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野菊の墓

  • posted at:2024-05-05
  • written by:砂月(すなつき)
のぎくのはか
東映=サンミュージック
配給:東映
製作年:1981年
公開日:1981年8月8日 併映「吼えろ鉄拳」
監督:澤井信一郎
製作:高岩淡 相澤秀禎
企画:吉田達 高村賢治
プロデューサー:梶淳 長谷川主水 高橋一浩 坂航太
原作:伊藤左千夫
脚本:宮内婦貴子
撮影:森田富士郎
録音:林鉱一
照明:梅谷茂
美術:桑名忠之
助監督:森光正
音楽:菊池俊輔
主題歌:「花一色 野菊のささやき」松田聖子
編集:西東清明
記録:宮本衣子
演技担当:和田徹
音響効果:沢地正幸
装置:中村文栄
装飾:新井栄治
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:堀口栄
スチール:加藤勝雄
宣伝担当:坂本年文
現像:東映化学
進行主任:小島吉弘 高井義典
出演:松田聖子 桑原正 加藤治子 樹木希林 湯原昌幸
アメリカンビスタ カラー 91分

明治の終わり頃、矢切の渡しの東にある矢切村で斎藤家は醤油の醸造所を営んでいた。もうすぐ中学に上がる十五歳の政夫はそこの末っ子で、家業は兄の喜一郎が行っていた。政夫は病気を患う母・きくの面倒を見ていたが、彼は母の身の回りの手伝いをするために時々やってくる二つ上の従姉の民子と会えることをとても楽しみにしていた。民子が住み込みで働くことになると政夫はまるで姉弟のようにじゃれ合ったが、その様子に目くじらを立てたのは喜一郎の妻の初子だった。初子は士族の出であったことから何かとしつけや行儀を持ち出しては叱った。だが二人が仲良くしているのを快く思っていなかったのは政夫を幼い頃から見てきた女中のお増も同じだった。

民子はきくの死んだ妹の娘で、父親の戸村新吉は店で日用雑貨を売っていた。だが修理を請け負うため品物が思うように売れず収入がほとんどなかった。そのことを知っていたきくは、肩身の狭い思いをさせまいと民子にそのことを隠しながら給金を後妻のせいに渡していた。ある日、政夫が街まできくの薬を取りに行っていると突然雨が降り始めた。心配になった彼女は使用人の常吉に船着き場まで迎えに行って欲しいと頼んだ。同じ頃、政夫を同じように心配した民子は船着き場へ歩いて向かっていたのだが、その途中で雨宿りする瞽女と出会い持っていたもう一つの傘を貸してあげた。政夫と民子が一つの傘に入って帰宅していると、後から馬車でやってきた常吉がその姿を見て嫉妬した。翌日、醸造所にやってきた瞽女は傘のお礼に唄と三味線を披露するが、それが終わり屋敷に戻ろうとするきくの目が壁に貼られたいたずら書きに釘付けになった。それは政夫と民子の相合傘だった。怒ったきくはこんな下衆な悪さをするのであれば見つけ次第暇を出すからそう思いなさいと皆に言った。その夜、妙な噂で商いに傷がつかないか心配していると喜一郎から言われたきくは考え込んだ。民子は政夫よりも年上だし血の濃いいとこだから一緒にさせることなど思いもしなかった。だが万が一のことを考え二人を引き離すことにした。

屋台的映画館
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の・ようなもの

  • posted at:2023-06-27
  • written by:砂月(すなつき)
のようなもの
ニューズ・コーポレーション
配給:日本ヘラルド映画
製作年:1981年
公開日:1981年9月12日
監督:森田芳光
製作:鈴木光
脚本:森田芳光
撮影:わたなべまこと
照明:木村太朗
録音:橋本泰夫
編集:川島章正
整音:小野寺修
効果:小島義雄
音楽:塩村宰
助監督:山本厚
製作進行:宇田川正明 篠崎誠歩
出演:秋吉久美子 伊藤克信 小林まさひろ でんでん 大野貴保
アメリカンビスタ カラー 103分

志ん魚は出船亭一門の二ツ目の落語家。23歳を迎えた彼は兄弟子の志ん米たちからもらったお祝いで生まれて初めて特殊浴場に行くことになった。胴上げで送り出してもらった志ん魚は歌川という店に向かったが、志ん米たちは様子を見るために後をつけ店に入る記念すべき瞬間を写真に収めようと待ち構えた。ところが入り口でためらうためもどかしい思いをした。そしてようやく戸を開けると志ん水がシャッターを切った。おどおどする彼の態度で初めての客だと気づいたフロントの男はといい娘を紹介しましょうと言った。

その数時間前、出船亭扇橋の家を訪ねた志ん魚におかみさんは師匠から誕生日のお言葉があるからすぐに上がりなさいと言った。そして奥の部屋に通すと志ん魚と向かい合って座り、落語家というのは落語家らしく歳をとっていかなければならないことを頭に入れて精進しなさいと師匠の言葉を伝えた。

ホステスのエリザベスは志ん魚の前に正座しよろしくお願いしますと挨拶した。最初は緊張していた志ん魚だったが、二人の時間を過ごすうちに打ち解けやがて彼女に好意を抱くようになった。だがまた来てねと名刺を渡されてももう会う金がない。そのことを正直に言うとエリザベスはいつでもいいから電話してと名刺に自宅の電話番号を書き込んだのだった。それから二人はデートを重ねることになった。

ある日、師匠の家を訪ねたのは下町女子高校の落語研究会に所属する上級生のまりや、由美、佐紀、真代の四人だった。彼女たちは文化祭で落語を披露することになったのだが、誰かに指導してもらいたいと考えたのだ。応対に出たおかみさんは一門の中でも問題を起こしそうになさそうな志ん魚と志ん菜をコーチとして派遣することにした。

女子高の近くにある都電の駅に到着した二人を部長のまりやと係長の佐紀が案内した。挨拶も早々に志ん魚は「道具屋」の始めの方を演じてもらうことにした。まりや、佐紀、真代、由美の順でリレー形式で行うが、由美のかわいさが気になった志ん魚は後で連絡することがありますからと言って電話番号を聞き出すことに成功したのだった。

屋台的映画館

野良猫ロック 暴走集団’71

  • posted at:2018-06-03
  • written by:砂月(すなつき)
のらねころっくぼうそうしゅうだんななじゅういち
日活=ホリ企画制作
配給:ダイニチ映配
製作年:1971年
公開日:1971年1月3日 併映「新・ハレンチ学園」
監督:藤田敏八
製作:笹井英男 岩澤道夫 真下武雄
企画:佐々木志郎
脚本:永原秀一 浅井達也
撮影:萩原憲治
照明:大西美津男
録音:杉崎喬
美術:千葉和彦
編集:丹治睦夫
音楽:玉木宏樹
助監督:岡田裕
色彩計測:前田米造
現像:東洋現像所
製作担当:坂田則正
技斗:田畑善彦
出演:梶芽衣子 藤竜也 原田芳雄 地井武男 司美智子
アメリカンビスタ カラー 87分

新宿の公園などの空き地を使ってテントに寝泊まりする奇妙な若者集団。ピラニアをリーダーとする彼らは気ままに移動しながら自由を求めて生きていた。ある早朝、皆が寝ている隙に抜け出した隆明と振り子がじゃれ合っているとミリタリールックに身を包んだバイクの集団が取り囲んだ。彼らは黒い親衛隊ブラックSSという5人組で、隆明の父・荒木義太郎が家出をした息子を取り戻すために派遣したのだ。隆明はSSの一人・ヘスを刺殺したが抵抗も虚しく連れて行かれた。そして総統に腹を殴られて気絶した振り子は隆明が持っていたナイフを握らされた。二人が突然姿を消したことを心配したレモンたちが駆けつけると振り子は呆然とヘスを眺め、やがて悔しさをぶつけるように死体を滅多刺しにし始めたことから彼女らは必死に止めた。二ヶ月後、関東女子教護院に収監された振り子はそこで知り合ったアヤの手引きでともに脱走した。そして街に出ると人気のない通りで待ち伏せして学生を引き込み服を奪ったのだった。隆明を取り返しに行くことに決めていた振り子はアヤにピラニアのところへ行くように言った。

新宿センター建設予定地に居を構えていたピラニアたちは資金を稼ぐために週刊誌の取材に応じたが、ギャラ交渉で決裂し一方的に破棄した。そこにやってきたアヤがマッポにそのことを話すと、彼は振り子に課せられた危機的状況を黙って見過ごすか否かの意見を聞いた。彼女が勝手過ぎるという意見が飛び出す中、口を挟んだのはアヤだった。ヘスを刺したのは隆明だったと。するとユメは振り子が握っていたナイフが隆明の物だったことを思い出したのだ。行ってやろうよという女性陣の提案を、ピラニアは男の問題として今夜考えようと言った。夕食後、街をぶらついているとネクロが突然道路の工事現場へフラフラと歩いて行き、借りた削岩機の持ち手を股間に当てた。やがて彼は昇天したが、心臓が止まり本当に昇天してしまった。悲しみに暮れるバスの中でマッポはこの街から出て行こうかとつぶやいた。それが決心のきっかけとなった。

翌朝、ピラニアたちは自転車で隆明の生まれ故郷である来海町に向かった。その頃、荒木邸では町長の義太郎が職務に専念出来るよう、父の経営する各種事業の跡継ぎに専念する隆明の襲名披露が行われていた。一方、振り子も既にこの町に入っていた。彼女の目撃情報は義太郎にも伝わっており、振り子の口から隆明が人を殺したことが漏れれば、近日に迫っている町長選に影響が出ることは間違いなかった。そこで秘書の深沢は弟の総統に彼女の口を封じるように命じた。

屋台的映画館

野良猫ロック マシン・アニマル

  • posted at:2018-03-09
  • written by:砂月(すなつき)
のらねころっくましんあにまる
日活
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年11月22日 併映「裸でだっこ」
監督:長谷部安春
企画:葛生雅美
脚本:中西隆三
撮影:山崎善弘
照明:高橋正博
録音:片桐登司美
美術:佐谷晃能
編集:丹治睦夫
助監督:田中登
色彩計測:古清水忍
現像:東洋現像所
製作担当者:紫垣達郎
音楽:たかしまあきひこ
挿入歌:「明日に賭けよう」梶芽衣子
・・・:「恋のブルース」青山ミチ
・・・:「恋はまっさかさま」太田とも子
技斗:田畑善彦
出演:梶芽衣子 藤竜也 郷鍈治 岡崎二朗 范文雀 
アメリカンビスタ カラー 82分

横浜の港町の一角に、マヤが率いる不良少女グループと佐倉が率いる暴走族が毎日何か面白いことはないかと戯れていた。ある日、一台のワゴン車がオーバーヒートを起こして停まっているの見つけると暴走族はそれを取り囲んだ。そして佐倉がお手上げの様子で立っていたノボとサブの前に歩み寄ると持っていたステッキで岩国のナンバープレートを叩き「気をつけろ。街へ出てきたらな」と言ってバイクのクラクションを鳴らした。他のメンバーの嘲笑で自分たちが馬鹿にされたことに気づいたサブは佐倉に殴り掛かろうとしたが、事を大きくしたくないノボはそれを力ずくで止めた。二人がいかにも貧乏臭い風袋をしていたことから、佐倉たちは金をたかるのを諦めたのだった。

ノボたちが向かった先は、岩国で聞いた人物の知り合いに当たるマスターがいるバーだった。マスターは横浜から出港する貨物船に密航者を乗せる仲介を行っており、2人はどうしても会わなければならなかった。日本を脱出しようとしているのはノボたちの他にもう一人おり、それを聞いたマスターは来週なら何とかなるかもしれないと言った。仲介料は1人100万円。するとノボは掌にあるカプセルを見せ、これで乗せて欲しいと交渉した。だがマスターは彼らに金がないことがわかると冷たくあしらった。するとその話を聞いていた歌手のミキは、アストロというゴーゴーバーにいるマヤに会えばいいとアドバイスした。

アストロは不良少女たちの溜まり場で、ノボはまずマヤに接触するとLSDを買いたいと言った。そしてあいつに聞くといいと言われたバーテンダーにドラッグを扱っているそうだねと話しかけ、買って欲しい物があるんだと紅茶の缶を見せた。その中にはLSDのカプセルが詰まっており、ここで流していることは知っているんだとサブが言うとバーテンダーは身を乗り出した。ノボが持っている在庫が500錠あることを知ると尻込みしたが、売り捌く話をつけることで合意した。一方、彼らの話を立ち聞きした手下からLSDのことを聞いたマヤはそれを奪うことにした。港付近に停めた車に近づくとサブは口琴を取り出し鳴らした。そして車に乗り込むと後部座席に隠れていた男がゆっくりと身を起こしたのだった。男はアメリカ軍の脱走兵のチャーリーで、彼とともにスウェーデンへ逃亡するために岩国の基地から横浜へやってきたのだ。そしてその資金は大量にあるLSDを売り捌いて作る計画だった。だが彼らの車をマヤたちが取り囲み、ナイフで脅してLSDを奪おうとしたのだが、チャーリーが拳銃を取り出したことで風向きが変わった。ノボはワゴン車を急発進させて逃げたが、マヤは彼らを絶対に探し出す気でいた。

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野良猫ロック セックス・ハンター

  • posted at:2018-01-24
  • written by:砂月(すなつき)
のらねころっくせっくすはんたー
日活
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年9月1日 併映「大幹部 ケリをつけろ」
監督:長谷部安春
企画:高木雅行
脚本:大和屋竺 藤井鷹史
撮影:上田宗男
照明:森年男
録音:片桐登司美
美術:古谷晃能
編集:丹治睦夫
助監督:白井伸明
音楽:鏑木創
主題歌:「禁じられた一夜」安岡力也
挿入歌:「黄色いサクランボ」ゴールデン・ハーフ
挿入歌:「恋人がほしいの」ゴールデン・ハーフ
色彩計測:永塚各一郎
現像:東洋現像所
製作担当者:福田慶治
技斗:田畑善彦
出演:梶芽衣子 安岡力也 藤竜也 岡崎二朗 有川由紀 
アメリカンビスタ カラー 85分

アメリカ軍が引き揚げた立川のネオン街では、不良少女グループのリーダー・マコと不良少年グループのリーダー・バロンが統括する「イーグルス」が幅を利かせていた。ある夜、根城にしているゴーゴースナック・メインゲートでミキが盾突いたことから、マコはお灸を据えるために彼女を空き地に呼び出した。懐中電灯と車のヘッドライトの中で行われた決闘はマコの圧倒的な勝利に終わり、ミキはナイフで切られて倒れ込んだ。ユカは傷を負ったミキを車に乗せるとマコに早く行こうと促した。だがマコは「早く手当してやんな」と言ってその場に残り、原っぱに寝転がると星空を見上げた。するとそこに歌を口ずさみながら歩いてくる男がおり思わずその声に聞き惚れた。彼は数馬という通りすがりで「ママブルース」というスナックのことを尋ねたがマコは知らなかった。そんな他愛のない会話をするうちにマコは笑顔を取り戻した。仲間のところへ戻るとマリがその店の常連であることがわかり、マコはそのことを数馬に伝えた。

ママブルースを訪ねた数馬だったが、目当ての人はいなかった。彼は十年前に別れた妹のメグミを捜しており、ようやく人づてでスナックで働いていることがわかったのだが、ママから突然出て行ったという話を聞き落胆した。あの娘のことは諦めなさいと言われたが、どうしても居場所を明かさないことに疑問を抱いた数馬は誰にも頼らずに捜すことに決めたのだ。するとマリを巡ってのイチローとイーグルスとのケンカが始まり、その仲裁に数馬が入ったことで彼も抗争に巻き込まれることになった。子供の頃に姉が目の前で黒人兵に犯されるのを止められなかったことをバロンは今でも後悔しており、以来ショックで不能になったことでハーフや黒人に対して特別な憎しみの感情を持っていた。そしてマリの件をきっかけにして彼の怒りが爆発し、それらの人種を街から排除する活動を過激化させたのだ。男のメンバーは女の貞操を守るための戦争ごっこだと思っていたが、バロンにとっては本当の戦争だった。

イチローが仕事を辞めて街から出て行ったことを同僚から聞いたマリは、仕返しをするためにアジトへ戻ってくるバロンを待ち伏せし命を狙ったが、仲間に阻止され人質となった。バロンはマコを呼び出すと、彼女を引き渡す交換条件として今後一切俺たちがやることに対して口を出すなと言った。マコはマリをメインゲートに連れ帰ったが、イチローのことがどうしても忘れられないマリは一人で捜すことを決心し礼を言うと走り去った。そんな一途な彼女をマコはただ見送るしかなかった。

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