松竹
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年12月28日 併映「祝辞」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 式根島観光協会 東海汽船
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 106分
以前から結婚生活に不満を抱いていた桂あけみがひと月程前に家出した。父親の梅太郎は思い悩んだ末に朝のテレビ番組の尋ね人のコーナーに出演し、涙ながらに帰ってこいと訴えた。梅太郎が生放送の番組に出ることは柴又中に知れ渡っていたが、泣き崩れるその大袈裟な様子に皆あきれ返った。だが只一人あけみだけは心打たれたのだった。伊豆・下田の旅館に泊まる彼女はとらやに電話を掛けてさくらに無事であることを伝えたが、寅次郎がまだ帰ってきていないこと知ると残念がった。彼女にとって寅次郎だけが理解者なのだ。あけみはそれ以上話さずに電話を切った。
あけみが下田にいることを知って梅太郎はカンカンだった。どうやって連れ戻そうかととらやで思案していると、そこに寅次郎が現れた。するとさくらは興奮する梅太郎を無視してこれまでに起きたことを丁寧に説明した。あけみが自分を必要としていることを知った寅次郎はわかったと答え、返す刀で下田に向かった。家出した女が金を稼ぐには水商売が手っ取り早い。そこで昔世話をした渡世人の長八を頼ると、あけみはあっさりと見つかった。港でボンヤリしている姿を見つけた寅次郎が声を掛けると、あけみはうれしさのあまり飛びついたのだった。その夜、博たちが家に帰ろうとしていたところに寅次郎から電話が掛かってきた。連れ戻しにきたことがわかるとあけみは頑なに拒否した。何か深い事情があるのではないかと考えた彼は同じ旅館に泊まって話を聞くことにしたのだが、疲れが出たのかあけみは夕食時に眠ってしまったのだ。博からそのことを聞いたさくらは早速、梅太郎に報告した。
翌朝、寅次郎とあけみは海岸にいた。彼女は聞いてもらいたいことが山ほどあったのだが眠ってしまい、目覚めたときには寅次郎は長八のところへ出掛けた後だった。改めて聞いてもらおうと話し掛けると、寅次郎は夫婦ゲンカの愚痴なんていくら聞いても面白くないと茶化した。あけみは夫・慎吾との愛について思い悩んでいたが、どうしても答えを導き出すことが出来なかった。時が解決すると考えた寅次郎は、お前次第で帰りたいならそれも良し、旅を続けるならずっと一緒に行くと言った。するとあけみは目の前に見える島に行きたいと指差した。そこは伊豆諸島の一つの式根島だった。寅次郎は行ってやろうじゃないのと梅太郎から預かった財布を見せた。
屋台的映画館
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