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俺の血が騒ぐ

  • posted at:2018-07-17
  • written by:砂月(すなつき)
おれのちがさわぐ
日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年1月9日 併映「刑事物語 ジャズは狂っちゃいねえ」
監督:山崎徳次郎
企画:岩井金男
原案:山崎忠昭
脚本:池田一朗 長谷部安春 加藤新二
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:橋本文雄
美術:木村威夫
編集:鈴木晄
助監督:鍛冶昇
特殊技術:天羽四郎
色彩計測:安藤庄平
現像:東洋現像所
製作主任:松吉信幸
音楽:山本直純
主題歌:「風は海から吹いて来る」赤木圭一郎
・・・:「俺の血が騒ぐ」赤木圭一郎
技斗:高瀬将敏
出演:赤木圭一郎 笹森礼子 沢本忠雄 阿部徹 小沢栄太郎
シネマスコープ カラー 86分

商船学校の練習船「海洋丸」が国籍不明の貨物船を発見した。漂流しているような進み方をしているため無電で呼びかけたが応答はなく、人影も見えないことから直接乗り込んで調査することになった。教官とともに行動する訓練生は船内を捜索したが乗組員は見つからず、ブリッジに上るとその船の船長と背広の男の死体が横たわっていた。背広の男の傍に拳銃が転がっていたことで只事ではないと考えた教官は練習船に発光信号で船内の様子を伝え、帰船命令が出ると引き揚げることにしたのだが、訓練生の笠原明の姿が見当たらず船内中を捜した。その際ブリッジにあったはずの二つの死体が消えており、明は機関室付近で発見された。教官が帰船し船長に報告を行っていると轟音が空気を震わせた。貨物船は突如爆発を起こし海へ沈んで行ったのだった。

長い航海を終えて日本に戻ってきた笠原邦夫を迎えたのは弟の明と邦夫の許婚の宮沢節子だった。邦夫の父親は麻薬密売事件に巻き込まれて殺された。警察は彼を容疑者の一人としてピックアップし麻薬密売人同士の仲間割れ事件として処理したが、真相がわからないまま既に2年が経過していた。だが邦夫は父を無実だと信じており、殺害に使われた拳銃と同じリボルバー38口径をシンガポールで手に入れたことでいつかそれで犯人に復讐しようと考えていたのだった。父親の死後、30年間勤め上げた会社からは退職金を支給しない程に冷遇され、邦夫たちは世間から冷たい目で見られる辛い日々を過ごしたのだ。そんな彼らを叔父に当たる船医の宮沢浩平が引き取り節子と差をつけないように暮らしたが、邦夫は自らの計画を実行するために商船学校を辞め明を残して船乗りになったのだった。

その夜、浩平の妻・光枝が作った手料理に舌鼓を打つ邦夫だったが、いくら待っても明が帰ってこないことを不審に思い節子から彼が一番親しくしている友人の名前を聞き出した。高校時代によく家に遊びにきていた布川という同級生の下宿を訪ね、バー・エルムに入り浸っているという情報を得た邦夫は早速そこへ向かった。明を無理に連れて帰ろうとする邦夫を止めたのは布川で、あなたは僕らの絶望感はわからないんだと言った。こいつまで巻き込まないでくれと邦夫が言い返すと面倒なことになりたくない明は店を出て行こうとした。するとトラブル好きな客がケンカを売ってきたことで店内は大騒動になった。そこに現れたのは健次という常連の客で、邦夫とともに悪漢たちを叩きのめしたのだった。この傷害事件は会社にも知られることになり、翌日呼び出しを受けた彼はひと月の間、船員手帳を没収された。

屋台的映画館
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ザ・タイガース 華やかなる招待

  • posted at:2018-07-13
  • written by:砂月(すなつき)
ざたいがーすはなやかなるしょうたい
東京映画=渡辺プロ
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年12月19日 併映「燃えろ!青春」
監督:山本邦彦
製作:渡辺晋 五明忠人
脚本:田波靖男
撮影:村井博
美術:樋口幸男
録音:神蔵昇
照明:比留川大助
整音:西尾曻
音楽:すぎやまこういち 宮川泰
・・・:「シー・シー・シー」ザ・タイガース
・・・:「君だけに愛を」ザ・タイガース
・・・:「光ある世界」ザ・タイガース
・・・:「リラの祭り」ザ・タイガース
・・・:「ジンジン・バンバン」ザ・タイガース
・・・:「廃墟の鳩」ザ・タイガース
・・・:「青い鳥」ザ・タイガース
監督助手:瀬川淑
編集:諏訪三千男
現像:東京現像所
製作担当者:今井馨
出演:沢田研二 加橋かつみ 瞳みのる 森本太郎 岸部おさみ
シネマスコープ カラー 87分

高校には毎日通うものの授業はつまらないと感じていた宇野健二、糸川忠夫、江田浩、大坪太郎、赤塚修の5人は、いつも一時間目の授業が終わると教室を抜け出してグランドの隅っこで早弁することが日課になっていた。そんな健二たちの行動を問題視した担任の薮井は彼らの父母を応接室に呼び出すとその原因は家庭の教育にあると言った。それを聞いた浩の父親が教育は学校に任せてあるのだからそのような子供にしたのは教師側にあると反論し、太郎の母も先生の指導が正しければ教え子もまた正しいという昔からの謂れを引用して同意した。すると薮井は健二の母が家庭教師を雇っていることを只の気休めだと断じ、家庭教育の第一歩として子供たちの長い髪の毛を切るべきだと主張した。その様子を部屋の外で聞いていた江藤校長は薮井を校長室に呼び出すと、つまらないことで怒らすべきではないと注意した。応接室に集まっていた5人はPTAの有力メンバーなのだ。私立学校にとって生徒はお客さんであり親はスポンサーなのだから、例えそれが当然のことであっても見逃して大切に扱ってもらわなければ困ると言った。そして反論しようとする薮井に君のクビはいつでも切れるが生徒のクビは切れんのだと言うと、薮井はそれ以上続けることが出来なかった。

健二たちは事あるごとに集まっては楽器の演奏に没頭した。そんな彼らの夢は一日も早く上京してステージで腕前を披露することだった。放課後、楽器を持って公園に集まっていると酔っ払った薮井がやってきた。彼は慌てて逃げようとする5人を引き留めると、自分が若い頃には無茶なことをやったが、そんな時でも決して逃げたり隠れたりしなかったと言った。そしてどんな場合でも正々堂々とはっきりさせるべきであり、長髪にするのであれば由比正雪や塚原卜伝などそれに相応しいスケールの大きな人物になりなさいと説教した。するとそこにやってきた健二のばあやのはなが重大な情報を持ってきた。怒り心頭の健二の母が他の4人と協力して子供たちの長髪を切りにくるというのだ。追いかけてきた父母連合を何とか振り切った健二たちは一時しのぎで貨物列車に身を隠すとそのまま閉じ込められ列車は出発した。これからどうしようと悩んでいると、健二はこれが田舎から抜け出すチャンスだと考えた。だが持ち金は全員合わせて25円。そこでこれは自分を試すいい機会だから働いて稼げばいいと健二が提案すると忠夫たちもその話に乗った。数時間後、彼らがいた場所は憧れの東京だった。見る物全てが彼らの目に新鮮に映ったが、空腹には勝てなかった。そこで渋谷のディスコに売り込みを掛けたのだがオーディションすら受けさせてもらえなかった。ムシャクシャして帰ろうとしたところ隣の部屋にセッティングされている楽器が目に止まり、健二たちはそれを使って勝手に演奏することにした。それを聴いた正宗支配人が痛く気に入り採用されることになったが、校長からの命令で連れ戻しにきた薮井に見つかった。

屋台的映画館

花井さちこの華麗な生涯

  • posted at:2018-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
はないさちこのかれいなしょうがい
新東宝映画=国映
配給:アルゴ・ピクチャーズ
製作年:2004年
公開日:2005年11月26日
監督:女池充
企画:朝倉大介
プロデューサー:衣川伸人 森田一人 増子恭一
協力プロデューサー:岩田治樹
脚本:中野貴雄
音楽/アニメーション:岸岡太郎
撮影:伊藤寛
録音:小南鈴之介
編集:金子尚樹
助監督:永井卓爾
特殊造形:むくなしよる
特殊メイク:小川美穂
ガンエフェクト:ビル横山
アニメーション撮影:沖野雅英
ミサイル/エンドクレジット:清水康彦
制作協力:Vシアター
協賛:報映産業株式会社
出演:黒田笑 速水今日子 水原香菜恵 蛍雪次朗 松江哲明
アメリカンビスタ カラー 90分

新宿歌舞伎町のイメクラで働く花井さちこは仕事終わりに喫茶店に立ち寄った。席に座り注文を取りにきたマスターにアイスキャラメルマキアートを頼むと、携帯電話に掛かってきた社長からの指示に従って入り口に近い席に移ろうとした。だが電波状態が悪く店内をうろついているとマスターが置きっぱなしにしていた掃除のバケツにつまづき別の客のテーブルに倒れ掛かったのだった。ノートパソコンを挟んで向かい合い商談を行う二人組はそんな彼女を気にせずに取り引きを続け、一人が対象物を受け取ろうとしたのだが、もう一人がバッグの中を引っ掻き回してもそれが見つからなかった。それもそのはず、さちこがぶつかった弾みで男のバッグをぶちまけたときに筒状の金属が何処かへ転がって行ったからだ。そうとは知らずに騙されたと思い込んだ男は懐から拳銃を取り出すと発砲した。目の前で起きた事件に興奮したさちこが携帯電話のカメラでその様子を撮影しようとすると、男は再びもう一人に2発発砲した。銃弾を受けた男は絶命し、マスターは床に寝そべるさちこに大丈夫ですかと声を掛けた。彼女の額には銃弾が突き刺さっていたのだ。ところがさちこはおもむろに起き上がると大丈夫ですと言って店を出て行った。フラフラと歩くさちこを心配したマスターは傍に転がっていた金属を忘れて行ったハンドバックに放り込むとそれを手渡したのだった。しばらく歩いて座り込んだ彼女に声を掛けてきた警官は、その目を見てまともな精神状態ではないことがわかると取り調べと称してホテルに連れ込み強姦した。その頃、喫茶店では死体の処理に困ったマスターが苦労していた。何とか地域指定ゴミ袋に押し込んだが、殺害した当の本人は店の中で何かを一心不乱に探しているのだ。指くらいの大きさの金属と言われて思い出したマスターが女のバッグに入れたことを話すと、男は彼を射殺した。店を出ようとしたときに携帯電話の着信メロディーが流れ、それがさちこの物からだとわかるとその中の情報を手掛かりに彼女の自宅を割り出したのだった。

自分の身に何が起きたか記憶のないさちこはホテルで目覚め、全裸のままノロノロと洗面所まで歩いて行った。額に大きな傷のある異様な姿。それが鏡に映った自分の姿であることに驚き我に返ったのだった。そこで彼女はハンドバッグの中からペンシルアイライナーを取り出すとその穴に差し込んでみた。すると銃弾が脳の中枢部に押し込まれて行き刺激を受けたことで彼女の新たな一面が覚醒したのだった。猛烈な知識欲が突如襲い現代フランス哲学などあらゆるものに興味を持つようになったさちこは、図書館へ行き蔵書を片っ端から読み漁った。それでも飽き足りない彼女はドイツ哲学の著者である佐伯教授を直接訪ね、形而上学的現実に対する考察はいささか論理実証的過ぎる面があるのではないかと質問した。すると佐伯は突然のことでうろたえ答えることが出来なかった。

屋台的映画館

河内のオッサンの唄 よう来たのワレ

  • posted at:2018-07-05
  • written by:砂月(すなつき)
かわちのおっさんのうたようきたのわれ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年12月25日 併映「トラック野郎 天下御免」
監督:斎藤武市
企画:坂上順
脚本:松本功 高田純 関本郁夫
撮影:出先哲也
録音:長井修堂
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:福湯通夫
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
装置:井保国夫
装飾:新井栄治
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「河内のオッサンの唄」ミス花子
河内音頭作詞:もず唱平
河内音頭指導:三音家浅丸社中
方言指導:山本稔
製作協力:株式会社カインドウェア
出演:川谷拓三 夏純子 岩城滉一 伊佐山ひろ子 ミス花子
シネマスコープ カラー 93分

自称天才博打打ちの徳田松太郎、通称・徳松も家に帰れば女房の花子に頭が上がらない。何故なら師走にも拘らず地主の息子の堺忠三郎が開く賭場に入り浸り、年越しに用意した金を巻き上げられたからだ。それは徳松だけでなく八百仙吉ら仲間も同様だった。そこで一念発起した彼らは新世界界隈で焼き芋を売ったり日雇いの工事現場で肉体労働をしたりと朝から晩まで働いた。それから数日後、花子のもとに電報が届いた。「アスカネモツテカエル、トクマツ」。

翌日、唐山長次が運転するトラックの荷台で仲間と酒を酌み交わした上機嫌の徳松は花子の笑顔を楽しみにしていたが、権藤勇の言葉で気が変わった。彼の行きつけのアルサロは美人ぞろいで評判だというのだ。懐が温かくなり気が大きくなった徳松は皆でその店に繰り出すことに決めた。店で飲み始めてしばらくすると権藤がそろそろ2階へ上がるよう皆を促したのだが、お母ちゃんに渡す金がなくなってしまうと仙吉が止めたのだ。するとホステスがサイコロ賭博を提案し、徳松はそれに乗った。勝てば金が増える上にタダでデキるからだ。ところが勝負はボロ負け、ほとんどの有り金を巻き上げられてしまった。このままでは女房に顔向けが出来ない徳松たちは最後の望みを掛けて競艇場に繰り出したのだがここでもツキに見放された。場内で偶然出会った当たりまくりの忠三郎から2-3がカタいと有力な情報を貰ったものの、それを真っ向から否定したのは謎のサングラスの男だった。彼が4-5で500円の舟券を買うように指示すると徳松は藁をも掴む思いで素直に従った。するとその予想は的中し、信用した徳松は男に言われるがままに舟券を次々と買った。そして最終レースでは大穴を的中させ、皆が家に帰っても恥ずかしくない程の大金を手にしたのだった。徳松たちが喜ぶ中、男は姿を消した。

徳松たちを乗せたトラックが河内方面へ向かっていると、同じ方向に歩いて行くあの男の姿を見つけた。トラックから飛び降りた彼らは先生と崇めるその男を取り囲むと感謝の気持ちを伝え、お礼をするために無理矢理トラックに乗せたのだった。河内松原に戻ると待ちわびた花子たちが押し寄せてきたため、徳松は世話になった先生を皆に紹介した。そこに大変やと叫びながら現れたのは忠三郎の母・サダだった。何事かと徳松が尋ねると、忠三郎が暴力団の難波組に博打を仕掛けられて長屋の権利書を持ち出そうとしているというのだ。住む家を取り上げられればまともな正月を迎えることが出来ないことから何か名案はないかと知恵を絞った。すると長次がふと呟いた。先生がいるじゃないですか、と。嫌がる彼を引き連れて向かった先は忠三郎の邸で、勝負は今にも始まろうとしていた。そこに割り込んだ徳松が先生に勝負を促すと、彼は切羽詰まって「半」に張った。その結果、窮地を切り抜けた上に騒動を聞きつけた警察が踏み込んだことで命を落とさずに済んだのだった。

屋台的映画館

日本一のゴリガン男

  • posted at:2018-07-01
  • written by:砂月(すなつき)
にっぽんいちのごりがんおとこ
東宝=渡辺プロ
配給:東宝
製作年:1966年
公開日:1966年3月16日 併映「何処へ」
監督:古澤憲吾
製作:渡辺晋 森田信
脚本:笠原良三
撮影:小泉福造
美術:竹中和雄
録音:増尾鼎
照明:隠田紀一
整音:下永尚
音楽:宮川泰
主題歌:「しびれ節」
・・・:「何がなんがかわからないのよ」
監督助手:長野卓
編集:黒岩義民
合成:松田博
現像:東洋現像所
製作担当者:堤博康
出演:植木等 浜美枝 進藤英太郎 藤村有弘 人見明
シネマスコープ カラー 93分

西北商事の無責任社員・日本等は出張がてら残りの経費をパチンコにつぎ込んで見事その倍の景品を手にしたのだが、時間を浪費したことで帰りの列車に間に合わないかもしれないことがわかると慌てて駅に向かって駆け出した。だが工事現場付近を通り掛かったときに運悪く空から降ってきた鉄骨に当たり生死をさまようことになったのだ。それから一年後、奇跡的に全快し退院することになった等は第一脳外科病院の担当医師から前後三回に亘る手術に耐えられたのは強心臓のおかげだと感心され、手術の度に脳みそに溜まった余分なカスや水分を取り除いたことで頭の回転が入院前の100倍になったとお墨付きをもらった。生まれ変わった彼は早速出社することにしたのだが、社長室の受付には見慣れない女性が座っていた。更に営業第一課に行っても自分の席がなく、石亀という知らない営業課長から不審者扱いされた。かみ合わない話が進行して行くうちに等はようやく自分が置かれている立場を理解した。彼が勤めていた会社は半年前に倒産し、その権利を買った統南商事が同じ場所に引っ越してきたのだ。そうとわかると等は石亀にある提案をした。「僕をお宅で使ってみませんか?」と。面食らった石亀が会社は不況対策で合理化を行っており社員を増やせるわけがないと断ると、等は当分の間、月給なしで働くと切り出したのだ。そんなバカな奴がいるかなどとやりとりをしていると、石亀は浅利営業部長に呼び出され、食品代理店の接待プランを早急に提出せよと命じられた。経費は不況によって前年の3割減。にも拘らず開催場所は熱海の一流旅館、家族も招待して飲み放題食い放題、おみやげ等々。それらを全て会社で負担することは容易いことではなかった。その話を聞いた等は、僕が月給なしでバッチリやって見せますよと啖呵を切った。

船橋ヘルスセンターに向かった等はまず営業担当と掛け合い、日帰り参加者200名で芸者なしの宴会、その代わりに一流芸能人のアトラクションを行うプランを説明した。そして嫌がる担当に別口で儲けさせてやると約束し飲み物とおみやげは全て持ち込みという条件を飲ませた。宴会当日、等は酒販メーカーの販売課長に直接飲み物を持ってこさせると請求書を突き返し、イベントの共同主催として大々的に宣伝すると約束して強引に条件を飲ませた。そして一流芸能人の役を自分と石亀が務めたショーは招待客から喝采を浴びた。宴会が終わると等はヘルスセンターに併設する遊園地に招待客を誘導し有料で入場させた。その結果、経費は前年の半分の額で収まり、会社には出席者からの感謝の手紙が予想以上に届いたのだった。浅利が石亀にその理由を尋ねると、横から割り込んできた等が説明を始めた。招待客は増えているが家族連れだったことで宿泊費等の遊興費が掛かっておらず、飲料はメーカーのタイアップでタダ。更に招待客が自腹で支払った遊園地の入場料の上がりの半分を会場代から差し引かせたのだ。会社の名前さえ使わせてもらえれば給料はいらないというこの奇妙な社員に困惑する浅利。すると等は「日本等課」を勝手に立ち上げ、一人で取引先を探して商売することにしたのだった。

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