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戦後猟奇犯罪史

  • posted at:2021-05-07
  • written by:砂月(すなつき)
せんごりょうきはんざいし
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年6月19日 併映「脱走遊戯」
監督:牧口雄二
企画:杉本直幸
脚本:金子武郎 中島信昭
構成:林圭一
撮影:勝木勝夫
照明:海地栄
録音:坂本浩一
美術:園田一佳
編集:玉木濬夫
音楽:渡辺岳夫
助監督:厨子稔雄
記録:黒川京子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
背景:平松敬一郎
結髪:明田多美枝
美粧:枦川芳昭
スチール:中山健司
衣裳:高安彦司
演技事務:西秋節生
擬斗:三好郁夫
進行主任:長岡功
出演:泉ピン子 室田日出男 川谷拓三 橘麻紀 五十嵐義弘
アメリカンビスタ カラー 78分

人気タレントの泉ピン子は東映映画村で「泉ピン子ショウ」と題したまるでテレビのワイドショーのようなイベントを行っていた。司会を務める彼女が数ある事件の中からピックアップした人物は、西本明、風見のぼる、久保清一の三人だった。

『日本縦断、詐欺、殺人事件』
昭和38年10月。福岡県福橋市で理容院を一人で切り盛りする中村スミは客としてやってくる西本に惚れ込んでいた。ある日、子供たちが福岡市で受ける理容師免許の試験に必要な2万円を都合して欲しいとスミが頼むと、西本はどうにかするから任せておけと言った。同月18日、西本は仕事仲間の二人を殺害して金をせしめた。彼は前科四犯のトラック野郎で詐欺や横領の専門だったが、一人殺せば二人も同じだと考え罪を重ねて行った。運送屋から奪った27万円のうち2万円を約束通りスミに渡すと、西本は福岡、唐津、長崎、佐賀と九州各地を遊び歩いた。同月24日に宇高連絡船から飛び降りて自殺を図るのだが、それは警察の目を欺くための嘘だった。11月6日、広島に大学教授として現れた彼はカトリック教会で8万円の詐欺を働き、全国指名手配中にも拘らず今度は浜松に足を運んだ。

『K歌手、空港死体遺棄事件』
かつて流行歌手として活躍し紅白歌合戦にも出場したことがある風見のぼるだったが、その後は人気が低迷し活躍の場を失いつつあった。危機感を抱いた彼は音楽関係者との結びつきを深めるために接待を重ね、その結果多額の借金が重く伸し掛かった。銀座のクラブで働くホステスの池島陽子との関係を築いた風見は、自分が結婚していることを隠して交際を続け金を貢がせて借金を全額返済した。そんな生活に味を占めた風見はギャンブルで借金を作っては陽子に穴埋めをさせた。やがてホステスの給料だけでは賄いきれなくなった陽子は特殊浴場で働くようになるが、結婚を夢見る彼女は再起を信じて支え続けた。ある日、北海道でのキャンペーンが決まると陽子は同行するのを楽しみにしていたが、カムバックをする風見にとって彼女の存在は足手まといでしかなかった。いかがわしい仕事で食わせてもらっているのは何処の馬の骨だと言われ逆上した風見は陽子を花瓶で殴り殺した。

『連続強姦殺人事件』
昭和46年3月、高崎駅前に親からもらった金で買ったクーペ車で乗りつけた久保清一は女子高生などに片っ端から声を掛けてナンパをするが誰も相手にしなかった。肩を落として車に乗ると、自分好みの女性がバスを待っている様子が目に留まった。ベレー帽につけ髭といういで立ちで近づいた久保は、行く方向が同じだと嘘をついて彼女を車に乗せた。彼は度々強姦事件を起こし何度も服役していたが、刑務所は彼にとってナンパのバリエーションを考える時間でもあった。懲りない久保は画家や哲学者などの設定を作り、几帳面に成果を全てノートに書き記した。この日も仮出所から間もなかった。同月31日、5分の1の確率で成功した女性を助手席に乗せることに成功した久保だったが、渡辺という名も高校教師という肩書も嘘であることがばれてしまった。久保は彼女を強姦しその際に首を絞めつけたが、勢い余って殺してしまった。だがそのことが性的興奮を呼び起こし新たな犯罪に手を染めた。

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男はつらいよ 噂の寅次郎

  • posted at:2021-05-04
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいようわさのとらじろう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1978年
公開日:1978年12月27日 併映「俺は上野のプレスリー」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
アメリカンビスタ カラー 105分

春の彼岸となり、車一家は柴又題経寺にある墓参りに出掛けた。天気が良くて何よりと御前様が声を掛けると、空を見上げたさくらは飛ぶ渡り鳥を見て「これから行くのかしら。それとも帰ってきたのかしら」とつぶやいた。それを聞いたつねがうちの渡り鳥はどうしてるのかしらというと、竜造は変なのを思い出しちゃったなと苦笑いした。そんなことを言いながら墓地に向かうと見慣れた姿がそこにあった。寅次郎が帰ってきていたのだった。上野で商売をしていたところ今日が彼岸だということに気づき、親の墓に線香一本でもあげようかなという気持ちになったのだという。その行いが褒められたのもつかの間、彼が参っていたのは隣の墓だった。笑い声が響く中、皆で改めて参拝した。

その日の夕方、さくらが竜造の腰をさするのを見た寅次郎は俺がもう少ししっかりしていればと独り言ちた。それに対し竜造は人にはそれぞれ任があるのだからその気持ちだけで十分だと言った。寅次郎は彼が帰ってくると真っ先にやってくる印刷工場社長の桂梅太郎の姿がないことに気づき博に理由を尋ねると、昼過ぎに出掛けたきりまだ帰ってきていないのだという。ひと頃に比べると仕事の量が減っているため赤字承知で仕事を引き受けているという話を聞き心配になった寅次郎は皆に心当たりを捜すように命じた。彼は中小企業の社長の自殺者が増えているのを気に掛けていたのだ。葬儀のプランを披露し俺が帰ってくるのがもう一日早ければと悔やんでいると、その梅太郎が上機嫌でやってきた。たまには憂さ晴らしをしようと仲間たちと池袋に繰り出していたのだ。そうとは知らない寅次郎は大喧嘩をし、翌朝早くに置き手紙をして出て行った。

静岡を旅する寅次郎はすれ違った雲水に女難の相が出ていると言われたが、特に気にすることもなく縁日で啖呵売を行った。ひと仕事終えダムの休憩室で昼食の弁当を食べ終わると今晩泊まる宿へ向かおうとしたのだが、訳ありげな女性が欄干に佇んで泣いている姿が目に留まった。一瞬頭の中に女難の相という言葉が思い浮かんだが、見て見ぬ振りが出来ない寅次郎は声を掛けることにした。つらいことがあったのなら通りすがりの俺が話を聞くぜとキザに決め、何もかも話しちまえば気持ちが楽になるよと町の食堂へ連れて行った。すると彼女の愚痴は止まることを知らず、その迫力に寅次郎は気を失いそうになった。

屋台的映画館

宇宙戦艦ヤマト 完結編

  • posted at:2021-05-01
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうせんかんやまとかんけつへん
ウェスト・ケープ・コーポレーション
配給:東映洋画
製作年:1983年
公開日:1983年3月19日
監督:勝間田具治 西崎義展
製作総指揮:西崎義展
総監修:舛田利雄
総設定:松本零士
監修:松本零士
原作:松本零士 西崎義展
脚本:山本英明 笠原和夫 山本暎一 舛田利雄 西崎義展
チーフ・ディレクター:白土武
絵コンテ:白土武 遠藤政治
音楽:宮川泰 羽田健太郎
作詞:阿久悠
SF設定:豊田有恒
設定デザイン:辻忠直
総作画監督:宇田川一彦
美術監督:勝又激
撮影監督:清水政夫
編集:千蔵豊
録音:林昌平
音響監督:田代敦己
音響効果:柏原満 伊藤克己
アソシエイト・プロデューサー:山本暎一
制作担当:佐伯雅久
エフェクト・ディレクター:高山秀樹
メカニック・デザイナー:辻忠直 板橋克己 出渕裕
キャラクター・デザイナー:宇田川一彦 高橋信也
文芸:横山和夫
設定:山木泰人 小塚憲夫
音響:小山光弘
戦略・設定制作:鶴見和一
助監督:棚橋一徳
制作進行主任:関口孝治
作画監督:高橋信也 金田伊功 角田紘一
録音スタジオ:アバコ クリエイティブ スタジオ
編集:タバック
現像:東映化学
スキャニメイト:東洋現像所ビデオセンター
演技事務:青ニプロ
主題歌:「古代(おれ)とヤマト」ささきいさお
・・・:「ラブ・シュープリーム 至上の愛」八神純子
挿入歌:「明日に架ける虹」トランザム 桑江知子
・・・:「二つの愛」桑江知子
・・・:「宇宙戦艦ヤマト’83」ささきいさお
声の出演:富山敬 麻上洋子 納谷悟朗 ささきいさお 仲村秀生
アメリカンビスタ カラー 150分

地球が誕生してまだ間がない40数億年の昔、遥か銀河系大星雲の外から回遊してきた水の惑星・アクエリアスがまだ命を持たぬ地球のすぐ傍を通った。引力の干渉によって水がもたらされた地球には生命が芽吹き、進化し、人類を誕生させたが、そのアクエリアスが緩やかで広大な楕円軌道を描きながら再び地球に接近しつつあった。西暦2203年、地球はまだこの事実を知らなかった。同じ頃、銀河系と異次元から現れた別の銀河系星雲が交差し、その影響により核恒星系付近で多くの星々の衝突が起こった。そのことにより地球防衛軍司令部は艦長の古代進が指揮する宇宙戦艦ヤマトを調査のために核恒星系へ派遣した。核恒星系内にある友好国「ガルマン・ガミラス帝国」へ急行するが、本星は甚大な被害を受けデスラー総統とも連絡は取れなかった。宿敵であり真の友人であったデスラーを失ったことを古代は悲しみ簡素な宇宙葬を行ったが、まだ宇宙災害は治まっていなかった。大爆発が襲う中、古代は航海班長の島大介に命じヤマトを目標を定めぬまま無差別ワープをさせた。

危機から脱出したヤマトだったが何処にいるのか予測がつかなかった。だが前方に惑星が見えたためそこから位置を割り出そうとしたが、モニターの映像は様子がおかしかった。惑星全体が洪水に見舞われ高層の建物に逃げ込んだ人々が慌てふためいているのだ。古代は救助を命じるが、それが仇となり乗組員に犠牲者を出す結果となった。惑星から救い出せたのは少年一人だった。そこへ回遊惑星を発見したという連絡がレーダー室から入り、データを分析した結果、水惑星が光速の2分の1のスピードで太陽系方面へ進んでいることがわかった。それが地球へ接近した場合、あの惑星と同じ運命を辿るのだ。ヤマトは地球への報告を終えると帰還の途に就いたが、彼らの前に現れたのはディンギル帝国軍の艦隊だった。目の前に現れた者は全て敵だと考えるルガール・ド・ザール将軍は国籍不明と判断したヤマトをハイパー放射ミサイルで攻撃した。そのミサイルには放射性物質が搭載されており、被弾直後そのことにいち早く気づいた副長の真田志郎は乗組員全員に宇宙服の着用を命じた。だがミサイルは第一艦橋を直撃し、航行不能に陥ったヤマトは付近にあった惑星に墜落して行った。

古代たちが救出に向かった惑星はディンギル帝国の母星だった。アクエリアスから大量の水が流れ込んだことで、特殊な組成で出来たディンギル星はその後大爆発を起こして消滅したのだ。帰る星を失ったルガール大神官大総統は、3千光年先にある太陽系の惑星・地球を移住先に決めた。

屋台的映画館

怪猫岡崎騒動

  • posted at:2021-04-29
  • written by:砂月(すなつき)
かいびょうおかざきそうどう
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1954年
公開日:1954年7月21日
監督:加戸敏
企画:高桑義生
脚本:木下藤吉 吉田哲郎
撮影:武田千吉郎
録音:大角正夫
照明:島崎一二
美術:太田誠一
音楽:山田栄一
編集:西田重雄
特殊撮影:佐野義雄
製作主任:竹内次郎
装置:林米松
装飾:松本末吉
背景:滝野好男
美粧:日樫義男
結髪:石井エミ
衣裳:伊藤ナツ
記録:牛田二三子
スチール:杉山卯三郎
助監督:小木谷好彦
撮影助手:青柳壽博
録音助手:鈴木幸三郎
照明助手:多田義孝
美術助手:神田孝一郎
移動効果:山根正一
擬斗:宮内昌平
演技事務:久松健二
進行:田辺満
出演:入江たか子 霧立のぼる 阿井美千子 坂東好太郎 杉山昌三九
スタンダード モノクロ 86分

三州岡崎城城主水野伊勢守は水野家例年の行事である川開きの宴を心待ちにしていた。宴の日の朝、水野家に代々伝わる世継ぎ以外は手にすることが出来ない守り本尊の観音像を弟の刑部に見せた。それは古い仏像を収集している刑部にとって喉から手が出る程欲しい代物だったが、伊勢守は他の物ならともかくそれだけは諦めろと言った。それを聞いてへそを曲げた刑部は宴に出ないと駄々をこねたのだった。弟とはいうものの同じ水野家に生まれながら刑部は妾腹の子。亡父の跡目を継ぐことは出来なかった。羨む刑部は兄の側室となった萩の方に自分の方が先に好意を抱いていたと言い寄って騒動を起こし、激怒した伊勢守は人の上に立つ者としてまず己を改めよと城内で謝罪を命じたのだった。その様子を見ていた刑部付の三人の家臣は先君の霊前で割腹することを覚悟の上である提案をした。それは辱めた萩の方を殺し、伊勢守の命まで奪うというものだった。殿さえいなければ岡崎五万石を手にするのは自分だ。家臣たちの入れ知恵に乗った刑部は、彼に惚れ込む奥女中八重の方を説得し手に入れた南蛮渡来の毒薬を茶に混ぜるように言った。果たしてその計略は成功し、刑部は疑わしき者を片っ端から斬り捨てよと命じた。

伊勢守の死により刑部が岡崎城城主となった。その間、城代家老水野縫殿之助や家臣たちが咎人の探索を行っていたがことごとく横槍が入った。一方、部屋住となった萩の方が懐妊し雪太郎という名の子が生まれると、側室となった八重の方は祝いの品の産着に針を仕込んで嫌がらせをした。更には駕篭での移動の際に黒装束の一味に襲わせ侍女の直竹から雪太郎を奪うが、機転を利かせた縫殿之助が取り戻し親友である江川源之進とその妻に預けたのだった。そうとは知らぬ直竹は責任を感じ自害した。

家臣からの報告を聞いた刑部は心底喜んだ。岡崎藩の正当な後継者である雪太郎の死で今ある地位が揺るがぬものとなったからだ。我が子だけでなく直竹まで失った萩の方の悲しみは深く、気が触れんばかりに泣き叫んだ。そんな彼女を手に入れようと刑部は試み言葉巧みに近づくが、廊下の梁から睨みつける猫に飛び掛かられ傷を負った。

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皮ジャン反抗族

  • posted at:2021-04-26
  • written by:砂月(すなつき)
かわじゃんはんこうぞく
東映セントラルフィルム
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年12月2日 併映「殺人遊戯」
監督:長谷部安春
企画:黒澤満 伊藤亮爾
脚本:白坂依志夫
撮影:山崎敏郎
録音:林鉱一
照明:渡辺三雄
美術:佐谷晃能
編集:祖田冨美夫
音楽:長戸大幸
挿入歌:「ファンキー・ディスコ・プリンセス」スピニッヂ・パワー
・・・:「ポパイ・ザ・セイラーマン」スピニッヂ・パワー
助監督:崔洋一
色彩計測:村田米造
記録:高橋たつ子
擬斗:日尾孝司
振付:灰原明彦
製作主任:青木勝彦
衣裳:第一衣裳
美粧:入江美粧
現像:東映化学
製作協力:カンタベリーハウス(ビバ館 ギリシャ館) スーパーマーケット紀伊国屋 国立店 横浜 ドリームランド 榊原レーシング
カースタント:三石千尋&マイク スタントマンチーム
協力:東映俳優センター
出演:舘ひろし 夏樹陽子 八城夏子 林ゆたか 山科ゆり
シネマスコープ カラー 82分

愛車である1200ccのハーレーダビッドソンを乗り回す新治はスーパーで働くマヨに恋しているが、中々そのことを打ち明けられずレモン一個を買う度にレジにいる彼女に白いバラを渡すという気障な態度を取るのがやっとだった。そんな彼が週末になると顔を出すディスコである夜、騒動が起きた。スケバングループのボス・ペギイが常連客の男をいきなり指に挟んだカミソリの刃で斬りつけたのだ。ペギイは仲間のキーコが車に連れ込まれて乱暴されたと因縁をつけるが、男は同意の上だったと主張した。一触即発のムードの中、仲裁に入ったのは新治だった。何事もなかったように地下の駐車場へ向かった彼を待ち伏せていたのはペギイとその仲間だった。恥をかかされた仕返しをしようと彼女は親交のあるヤクザ一味を呼び寄せていたのだ。ボスの命令の下、手下たちは新治に襲い掛かりその中のリーダー格の内田がナイフを抜いた。そこに実業家でディスコのオーナーである正一とその情婦のメグが下りてきたことで命拾いをしたのだった。新治は何もなかったと言い訳をしてバイクのエンジンを掛けると走り去った。

新治は平日の日中は伊沢自動車修理工場で働いていた。この工場の主任である神崎は社長の未亡人である文代に急接近し、次期社長のつもりで社員たちを顎で使った。仕事のことが何もわからない文代は神崎に頼り切り、彼女の一人息子で高校受験を控えた修はそれが面白くなかった。修は新治のこと兄の様に慕っていた。

新治が久しぶりにディスコに顔を出すと正一が歓迎した。騒動の一部始終を見ていたメグが彼に気があることを直感的に見抜いた彼は新治にチキンレースを挑んだのだった。真っ直ぐ走るメグの車に向かってバイクを走らせ、先に避けた方が負けという単純なルールだが、先にハンドルを切ったのは正一の方だった。メグを勝ち取った新治は彼女のマンションに直行した。それ以来、度々逢うことになりメグは夢中になって行くが、新治にはその気はなかった。ある日、彼がバイクを走らせているとマヨが歩道でうずくまっているのが見えた。彼女は身篭っており、交際相手がそれを知って姿を消したことがわかると産婦人科の病院に仮の父親として付き添うことにした。

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