪服の貸主に代金を赤ん坊とミルク代とともに渡して大事に育てるように言った。三人がうまくいったと話しながら歩いていると、トン子とかおるが大変なことになったとユキが知らせにきた。暴力団立花興業が二人をキャバレーのレズビアンショーで酷使しているというのだ。それを聞いた今日子は楽屋に乗り込むと契約破棄の書類と引き換えにトン子たちを連れ出し、ユキの部屋に戻ると新たな女番長グループを結成することに決めた。

ある日、今日子は立花興業の組員に突然車に押し込まれて拉致された。廃墟の建物に放り込まれた彼女を待っていたのは、二年前の決闘で額に傷をつけられた三奈だった。今日子は三奈と彼女の仲間から壮絶なリンチを受けたが、偶然通り掛かった風来坊によって助けられた。その夜、ユキたちが心配する中戻った今日子は、三奈が未だにカトレア会を率いていることを伝えた。それを聞いた弘子は元カトレヤ会の和子から聞いたある噂を思い出した。それはカトレヤ会がOL売春を行っているというものだった。今日子は三奈たちが行っている全て調べ上げて落とし前をつけようと考え、血桜グループは活動を開始した。しばらくの間カトレヤ会の動きを探っていると何故か洋服を品定めしている現場に出くわした。何か大きなシノギがあるのではないかと考えた今日子たちは更に調査を続けたが、その途中で立花興業の組員に追われるあの男の姿を見掛けた。その夜、組員から事務所でリンチを受けた風来坊は雨に中に放り出された。いつかのお返しとその傍に寄り添い手当てを行った今日子は何故こんな目に遭ったのかと理由を尋ねた。新宿を拠点に活動していた西条五郎は、大阪での初仕事として数人のストリッパーの鞍替えを選んだ。ところが彼女らは立花興業のヒモつきだったことから仕返しに遭ったのだ。手当てが終わると五郎はまた何処かで会おうと言って姿を消した。

カトレヤ会のマリは沖ダイヤの経理部長・八木から琵琶湖のホテルに誘われていた。銀行に勤めるマリは沖ダイヤが計画倒産を目論む情報を掴んでおり、三奈はそれを利用して一儲けしようと企んでいたのだ。だがそれを事前に察知していた今日子は、浮気現場に踏み込むと写真をネタに強請り八木から30万円をせしめたのだ。それを知り激怒した三奈はカトレヤ会を引き連れて血桜グループの前に現れたのだった。

屋台的映画館

ライアーゲーム 再生

  • posted at:2018-11-24
  • written by:砂月(すなつき)
らいあーげーむりぼーん
フジテレビジョン=集英社=東宝=FNS27社
配給:東宝
製作年:2012年
公開日:2012年3月3日
監督:松山博昭
製作:亀山千広 鳥嶋和彦 市川南
プロデューサー:立松嗣章 高橋正秀 古郡真也
アソシエイトプロデューサー:秋永全徳 大坪加奈
原作:甲斐谷忍
脚本:岡田道尚 黒岩勉
音楽:中田ヤスタカ
撮影:宮田伸
照明:森泉英男
録音:武進
美術:関口保幸
デザイン:坪田幸之
美術進行:平川泰光
編集:平川正治
CG:笹生宗慶
VFXディレクター:山本雅之
選曲:泉清二
音響効果:壁谷貴弘
監督補:森脇智延
制作担当:潮崎秀人
記録:中田秀子
主題歌:「Step on the floor」capsule
挿入歌:「All The Way」capsule
制作プロダクション:FILM
出演:松田翔太 多部未華子 芦田愛菜 濱田マリ 要潤
アメリカンビスタ カラー 131分

平成24年春、篠宮優は仲間と過ごした帝都大学に別れを告げ、新たな世界への一歩を踏み出した。だがその道は彼女が予想していなかった世界へ向かっていた。その夜、優が帰宅すると一通の封書と大きな荷物が届いていた。封書の送り主欄には「Liar Game 事務局」と書いてあり、先に荷物の方を開けてみたが、思わぬ光景に度肝を抜かれた。一万円の札束がギッシリと詰まっていたのだ。慌てて封書を開けると、そこには「Liar Game」にエントリーされたことが書かれてあった。同封されたDVDでは、参加決定の場合は一億円を贈呈するが招待状開封後は取り消しが一切認められないこと、参加しない場合は一億円没収の上ペナルティーとして更に一億円を支払うこと、そしてそれが出来ない場合は如何なる手段を使ってでも必ず回収することがディーラー・アルサブによって説明され、理解出来ない優が部屋を出ようとすると誰かが彼女を呼び止めた。驚いて振り返るとそこにはアリスという名のLGT(レイア―ゲームトーナメント)事務局員の少女が立っていた。選ばれたプレーヤー同士が大金を賭けて戦うこのゲームが極限状態における人間の心理を見る興味深い実験であることを彼女が説明すると、恐ろしくなった優は警察に通報することを考えた。だがアリスは、我々は一億円を提供しただけだから警察は手出しを出来ず、あなたはゲームに参加するしかないと言った。アリスが部屋を出て行くと、絶望に打ちひしがれた優は呆然としたまま一夜を過ごした。

目覚まし時計のベルによって正気を取り戻した優は昨夜起きたことをもう一度思い返した。そしてあるひらめきにたどり着くと、片付けていた箱の中から応用心理学の「極限状態における心理変化の考察」という本を探し出した。その本の著者の秋山深一は何度か講義を受けた程度の顔と名前くらいしか知らない関係だったが、その時は唯一の望みだと考え大学に駆け込んで姿を捜したのだった。だが秋山はただの脅しだからそんなゲームに参加する必要はないと優を冷たくあしらった。不安なまま帰路につく優の横を輸送車が通過した。時間は指定の午後5時を1時間近く過ぎていた。

夜遅く帰宅する秋山を待ち伏せていたのは、2年前にライアーゲームで彼とともに戦い多くの出資者たちに大損害を与えた勝利者メンバーの福永ユウジだった。連れてこいと命令されたと秋山の名前が入った封書を見せた彼は、今回の主催者がそのときの出資者の一人でその目的は「復讐」だと説明した。そして新たな参加者の優が既に会場へ向かっていることを伝えたが、俺には関係ないと秋山は素っ気なく言って去った。ご苦労様でしたと福永に声を掛けたのはアリスで、彼女はこれで秋山が会場へくることを確信した。

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