若松プロダクション
配給:東映ビデオ
製作年:1973年
公開日:1973年2月3日
作った人々:若松孝二 鈴木史郎 磯貝一 竹村峻治 脇坂孝之 斉藤博 和光晴生 原田正幸 飯村隆晴 伊藤野鳴 末吉忠二 東映化学 大久保スタジオ (秘)仕掛花火
出る人々:秋山ミチヲ 堺勝朗 長田恵子 水城マコ 一二常子
アメリカンビスタ カラー 70分
営業担当の銀行員・井上則夫にとって重要な業務は顧客獲得だった。そのためには相手のどんな要求に対しても目をつぶって応えなければならなかった。ある日、銀座のバーのマダムから大口預金の依頼を受け彼女の自宅へ向かった井上だったが、待ち受けていたのはセーラー服姿の「怪物」だった。顧客回りで忙しいと理由をつけても放してくれないため仕方なくつき合うことになった。SM好きなマダムに気に入られようと従順な僕を演じる則夫だったが、元々M志向ではない彼のストレスが頂点に達し思わず相手の首を絞めたのだった。するとマダムはピクリとも動かなくなり、則夫は怖くなって逃げた。
行く当てのない列車に揺られる則夫は、終点の万座・鹿沼口駅で降りるとこれからどうするか村の案内図を見ながら考えていた。すると男が後ろから肩を叩き「いい娘、いますよ」と声を掛けてきた。則夫は客じゃないと断ったが、男はどこまでもついてきてあなたは何かを求めている顔をしていると言った。彼はこの道11年のポン引きで、あなたの好みまでわかりますよと言うが則夫は無視をした。だが1万円で女子高生が抱けるチャンスが滅多にないことを考えると思い直しついて行くことにした。
男が連れてきたのは街から離れた一軒家で、彼は学校帰りの女子高生を雇って売春宿を経営していた。騙されたと思い帰ろうとする則夫だったが、本当に学生たちがやってきたことで目を丸くした。そしてその中からサチコという娘を指名した。ところが疲れているからか機能が果たせず、それを恥ずかしく思った則夫が帰ろうとすると男が待ったを掛けた。何故なら不満を持った彼が警察にタレ込むかもしれないからだ。絶対にここのことは口を割らないと約束しても許さなかった。食い物とセックスの恨みは絶対に晴らせず、人間はこの二つのことに深い根があることを経験しているんだと男は言った。すると則夫は自分が4ヶ月前に起こした事件の殺人犯であることを告白し、マダムから奪った金の残りを彼の前に置いた。ようやく信用してもらったことで則夫は札束を置いたまま家を後にしたが、それは逃走を終わらせることでもあった。ところが情けない彼の姿を見て放っておけないと感じた男は引き留めたのだった。成り行きで住民となった則夫は翌日、男にある提案をした。それはサチコを身請けすることだった。男は了承したが、その条件として家を出て行くように言った.。売春宿にもルールがあり、サチコだけ特別扱いすれば秩序が乱れてしまうからだ。それが出来なければ出て行って欲しいと言われ、則夫は下働きとして渋々残ることにした。ところがサチコには以前から通い詰める作家の上客がいたことを知り、遣る瀬無い気持ちになった。
屋台的映画館
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