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チチを撮りに

  • posted at:2017-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
ちちをとりに
ピクチャーズネットワーク=日吉ヶ丘PICTURES
配給:デジタルSKIPステーション
製作年:2012年
公開日:2013年2月16日
監督:中野量太
プロデューサー:平形則安
脚本:中野量太
撮影:平野晋吾
照明:谷本幸治
録音:島津未来介
助監督:松尾浩道
制作担当:星野友紀
脚本協力:大野敏哉
音楽:渡邊崇
VFXスーパーバイザー:樋口良
音響効果:大塚智子
編集:中野量太
出演:柳英里紗 松原菜野花 渡辺真起子 滝藤賢一 二階堂智
アメリカンビスタ カラー 74分

学校を抜け出して川原で弁当を食べ昼寝するのが日課になっている女子高生の東村呼春(17歳)。いつものように昼寝をしていると、脱いだ右足の靴が流されたのだった。幸か不幸かその靴は流木に引っかかって止まったが、川の真ん中にあるため取れやしない。困っている呼春に声を掛けたのは通りすがりの二人の青年だった。釣りから帰る途中だった二人は興味本位に釣竿を振るが、釣り針は簡単には引っかからなかった。太陽が西にかなり傾いた頃、何やってんのと呼春に呼びかけたのは姉の葉月(20歳)だった。フリーターの彼女は昼キャバで働いているが、大事な話があるから午後6時に自宅へ集合せよという母・佐和からのメールがあったため早上がりして帰宅する途中だったのだ。青年たちの頑張りでようやく靴を手にすることが出来た呼春は、姉の自転車に二人乗りして帰った。

母が言う大事な話とは?再婚?血が繋がっていないとか?そんな話を二人がしていると、仕事で外出していた佐和が寿司を持って帰ってきた。夕食中にマグロのことで葉月と呼春が口論していると佐和があることをポツリと言った。二人の父・正高が死ぬというのだ。半年前に末期がんが見つかりもう助からないと3日前に正高の弟の西森徹二から連絡があったため、佐和は翌日が休日の二人に会いに行くように勧めたのだった。だが葉月は彼女の性格を知っていた。自分が嫌なことはいつも娘に押し付けるのだ。正高は14年前に愛人を作って家出したので、葉月たちにはこれといった思い出はなかった。そんな二人に佐和は会ってお別れしてくることと命令口調で言い、葉月にあの人の顔写真を撮って欲しいとカメラを渡した。どんな顔をして死んで行くのかを見てザマーミロと笑ってやるのだという。それを聞いた彼女たちは絶句した。

翌日、お遣いを引き受けた二人は渋々電車に乗った。呼春が父のことについて尋ねると、葉月は小学校に入学した頃の話を始めた。どうしてもチョコの匂いがする消しゴムが欲しくて万引きし、それを知った正高は激怒して叩いた。その後ずっと頭を撫でながら泣き続けた姿を見てもう二度としないと心に誓ったのだ。それを聞いた呼春は姉をうらやましく思った。佐和が父に関する写真を全て焼いてしまったため、彼女にはこれといった思い出がなかったからだ。その頃、自宅にこれから正高の葬式が行われるという連絡が徹二から入った。

屋台的映画館
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幼獣マメシバ 望郷篇

  • posted at:2017-05-27
  • written by:砂月(すなつき)
ようじゅうまめしばぼうきょうへん
「幼獣マメシバ 望郷篇」製作委員会(アミューズメントメディア総合学院=tvk=テレ玉=チバテレ=三重テレビ=KBS京都=サンテレビ=札幌テレビ放送=TVQ九州放送=とちぎテレビ=テレビせとうち=広島ホームテレビ=静岡第一テレビ=群馬テレビ=KKTくまもと県民テレビ=MRO北陸放送=IBC岩手放送=NTTぷらら=BSフジ=アニマルプラネット=スターキャット=KADOKAWA)
配給:AMGエンタテインメント
製作年:2014年
公開日:2014年9月20日
監督:亀井亨
企画:永森裕二
製作総指揮:吉田尚剛
製作:種子島幸 松本嘉雄 石山孝紀 波多美由紀 正木恭彦 江副純夫 五十嵐広美 水江幸司 星野高章 中地務 水内美輝 中村克弘 植松充伸 畠田正次 上野喜伸 川上隆 沼尻孝 立木洋之 ルイ・ボズウェル 古川為茂 松本浩 
プロデューサー:宮田幸太郎 飯塚達介
ラインプロデューサー:稲垣隆治
脚本:永森裕二
撮影:松井宏樹
Bカメラ:高橋航
照明:高坂俊秀
録音:日下部雅也
美術:松塚隆史
衣裳:宮本まさ江
ヘアメイク:金森恵
キャスティング:おおずさわこ
助監督:小野寺昭洋
制作担当:佐藤幹也
音楽:チチクリギターズ
主題歌:「望遠郷」高橋直純
エンディングテーマ:「スブタDEサンバ!~パイナップルを添えて」
アニマルトレーナー:ZOO動物プロ
編集:亀井亨
音響効果:丹愛
制作プロダクション:スタジオブルー
出演:佐藤二朗 高橋洋 竹富聖花 菅原大吉 盛岡冷麺
シネマスコープ カラー 95分

不惑の40歳になった元ニートの中年・芝二郎。半径3キロ以内でしか行動出来なかった彼も、いつしかバスに乗って旅が出来るまでに成長した。そんな二郎がやってきたある島の鯨露村には二年前に転勤になった親戚で郵便配達員の財部洋介が住んでいるが、ある日その彼からの手紙が届いた。二郎を見て犬の扱いに慣れているつもりでいた洋介はマメシバの一郎の弟・三郎を村に連れて行ったのだが、苦戦の毎日を送っていたのだ。そこで犬の扱いはプロフェッショナル級と自負する二郎が立ち上がり村に向かったのだった。ところがバスの乗車料金が全国一律210円だと思い込んでいたことと一郎を無断で乗せていたことで運転手と口論となり、さらにそれを聞いていた行商の老婆があんたを雇うよと二郎に声を掛けて一郎を連れて行ったことでプチパニックに陥った。運転手の話では、その老婆は山野アオイという資産家で行商をしなくても悠悠自適に暮らして行けるのだという。にも拘らず毎日港にきては内地からきた人を物色しているのだとか。犬泥棒の被害に遭ったので追いかけてもいいですかと尋ねると、運転手はしばらく考えて了承した。すると二郎は彼女が置いて行った重い荷物を担いで後を追い掛けた。

アオイは坂の上の神社で荷を解き始め、一束二千円という薬草を加工したものを並べ始めたのだ。その昔一万円でも行列が出来た万能薬だという話を聞いて暴利だと難癖をつけていると、客を呼んできなと言われ二郎は渋々鳥居の下で通行人がやってくるのを待った。だが人っ子ひとりこないため諦めてアオイのもとに戻ると薬草は完売していた。もう解散してもいいですかと二郎は尋ねたが、全ては一郎の手柄であんたは何もしてないじゃないかと小梅は言った。すると巫女の椎名小梅が近づいてきて三郎ちゃんですかと尋ねたが、違うことがわかると落胆した。三郎は幸運を呼ぶ柴犬としてこの島では知らない者がいないほど有名だったが3か月前に突然姿を消したのだ。誰かが盗んだのではないかと話題になり、それが三郎の力を特に必要としている仙道喜三郎ではないかと噂された。その頃から喜三郎は急に羽振りが良くなり、商店街に寄付をすると今度は村長選挙に立候補したからだ。それを聞いたアオイは喜三郎から直接聞き出すことにした。

喜三郎宅を訪ねると出てきたのは犬嫌いで二郎の元同僚の治郎丸聡だった。彼は喜三郎の選挙参謀で、今回の選挙の票集めを任されていた。それがわかるとアオイは今すぐ出馬を止めるように言ってくれと言った。人間、無理してはダメだ。その生き方を全うしてきた彼女は調子に乗ると足を掬われるぞと忠告したが、聡は耳を貸さなかった。

屋台的映画館

怪獣総進撃

  • posted at:2017-05-23
  • written by:砂月(すなつき)
かいじゅうそうしんげき
東宝
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年8月1日 併映「海底軍艦」(短縮版)「海ひこ山ひこ」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:馬渕薫 本多猪四郎
撮影:完倉泰一
美術:北猛夫
録音:吉沢昭一
照明:平野清久
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:谷清次
編集:藤井良平
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当者:坂本泰明
特殊技術・撮影:富岡素敬 真野田陽一
特殊技術・光学撮影:徳政義行
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:原文良
特殊技術・操演:中代文雄
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特技監修:円谷英二
特殊監督:有川貞昌
出演:久保明 小林夕岐子 愛京子 田崎潤 土屋嘉男
シネマスコープ カラー 89分

20世紀も終わりに近づいた頃、月に探検基地を開設した国連科学委員会は、硫黄島にある第二宇宙空港から連日ムーンライトSY-3号を打ち上げていた。一方、小笠原諸島の周辺を利用して一大海底牧場を建設してあらゆる魚類の養殖を始め、それと同時に世界を恐怖を与えた怪獣を島に集めて研究を行っていた。怪獣たちが区域外に出ようとした場合、それぞれの本能と習性に応じた管制装置が働き科学的な壁が発生して脱走を防ぐのだ。島の周囲は食糧が豊富であることから怪獣たちが飢え死にすることはなかった。この怪獣ランド海底牧場は地底深く建設されたコントロールセンターで管理されていた。

SY-3号の艇長山辺克男は勤務する月基地から怪獣ランドに初出勤した恋人の真鍋杏子に冷やかしを兼ねて電話をしたが、電波障害によって通話が途切れた。その頃、地上では制御装置が全て故障するという異常事態が起きていたおり、大谷博士は職員に機材の点検を命じた。だが障害は自動的に短時間で復旧。その後、怪獣ランドは謎のガスに覆われた。突然連絡を絶った怪獣ランド調査のために、東京にある国連科学委員会は吉田博士の指揮のもとで通信衛星での査察を行った。電波障害を受ける中、入手した映像に映った怪獣ランドは見るも無残に荒れ果ており、新たな火山活動を示すような山の盛り上がり方をして途切れた。その後、モスクワ放送が緊急放送で午前11時25分に突如モスクワに飛来したラドンが建物を破壊し続けていることを伝えると、凱旋門前に地底から出現したバラゴンが破壊活動を行っていることをパリ放送が伝えた。世界の重要都市が怪獣によって破壊されており、北京に現れたのはモスラ、ロンドンにはマンダ、そしてニューヨークに上陸したのはゴジラだった。委員会に詰めかけたマスコミの質問攻めに遭ったスチーブンソン博士は答えに窮し、吉田も活動を予測できない怪獣に対して警戒が必要だとしか言えなかった。すると記者の一人が素朴な質問をした。怪獣ランドに一番近い東京が何故襲撃されないのか、と。それは吉田にとって答えを出すことが最も難しい質問だった。

月基地の西川隊長は地表の調査を行っていたSY-3号に帰還を命じたが、克男はその途中で謎の飛行物体を確認したため操縦士に追跡するように言った。だが目標を見失ってしまい、西川から大目玉を食らった。基地に戻ると委員会の吉田からSY-3号で怪獣ランドに向かえという指令を受けた。地球に戻り詳細がわからないままコントロールセンターの入り口に到着すると、吉田は新たな指令を出した。それは潜入した何者かの正体と目的を突き止めることだった。武装せよという言葉に只事ではないと感じた克男たちは気を引き締めた。

屋台的映画館

トラック野郎 熱風5000キロ

  • posted at:2017-05-19
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうねっぷうごせんきろ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1979年
公開日:1979年8月4日 併映「ドランクモンキー 酔拳」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:掛札昌裕 中島信昭 鈴木則文
撮影:中島芳男
録音:林鉱一
照明:山口利雄
美術:桑名忠之
助監督:新井清 森光正
編集:鈴木宏始
音響効果:原尚
記録:山内康代
擬斗:尾型伸之介
演技事務:山田光男
装置:清水次郎
装飾:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣裳:福崎精吾
装飾:酒井喬二
宣伝担当:坂本年文 山本八州男
スチール:加藤光男
協力:俳優センター
現像:東映化学
進行主任:佐藤和之
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「ラブ・スクランブラー」エル・シャトル
挿入歌:「信濃路ひとり旅」高倉三郎
協力:長野市観光協会 日本総研株式会社
企画協力:(株)カントリー
協力:株式会社ダンロップ 哥麿会 関西浪花会 
出演:菅原文太 愛川欽也 せんだみつお 小野みゆき 前川清
アメリカンビスタ カラー 106分

タキシードに身を包む一番星こと星桃次郎は写真館で結婚の記念写真を撮っていた。彼の横にはウエディングドレス姿のテル美。風俗嬢の彼女は、結婚はまだかと心配しすぎる両親を安心させるためにゴールインしたと嘘をついてしまい、その証明のために常連客の桃次郎に頭を下げて新郎役を引き受けてもらったのだ。大役を終えた桃次郎が第二の故郷である特殊浴場でくつろいでいると、彼の相棒・やもめのジョナサンこと松下金造が訪ねてきて手紙を渡した。そこには二人に弟子入りした三番星玉三郎こと桶川玉三郎が、運送業に携わる自分の将来に不安を感じ青年実業家に転身するために商業関係の仕事へ転職すると書かれてあった。彼のために散々迷惑を被った桃次郎は怒りを露わにしたが、厄介者がいなくなって清々した金造はそれぞれの生き方があるんだからとなだめた。そして次の配送先が信州であることを告げると桃次郎は気持ちを切り替えた。

長野で荷を積んだ桃次郎と金造は一路東京へ向かっていたが、後方からやってきたパトカーが停止を命じた。今月の20日午後11時30分、国道20号線の松本ー諏訪間を走っていた一番星号がジープと接触しそのまま逃走したと言うのだ。被害者で運転手でもある西沢夏の証言が決め手となり桃次郎は留置場へ押し込まれたのだが、金造は彼が無実であることを知っていた。何故ならその日、桃次郎は腹痛を起こしていたことでトラックには乗っておらず、それでも荷を運ばなければならないことから、急遽代走屋を雇ったのだ。中信代行社へ行きそのときの運転手二人を捕まえた金造は警察に突き出したのだった。

食事をとるためにドライブイン藤村食堂に立ち寄った桃次郎と金造は、そこで働く玉三郎と出会った。実業家になるんじゃなかったのかと桃次郎が問いただすと玉三郎は野望を口にした。それはこの食堂の店主である藤村鯉太郎の娘・恵子と結婚して婿養子となり行く行くは経営者として名を馳せることだった。それを聞いた桃次郎はいい加減にしろと怒鳴りつけた。長野中央青果市場に到着すると二人は早速荷物を運び始めたが、そこに見覚えのある女がいた。それは桃次郎を留置場送りにした夏だった。彼はとっちめてやろうと一目散に向かって行ったが、お詫びを言いたかったと頭を下げたため仕方なく拳を降ろしたのだった。夏がビンタのお返しをどうぞと目をつぶり頬を差し出すので、そこまで言うならと彼女の唇を奪った。すると予想外の展開に驚いた夏は膝蹴りを桃次郎の股間に見舞った。

屋台的映画館

馬鹿が戦車でやって来る

  • posted at:2017-05-14
  • written by:砂月(すなつき)
ばかがたんくでやってくる
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1964年
公開日:1964年12月26日 併映「忍法破り 必殺」
監督:山田洋次
企画:市川喜一
製作:脇田茂
原案:団伊玖磨
脚本:山田洋次
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:団伊玖磨
録音:小尾幸魚
照明:戸井田康国
編集:浦岡敬一
調音:佐藤広文
助監督:熊谷勲
装置:小島勝男
装飾:鈴木八州雄
渉外:秦野賢児
進行:金勝実 西岡旨審
出演: ハナ肇 岩下志麻 犬塚弘 小沢昭一 花沢徳衛
シネマスコープ カラー 93分

中年の男と若い男は海釣りにきたが、長い間釣り糸を垂らしても一向に手ごたえを感じないことから船頭に別の場所へ向かうように言った。そこから小半時ばかりかかるというタンク根の名に興味を持った中年の男がその名前の由来ついて尋ねると、船頭はそれにまつわる村についてゆっくりと話し始めた。

4、5年ほど前、日永村の外れに村一番の貧乏人の一家が住んでいたが、この家の世帯主は少年戦車兵上がりで農機具などの修理を専門に行っている乱暴者の津崎サブで、耳が遠い母・とみと頭の弱い兵六とともに暮らしていた。村には他にもサブが畑のへっきり石を一寸五分動かしたなどと十日に一度は文句をつけて10年以上ケンカを続けている爺さんや、朝から晩まで子作りに励む紅屋の夫婦など変わり者が多く、この土地に初めてきた者は大抵びっくりする。山中の駐在所に赴任してきたばかりの百田巡査は先任の後藤巡査から長者の橘仁右衛門を尋ねるように言われていたが、留守だったことから軒先で待つことにした。だが美しく咲く菊の花に誘われるように奥へ入って行くと、離れで美しい女性が臥せっていたことから興味深く中を覗いた。するとそこに声を掛けてきたのはサブとケンカをしていた爺さんだった。彼こそがその仁右衛門で、驚く巡査に用が済んだらすぐに帰れとそっけなく言った。

ある日、仁右衛門は紅屋の団子を手土産にサブを訪ねた。そろそろ功徳を施さなければならない歳になり、母と弟を抱えて苦労する彼のために大金の2万円をやると仁右衛門は言ったが、その条件が仁右衛門の畑に隣接する津崎家の畑一枚を手放すことだとわかるとサブは憤った。小作人だったサブの父親は働き者で、人一倍目を掛けていたことから農地解放のときに一番良い土地を分けた。その畑を手放せば今後、境界線を気にせずに済むようになるが、名義人のとみは夫の遺したものを売る気などなかった。

収穫が終わり秋祭りの準備が始まる頃、村に一人の医者が往診にやってきた。彼は仁右衛門の娘・紀子が北浜の町立病院に入院していたときの医師だった。新吾が一週間後の祭りに行けるまでに回復していることを告げると、紀子はうれしさのあまり涙をこぼした。祭りの前日、家の外に出た紀子は散歩の出掛けサブを訪ねた。父親が昔の地主のつもりで威張り散らし無理難題を言って彼に迷惑を掛けていることを知っているからだった。紀子はお詫びを兼ねて翌日行われる床上げの祝いにサブを招待した。だが精一杯おしゃれした彼を村人は皆嘲笑し、今日の客はお前ら一家と格が違うんだと仁右衛門は追い返したのだ。腹の虫がおさまらないサブが大暴れしたことで警察沙汰になり、そこに目をつけた村会議員の市之進はその夜とみを訪ねた。そしてサブをもらい下げるにも旦那様に詫びを入れるにも先立つ物が必要だと言い、借金の代償として畑を抵当に入れさせたのだった。

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