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高校教師 成熟

  • posted at:2017-11-30
  • written by:砂月(すなつき)
こうこうきょうしせいじゅく
日活
配給:にっかつ
製作年:1985年
公開日:1985年1月15日 併映「団鬼六 緊縛卍責め」「巨大バスト99 Dカップの女」
監督:西村昭五郎
プロデューサー:川崎善広
企画:植木実
脚本:斎藤博
撮影:山崎善弘
美術:金田克美
録音:福島信雅
照明:内田勝成
編集:鈴木晄
選曲:山川繁
助監督:北村武司
色彩計測:佐藤徹
現像:東映化学
製作担当:秋田一郎
出演:赤坂麗 渡辺良子 久我冴子 北見敏之 中田譲治
アメリカンビスタ カラー 73分

東陽学園高校という私立の男子校の国語教師・石間佳代子は生徒たちから常に好奇の目で見られている。ギラギラする彼らの眼差しはまるで仔羊を囲む狼の群れのようだった。校内に染み込む男たちの臭いは反発する佳代子の意思に逆らって体を熱くしていたため、教員室に逃げ込むように入った。そのやり場のない気持ちを調べ物をしていた同僚の正岡悟にぶつけたが、彼は相手にしなかった。その態度に怒った佳代子が帰り支度をしていると悟はうちへ来いよと誘った。佳代子は悟に婚約者らしき人がいることを知っていたが、それを否定したため私と同じねと吐き捨てるように言った。校舎の玄関で靴を履こうとすると誰かの悪戯で中に精液が入れられていた。不快な気分に陥った彼女は真っ直ぐ家へ戻ると風呂場で足を洗ったが、今度は嫌がらせの電話が掛かってきた。いい加減にしなさいと怒鳴って電話を切ると、風呂場のストッキングと玄関の靴をゴミ袋に押し込んで処分することにした。すると再び電話が掛かってきたことでそれを無視した。電話の主は佳代子のことを心配した悟だった。だが何度掛けても繋がらなかったため諦めて麻倉由美の方に掛けた。ところが由美は悟が結婚の意思を明確にしないことで精神的に参っていた。来いよと言われてもどうしていいかわからなくなっていた。

その夜、悟のアパートを訪れた佳代子は抱いて欲しいと言った。悟は彼女がストッキングを穿いていないことを訝しみ強姦されたのかと尋ねた。佳代子は悪戯されたことを告白したがそれ以上のことを明かさずに体を預けた。すると玄関のチャイムが鳴り悟はドアの前に立っていた由美を中に入れた。由美はベッドに座っている佳代子を見てわなわなと震え、付き合っている人がいるならちゃんと言ってくれればよかったのにと声を絞り出すように言った。だが悟は我関せずといった態度で冷蔵庫から取り出した缶ビールをグイッと呷った。結婚願望の強い由美と束縛されたくない悟との会話は平行線をたどり、由美は泣きながら部屋を出て行った。あなたが追いかけてくるのを待っているのよと佳代子から言われ彼女が自殺をするかもしれないと悟は考えた。だが逆上して戻ってこられてはたまらないと玄関の鍵を掛けた。

悟や生徒たちの顔をしばらく見たくなくなった佳代子は休暇を取り、大学時代の同級生の米田しず子を訪ねた。彼女は佳代子の恋人だった邦雄と結婚しており、今は親譲りの旅館を切り盛りしている。隠居状態の邦雄はかつて中学の教師をしていたが、校内暴力に悩み生徒を刺した。事件が裁判にまで発展すると彼はそれを殺意だったことを証言したのだった。生徒を善導するのが教師の仕事だと思っているなら大間違いだと邦雄から言われた佳代子は少しばかり気が楽になった。

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コント55号とミーコの絶体絶命

  • posted at:2017-11-27
  • written by:砂月(すなつき)
こんとごじゅうごごうとみーこのぜったいぜつめい
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年8月7日 併映「ツンツン節だよ 全員集合!!」 
監督:野村芳太郎
製作:杉崎重美 浅井良二
脚本:野村芳太郎 山根成之 大西信行
撮影:川又昻
美術:重田重盛
音楽:中村八大
録音:栗田周十郎
調音:松本隆司
照明:三浦礼
編集:浜村義康
監督助手:山根成之
装置:中村良三
装飾:印南昇
衣裳:東京衣裳
現像:東洋現像所
進行:宗本弘美
製作主任:吉岡博史
挿入歌:「地球の裏側」由美かおる
・・・:「タバコの火を消して」由美かおる
・・・:「風に吹かれて」由美かおる
・・・:「天使になれない」和田アキ子
出演:萩本欽一 坂上二郎 由美かおる 和田アキ子 財津一郎
アメリカンビスタ カラー 88分

湘南市役所内にある「なんでもやる課」は、市民のためなら夫婦ゲンカの仲裁だってやる何でも屋である。市長や県会議員の人気取りのために始まったこの課に勤務するのは坂本次郎と弟の金作で、毎日残業が続くことで金作が不平を漏らすと次郎が戒めた。育ちのせいで次郎は誰もが認める極度のケチとなり、休みよりも残業手当がもらえることをありがたく感じていた。終業後の誘いを断り続け、仕事仲間が金を借りに来ると利子を取った。持ち家は自分で建てたことで建築費いらず。日曜日の朝飯は夕べの干物の骨をダシにした茶漬け。ご飯に味が染みた頃に取り上げた骨を干して焼いて粉にしてふりかけにするという徹底ぶりだった。そんな生活に嫌気が差した金作は休みになると繁華街で憂さを晴らした。ある日、ガールハントで射止めた娘とのボウリングデートに成功した金作はゴーゴーバーでひとしきり踊った。二人はイタチちゃん、トンボちゃんと呼び合う仲になったが、それ以上には発展しなかった。

数日後、終業時間を過ぎても戻ってこない金作を次郎は今か今かと待っていた。するとようやく姿を現しうるさい女将さんから捕まえられたと彼は言い訳をした。どう見ても何処かで油を売っていたとしか思えなかったが、今はそれどころではなかった。何故なら亀山助役と沼田課長が重役室で待っているからだ。重役室に呼ばれるということは何かとんでもないことを仕出かしたに違いない。そう考えた次郎は部屋に入った途端に誠心誠意謝るんだぞと金作にアドバイスした。ところがそうではなかった。大河内県会議員の妾の娘が金作と結婚を前提とした交際をしたいと亀山に連絡があったのだ。その娘というのがトンボちゃんこと田所桃代で、あの日の印象がとてもよかったというのだ。突然の出来事に戸惑う金作と今にでも承諾させようとする次郎。二人の橋渡しの役目を請け負った亀山と沼田は大河内との関係を良好にするために金作を係長に抜擢することにしたのだが、この決定にショックを受けたのは次郎だった。結婚も出世も先を越されてしまった。

沼田が両家の顔合わせを仕切ることになり、次郎は金作の生い立ちを話して涙を誘ったが、桃子はそんなことはどうでもよかった。早く二人きりなりたかった彼女は買い物に行くと言って金作を連れ出しドライブに出かけたのだった。給油のためにガソリンスタンドに停車すると、金作はそこで働く女性が気になった。何処かで見たことがあるような。そう、ゴーゴーバーで歌を歌っていたのだ。そのことを桃子に話すと、彼女は猛烈にやきもちを焼いた。

屋台的映画館

濡れ髪喧嘩旅

  • posted at:2017-11-23
  • written by:砂月(すなつき)
ぬれがみけんかたび
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1960年
公開日:1960年2月17日
監督:森一生
製作:三浦信夫
企画:八尋大和
脚本:八尋不二
撮影:本多省三
録音:林土太郎
照明:古谷賢次
美術:太田誠一
音楽:小川寛興
色彩技術:白波瀬直治
編集:谷口孝司
装置:三輪良樹
擬斗:宮内昌平
邦楽:中本敏生
助監督:井上昭
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 川崎敬三 浦路洋子 三田登喜子 仁木多鶴子
シネマスコープ カラー 98分

幕府の財政を預かる勘定所。その頭は勘定奉行で、寺社奉行、町奉行とともに江戸の三奉行と呼ばれている。北町奉行はかの有名な遠山金四郎だが、勘定奉行配下には遠山金八郎という似ても似つかぬ男がいた。ある日、勘定奉行から呼び出され何か良からぬことをしたのではないかとビクビクしながら顔を出すと美濃太田の査察を命じられた。太田の金山は規模こそ小さいが質の良さでは佐渡を凌ぐほどだった。ところが近来、産出量が減少しており、代官黒崎主膳に疑わしい点があることで身辺を探ることになったのだ。そんな重大な任務に何故自分が選ばれたのかが金八郎には不思議でならなかった。そこでそのことを尋ねると、切れ者ならば相手に知られているからだという。評価はお前の働き次第だと言われたが、勝ち目のない勝負の先にはクビが待っていることから彼の士気は上がらなかった。仲間たちからの気休めの励ましを受けて江戸を発った金八郎は一生の思い出に七日間の大名旅行と洒落込むことにした。ところが最初に泊まった旅篭の食事はメザシ。女中に文句を言っても定食ならこんなものなのだとか。金は出すからうまいものと酒を持ってこいと言って寝転がると窓の向こうの美女に釘付けになった。身振り手振りで了解を得てお酌してもらうことになったが、彼女は美人局の一味だった。無頼漢に取り囲まれた金八郎は刀を取り上げられて袋叩きに遭い隣の部屋に逃げ込むと、おさらば伝次というやくざ風の男がいたことで手を貸して欲しいと泣きついた。するとタダは嫌だよと伝次は言った。背に腹は代えられない金八郎がいくらだと尋ねると「六人だから六両だな」。高いが仕方がない。前金で六両を渡すと伝次は小判の真贋を確かめ袋に納めた途端、無頼漢をあっという間に撃退したのだった。

翌日、無頼漢の撃退料が高過ぎることに納得が行かない金八郎は、旅篭を後にした伝次を追い掛け半分返せと言った。だが一度懐に入れたものは出さない主義の彼は聞く耳を持たなかった。太田へ行って帰ってくるには旅費を切り詰めなくてはならないと金八郎が嘆いていると、伝次は懐の金では返さない代わりに面白い目を見てたんまり儲かるところへ連れて行ってやると言った。黙ってついてこいと言われてやってきたのは土地の鉄火場だった。要領のわからない金八郎は伝次の見よう見まねで勝ち続け、気持ちが大きくなると流れのお艶とのサシの勝負に乗った。危険を感じた伝次は止めろと忠告したが、熱くなった金八郎は有り金全てをつぎ込み結局身包みをはがされたのだった。そんな彼を哀れに思った伝次は荷物持ちとして雇い行く先が同じ太田まで旅することにしたのだが、親分の仇と付け狙う赤鬼一家の四天王とバッタリ出会ったのだ。伝次はそれを簡単に蹴散らし、調子に乗った金八郎は金四郎の甥と名乗った。その様子を見ていた平塚の藤兵衛親分は喧嘩の助っ人として各々に五両を用意し、不安がる金八郎を無視して伝次はそれを引き受けたのだった。

屋台的映画館

893愚連隊

  • posted at:2017-11-20
  • written by:砂月(すなつき)
やくざぐれんたい
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年5月15日 併映「遊侠三代」 
監督:中島貞夫
企画:天尾完次 日下部五朗
脚本:中島貞夫
撮影:赤塚滋
照明:金子凱美
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
音楽:広瀬健次郎
編集:神田忠男
助監督:藤原敏之
記録:梅津泰子
装置:稲田源兵衛
装飾:山田久司
美粧:鳥居清一
結髪:橋本明子
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
進行主任:杉本直幸
出演:松方弘樹 高松英郎 三島ゆり子 稲野和子 ケン・サンダース
シネマスコープ モノクロ 88分

組織に縛られることを嫌い小悪事のシノギで生きる愚連隊。メンバーの谷口ジロー、参謀、オケラは京都駅で白タクの客引きをして小銭を稼いでいたが、警察にマークされたことでタクシーに乗って逃げた。目的地の河原町に着くと運転手にお釣りがないことを承知で偽の一万円札を見せ、両替をすると言って車から離れると一目散に逃げ出した。馴染みの喫茶店で出所したばかりの杉山に偶然会ったジローは世話をしたいと申し出たが、一緒にいた本村から余計なことをするなと怒鳴られた。二人が店を出て行ったことで参謀とオケラが説明を求めると、ジローは杉山と喫茶店のマスターが愚連隊の創立者で、その杉山は14、5年前に人を殺して刑務所に収監されたと話した。公園の高台で杉山が黒川のことを尋ねると、今は博奕打ちとなり王城会の顔として活動していると本村は言った。三人は出世兄弟の杯を交わした仲だったが、本村はカタギになっていた。次の仕事が見つかるまで家でのんびりするようにと言ったものの彼には気掛かりなことがあった。それは杉山が収監されている間に由美と結婚したことだった。由美は杉山のかつての情婦だったのだ。本村は玄関に立つとさりげなくそのことを告げた。親子水入らずの暮らしをする由美の腕からは杉山の名を彫った刺青が消されており、時の変化にショックを受けた杉山は家を出て行った。

愚連隊が次のシノギとして目をつけたのはゴーゴー喫茶だった。そこで踊る浪人生の大隅幸一をスカウトしたジローは、愚連隊には博奕打ちのような親分がいないし儲けた金は自分たちで均等に分けて自由に使えると説明した。大学受験に嫌気が差していたこととジローの言う民主主義に心惹かれた幸一は仲間に入ることに決めた。その夜、仲間のケンが運転する白タクを無賃乗車した杉山も加わり愚連隊の人数は一気ににぎやかになった。翌日、宗教団体生長の道の信者と称して東山病院に忍び込んだ参謀は掃除をさせて欲しいと病室に入り、患者が西川織物社長とわかると世間話をして心を掴んだ。そこへ借金の取り立てにきた金貸し屋の話で会社が倒産したことを知ると参謀は大きなシノギになると睨みジローを呼んだ。早速病室にやってきたジローは西川に計画を説明した。まず西川がジロー宛に日付が古い借用書を書き、それを持って債権者会議に出席する。そうすればその分の担保を抑えることが出来るのだ。うまく行けば儲け物と考え話に乗った西川は3割の報酬を約束した。翌日、西川の屋敷で行われた債権者会議に出席したジローは300万円の借用書を見せて金貸し屋を丸め込もうとしたのだが、彼のバックには王城会がついていたのだ。黒川から俺の顔を立てて引き上げてくれないかと言われ仕方なく撤退することにしたジローだったが、頭の中では次のことを考えていた。

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エデンの海(1976年)

  • posted at:2017-11-17
  • written by:砂月(すなつき)
えでんのうみ
東宝=ホリ企画制作
配給:東宝
製作年:1976年
公開日:1976年4月24日 併映「あいつと私」
監督:西河克己
製作:堀威夫 笹井英男
原作:若杉慧
脚本:馬場当
製作者補:金沢博
撮影:萩原憲治
美術:佐谷晃能
録音:福島信雅
照明:川島晴雄
編集:鈴木晄
音楽:伊部晴美
助監督:中川好久
色彩計測:森島章雄
スチール:中山章
現像:東洋現像所
製作担当:斉藤正勝
出演:山口百恵 南條豊 紀比呂子 和田浩治 岸田森
アメリカンビスタ カラー 85分

瀬戸内海に臨む波崎女子高校に東京から新任の教師がやってきた。彼は南条というほんの少し前まで大学生だった青年で、就職すると大好きな山と別れなければならない思いから最後に登山を決行した。ところがアクシデントに見舞われたことで朝礼に遅れてしまい、初出勤は友人のヘリコプターによる送迎となった。挨拶で南条は人騒がせして申し訳ないと詫びると、自己紹介を始めた。大学時代の成績はお粗末だったことから東京で恰好な就職口が見つからず都落ちしてきたと軽口をたたき、続いて一番の苦手はヤモリで二番目が女学生だと言った。これは彼の計算で、生徒たちから憎まれ口をたたく先生だと思われた方がこれ以上株が下がることもなく気が楽になるからだ。だが他の教員の話で今度受け持つ2年3組が一筋縄ではいかないクラスであることを知ると少し不安になった。特に清水巴という生徒の扱いに手を焼いているというのだ。

翌朝、南条が外の水道で歯を磨いていると、五郎という新聞配達の少年が訪ねてきた。隣の男子校に通う彼は巴にゾッコンで、南条が2年3組の担任になることを知っていたことで勝手にライバル視していたのだ。だが巴のことについて何も知らない南条は五郎から情報を得ることにした。彼女は祖母と二人暮らしで、母親は父親と死に別れた後アメリカ人と一緒になってサンフランシスコに渡ったのだという。二人が話していると五郎の同級生二人がやってきてマイクを向けた。彼らは県の高校連盟新聞に新しく赴任してきた先生の記事と写真を載せるのだと言って写真を撮り始めた。だが彼らの本当の目的は別のところにあったのだ。その日、教壇に立った南条は出席を取りながら生徒たちの名前と顔を一致させようと試みたが、巴の名前を何度呼んでも答えがないことで初めて教室にいないことに気づいた。すると彼女は遅れてやってきたにも拘らず何事もなかったように着席したのだった。南条は呆気に取られたが、顔を覚えることに必死でそれどころではなかった。そして休み時間に教室を移動していると階段で巴とぶつかった。彼女が落とした本を拾い上げるとそれは「チャタレー夫人の恋人」だったことで虚を突かれた。動揺した南条が本の内容がわかるのかと尋ねると、わからないところもあるが背伸びしなければ人間は進歩はしないと巴は答えた。それを聞いてうろたえた南条は無理をしないと言うにとどめた。

下校時間になると門の方で騒がしい声が聞こえていた。そこでは五郎たちが朝方撮った南条の写真を女生徒たちに一枚200円で売りつけようとしていたのだ。自転車で帰宅する巴を見つけた五郎は一枚あげようかと呼び止めたが、興味がないと冷たくあしらわれたことでこんな写真を買うヤツなんてどうかしてるよなと言った。だが売るヤツの方がずっとどうかしてるわと巴に言われたことでショックを受けた。

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