大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1966年
公開日:1966年4月17日 併映「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」
監督:安田公義
製作:永田雅一
企画:奥田久司
脚本:吉田哲郎
撮影:森田富士郎
録音:林土太郎
照明:美間博
美術:内藤昭
音楽:伊福部昭
編集:山田弘
特撮合成:田中貞造
擬斗:楠本栄一
音響効果:倉島暢
助監督:西沢鋭治
製作主任:田辺満
現像:東洋現像所
特撮監督:黒田義之
出演:高田美和 青山良彦 藤巻潤 五味龍太郎 島田竜三
シネマスコープ カラー 84分
時は戦国時代、丹波領の山里には狼谷に封じ込められているという魔神伝説があった。時折起こり大きな振動はその魔神が外へ出ようと暴れている足音と言われており、領民たちはその度に魔神封じの祈りの祭を行うのだ。その頃、山中城城内では不穏な動きが水面下にあった。祭が始まった頃、城主の花房忠清は名代として家老の大舘左馬之助を不安がる領民のもとへ送ったが、謀叛を企てる彼には好都合だった。夜更けに合わせて左馬之助の息が掛かった者たちが攻め込み、山中城はあっという間に制圧されたのだった。一方、近臣猿丸小源太は忠清の子忠文と小笹を連れて城外へ逃げ出し、小源太の叔母で巫女の信夫の手引きにより魔神の山に身を隠すことになった。武神像の横にはその昔神が住んでいたという洞穴があり、来たる日までそこで暮らすことになった。
十年後、左馬之助が実権を握った山中城では新たな砦建設のために領民へ重税を掛け、男たちを作業に参加させると倒れるまでこき使った。領民の怒りは日に日に増して行ったが、小源太の同僚だった中馬逸平や原田孫十郎らが決起の準備を進めていた。一方魔神の山では、忠文は逞しく、小笹は美しく成長していた。左馬之助が砦を固めているのは近隣の豪族を従えて近々京へ上るからだという噂話を信夫から聞いた忠文は、これが御家再興の機として山を下りようと小源太に提案した。一日でも長く左馬之助をのさばらせておけば領民の不幸が長引くだけだからだ。だがそのためには志を同じくした城下の者たちの協力が必要だった。そこで小源太が先に下り繋ぎをつけることになった。
左馬之助は城下に領民以外の者たちの数が増していることを知っており、腹心の犬上軍十郎に警備を任せていた。猟師として潜入しようとした小源太の正体を見破った軍十郎は生きたまま捕らえよと配下の者に命じた。鉄砲による傷を負いながらも建設中の砦へ逃げてきた小源太だったが、努力も虚しく捕縛された。軍十郎は小源太に対して拷問を行い忠文と小笹の居場所を吐かせようとしたが、彼は頑として口を割らなかった。だがその様子を見ていた左馬之助は二人が生きていることを確信した。その頃、信夫のもとに一人の少年がやってきた。彼の父親は昔の殿様の家来を庇った罪で捕まり、殺されるかもしれないから山の神様にお願いをしに行くのだという。父親とともに捕まったその家来は城の門の外に宙づりにされていた。助けにきた仲間を皆殺しにするための生贄なのだ。それが小源太だと確信した信夫は、神様はきっとそなたの願いを叶えてくださると自分に言い聞かせるように少年に言った。その話を陰で聞いていた忠文は単身で行動を起こすことに決めた。
屋台的映画館
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