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男はつらいよ 寅次郎の青春

  • posted at:2021-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうのせいしゅん
松竹
配給:松竹
製作年:1992年
公開日:1992年12月26日 併映「釣りバカ日誌5」
監督:山田洋次
製作:中川滋弘
プロデューサー:島津清 深澤宏
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫 花田三史
音楽:山本直純
美術:出川三男
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:鈴木功
調音:松本隆司
スチール:金田正
進行:副田稔
製作担当:峰順一
装置:森篤信
装飾:露木幸次
美粧:宮沢兼子
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
監督助手:阿部勉
撮影助手:池谷秀行
録音助手:原田真一
照明助手:藤田繁夫
編集助手:渡辺松男
美術助手:菅沼史子
語り:神田山裕
ステディカムオペレーター:佐光朗
理髪指導:小泉信二
擬斗:インフィニティプロモーション
撮影機材:パナビジョン
協力:宮崎県 日南市
撮影協力:柴又 神明会 全日空
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
出演:渥美清 倍賞千恵子 風吹ジュン 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 107分

今夜は中秋の名月。諏訪家の一人息子の満男は両親にあることを打ち明けようと朝からソワソワしていた。彼が恋心を抱く及川泉は4月から都内のレコード店で働くようになり、以前よりも会う機会が多くなったが家に連れてくることはあまりなかった。そこで翌日が店休日ということに託けて彼女を呼ぼうと考えたのだが恥ずかしくて中々言い出せずにいたのだ。感づいた母親のさくらが促すと、満男は家に呼んでもいいでしょうかとしおらしげに言った。父親の博はそれを見て静かに笑った。その夜、諏訪家の食卓は久しぶりににぎやかになった。話題は泉の仕事の話になり、彼女は突然思い出し笑いをすると店内で起きた出来事を話し始めた。中年男がやってきて歌手もタイトルもわからない歌を探して欲しいと言ったが、困った泉はそれでは探しようがないと断った。するとその男は大声で歌い始め、調子に乗って2番まで歌ったのだという。曲名がわかり品物を渡すと男は5千円札を出して「釣りはいらねえよ」と言ったというのだ。それを聞いた満男は、世の中には伯父さんみたいな人がいるんだねと言った。その頃、車寅次郎は宮崎県の油津にいた。ちょっとしたきっかけで知り合った理髪店の女店主・蝶子に散髪をしてもらった寅次郎は再び旅に出ようとするが、突然の大雨に見舞われ雨宿りをすることにした。軒先を借りるつもりが夕食をご馳走になり、いつの間にか一晩泊まることになった。寅次郎は彼女の15歳年下の弟・竜介を含めた3人で飲み明かした。

泉は友人の結婚式に出席するために有給休暇を取り飛行機で宮崎に向かった。式が終わると飫肥城を観光することにしたのだが、そこで寅次郎とバッタリ出会った。久々の再会に二人は喜んだが、泉は寅次郎が蝶子とデート中だとわかると気を遣って立ち去ろうとした。すると慌てた寅次郎は階段で足を挫き動けなくなった。寅次郎は救急車で病院に運ばれ、泉はそのことを報告するためにくるま菓子舗に電話を掛けた。受話器を取った満男は寅次郎が危篤だと大騒ぎし、噂は忽ち柴又中に広がった。諏訪家を代表して満男が宮崎に向かうことになったが、冷静になった博は満男の目的が寅次郎ではなく泉の方だったのではないかと思い直した。だが引き留めようにも満男はもう飛行機に乗った後だった。

屋台的映画館
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日本沈没(2006年)

  • posted at:2021-12-13
  • written by:砂月(すなつき)
にほんちんぼつ
映画「日本沈没」製作委員会(TBS=東宝=セディックインターナショナル=電通=J-dream=S・D・P=MBS=小学館=毎日新聞社)
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年7月15日
監督:樋口真嗣
製作統括:近藤邦勝 島谷能成 島本雄二 喜多川擴 細野義朗 久安学 亀井修 常田照雄
エグゼクティブプロデューサー:濵名一哉
プロデューサー:中沢敏明
原作:小松左京
脚本:成島出 加藤正人
音楽:岩代太郎
特殊技術統括・監督補:尾上克郎
VFXプロデューサー:大屋哲男
ラインプロデューサー:吉田浩二
撮影監督:河津太郎
美術:原田恭明
装飾:高畠一朗
録音:中村淳
編集:奥田浩史
キャスティング:富田敏家
スクリプター:河島順子
音響効果:柴崎憲治
特殊効果・操演:岸浦秀一
アクションディレクター:諸鍛冶裕太
助監督:足立公良
製作担当:梶川信幸 坪内一
プロデューサー補:鶴岡智之
アシスタントプロデューサー:辻本珠子
特撮監督:神谷誠
主題歌:「Keep Holding U」SunMin thanX Kubota
制作プロダクション:セディックインターナショナル
出演:草彅剛 柴咲コウ 及川光博 福田麻由子 吉田日出子
シネマスコープ カラー 138分

静岡県駿河湾沖で深さ30キロを震源とする地震が発生し沼津市などは壊滅的な被害を受けた。アメリカ測地学会のユージン・コックス博士はこの地震が日本沈没の序章に過ぎないことを政府が主催した緊急会議で唱えた。マントル対流により日本海溝の地下深くに潜り込んでいる太平洋プレートは上部マントルと下部マントルの境界面に溜まり、瘤のように蓄積されるメガリスが一定量を超えると崩壊を起こす。日本の地下で今まさにその大変動が始まっておりプレートの境界面に位置する日本列島は巨大な地殻変動により海底へ引きずり込まれるというのだ。日本沈没の確率は30年で50パーセント、50年で80パーセントと聞き、山本尚之内閣総理大臣は絶望的な未来を憂えた。

東都大学教授で地球物理学者の田所雄介博士は国際海洋開発センター所属の潜水艇パイロット・小野寺俊夫と結城達也を率いて深海調査艇「わだつみ6500」で宮城県金華山沖に潜った。すると深度5830メートル付近の日本海溝で乱泥流に襲われたが、それは地殻の海溝崖から噴出していたのだ。田所は想像を絶する何かが起こりかけていることを察した。地上に戻り小野寺がわだつみのメンテナンスを行っていると一人の女性が訪ねてきた。彼女は沼津市で被災現場に取り残された小野寺と避難民の少女・倉木美咲を救出した東京消防庁・第八消防方面本部ハイパーレスキュー隊員の阿部玲子だった。美咲は軽傷で済んだが、父親は亡くなり母親は瓦礫の下から救出されたものの意識が戻らなかった。玲子の叔母である田野倉珠江に引き取られたが美咲に笑顔はなく、そんな彼女を元気づけるために会って欲しいとお願いにきたのだった。玲子から教えてもらった住所に行くとそこにはもんじゃ焼き屋があった。離れた席に座って様子を見ていると美咲は珠江や常連客たちに大事にされていることがわかり安心した。だが余震で美咲が恐怖のあまり椅子から崩れ落ちると、小野寺は慌てて駆け寄り優しく抱きしめた。

日本海溝の地底を流れるマントルに異変が観測されたため、田所を中心とするチームは高知県足摺岬沖で海底掘削調査船「ちきゅう」を使った地殻変動の予測調査を行った。その後、田所は南太平洋に浮かぶクック諸島のマンガイア島に渡り岩石を採取した。それを兵庫県にある大型放射光分析施設「SPring-8」に送ったところ2千万年前の物であることがわかった。2千万年前に日本列島はユーラシア大陸から引き剥がされたが、そのときにマントルに落ちたメガリスの残骸がクック諸島から湧き出していたのだ。全国各地の地震波測定で地殻に異常な変化が起きていることは確認されており、田所はこれから何かとてつもないことが起こるのではないかと考えた。そこで独自に収集した膨大なデータと資料を解析し変動の時期を算出したところ、残り1年足らずで日本列島が沈没する結論が出たことで愕然とした。

屋台的映画館

キャプテンウルトラ

  • posted at:2021-12-11
  • written by:砂月(すなつき)
きゃぷてんうるとら
TBS=東映東京製作所
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年7月21日 併映「黄金バット」「ひょっこりひょうたん島」「魔法使いサリー」

『怪星ロケットギンダーあらわる』
監督:佐藤肇
プロデューサー:平山亨 植田泰治
脚本:長田紀生
音楽:冨田勲
監修:都筑道夫 光瀬龍
撮影:下村和夫
録音:岩田広一
照明:森沢淑明
美術:安井丸男
編集:大橋四郎
記録:小貫繁子
助監督:館野彰
進行:深沢道尚
現像:東映化学株式会社
特殊技術・監督:矢島信男
特殊技術・撮影:林迪雄
特殊技術・操演:市倉正男
特殊技術・美術:入野達弥
特殊技術・照明:酒井信雄
特殊技術・合成:山田孝
出演:中田博久 城野ゆき 小林稔侍 佐川二郎 安中滋

『バンデル巨人あらわる!!』
監督:竹本弘一
プロデューサー:平山亨 植田泰治
脚本:高久進
音楽:冨田勲
監修:都筑道夫 光瀬龍
撮影:高梨昇
録音:岩田広一
照明:山本辰雄
美術:安井丸男
編集:大橋四郎
記録:佐久間淑子
助監督:折田至
進行:深沢道尚
現像:東映化学株式会社
特殊技術・監督:小川康男
特殊技術・撮影:中村泰明
特殊技術・操演:市倉正男
特殊技術・美術:井上繁
特殊技術・照明:酒井信雄
特殊技術・合成:山田孝
擬斗:久地明
出演:中田博久 城野ゆき 小林稔侍 佐川二郎 安中滋
スタンダード カラー 50分

『怪星ロケットギンダーあらわる』
21世紀後半、宇宙開拓時代を迎えた人類は太陽系を征服したが未知の危険は多かった。そこで宇宙に進出する人々を守るために宇宙ステーション「シルバースター」を設置して監視を行い、宇宙警察パトロール隊を編制した。パトロール隊の隊長であるキャプテンウルトラこと本郷武彦はキケロ星人のジョーやロボットのハックを引き連れ、光速宇宙艇「シュピーゲル号」を駆って宇宙の平和を守った。

パイオニアスクールの生徒たちを相手に宇宙遊泳の心得を教えていたキャプテンウルトラだったが、シルバースターが突然の衝撃を受けたために急遽取り止めた。妨害電波によって機器や計器は狂ったが、その原因は長官のムナトモ博士にもわからなかった。一方、宇宙物理学者でスクールの教官であるアカネ隊員が宇宙望遠鏡で目視したところ、バンデル星人の大船団が急接近していたのだった。荒れ狂う磁気嵐の中キャプテンがシュピーゲル号で出動しようとすると、好奇心旺盛なスクールの生徒のケンジが自分もついて行くと言い出した。軽率な行動が死を意味することを承知しているキャプテンは彼を叱りジョーたちとともに出動するが、実戦を直接見たい彼はこっそりと密航したのだった。乗船がわかるとキャプテンは渋々許可し、どのような戦術を取るのかを考えながら見るように言った。そしてジョーとハックがそれぞれの操縦席に着くとキャプテンはD3作戦を発動した。するとシュピーゲル号は3機に分離し攻撃を始めた。

『バンデル巨人あらわる!!』
太陽から58億8900万キロ離れた太陽系で最も遠く最も寒い冥王星。太陽系の征服を目論むバンデル星人の魔の手はこの星の前線守備隊に伸びていた。一方、前線基地と連絡が取れないシルバースターはこの事態を不審に思っていた。基地は冥王星に点在しているが、仮に攻撃を受けていた場合はウルトラサインと呼ばれる救難信号が発出されることになっていた。だがそれがないために救助しようにも場所の特定が出来ないのだ。その頃、前線基地の隊員たちは襲撃してきたバンデル星人と死闘を繰り広げていた。その中の一人がようやく救援銃の置き場にたどり着き空に向けて撃つと、鮮やかなマークが光輝いた。その様子をシルバースターで確認したキャプテンは、先制攻撃を仕掛けて敵の秘密基地を爆破し前線基地を奪還する作戦を決行することにした。ムナトモからアカネとケンジを同行させる許可を得たキャプテンはシュピーゲル号を発進させ冥王星へ急いだ。

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男はつらいよ 寅次郎の告白

  • posted at:2021-12-08
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうのこくはく
松竹
配給:松竹
製作年:1991年
公開日:1991年12月23日 併映「釣りバカ日誌4」
監督:山田洋次
総指揮:奥山和由
製作:島津清
プロデューサー:深澤宏
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫 花田三史
音楽:山本直純
美術:出川三男
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:鈴木功
調音:松本隆司
スチール:金田正
進行:副田稔
製作担当:峰順一
装置:森篤信
装飾:露木幸次
美粧:宮沢兼子
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
撮影機材:パナビジョン
監督助手:阿部勉
撮影助手:池谷秀行
録音助手:原田真一
照明助手:藤田繁夫
編集助手:渡辺松男
美術助手:菅沼史子
ステディカムオペレーター:佐光朗
協力:鳥取県 鳥取市
製作協力:柴又 神明会 岐阜県蛭川村 大船撮影所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
出演:渥美清 倍賞千恵子 吉田日出子 夏木マリ 下條正巳
シネマスコープ カラー 112分

小学校の萩の花が真っ白に咲いた秋のある日、諏訪家の一人息子の満男は朝からソワソワしていた。高校時代の後輩の及川泉が名古屋からやってくるのだ。泉は大学進学を考えていたが、母子家庭で家計が苦しいこともあり就職することに決めた。そしてブラスバンド部に所属している関係で音楽の大間先生から銀座の楽器店を紹介され、その店を訪問することが今回の目的なのだ。彼女のことで頭がいっぱいの満男は授業もうわの空。友人からのコンパも断って時間が過ぎるのをひたすら待った。同じ頃、くるま菓子舗には印刷工場の社長・桂梅太郎が小休止にきた。昔と違って仕事がくるようになったが、肝心の人出が足らずに困っていた。大企業が定年延長を打ち出したことでそのしわ寄せは中小企業にまで及び、経験者を雇い入れることは難しくなった。愚痴を並べる梅太郎に竜造は死ぬまで大企業をのろい続けるがいいと嫌味を言い、つねはだったら思い切って寅ちゃんを雇ったらいいと言った。悪い冗談にも程があると腹を立てて出て行こうとした梅太郎だったが、向かいの女性店員と寅次郎が話し込んでいる姿を見て思わず息が止まった。市川に行く途中で立ち寄った寅次郎も人手不足で悩んでいた。彼が必要としているのは妹のさくらではなく商売の偽客(サクラ)だった。それを知った竜造たちは呆れ、梅太郎はため息をついた。午前の授業を終えると満男は真っ先に東京駅へ向かい新幹線できた泉を迎えた。ぶらぶらと街を歩き、団子屋に着いたときはもう陽が傾いていた。車家で囲む夕食は泉にとってこの上ない幸せだった。

翌日、泉は東京の街に不慣れなこともあり会社まで満男についてきてもらうことにした。担当の吉村と喫茶店で話すことになったが高卒の場合は学校推薦でしか受け付けていないと言われ、ショックを受けた泉は沈んだ心のまま名古屋へ帰って行った。どうすることも出来ずにただ見送るしかなかった満男はその日の出来事を両親に打ち明け、自分の無力さを悔いた。その夜、自分の態度が満男を傷つけたのではないかと心配した泉は電話を掛けたが、その時に母・礼子がクラブの客である北野という男を連れて帰ってきたため急いで部屋に籠ったのだった。泉が一刻も早く名古屋から離れたい理由はそこにあった。

屋台的映画館

ゴジラ(1984年)

  • posted at:2021-12-05
  • written by:砂月(すなつき)
ごじら
東宝
配給:東宝
製作年:1984年
公開日:1984年12月15日
監督:橋本幸治
製作:田中友幸
原案:田中友幸
脚本:永原秀一
協力製作:田中文雄
撮影:原一民
美術:櫻木晶
照明:小島真二
録音:田中信行
製作担当者:森知貴秀
特別スタッフ:竹内均 青木日出雄 大崎順彦 クライン・ベルシュタイン 田原総一朗
音楽:小六禮次郎
演奏:東京交響楽団
指揮:中谷勝昭
挿入歌:「さよならの恋人」沢口靖子
・・・:「GODZILLA」スターシスターズ
助監督:大河原孝夫
編集:黒岩義民
コンピュータグラフィックス:土屋裕
映像協力:坂田俊文
現像:東京現像所
特殊技術・撮影:山本武 大根田俊光
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:三上鴻平
特殊技術・造形:安丸信行
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭 久米攻
特殊技術・操演:松本光司 宮川光男
特殊技術・サイボット製作:水野俊一
特殊技術・視覚効果:宮西武史
特殊技術・作画:塚田猛昭 石井義雄
特殊技術・合成:真野田嘉一
特殊技術・助監督:浅田英一
特殊技術・製作担当者:池田雅行
特技監督:中野昭慶
製作協力:東宝映像株式会社
出演:小林桂樹 田中健 沢口靖子 宅麻伸 小沢栄太郎
アメリカンビスタ カラー 103分

伊豆諸島南端の大黒島で起きた噴火から3か月後、ヨットで航行していた東都日報大島通信局の新聞記者・牧吾郎は前夜の時化で遭難した鯖漁船第五八幡丸を発見した。生存者を救助するために乗り込んだところ、船内には異臭が充満し船員は皆ミイラと化していた。だが奥の部屋のロッカーに閉じ籠った青年だけ奇跡的に息があった。彼を外へ運び出そうとしたその時、フナムシのような形状をした巨大な生物が突然襲い掛かってきた。その生物は体勢を崩した牧に噛みつこうとするが、それを阻止したのは意識を取り戻した青年が握る鉈だった。明法大学理学部3年生の奥村宏は嵐の夜に見たことを事細かく牧に話した。いきなり島が盛り上がり巨大な岩のような怪物が青白い光を放ちながら咆哮した、と。その話に興奮した牧は島に戻ると東京本社の喜多川デスクに電話を掛けるが、でっちあげだとして相手にされなかった。

海上保安庁のレスキュー隊に救助され関東第二警察病院に入院した奥村に面会したのは彼の大学の恩師である生物学者の林田信だった。奥村は海上保安庁や警察、政府関係者など聴取にきた者に目の前で起きた出来事を何度も話したが信じて貰えなかった。そのことを訴えると林田は信じられなくて当たり前だと言い、数枚のスチール写真を手渡した。そして奥村の目の色が変わるのを確認すると辺見昇内閣調査室長に報告した。奥村が見た巨大な生物はゴジラだった。大黒島の噴火で地殻変動が起こり地表に押し出されてきたのだ。その話はすぐに三田村清輝総理大臣の耳に入り、武上弘隆内閣官房長官と相談した上でしばらく公にしないことに決めた。

怒り心頭の牧は本社に乗り込むとどうして記事が没になったのかと喜多川に詰め寄った。するとそれには事情があると言って喜多川は編集局室に連れて行った。伍堂編集局長は海上保安庁や警察庁に箝口令が敷かれ第五八幡丸は未だに行方不明ということになっていると言った。政府はゴジラの存在を認めているが、牧の記事が国民の目に触れると人心の動揺や経済の混乱だけでなく政変にまで及ぶことを恐れているのだ。武上の許可を得た伍堂は、牧を林田生物物理研究所に送り取材の継続を命じた。

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