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新 女囚さそり 特殊房X

  • posted at:2019-04-02
  • written by:砂月(すなつき)
しんじょしゅうさそりとくしゅぼうえっくす
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年6月18日 併映「犬神の悪霊」
監督:小平裕
企画:吉峰甲子夫
原作:篠原とおる
脚本:鴨井達比古
撮影:中島芳男
録音:内田陽造
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:祖田冨美夫
助監督:橋本新一
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:加藤光男
進行主任:小島吉弘
装置:小早川一
装飾:酒井喬二
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
協力:ファーファッション ハレマキ デザイナー 宮本唯稔
音楽:河辺公一
主題歌:「星を背負って」藤圭子
出演:夏樹陽子 大野かおり 絵沢萠子 汐路章 南城竜也
シネマスコープ カラー 84分

女囚の松島ナミは自分の使命を果たすために不可能と言われた監視システムを逃れて脱走し、本懐を遂げたことで再び刑務所に戻ってきた。そんな彼女を苦々しい目で見ていたのは看守主任の梶木一郎だった。着任して15年目の失態に梶木は怒りを抑えることが出来なかった。護送の途中に何者かに襲われて重傷を負ったナミだったが、所外で受けた傷は自己責任として手当をしてもらえないまま所長室に連れて行かれた。所長の黒沼徹は、ずいぶん派手な騒ぎを起こしてくれたなと言って新聞を机に叩きつけた。そこには「脱獄の女囚 国会議員を襲う」という見出しが躍っていた。

かつて看護師として働いていたナミは同じ病院で働く西田医師と恋人の関係にあった。入院患者である政界の黒幕・樺島佐知夫が日に日に弱って行くことに疑問を感じた西田は血液と尿を採取し検査を行った。加藤院長自らが主治医となって治療が行われていたが、西田はカルテを見て愕然とした。病状に対する投薬と治療法が誤りであり、このまま続ければ患者が亡くなることは目に見えていた。数日後、樺島が息を引き取ったため西田は至急、病理解剖の手続きを行おうとしたのだが、加藤から精神病と診断された彼は強引に隔離され治療と称した電気ショックを脳に受けたことが原因で廃人にされた。そしてナミはグルになっている医師への暴行容疑で逮捕された。その後、加藤は院長から国会議員に転身したのだ。

半年前に新任所長としてやってきた黒沼は梶木を信用し、キャリアに傷がつかないまま任期を終えるだろうと考えていた。だが計算違いが起きたことではらわたが煮えくり返る思いをしているのだ。そこで彼は所内を自分の管理の下に置くことに決めた。その頃、ナミは傷が悪化して高熱を出し診療室で治療を受けていた。40時間眠り続けてようやく目を覚ましたが、彼女を根気強く看病していたのは吉井清美という女囚だった。3年前、親兄弟のない一文無しの清美を輸血して助けたのはナミであり、その恩返しとして力になりたかったのだ。一ヶ月後、梶木は傷の癒えたナミを懲罰房へ移そうとしたが、黒沼はそれを取り消し雑居房に入れることにした。脱走したナミのせいで連帯責任として減食処分となり不満を持つ女囚は少なくなかった。そこで彼は自らの手を汚さずにナミをリンチに掛けようとしたのだ。一方、黒沼のやり方に反発する梶木は女囚の春江たちをタバコで買収して騒動を起こさせ、騒ぎの原因としてナミを懲罰房送りにした。すると黒沼は空席となっていた保安課長に網走刑務所から呼び寄せたライフルの名手の田村を抜擢し、所内の治安維持を一任した。田村は急遽女囚の所持品検査を行い、出てきたタバコが梶木から貰ったものであることを突き止めた。黒沼から主任の職務を解かれた梶木は、衆議院司法委員会代表の視察から逃れるために危険人物と目される女囚たちが次々と地下房へ送られていることを知り、実態を暴露する計画を立てた。

屋台的映画館
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