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女番長ブルース 牝蜂の挑戦

  • posted at:2018-05-16
  • written by:砂月(すなつき)
すけばんぶるーすめすばちのちょうせん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年2月3日 併映「まむしの兄弟 懲役十三回」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
脚本:皆川隆之 鈴木則文
撮影:古谷伸
照明:北口光三郎
録音:荒川輝彦
美術:吉村晟
音楽:鏑木創
編集:神田忠男
助監督:皆川隆之
記録:石田照
装置:近藤幸一
装飾:山田久司
美粧結髪:東和美粧
スチール:杉本昭三
演技事務:森村英次
衣裳:高安彦司
擬斗:三好郁夫
進行主任:俵坂孝宏
主題歌:「女番長ブルース」八田富子
出演:池玲子 宮内洋 小山明子 風間千代子 女屋実和子
シネマスコープ カラー 84分

京都の市街地を中心に活動する京都パール団。女番長の真紀は愚連隊の一郎と組んで修学旅行生相手にいかがわしい写真の売買や売春の斡旋などをして金を稼いでいる。ある日、お土産代を落として困っているという中学生にアルバイトしないかと声を掛けた真紀は、彼女が先日新聞に載った中学生売春の当事者だったことに驚いた。そこで一郎が連れてきたカモ・呉服屋の若旦那の中村に処女と偽って高値を吹っ掛けることにした。枕探しに遭った中村は一郎にクレームをつけたが後の祭り。中学生は既におらず、売春の世話をしたけどボディーガードを引き受けた覚えはないと真紀は突っぱねた。そこにやってきた地元の暴力団・黒地組は、挨拶に来ずに無断で商売をする一郎に制裁を加えたのだった。

ある日、パール団の溜まり場となっているゴーゴーバーに大阪ミナミを拠点とする黒百合会が乗り込んできた。仲間の知子がリンチされ、女番長のユリが言い残した万博道路という言葉を頼りに真紀は団員と大阪にやってきた。真紀はユリとサシで勝負をつけることにしたのだが、そこをレースカーの遊び場とする露木栄三が仲裁に入ったことで勝負はお預けとなった。栄三とユリは集団就職で大阪にきた幼なじみだったが、その道から外れた栄三は金や学歴ではなく実力で生きることが出来るレーサーを目指すことにしたのだ。

一郎は新たな仕事を手に入れていた。それは街のど真ん中にある墓地の移転だった。墓地は一等地にありそれを売り飛ばして山科に引っ越せば大きな利ザヤが出る。その話を玄海和尚に持ちかけるとあっさりと同意したため、一郎はおこぼれに預かることになったのだ。移転には学生のアルバイトを雇うためわざわざ力仕事をして手を汚す必要もなかった。和尚は金だけでなく女にも目がないため絶倫和尚と呼ばれていた。一郎は墓移転の手数料として3千万円の10パーセントを契約通り要求したが、5万円しかもらえなかったため芸者遊びしていることを檀家に全てぶちまけると脅した。だが和尚のバックに黒地組がついていることがわかったため黙って引き下がるしかなかった。それでも諦めきれない一郎が何かいい知恵はないかと真紀のアパートを訪れると、私に任せてくれるなら全額巻き上げてみせると彼女は言った。その条件は儲けの折半。一郎は真紀に賭けてみることにした。

屋台的映画館
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でっかいでっかい野郎

  • posted at:2018-05-12
  • written by:砂月(すなつき)
でっかいでっかいやろう
松竹
配給:松竹
製作年:1969年
公開日:1969年4月26日 併映「喜劇 婚前旅行」
監督:野村芳太郎
製作:杉崎重美
脚本:野村芳太郎 永井素夫
撮影:川又昻
美術:重田重盛
音楽:林光
照明:三浦礼
録音:栗田周十郎
調音:松本隆司
編集:浜村義康
監督助手:吉田剛
装置:中村良三
進行:玉生久宗
現像:東洋現像所
製作主任:吉岡博史
出演:渥美清 岩下志麻 香山美子 中川加奈 大野しげひさ
アメリカンビスタ カラー 90分

北九州・若松。父親の遺言に従い洞海湾が見渡せる高塔山の墓地へやってきた南田松次郎だったが、御骨を納めるための肝心な墓が見つからなかった。そこで適当な場所に穴を掘ったのだが酔いと疲れで眠ってしまい気がつくと太陽は天高く昇っていた。そんな彼を見つけたのは母の墓参りにきた原田友江とこの寺の住職で、身なりの汚い松次郎にすぐに埋め戻せと注意すると俺んちの墓は何処へやったと怒鳴った。だが南田という姓の墓は見たこともないと住職が言ったため、松次郎は骨壺に手を突っ込むと「父ちゃん、長い間見たがっていた洞海湾は目の下だから迷わず成仏してください」とそこら中に散骨したのだった。

三池地区の保護司からの紹介で父親の故郷である若松にやってきた松次郎は、この土地で三代続く山口病院の院長で保護司も務める愛之助の世話になることになった。妻の静子は前科のある彼を家に置くことに反対だったが、酒の上での暴行だから悪質ではないしそういった人を正常に戻すのが我々の仕事だと説得した。愛之助の世話で仕事を得た松次郎はダルマ船で洞海湾の清掃を行うことになり、ゴミの埋立地に拾った材料を使ってマイホームを建てた。ある晩、お礼を言いに一升下げて愛之助を訪ねた松次郎は、将棋を指していた友江の祖父・辰吉の横から口を出したことで大ゲンカになった。若松弁でへそ曲がりのことを差すげってん爺と皆から呼ばれている辰吉はサンパン船の船長で、ある日松次郎が乗るダルマ船と衝突すると暴言を吐いて逃げた。一方、衝撃で海に投げ出され仲間たちに助けられた松次郎は、そのおかげでフグが服の中に入り込んだことにご満悦だった。その夜、仲間たちを招いてフグ鍋を行ったが見事に当たり、遅れてきたことで難を逃れた作業員の通報によって皆命を取り留めたのだった。

入院した5人の中で一番手を焼く患者は松次郎だった。注射が死ぬほど嫌いな彼はその時間が近づくと決まってベッドの下に潜り込むのだ。そうなると愛之助でも犬飼婦長でも手が付けられなかった。だがとっておきの秘策を考え出したのは事務室の友江だった。松次郎が眠っているうちに体を縛りつけ、その間に注射と薬を済ませるのだ。そんな努力の甲斐もあって彼は見る見るうちに回復した。馬が合う友江とは逆に婦長とはそりが合わず、からかったことが原因で5人は強制退院させられた。仲間の4人とは違い職も住むところも失った松次郎は病院の空き部屋で寝泊まりすることにした。

港には外国船の入港もあって街は船員たちの遊び場になっていたが、それを利用していかがわしいアルバイトに手を出していたのはボイラーマンの金太だった。娼婦の若松ローズを船員に紹介し、空き部屋をホテル代わりに使わせて斡旋料をいただくのだ。ある夜、斡旋することに成功した金太だったが、値段が高いと船員のビリーが騒ぎ出しそれに気づいた婦長が部屋を覗いた。すると船員は彼女をローズと勘違いし、そこに目を覚ました松次郎が加わったことで大騒動になった。鬼ころしの松と牛殺しのビリーとの対決は果たして松次郎に軍配が上がった。警察の取り調べでビリーが金の運び屋として国際警察のお尋ね者であることがわかると、松次郎は一躍時の人となった。

屋台的映画館

日本沈没(1973年)

  • posted at:2018-05-09
  • written by:砂月(すなつき)
にほんちんぼつ
東宝映画=東宝映像
配給:東宝
製作年:1973年
公開日:1973年12月29日 併映「グアム島珍道中」
監督:森谷司郎
製作:田中友幸 田中収
原作:小松左京
脚本:橋本忍
撮影:村井博 木村大作
音楽:佐藤勝
美術:村木与四郎
録音:伴利也
照明:佐藤幸次郎
監督助手:橋本幸治
編集:池田美千子
スチール:石月美穂
現像:東洋現像所
協力:日本海洋産業株式会社
製作担当者:森知貴秀
特殊技術・撮影:富岡素敬
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:森本正邦
特殊技術・光学撮影:宮西武史
特殊技術・合成:三瓶一信
特殊技術・操演:松本光司
特殊技術・監督助手:田渕吉男
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・スチール:田中一清
特殊技術・制作担当者:篠田啓助
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
特別スタッフ:竹内均 奈須紀幸 大崎順彦 諏訪彰
特技監督:中野昭慶
出演:小林桂樹 丹波哲郎 藤岡弘 いしだあゆみ 中丸忠雄
シネマスコープ カラー 140分

小笠原諸島北方の無人島が一夜にして水没するという怪現象が発生し、海洋開発興業所属の深海調査艇「わだつみ」が現地に派遣されることになった。わだつみに乗り組むのは操艇者の小野寺俊夫の他に、地球物理学者の田所雄介博士と助手の幸長信彦助教授だった。海上保安庁の巡視船が現地に着くとデリックで吊り上げられたわだつみは静かに海面に降ろされた。

調査の様子はVTRに収められ、その道のスペシャリストが集う巡視船の一室で公開された。海底に見られる裂け目は火口形成後に起きた二次的な原因の崩壊で出来たものではないかと考えられた。こうした海底はその先も続き、やがてリップルマークと呼ばれる漣痕が現れ火山岩や火山弾が露出していた。海底泥土がつい最近激しく動いたようだと技官が言うと、匍行というよりは地滑りだと別の技官が言った。そうなると島が沈んだ原因は火山活動でなく地滑りということになるが、何故それが海底の広範囲で起きたのかは謎だった。地滑りの原因が海溝にあるのではないかと考えた田所はその箇所を自分の目で確かめることにした。翌日、日本海溝の底8740メートルまで潜ると、南から北へ激しい底流があったことが確認された。そして東西へ走る古いリップルマークも。このままの深さで船首に対し右7度の方角へ動かせるかと田所が尋ねると小野寺は返事をする間もなく操縦を行った。するとその先には化け物のようなナメクジが這ったような溝があったのだ。田所が目を凝らして調査を行っていると突然の衝撃で船体が揺れた。溝は泥雲の前で消滅しており、視界が悪くなる中わだつみがそこへ着くと田所は停止を命じた。そして小野寺が水中照明弾を発射して海底の様子が明らかになると田所は興奮し、水温、密度、塩分濃度を測定するための下降を命じた。小野寺と幸長は顔を見合わせたが、逆らえないと悟りいつでも上昇出来る状況を整えて指示に従うことにした。再び揺れが襲い、海底密度に飛躍層があると田所は言った。続いて幸長は流れが南から北で通常の海溝底流とは反対だと言った。密度は1.053、多量の重金属が混じっていることで塩分濃度は海水密度の最大値を上回っていたのだ。小野寺が照明弾を再び発射すると深海底で乱泥流が起こっていることが見て取れた。しかもそれは日本列島の地殻の海溝崖から噴出しているのだ。田所は世界最大の日本海溝の底で何かが起こりかけているんだと呻くように言った。

屋台的映画館

女番長ブルース 牝蜂の逆襲

  • posted at:2018-05-05
  • written by:砂月(すなつき)
すけばんぶるーすめすばちのぎゃくしゅう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1971年
公開日:1971年10月27日 併映「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」 
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
原案:小山裕久
脚本:皆川隆之 鈴木則文
撮影:古谷伸
照明:若木得二
録音:堀場一朗
美術:井川徳道
音楽:鏑木創
編集:神田忠男
助監督:皆川隆之
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:宮川俊夫
美粧結髪:東和美粧
衣裳:高安彦司
擬斗:三好郁夫
進行主任:真沢洋士
主題歌:「女番長ブルース」八田富子
挿入歌:「恋する者たちよ」ピーター
・・・:「波止場」西来路ひろみ
出演:池玲子 弓恵子 西来路ひろみ 賀川雪絵 阿部徹
シネマスコープ カラー 86分

女ネリカンを脱走した牝蜂が結成したアテネ団。女番長の玲子は団員を率いて神戸を中心に非行の限りをつくしていた。玲子と真弓が三宮駅前の歩道橋でカモを探していると石部金吉のような物堅い男が歩いてきた。真弓は止めた方がいいと諭したが、そんなヤツに限ってスケベ男に違いないと玲子はアタックすることにした。彼女は中年男に近づくと100円恵んでくれたらいい娘を紹介してあげると話しかけた。そして脈があるとみるや、育ちのいい名門女子大生がお金に困っていて今日中に2千円を都合しなければならないのとまくしたてた。こんなチャンスは二度とないと言われ心がぐらついた男は気安くついて行った。ホテルの一室で男のお相手をするのは女子大とは無縁の団員・サセ子だった。彼女は精力がつくモノを作ると言ってドリンクに睡眠薬を混ぜた。その効果はてき面で男は一瞬にしてダウンした。簡単には起きないことを確認するとサセ子は玲子と真弓を招き入れて金品を物色したが、財布には3千円と小銭。悪態をつくと三人は男の乗用車を盗んで逃走を図った。ところがその途中でエンジンがオーバーヒートしたため近くに停まっていた代わりの車を盗もうとしたのだが、鍵が掛かっていてどうしようもなかった。そこで窓を石で叩き割ろうとしたのだが、偶然通りかかった杉岡英二をリーダーとするバイク集団・学生愚連隊に一部始終を見られてしまった。黙って後ろに乗るか、警察に通報されるかの選択を迫られた玲子たちは、仕方なくバイクに乗ることにした。英二たちは廃工場に連れ込んで三人を犯そうとしたのだが、抵抗に合って手こずるうちに玲子の用心棒である北神会の巽次郎が助けに駆けつけたのだった。

ある日、アテネ団に入りたいとセーラー服の女子高生がやってきた。玲子は宥子がバージンであることを知ると課題を出した。それは自らの指で処女を喪失することだった。度胸試しをクリアすると玲子は彼女に合格を与え、アジトにしているアパートに招くとデパートで万引きした服で着飾らせた。そこに訪ねてきたのは前の女番長で二度目の少年院帰りのジュンだった。現在のアテネ団は玲子が作成したアテネ憲法で規律を正していたが、束縛されることに反感を抱くジュンはその考え方に異議を唱えた。その頃、巽は部下の前で北神会は今や押しも押されぬ極道予備軍で後は秋本組からのお墨付きをもらうだけだと訓示した。彼の夢は秋本組の幹部になることであり北神会が秋本組の一部となることだったが、アテネ団が組に挨拶に来ていないことを金庫番の紺野房夫から咎められうなだれた。秋本組は神戸を中心に活動する暴力団で、組長の秋本剛は関西一円を牛耳ることを目論んでいた。そのために北神会やアテネ団、そして5年前に関本組の組長を殺害して逮捕され出所してきたばかりの土居政也をも利用しようと考えていた。

屋台的映画館

ある殺し屋の鍵

  • posted at:2018-05-02
  • written by:砂月(すなつき)
あるころしやのかぎ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年12月2日 併映「残侠の盃」
監督:森一生
企画:藤井浩明
原作:藤原審爾
構成:増村保造
脚本:小滝光郎
撮影:宮川一夫
録音:海原幸夫
照明:中岡源権
美術:太田誠一
音楽:鏑木創
編集:谷口登司夫
擬斗:楠本栄一
助監督:大洲斉
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 西村晃 佐藤友美 山形勲 中谷一郎
シネマスコープ カラー 79分

ある花街の奥路地に屋敷を構える日本舞踊・藤川流の師匠の藤川寿一郎こと新田。その端整な顔立ちから彼を慕うものは多く、女弟子で芸者の秀子もその中の一人だったが、新田は努めて謹厳な態度を崩そうとはしなかった。ある日、そんな彼に仕事の依頼が舞い込んできた。その内容は「殺し」だった。新田は日舞の他にその道でも超一流の腕前を持っていたのだ。依頼主は石野組組長で新田と連絡を取ったのは舎弟の荒木だった。標的は朝倉という高利貸で、100億を超える脱税をして世間を騒がせている男だった。新田が簡単に了承しないと聞いていた荒木は、カタギの人々は泣きの涙で税金を納めている人が多く中には首をくくる人だっているという話で情に訴えかけた。そしてそんな悪党をのさばらせておく手はないと一押しすると新田はしばらく考え込み、いくら出すかと切り出した。小さな笑みを浮かべた荒木が謝礼として1500万円出すと言うと新田は心を決めた。

世間では東日道路公団の用地買収にかかわる政財界の不正事件が露見し、その発端となったのが金融王・朝倉による証言だった。彼は130億円にも上る脱税のもみ消しを経済界会長の北城から断られたことを逆恨みし、その証拠となる「秘密メモ」を公表するという噂が流れたのだ。そうなれば要職につく人物の名前が浮かび上がり、下手をすれば北城にもたどり着く可能性があった。そこで彼は遠藤建設社長を呼び出すと4000万円を渡し、わかっていることは朝倉が私にとって邪魔だということだと言った。4000万円を持ち帰った遠藤は石野を呼び出すと筋書きを話した。すると石野は3000万円で了承し、いざという場合を考えて始末のときに都合の良い男を選び出すと約束した。遠藤は荒木を応接室に呼び出すと手付として1000万円、仕事後にもう1000万円渡すと言った。荒木は快く引き受け、万が一ドジを踏むようなことがあっても組長の顔を潰すようなことは絶対しないと約束した。このような仕事に打ってつけな人物として荒木が依頼したのが仲間の草薙と懇意にしている新田だった。

朝倉は仮保釈中で刑事に取り囲まれながらホテル住まいをしていた。荒木からその情報を得た新田は生活する様子を写真に収め遠藤に提出した。そして手付金の1000万円を受け取ると仕事後の謝礼に1000万円を要求した。同席する荒木は不快な顔をしたが、遠藤はその条件を飲んだ。それから数日後、新田は荒木が運転する車をホテルから少し離れた場所に停めさせると単身で乗り込んで行った。そして客として水着でプールサイドに近づくと辺りを見回し、プールで泳ぐ朝倉と彼を見張る警官の位置を確認した。しばらくして泳ぎ始めると秀子とばったり会った。朝倉は秀子のパトロンだったのだ。秀子はプールサイドでしきりに話し掛けてきたが新田は浪費する時間に焦りを感じていた。余計な邪魔が入り計画は水泡に帰すかと思われたが、奥にいた若者たちがはしゃぎ始めそれを見て秀子も泳ぎましょうよとプールへ入った。それを機に水中へ潜った新田はプールの中央でくつろぐ朝倉のゴムボートへ向かうと周囲に悟られぬ間に仕事を終えた。そして素早く着替えを済ませると車に急いだが荒木の姿はなかった。パトカーのサイレンが聞こえたことで長居は無用とエンジンを掛けたが、その車のブレーキには細工が施されていたのだ。停まることを知らない車はガードレールを突き破り谷底へ消えて行った。

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