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地獄の天使 紅い爆音

  • posted at:2019-05-03
  • written by:砂月(すなつき)
じごくのてんしあかいばくおん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年10月1日 併映「ボクサー」
監督:内藤誠
企画:安斉明夫 坂上順 橋本新一
脚本:田中陽造 荒井晴彦 内藤誠
撮影:中島芳男
録音:林鉱一
照明:萩原猶義
美術:藤田博
編集:戸田健夫
助監督:馬場昭格
記録:山内康代
擬斗:西本良治郎
スチール:遠藤努
進行主任:松本可則
装置:井保国雄
装飾:米沢一弘
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
演技事務:石川通生
現像:東映化学
音楽:忠治
主題歌:「ほれてふられてブルース」津和のり子
挿入歌:「サタデイクイーン」内藤やす子
・・・:「ターゲット」内藤やす子
協力:バーニングプロ チェックメイト
出演:入鹿裕子 舘ひろし 成瀬正 森下愛子 津和のり子
シネマスコープ カラー 77分

東京・福生のライブハウスで演奏するモンキーハウスバンドのギタリスト・貢は客としてきていた女に一目惚れした。彼女はカミソリヨーコという異名を持ち、かつて女番長として一帯を仕切っていた耀子だった。海岸で二人は朝まで愛し合ったが、それが気に食わなかったのは今の女番長グループだった。そのうち一人がナイフを抜くと、貢を助けるために耀子もジーンズのポケットからカミソリを抜き応戦した。だが貢はゴールドフィンガーと呼ばれた左手小指を切り落とされ、耀子はその報復として女番長を地獄に送ったのだった。失意の底に沈んだ貢は耀子を人殺しと罵り、自分の小指を拾い上げて泣いた。

3年後、刑期を終えて出所した耀子は真っ先にライブハウスへ向かった。だが貢の姿はなく、あんたの巻き添えを食ったんだから言い訳にはならないとボーカルの朝子は耀子を責めた。一方であいつを殺したあんただから生き返らせることも出来ると、朝子は2年前に貢が騒動を起こした横須賀のことを話した。横須賀の繁華街にあるスナックのオーナーの早苗を訪ねた耀子だったが手掛かりは見つからず、しばらくそこで働きながら情報を集めることになった。ある夜、辺りにいたギタリストに貢のことを尋ねていると、少女がずべ公に絡まれていた。そこにやくざ風な男が加わり只事ではないと感じた耀子は彼を叩きのめした。男は黒須組の五木田で、面倒なことに巻き込まれたくない早苗は耀子をすぐにクビにしたのだった。

翌日、昨夜の少女・麻緒と再会した耀子は騒動に至った話を聞いた。横浜の浜友会に彼女は所属していたが、ある日そこに黒須組が押し掛けてきてシャブを捌けと脅してきた。突っぱねたところ女番長がさらわれ行方知れずとなった。会は解散状態となり麻緒は一人で後を追ったのだ。そしてようやく捜し出したのだが女番長はシャブ漬けとなっており、彼女も五木田によって同じ道に引き込まれようとしていたのだ。耀子が貢のことを尋ねると、この街には小指を落とした男なんてたくさんいるよと麻緒は悪びれずに言った。耀子は繁華街に戻り掲示板に貼り出された指名手配のポスターを眺めていると、小指のない男が乗ったタクシーが側を通過した。彼女は付近に停めてあったバイクにまたがり後を追ったが、降車した男は公園で何者かに刺された。耀子はすぐさま駆け寄り救急車を呼ぼうとしたが、男は深い傷を負っているにも拘らず何故かそれを拒否した。彼の言う通りに耀子はアパートへ連れて行くとベッドに寝かせた。シャブを打つと男は幾分落ち着いたが、耀子の貢捜しは振り出しに戻った。

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トリック 劇場版2

  • posted at:2019-04-30
  • written by:砂月(すなつき)
とりっくげきじょうばんつー
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年6月10日
監督:堤幸彦
製作:早河洋 島谷能成
共同製作:尾木徹 水野文英
エグゼクティブプロデューサー:亀山慶二
プロデューサー:桑田潔 蒔田光治 佐藤毅 山内章弘
ラインプロデューサー:渡邊範雄
脚本:蒔田光治
監督補:木村ひさし
撮影:斑目重友 坂本将俊
美術:稲垣尚夫
映像:中村寿昌
照明:川里一幸
録音:中村徳幸
編集:伊藤伸行
音楽:辻陽
助監督:神徳幸治
制作担当:祷映 杉原奈実
スクリプター:奥平紋子
サウンドプロデューサー:志田博英
水中撮影:竹内一茂
アソシエイトプロデューサー:長坂信人
主題歌:「ラッキー・マリア」Joelle
制作協力:オフィスクレッシェンド
共同製作:プロダクション尾木=朝日放送
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 堀北真希 平岡祐太
アメリカンビスタ カラー 111分

「自称」超人気美人マジシャンの山田奈緒子は有名マジシャンのアシスタントを務めていたが、瞬間移動マジックでヘマをしてしまい、せっかく手に入れた仕事をクビになった。おかげで滞納しているアパートの家賃が払えなくなり、催促してくる大家の池田ハルを誤魔化すしかなかった。部屋に戻ると何故か上田次郎が勝手に上がり込んで一人で流しそうめんをしていた。彼は日本科学技術大学理工学部の教授で、奈緒子とともにインチキ霊能者のトリックを見破ってきたのだった。そんな上田がこの部屋にやってきたのは、巨万の富を手にすることが出来るかもしれなかったからだ。昨日、富毛村から建設事務所に勤める青沼和彦という青年が大学にやってきた。彼は上田が著した「どんと来い!超常現象」を読んで感銘を受け、10年前に行方不明になった西田美沙子という女性を捜して欲しいと依頼をしにきたのだ。和彦が小学生だった当時、かくれんぼをして遊んでいたときに美沙子は姿を消し、村総出で捜したが見つからなかった。そのときは沼に落ちたに違いないという結論に至ったが、半年前に生きていることがわかったのだ。銚子沖のアトウ海に浮かぶ小さな筺神島の再開発のために入った作業員の一人がそこで出会った若い女性から手紙を渡された。それが美沙子による自筆の手紙だったのだ。筺神島は筐神佐和子という霊能力者と教団「命運共同体 箱のゆーとぴあ」が支配しており、美沙子がそれらによって連れ去られたことが手紙で判明したのだ。「まもなく私は殺されます。どうか、助けてください」。その切実な内容の手紙を読んだ上田は興味を抱いたが、一人では心細いため奈緒子を誘いにきたのだ。面倒なことに巻き込まれたくない彼女は断るつもりでいたが、ハルが執拗に取り立てにくるため仕方なく協力することになった。

ゴムボートで筺神島に上陸した二人だったが、教団の幹部信者たちに拘束され本部の建物へ連れて行かれた。佐和子にお仕えしたいからきたと上田がとっさに嘘をつくと、幹部の佐伯周平は信者の伊佐野銀造を世話係に当てた。銀造はこの島の元からの住民で佐和子の霊能力には懐疑的だった。だが手を触れずに巨大な岩を崖の上に移動させるという力を3年前に目の前で見て以来、彼女の虜になったのだ。そして半年前、島の再開発と称して埠頭を建設しようとした建設業者に対し天罰が下ると佐和子が警告すると、強行に工事を進めようとした作業員は病気や事故で倒れたため皆気味悪がって島から逃げ出したのだ。その出来事は銀造の確信を更に強めることになった。巨岩に案内された奈緒子と上田は草に隠れた地面に妙に滑々した石があることに気づいた。

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徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑

  • posted at:2019-04-27
  • written by:砂月(すなつき)
とくがわおんなけいばつえまきうしざきのけい
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年9月4日 併映「沖縄やくざ戦争」
監督:牧口雄二
企画:本田達男
脚本:志村正浩 大津一郎
撮影:勝木勝夫
照明:井上孝二
録音:伊藤宏一
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:玉木濬夫
助監督:野田和男
記録:黒川京子
装置:稲田源兵衛
装飾:西田忠男
背景:西村和比古
美粧:長友初生
結髪:山崎幹子
スチール:木村武司
衣裳:岩逧保
演技事務:上田義一
擬斗:菅原俊夫
進行主任:伊藤彰将
出演:川谷拓三 橘麻紀 風戸佑介 内村レナ 八木孝子
アメリカンビスタ カラー 80分

寛永五年。長崎奉行所与力佐々木伊織は狩りの帰りに川で汗を流していたところ、左腕をマムシに噛まれた。激しい痛みに耐えられずにしゃがみ込むと、偶然通りかかった野良着姿の娘登世が駆け寄ると口で毒を吸い出した。彼女の迅速な手当てにより伊織は酷く苦しまずに済んだのだった。小作人の家族と慎ましい生活を送る登世に好意を持った彼は度々訪れるようになったが、ある日家の様子がいつも違うことに気づいた。登世の姿を捜していると荒れた家から御用聞きの弥吉が現れ、この家の者は邪宗徒として奉行所に連行したと言った。動揺した伊織が証拠の品を見せよと言うと、弥吉は懐から十字架の首飾りを取り出して見せたのだった。

徳川幕府は封建支配を維持するために犯罪者に対して常に厳刑を以ってあたった。特に禁教令に背く邪宗徒への弾圧は凄惨を極め、その拷問刑罰は残虐なものだった。長崎奉行高坂主膳は拷問を娯楽と考えており、お仕置場で行われる拷問のやり方に飽きれば筆頭与力の黒田掃門に新たな手段を考えてもらうのだ。そして時には欲求に応えるために自ら手を下した。ある夜、伊織を部屋に呼び出した主膳は若いお前にもっと働き甲斐のある役職につけてやると言った。恐縮する伊織に主膳は宿直の役を命ずると言い渡し、その代わりに如何様なことがあってもその場を離れてはならぬと約束させた。間もなく奥の部屋に灯りがともるとそこには手足を縛られた裸の登世が布団の上にいた。自ら命を絶てない邪宗徒の教えを逆手にとって主膳は登世を辱め処女を奪ったのだった。その様子を見せつけられた伊織だったがどうしようもなかった。

翌日、主膳は登世を側女に迎えた祝いを開いた。その余興として彼女の口から仲間の居場所を家臣の前で言わせることにしたのだが、その方法は強引だった。弥吉が連れてきたのは登世の妹みつで、その責めを伊織に命じたのだ。みつを傷つけたくない伊織は知っていることを早く言うよう促したが、我慢ならない主膳は鞭打ちを命じた。だがそれが出来ないことがわかると自ら鞭を握り、続いて弥吉に焼き鏝で目を潰させた。その酷い仕打ちに登世は堪らず秘密を打ち明ける約束をしたのだった。その結果、集会で祈りを捧げていた信者は皆捕まり、翌日処刑されることになった。処刑場で磔にされた信者の男が泣き崩れる登世に天国で待っていると告げると、顔を真っ赤にした主膳は黒田に槍で突くよう命じた。次に登世の両親を磔にして死を見せつけようとしたのだが、登世は主膳から小刀を奪うと斬り掛かりそれが無理だとわかると自害しようとした。すると父親はみつを捜して幸せしてやってくれと言い残して死んだ。登世は死を思い止まりその機会を待つことにした。

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クレイジー・コップ 捜査はせん!

  • posted at:2019-04-23
  • written by:砂月(すなつき)
くれいじーこっぷそうさはせん
タキコーポレーション=ジャックポット
配給:タキコーポレーション
製作年:1995年
公開日:1995年4月15日
監督:片嶋一貴
製作:石川始 滝口雍昭
監修:井筒和幸
プロデューサー:甲斐真樹 杉田薫
アソシエイト・プロデューサー:元木伸一
アシスタント・プロデューサー:斎藤寛朗
脚本:高橋洋
撮影:上野彰吾
照明:矢部一男
録音:臼井勝
美術:細石照美
編集:関一彦
助監督:酒井長生
振付:宇治川理斎
スタイリスト:徳永いづみ 勝俣淳子
ヘア・メイク:下田かおり
特殊効果:梶川信幸 宮田義三
スチール:加藤光男
製作主任:中保眞典
製作進行:岡戸雄司
音楽:小椋悟 飯田裕子
出演:間寛平 小松みゆき 渡辺典子 保井健 筒井真理子
アメリカンビスタ カラー 87分

花村大吉刑事を班長とする三ツ目署の刑事たちは怪しげな組織・猫卍一家を追っていた。だが一家と対決するもののいつも決着がつかないまま逃げられてしまうのだ。その頃、大阪府警では公安部長の久方のぼるが頭を抱えていた。週刊誌に国家機密の漏洩問題をすっぱ抜かれたが、その情報源が誰なのか特定することが出来ないでいたからだ。そこで彼は警視の小塚原に犯人をでっち上げるよう命じた。

三ツ目署は仮事務所だった。それは昨年あった事件の際に花村が庁舎を燃やしたからだった。そんな署に転属してきたのは筈見アンナという若い女性刑事だった。その美貌に花村たちは鼻の下を伸ばし、仕事が終わると帰宅する彼女をつけ回した。それと同じ頃、小塚原は猫卍一家のリーダー・清一郎の妹で外務省極東課に勤める昌代を国家機密漏洩容疑で逮捕しようとした。すると彼女は大声を出して走り出したのだった。逃げる昌代と追う小塚原。そこに現れたのは悲鳴を聞いて駆けつけたアンナだった。ところが辺りが薄暗かったことと二人の着ていた服が似ていたこともあって小塚原はアンナを捕まえたのだ。その様子を見た花村は小塚原をコテンパンに叩きのめしたのだった。

自宅に戻った昌代がスパイに間違えられたことを話すと一家は緊急会議を開いた。その内容から追っているのが花村たちではなく公安であることを確信した。それは例えばゲシュタポ(卍をひっくり返したようなマークをつけた)みたいな恐ろしい連中だった。これが自分たちへの挑戦だと考えた。一方、小塚原は捜査本部を三ツ目署に置き、署員を彼の指揮下に入れた。何故なら彼らは猫卍のことを知り尽くしているからだ。小塚原は全力で捜査を行うよう命じたが、花村は手柄を小塚原に渡すつもりは毛頭なかった。そして必死の捜査とアンナの活躍によりようやく清一郎の逮捕にこぎつけたのだが、小塚原が身柄の引き渡しを要求したのだ。自らの手で取り調べを行いたいという花村の気持ちを知る刑事課長の桃井はそれを断固として拒否した。そこで小塚原は取調室に故郷で採れたというキノコを使った料理を差し入れし、今までのことは水に流して協力し合おうと言った。すると花村たちはそれをあっさりと受け入れ試食した。そのキノコはワライダケで、清一郎はひたすら笑い続ける花村たちはを尻目に取調室を抜け出した。その後、急遽視察にきた久方が取り調べを行うことがわかると、正気に戻った花村は気絶させた小塚原に小細工を施して清一郎に仕立て上げたのだった。

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トリック 劇場版

  • posted at:2019-04-20
  • written by:砂月(すなつき)
とりっくげきじょうばん
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2002年
公開日:2002年11月9日
監督:堤幸彦
製作統括:高井英幸 早河洋
製作:木村純一 風野健治
プロデューサー:桑田潔 島袋憲一郎 蒔田光治 山内章弘
ラインプロデューサー:渡邊範雄
脚本:蒔田光治
撮影:斑目重友
美術:稲垣尚夫
VE:中村寿昌 矢部光宏
照明:池田ゆき子
録音:中村徳幸
編集:伊藤伸行
音楽:辻陽
助監督:木村ひさし
製作担当:朝比奈真一
スクリプター:奥平紋子
音楽プロデューサー:志田博英
B班撮影:池田英孝 橋本尚宏
タイトルバック:薗田賢次
主題歌:「月光」鬼束ちひろ
制作協力:オフィスクレッシェンド 長坂信人
共同製作:朝日新聞社=朝日放送=日刊スポーツ新聞社=日本出版販売
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 山下真司 芳本美代子
アメリカンビスタ カラー 118分

「自称」超実力派マジシャン・山田奈緒子は、かつて天才マジシャンと呼ばれた父・剛三の影響を受けて同じ職業についた。だが父のような大ステージに立つという夢はまだ遠く、今は花やしきのアルバイトでマジックを披露をしている。だが観客が思うように集まらず度々クビになった。ある日、いつものように落ち込んで帰宅していると見知らぬ男女に声を掛けられた。彼らは糸節村からきた青年団々長の神崎明夫と副団長の南川悦子で、奈緒子にある依頼をしにきたのだ。糸節村には古くから呪われた言い伝えがあった。それは300年に一度、村に災いが起こるというものだった。村人たちの行いが正しければ封印された巨大な神が何処からか現れて災いから村を救うのだが、その神を演じて欲しいというのだ。その300年目が目前に迫っており、目に見える形で奇跡を起こし村人を納得させるのに手っ取り早いのがマジックだと考えたのだ。そして奈緒子のステージに観客がいないことで顔を知られている可能性が低いことが決め手となった。ペテン師の真似事をするのは嫌だったが、報酬として差し出された封筒の中身を見て引き受けることに決めた。奈緒子はアパートの家賃を滞納するほど困窮しており、更にそのアパートがマンションに建て替えられることになり立ち退きを余儀なくされているのだ。

その夜、帰宅すると室内に奇妙な石像が置かれており、壁には「糸節村に行ってはならぬ 亀にお前は殺される」と筆で書かれた幕が貼られていた。そのタイミングで電話の着信音が鳴り恐る恐る受話器を取ると、相手が日本科学技術大学理工学部教授の上田次郎だったことで安心した。彼とは宗教団体・母之泉との対決以来の腐れ縁で、度々同行しては事件のトリックを暴いたのだった。料亭で同窓生たちと飲み会を開いていた上田は余興として彼女を呼ぶことにし、奈緒子も政財界を動かすようなエリートが揃うその集まりで自分を売り込むもうと考えて出席した。ところが財務省の官僚・本郷三四郎や国土交通省の官僚・駒場一路やが見たかったのは大掛かりなイリュージョンで、警察庁官僚・安田安夫からどういう関係だと問われた上田は知り合いの知り合いのそのまた知り合いから無理矢理紹介されたとしらばくれたのだ。バカにされて頭にきた奈緒子は早々に立ち去るとこらえ切れずに涙を流した。一方、大学の研究室を辞めて埋蔵金を見つけたという同窓生の臼井猛は料亭のトイレで殺害され、傍らには「トイレツマル」というダイイングメッセージが残されていた。臼井が遺体になっていることを知った4人のうち、安田はそれが埋蔵金の在り処を示すメッセージではないかと考えた。埋蔵金は何処かのトイレに詰まっており、全国の水洗でないトイレを調べれば在り処を突き止めることが出来る。そう結論づけると駒場は国土交通省の全国トイレ水洗化計画の名目で調査を行うと言った。すると安田は警察庁として余っている捜査員を総動員すると言った。金はどうするんだと上田が疑問を口にすると、景気対策として予算を組むから俺たちに財務省に任せてくれと本郷が胸を叩いた。

神崎たちとともに糸節村に向かった奈緒子は、車中で注意を受けた。それは村人から絶対に顔を見られてはならないことだった。糸節村青年団本部となっている神崎の自宅に連れてこられた奈緒子は、テーブルの上にロベール・ウーダンの本があることに気づいた。19世紀の半ば、フランス人の奇術師ウーダンはフランス領アルジェリアに渡り呪術師と戦った。その話に着想を得て神崎は今回の計画を立てたのだ。村長の長曾我部為吉にバレやしないかと神崎が心配していると、奈緒子は私もプロですからと意地になって言い返した。その夜、まぐわい相撲大会が行われた後に神として登場した彼女はマジックを披露し災いは取り除いたと宣言したが、村長はあんたで4人目だと言った。神を名乗った人物は既に3人いるのだ。隔離された奈緒子は翌日、神001番と対決することになり、もし神でないことがわかればそれは死を意味した。窓を叩く音がしたため開けてみると、そこには上田がいた。彼は著書「どんと来い!超常現象」のパート3の取材を行うためにこの村へやってきたのだが、神を演じる奈緒子の姿を見たため声を掛けたのだ。もうすぐ巨万の富が手に入ると自慢して上田が臼井の殺害現場の写真を見せると、奈緒子は「トイレツマル」の謎をあっさりと解いたのだった。

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