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男はつらいよ 私の寅さん

  • posted at:2021-01-22
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよわたしのとらさん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1973年
公開日:1973年12月26日 併映「大事件だよ全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:福山正幸
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 岸恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 107分

連絡船の中で妹・さくらの夢を見た車寅次郎は急に懐かしくなり葛飾柴又に帰ることにした。とらやに着くと昼寝をするために機嫌良く二階の自分の部屋に向かう寅次郎だったが、正反対に顔を曇らせたのはさくら、叔父の竜造、そして叔母のつねだった。さくらの夫・諏訪博は工場の仕事が一段落したことを機会に皆で九州へ三泊四日の旅行に出掛ける計画を立てた。翌日が出発日だったが、間が悪いことに寅次郎が帰ってきたのだ。夕食の時間になり、いつその話題を切り出そうかと悩んでいたところ、柴又題経寺の御前様が餞別を持って現れたためその手間が省けたのだった。仲間外れにされたような気になった寅次郎は拗ねると、今回の旅行は竜造たちが自分を本当の子供のように育ててくれたことへの恩返しで、それを博が許してくれたからだとさくらは説明した。それは本来、自分たち兄妹がしなければならなかったことだと言うと、時間は掛かったが寅次郎は理解を示した。

大分空港に到着したとらや一行は猿で有名な高崎山の自然動物園に向かった。案内人の解説で猿の社会にも除け者がいることを知り、皆同じ人物の顔を思い浮かべた。別府の旅館に泊まりくつろいでいると、さくらは寅次郎に電話を掛けることを思い出した。その頃、寅次郎はというと寂しさを紛らすために博の会社の桂梅太郎社長や題経寺の寺男の源公を呼んでヤケ酒を呷っていたのだった。翌日は熊本阿蘇の杖立温泉で命の洗濯。一方、寅次郎はさくらから電話が掛かるのを今か今かと待ち構えていた。事故に遭っているんじゃないかと心配でたまらない彼は電話のベルが鳴る度に居ても立っても居られなくなるのだ。三日目は熊本城巡りをした後、長崎の雲仙にある温泉でゆっくりすることになっていたが、旅行中でも寅次郎のことが頭から離れない竜造とつねはもうここまでで十分だと博に言った。旅館に泊まれば寅次郎に電話を掛けなければならず、そこでまた言い合いになることにうんざりしていたのだ。さくらは博と相談し、旅行を切り上げて柴又へ帰ることに決めた。一行がとらやに戻ると寅次郎は昼食や風呂の用意をして待っていた。そんな気遣いが出来ることに感心し、さくらたちは新たな一面を見たような気がしたのだった。

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仁義なき戦い 広島死闘篇

  • posted at:2021-01-19
  • written by:砂月(すなつき)
じんぎなきたたかいひろしましとうへん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年4月28日 併映「狂走セックス族」
監督:深作欣二
企画:日下部五朗
原作:飯干晃一
脚本:笠原和夫
撮影:吉田貞次
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:吉村晟
音楽:津島利章
編集:宮本信太郎
助監督:清水彰
記録:田中美佐江
装置:近藤幸一
装飾:松原邦四郎
美粧結髪:東和美粧
スチール:中山健司
演技事務:伊駒実麿
衣裳:松田孝
擬斗:上野隆三
進行主任:渡辺操
出演:菅原文太 千葉真一 梶芽衣子 北大路欣也 山城新伍
シネマスコープ カラー 100分

昭和25年、広島。賭場での傷害事件で懲役2年を食らった復員兵の山中正治は、仮出所となった27年3月に大衆食堂で無銭飲食をした。店主の上原靖子にここで働かせて欲しいと山中は願い出るが、面倒なことになるのを恐れた靖子は早く店から出るようにと促した。すると村岡組のシマ荒らしにきていた大友勝利率いる大友連合会によって袋叩きにされたのだった。そこに息子の悪行に手を焼いていた連合会会長で勝利の父親である長次が駆けつけ山中を介抱した。長次からの連絡を受け山中を預かることにした村岡組組長・村岡常夫は、本人の意思を確認した上で組員として迎え入れたのだが、姪に当たる靖子と男女の仲になっていたことを知り激怒した。舎弟・高梨国松と若衆頭の松永弘は村岡の怒りが収まるまで山中を九州・飯塚の竹原一家に預けることにした。

1年程経ったある日、竹原にそそのかされた山中は九州和田組の組長を射殺した。この事件は公には迷宮入りとして葬られたが、彼の名は暴力団関係者の間で密かな評判となりやがて広島に帰還を許された。そして改めて正式な若衆として村岡の盃を受けたのだった。後見人には高梨が、媒酌人は広島の大親分・景浦辰次郎、そして見届人には景浦の舎弟・時森勘市が務めた。だがその日から間もなく、広島全市を震駭させる抗争事件の火蓋が切って落とされた。その発火点となったのは広島競輪場の警備を村岡組が請け負ったことからだった。これが気に食わない勝利は競輪場のトイレをダイナマイトで爆破するなど騒動を起こした。義兄弟である村岡との関係が壊れるのを恐れた長次は勝利を破門にした上で自ら会長の座を辞し、2代目に倉光俊男を据えた。

村岡組の力が膨れ上がりこのままでは太刀打ち出来なくなることを恐れていた勝利は時森を抱き込み、彼の跡目を継ぐ形で博徒大友組を結成した。ある夜、勝利は仲間を引き連れて村岡組に闇討ちを掛けたが村岡の命を奪うことは出来なかった。昭和30年3月16日、第1次抗争において2名が死亡し8名が重軽傷を負った。その頃、呉では山守組組長・山守義雄と絶縁した広能昌三が広能組組長として細やかな一家を構えていた。村岡組から命を狙われる時森は山守を頼ってきたが、面倒なことに巻き込まれたくない山守は広能に金を渡して彼を押しつけることにした。

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人魚伝説

  • posted at:2021-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
にんぎょでんせつ
ディレクターズ・カンパニー=日本アート・シアター・ギルド
配給:日本アート・シアター・ギルド
製作年:1984年
公開日:1984年4月14日
監督:池田敏春
製作:佐々木史朗 宮坂進
企画:多賀祥介
プロデューサー:根岸吉太郎 山本勉
原作:宮谷一彦
脚本:西岡琢也
撮影:前田米造
水中撮影:中村征夫
照明:井上幸男
録音:小野寺修
美術:小川富美夫
編集:川島章正
記録:白鳥あかね
助監督:白石宏一 渡辺容大 上山勝
企画協力:奥山和由
製作担当:長田忠彦
製作進行:上原英和 石川賢一
音楽:本多俊之
出演:白都真理 江藤潤 清水健太郎 青木義朗 宮下順子
スタンダード カラー 110分

とある漁師町で夫婦海女として漁を行う佐伯啓介とみぎわ。みがわが潜水をして貝などを獲り、命綱を担当する啓介が船から見守るのだ。この町の町長は利権に目がなく、儲かると聞けばすぐに飛びついた。ハマチの養殖場を作った際は漁師たちに保証金を支払って強引に推し進めたが、エサのやり過ぎで海の底まで腐らせ事業は失敗した。町長は責任を逃れ、海の後始末をさせられたのは漁師たちだった。ようやくそれが治まりかけた頃、新たにぶち上げたのがレジャーランドの建設だった。だがこの計画には裏があった。町側は漁師たちに土地を売り渡すよう交渉を持ち掛けたが、啓介は断固として反対した。ある夜、船で漁場の様子を見ていた彼は小船で釣り糸を垂れる人影を見た。釣れるわけがないと悪態をつきながらラジオのスイッチを入れると、沖からモーターボートが高速で近づいてきた。エンジン音に驚いた啓介は網を破られては堪らないと大声で注意を促すが、小船はモーターボートの人物によって爆破された。翌日、啓介は目の前で起きた出来事を漁協の組合長に報告するが、もしそれが本当なら死体が見つかるはずだと相手にされなかった。

その日は海が荒れて漁が休みになったが、みぎわは啓介を連れて沖に出ることに決めた。彼が何度も寝言で釣り船のことを繰り返すことから真偽を確かめるために海に潜ることに決めたのだ。ポイントに着くとみぎわは海深く潜るが死体らしきものは見つからなかった。息の限界を感じ綱を引っ張るが反応はなし。啓介に伝わっていないのかと考え更に強く引っ張ると、銛で胸を射抜かれた彼の体が水中に没した。沈み行く夫の道連れになるみぎわ。もがくうちに綱は岩に擦れて切れるが、今度は水面から発射された水中銃が彼女の左腕を貫いたのだった。痛みのあまり彼女は気を失った。

日の暮れた岩場に打ち上げられ命を取り留めたみぎわは歩いて家まで帰ろうとした。その際、自転車で巡回する警官を見つけ自分の身に起きたことを洗いざらい早口でまくし立てた。ところが彼女は夫殺しの犯人としてマークされていたのだ。みぎわは捕まえようとする警官を振り払うと、啓介の友人であるカメラマンの宮本祥平と連絡を取った。祥平は彼女を渡鹿野島へ連れて行くと、すなっく逢坂のママ・夏子に事情を話ししばらく匿ってもらうことにした。

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黒い画集 あるサラリーマンの証言

  • posted at:2021-01-13
  • written by:砂月(すなつき)
くろいがしゅうあるさらりーまんのしょうげん
東宝
配給:東宝
製作年:1960年
公開日:1960年3月13日 併映「珍品堂主人」
監督:堀川弘通
製作:三輪禮二
原作:松本清張
脚本:橋本忍
撮影:中井朝一
美術:村木忍
照明:森弘充
録音:藤好昌生 下永尚
音楽:池野成
監督助手:恩地日出夫
編集:黒岩義民
特殊技術:東宝技術部
現像:キヌタ・ラボラトリー
現像:東洋現像所
製作担当者:真木照夫
出演:小林桂樹 原知佐子 平田昭彦 江原達怡 西村晃
シネマスコープ モノクロ 94分

東和毛織で管財課長として働く石野貞一郎は大学を卒業して満20年の会社勤めになる。東京の西北にある住宅街に住み、妻と子供二人の平穏な家庭生活を営んでいるが、仕事が終わるとまず向かうのが新大久保のアパートだった。そこに住む同じ課の事務員・梅谷千恵子は石野と愛人関係にあった。石野は会議だの何だのと理由を作って足しげくそこに通い情事を重ねた。知り合いに見られると都合が悪いため石野はいつもこっそりとアパートを出るが、その夜は通りまで送って行くと千恵子がついてきた。心配になり少し離れて歩くように指示すると彼女は素直に従った。やがて通りに差し掛かると自宅の近所に住む保険外交員の杉山孝三とすれ違った。相手が会釈したため石野は頭を下げたが、面識はあるものの今まで一度も話したことがないため特に問題視しなかった。タクシーで自宅に戻ると石野は妻・邦子に渋谷で映画を観てきたと嘘をついた。嘘はいつものことなのでどうということはなかったが、気になっていたのはあの時思わず頭を下げたことだった。それ以来、杉山がそれを誰かに吹聴したのではないかと不安になった。

数日後、会社を訪れた警視庁捜査一課の奥平警部補から石野は5日前の午後9時30分頃に新大久保で杉山と出会わなかったかと聞かれた。何となく嫌な予感がした石野はしばらく考えた末にそんな場所には行かなかったと証言した。後にそれが先日起きた向島での若妻殺しの容疑者として逮捕された杉山が関係していることがわかると、厄介なことになったと頭を抱えた。仮に杉山に会ったことを正直に話してしまうと千恵子のことが明るみになり、家庭崩壊につながる可能性があるからだ。遅れて歩いていた千恵子の姿を杉山が見た可能性は低いが、万が一のために彼女を品川のアパートへ移らせた。

岸本捜査課長は石野を警視庁に招き、経緯を説明して当時の状況を確認するにした。7月16日の夜、アパートで若妻が殺害されたが抵抗の形跡がないため顔見知りの犯行と考えた。絞殺には電気アイロンのコードが使用され、差し込みプラグに指紋が残っていた。他に来客用の湯飲みやドアノブからも指紋が検出された。そのいずれもが杉山のものだった。だが彼は犯行が行われたとされる時間には新大久保の裏道におり、その時に石野と会って挨拶をしたと証言したというのだ。岸本は一連の説明をした後にその日の行動を尋ねた。会ったと証言すれば杉山のアリバイは成立し無罪になる。だがそうなると自分の身が危うくなるのだ。悩んだ彼は邦子に言った嘘をそのまま伝えた。

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男はつらいよ 寅次郎忘れな草

  • posted at:2021-01-10
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうわすれなぐさ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1973年
公開日:1973年8月4日 併映「チョットだけヨ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 浅丘ルリ子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 99分

半年ぶりにとらやへ帰ってきた車寅次郎だったが店の中の様子がいつもと違っていた。奥から聞こえるのは御前様の読経の声。きっと叔父の竜造が死んだに違いないと考えた寅次郎は部屋にズカズカと上がり込むと仏壇に手を合わせた。だがそれが実の父親の二十七回忌の法要だとわかると馬鹿馬鹿しいと悪態をついた。それを聞いたさくらたちは反省を促すが、御前様はこれも死んだ仏が呼んだに違いないと場を治めた。ところが笑ってはいけない場面でウズウズするのが寅次郎の悪い癖。読経する御前様に悪戯を仕掛けて法要をぶち壊したのだった。御前様が起こって帰ると、笑ったのが悪いという寅次郎と笑わせたのが悪いという竜造が口論を始めた。呆れたさくらたちが退散する中、二人の大声は夜空に響いた。

御前様が園長を務める幼稚園にさくらは一人息子の満男を通わせているが、迎えに行った帰りに聞こえてきたピアノの音色を聞いて習わせたいと思った。ピアノは彼女が小さいことからの夢であり、それを満男に託したかったのだ。だがアパートには置けるスペースがなく、そもそも口うるさい大家が許すはずがなかった。夫の諏訪博と話しているのを聞いた寅次郎は勢いよくとらやを飛び出すとすぐに戻ってきた。彼はおもちゃの赤いピアノを抱えていたのだ。本物が欲しかったとは言えないさくらがお礼を言うと、寅次郎は機嫌よく部屋に帰った。ところがその夜、遊びにきた朝日印刷所の桂梅太郎社長の言葉で真相を知り、竜造と口論した末に出て行った。

初夏の北海道を旅する寅次郎。網走の露天でレコードを売るが一枚を捌けず、網走橋の欄干にもたれ掛かって川を見ていると一人の女が声を掛けてきた。彼女はかつてレコードを出したことがあるドサ回り歌手の松岡リリーだった。東京生まれだがフーテン暮らしで故郷を持たないというリリーに親近感を覚えた寅次郎は、自分たちが真っ当な生活とは違うまるで「あぶく」のような存在であることを話した。やがてリリーの仕事の時間が迫ると、また日本の何処かで会おうと約束をして二人は別れた。このままの生活を続けてはいけないと考えた寅次郎は職業安定所で紹介された農場で働くことにするが、想像以上の過酷さに目を回し過労で寝込んでしまった。

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