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真夜中の招待状

  • posted at:2015-10-08
  • written by:砂月(すなつき)
まよなかのしょうたいじょう
松竹
配給:松竹
製作年:1981年
公開日:1981年9月26日
監督:野村芳太郎
製作:野村芳太郎 野村芳樹
原作:遠藤周作
脚本:野上龍雄
撮影:勝又昻
音楽:菅野光亮
美術:森田郷平
録音:山本忠彦
調音:松本隆司
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
スチール:赤井溥旦
監督助手:山田良美
製作主任:福山正幸
装置:川添善治
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:小松護
スタイリスト:金子初美
ヘヤーメーク:フロム・ニューヨーク
スタントマン:ジャパンアクションクラブ
出演:小林麻美 小林薫 高橋悦史 米倉斉加年 宮下順子
アメリカンビスタ カラー 125分

精神科医・会沢吉男を一人の女性が訪ねた。彼女は稲川圭子といい、フィアンセ・田村樹生のことで相談があるというのだ。気になった会沢はじっくりと話を聞いてみることにした。ひと月前のこと、樹生は水戸に住む次兄・和生から沼津の三兄・捷平が蒸発したという話を電話で知り真っ青になった。翌日、和生の行きつけのバーで圭子と樹生が待っていると、沼津で詳細を聞いた和生が現れた。真夜中にふらりと出て行ったことに隣で寝ていた妻も気づかなかったのだという。気の弱い捷平が人から恨みを買うとは思えず、新婚ということで女性関係は考えられないと和生がいうと、兄さんは大丈夫だろうなと樹生が心配した。熊本に住んでいた長兄・順吉も七年前に同じように姿を消したのだ。和生は、俺が万が一蒸発するようなことがあったら、残された者が心配しないように事情を知らせてやると約束した。そして圭子に、二人の婚約を祝福していることを前置きして、今回の件は単なる偶然で兄弟の中におかしな血が流れているなどと考えないで欲しいとお願いした。だが仲のいい和生でさえも樹生に何も知らせずに蒸発したのだ。それ以来、次は自分の番だと思い込んだ彼はノイローゼになり、部屋に鍵をかけて閉じこもるようになった。神経科の病気に罹った者が家系にいないことを圭子に確認した会沢は、本人に納得させることを条件に診察することにした。

樹生に診察を承知させた圭子は会沢と再び会った。彼女が用意してきた紙には簡単な家系図が書いてあり、それを受け取った会沢は眉をひそめた。原田姓の中で樹生だけ苗字が違うことを尋ねると、圭子は子供がいない伯母のもとへ養子に行ったことを説明した。稲川邸で診察を行うことになった会沢は、薄暗い部屋で樹生から話を聞き出すことにした。彼は小学校三年生のときに熊本の実家から養子として東京の田村家にやってきた。それから間もなく父親が亡くなり、既に母親が亡くなっていたこともあって熊本へ帰ることはなかった。兄弟との交際について尋ねると、疎遠になっていた順吉と捷平とは違い、東京の大学に進学したことで頻繁に会うことになった和生だけが肉親だと感じるようになったと答えた。その信頼していた兄が蒸発したことで強いショックを受けていたのだ。ある真夜中、電話のベルが鳴り、目覚めるとすぐに止んだ。何度かあったが、それが現実か幻聴かわからなかった。不安神経症だと診断した会沢は、三人が蒸発した原因を突き止めてあなたの精神的不安を取り除くために、枕元にメモを置いて夜中に見た夢や心に浮かんだ全てを書き留めてくださいとお願いした。ダーン博士の学説によれば、人間は近い将来に起こることを夢で予見する本能があるというのだ。それを聞いた樹生は和生から失踪前にもらった手紙のことを思い出し、会沢に読み聞かせた。そこには夢のことが書かれていた。

屋台的映画館
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男組 少年刑務所

  • posted at:2015-10-02
  • written by:砂月(すなつき)
おとこぐみしょうねんけいむしょ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年9月15日 併映「爆発!750cc族」「太陽の恋人 アグネス・ラム」
監督:岡本明久
企画:安斉昭夫
原作:雁屋哲 池上遼一
脚本:中島信昭 雁屋哲
撮影:中島芳男
録音:内田陽造
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:森光正
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:松本可則
装置:安沢重治
装飾:田島俊英
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌「夜明けのバラード」塩見大治郎
出演:舘ひろし 神有介 竹井みどり 大関優子 村山一海
アメリカンビスタ カラー 84分

政財界の実力者・荘一郎を父に持つ神竜剛次は、バックにある「力」を味方にして野望を実現化しようとしていた。彼は都内にある生徒が集まらない進学校に「神竜組」とともに転入すると、教師を敵に回して生徒たちの英雄となった。こうして三校を牛耳った神竜の次の標的は星雲学園高校だった。それを問題視した校長の白井隆二は関東少年刑務所に収監されている流全次郎を入学させ、対峙させることにしたのだ。白井にとって二人がどうなろうと関係なかった。流は決闘を行い、彼の蹴りが神竜の腹に決まったことで勝負はついた。だが彼の左胸を神竜の日本刀が貫いていたのだ。流は日本刀を引き抜くと倒れた神竜の顔のそばに突き立て「お前の野望もこれまでだ!」と叫んだのだった。

少年刑務所の医務室で養生していた流は、窓から逃げ出そうとする矢崎浩次に声を掛けた。矢崎はどうせ明日までの命なら、チンピラだった自分を男にしてくれた関東番長連合の総長・堀田英盛に一目会いたいというのだ。彼の気持ちを汲んだ流は脱走に手を貸した。その様子を医務室のベッドから見ていたのは神竜組の大田原源蔵だった。流との男の勝負を選んだことで神竜から犬呼ばわりされた大田原は神竜組に裏切られて重傷を負ったところを、流を兄貴と慕う「五家宝連」に助けられたのだ。彼の心の深さに感動した大田原は協力を申し出たのだった。

英明高校とのアメリカンフットボールの試合が星雲学園のグラウンドで行われることになり、流は傷が癒えぬまま出場する決断をした。だがそれは彼を潰すために仕組んだ神竜の罠だった。英明高校の主将・大村明は、英明攻略のために派遣された神竜組の幹部だった。しかも試合は反則無視で行われていたのだ。大田原の助言で流の命が危ないことを知った五家宝連(伊庭彦造、高柳秀次郎、岩瀬大介、長浜昇一、大杉五郎)は秘密の通路か抜け出して加勢に向かった。0-18という劣勢の試合の中、流はチームメイトに最後まで諦めずに戦うことを命じた。そこへ駆けつけた伊庭たちは、この試合が仕組まれたもので徹底的に選手を痛めつけることで恐怖感を煽ろうという企みであることを告げると流は納得した。血気に逸って試合に出ようとする五家宝連を押し止めた彼は、自分たちで正々堂々と戦い抜くことを宣言した。そしてついに待望のタッチダウンを決め、選手たちを祝福する生徒や教師に激怒した神竜組がグラウンドになだれ込んだそのとき、そこへ現れたのは矢崎の骨箱を抱えた堀田と十二衆だった。敗北を認めた神竜組がグラウンドから去ると堀田は流に声を掛け、神竜との戦いに関東番長連合が総力を挙げて応援することを約束した。

屋台的映画館

ゴジラ(1954年)

  • posted at:2015-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
ごじら
東宝
配給:東宝
製作年:1954年
公開日:1954年11月3日
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
原作:香山滋
脚本:村田武雄 本多猪四郎
撮影:玉井正夫
美術監督:北猛夫
美術:中古智
録音:下永尚
照明:石井長四郎
音楽:伊福部昭
特殊技術:円谷英二 向山宏 渡辺明 岸田九一郎
監督助手:梶田興治
編集:平泰陳
音響効果:三縄一郎
現像:東宝現像所
製作担当者:眞木照夫
出演:宝田明 河内桃子 平田昭彦 志村喬 村上冬樹
スタンダード モノクロ 97分

8月13日19時5分、北緯24度東経140度2分付近で南海汽船所属貨物船「栄光丸」(7500トン)が原因不明の遭難をした。付近にいた貨物船「備後丸」が救助に向かったが、同様に沈没した。大戸島の漁船に3人の乗組員が救助され、そのうちの一人は「海が爆発した」と漁師に語った。だが海上保安庁にはその漁船も同じ運命を辿ったという連絡が入った。浮流機雷や海底火山脈の噴出が疑われる中、大戸島では漁師が仕掛けた地引網に一匹も魚がかからなかった。この一連の現象を島の長老は伝説の「呉爾羅」の仕業に違いないと考えていた。ヘリコプターで島へ飛んだ毎朝新聞の記者・萩原は島民に取材を行ったが、巨大な生物が海の中を暴れまわっているという俄かに信じがたい話を聞き、長老に取材することにした。その夜、海の物を食べつくすと陸へ上がって家畜や人間まで襲うという「呉爾羅」の厄払いのために神楽が執り行われた。かつては長くしけが続くときには若い娘を生贄にして沖に流したという。そのときの神楽だけが現在まで残っているのだと長老は語った。夜が深くなるにつれて風雨が強くなり、破壊家屋17棟、死者9名、牛12頭、豚8頭の被害を受けた。

国会議事堂では政府公聴会が行われ、大戸島災害陳情団による報告が行われた。稲田村長や生き残った島民が意見を述べる中、陳情団の一人として参加した萩原は、家の壊れ方やヘリコプターの潰され方など上から押し潰されたとしか考えられない壊れ方をしていることから単なる台風の被害ではないと答えた。政府は急遽、古生物学者の山根恭平博士を責任者とする調査団を結成し現地へ送った。メンバーには山根の助手を務める娘の恵美子、その恋人で南海サルベージの所長・尾形秀人、他に物理学者の田辺博士や萩原も参加した。調査を行った結果、島中にある井戸のうち壊滅した村の水からしか放射能の反応がなかった。そして生物の足跡とみられる場所からおびただしい反応があり、200万年前に絶滅したと言われる甲殻類トリロバイト(三葉虫)を見つけた。その頃、八幡山の裏手から足音が響き、調査団が向かうと巨大な生物が頭をもたげ咆哮した。

東京で公聴会を行った山根は、ジュラ紀から白亜紀にかけて極めてまれに生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物が海底の洞窟で今日まで生き長らえていたが、度重なる水爆実験で生活環境を破壊されたことで安住の地を追い出されたのではないかと見解を述べた。それを聞いた議員たちは嘲笑したが、トリロバイトの殻に付着した粘土に含まれていた水爆の残留放射能であるストロンチウム90が巨大生物に付着していた砂からも発見されたことを報告すると場内は騒然となった。生物が水爆実験の落とし子だという重大問題を与党議員は軽々しく公表すべきでないと主張したが、野党議員は重大だからこそ公表すべきだと反論した。

屋台的映画館

ミスター・ミセス・ミス・ロンリー

  • posted at:2015-09-22
  • written by:砂月(すなつき)
みさたーみせすみすろんりー
市山パースル=日本A・T・G
配給:ATG
製作年:1980年
公開日:1980年12月20日
監督:神代辰巳
プロデューサー:市山辰己 原田美枝子 佐々木史朗
企画:多賀祥介
原案:刹那
脚本:神代辰巳 刹那
音楽:千野秀一
演奏:ダウンタウン・ファイティング・ブギウギバンド ナショナルズ
撮影:押切隆世
照明:秦野和人
美術:大谷和正
録音:米山靖
編集:山地早智子
助監督:高橋安信
製作主任:熊田雅彦
製作担当:大堀誠
演出助手:渡辺寿 秦衛
撮影助手 芦澤明子 前田亮 星野和弘
照明助手:小谷朗 小野和幸 松浦正志
美術助手:藤田徹
小道具:大関進
録音助手:中村淳 沢畑明
ネガ編集:南とめ
編集助手:大坪隆介 吉田博
記録:津田のり子
進行:福永知幸
衣裳:京都衣裳 田内道世
メーク:おかもと技粧 住吉久良蔵
装飾:高津映画装飾
スチール:渡辺昌二
撮影機材:フカザワ
照明機材:三和照明
車輌:富士映画K・K 関東照明
録音所:櫂の会
現像:東洋現像所
オリジナルサウンドトラック盤:「ミスター・ミセス・ミス・ロンリー」ポリドールレコード
協力:大関酒造株式会社 日本マランツ株式会社 TAC株式会社 シドニーローム・薔薇の館
出演:原田美枝子 原田芳雄 天本英世 荒井智子 井川晃一
アメリカンビスタ カラー 138分

小説「三角陥斊」に登場する主人公・千里に共感し同じ生き方をしてみようと考えた若い女は、千里と名乗りエピソードに沿って手錠を電柱に繋いだ。そんな彼女を拾ったのは、たまたま車で通りかかったバーのマスターの半崎市雄だった。市雄は彼女を途中で降ろすつもりでいたが、家にまでついてきたのでなぜあのような目に遭ったのかと尋ねた。すると千里はわからないと答え、する側には正当な理由があっても、される側は死ぬほどつらいと言った。市雄は夜が明けたら追い出そうと考えていたが、千里はいつまでも居続けた。大声や手の動きに対して極度に怯える千里と、人懐っこい彼女を拒み続ける市雄。ある夜、市雄は酒の勢いで自分のことを勝手にしゃべり始めた。赤坂や銀座で毎晩100万使うバーの常連客から5万円のチップをもらったこと、その男から金をもらうと外国へ逃げたくなること、逃げたくても国籍がないためパスポートを作れないこと、混血児である自分が3歳のときに捨てられ、孤児院に入れられたが数年後に逃げ出したこと、そして誰も追いかけてこなかったこと。

大手商社の三信商事と共同でカズノコの買い占めを行った北川商産が経営の悪化で倒産した。北川商産は三信商事のダミー会社と噂されているのだ。負債総額は500億円といわれ、社長の北川は個人口座に振り込んだ会社の資金15億円を引き出すと姿を消した。この事件に関心を寄せていたのは三崎栄介だった。栄介は資産家の下村竜一郎に近づき、北川が海外へ逃亡しアムステルダムからピレネー山麓のアンドルーに無事についたという話を聞いたと話した。だが下村は暴走族まがいの連中を使って現金を横取りし、その交換条件として逃亡を手助けしたという話を信じようとしなかった。すると栄介は、北川とは中学時代の同級生だったことで話し合いはスムーズに行ったと答えた。自分の会社を倒産させた三信商事を恨んでいることもあり、二人の間柄は楽観的なものではないと説明した。そして北川との信頼関係はあなたとの関係と同じだというと、プロはそんな精神的な遊びはしないと席を立った。後日、再び接触した下村に違法ギリギリの行為で資産を増やしていることを栄介が指摘すると、彼は「私に3億円任せますか?」と言った。1週間後に北川商産の債権者会議があり、告訴となれば破産管財人が当たることから、債権者の顔見知りにその3億円で告訴しないように持って行けるかもしれないというのだ。それとは別に親会社の三信商事に破産責任の告訴をし裁判が長期化する間に残りの資金を動かして増やせばいいと下村が提案すると、栄介は身を乗り出した。

下村と別れた栄介はタクシーを停めようとするが、どのタクシーも空車のランプが点いているものの素通りして行った。頭に来た栄介が石を投げると見事にヒットし引き返してきたことから慌てて逃げ出した。交差点に飛び出した彼は市雄が運転する車にはねられた。

屋台的映画館

宇宙大戦争

  • posted at:2015-09-19
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうだいせんそう
東宝
配給:東宝
製作年:1959年
公開日:1959年12月26日 併映「サザエさんの脱線奥様」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
原作:丘見丈二郎
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:安倍輝明
照明:石川緑郎
録音:三上長七郎 宮崎正信
音楽:伊福部昭
監督助手:梶田興治
編集:平一二
現像:東洋現像所
製作担当者:坂本泰明
特殊技術・光学撮影:荒木秀三郎
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・作画合成:向山宏
特技監督:円谷英二
出演:池部良 安西郷子 高田稔 千田是也 レン・スタンフォード
シネマスコープ カラー 93分

1965年、三機の円盤による襲撃で宇宙ステーションJSS3が壊滅すると、世界各地で奇妙な現象が立て続けに発生した。日本では東海道線の鉄橋が持ち上がったことが原因で特急列車が脱線事故を起こし、パナマ運河では航行中のアメリカの貨物船・ブルークイーン号が突然空中に浮かび上がりミラフローレス閘門付近の小山に激突するという不可解な事故が起きた。そしてベニスは突如猛烈な気温低下に襲われ河川の水がことごとく凍ると、今度は竜巻のように逆流して大空に舞い上がったのだった。この連続した怪事件を追及するため、世界中の科学者を集めた緊急会議が東京にある国際宇宙科学センターで行われることになった。三つの事件で共通していたのは、被害者が皆ひどい凍傷を起こし低温による感覚のマヒを訴えていることだった。そこで物体を急速に降下させるとその物体の重力が減少する現象が起きたと考えられるとアメリカ代表が発言すると、中国代表は特定の物体や限定的な場所の重力を無くすことは不可能だと否定した。すると進行役のカナダ代表は、これまではそうであったが今現実に発生していると指摘した。意見を求められた日本代表の勝宮一郎は、重力の起源は核振動であり絶対零度では重力は無になることから、核振動エネルギーを吸収する冷却線を放射された物体は温度が急降下するとともに重力は減少。その結果、地球の自転の遠心力で物体は宙に舞い上がることから、今回の事件は宇宙からこの冷却線を打ち込まれたことにより発生したのだと結論付けた。

宇宙人侵略への対策が叫ばれる中、センターでは地上熱線砲が完成していた。原子力R600をエネルギー源とするこの兵器は5万時間の連続発射可能となる優れものだった。各国代表に公開された実験では、最高の強度を有し宇宙ロケット・スピップ号に使用されている特殊金属S250号が的になったが、熱線は遠距離の板を完全に貫いていた。そして次に公開されたのは、その熱線砲が搭載されるスピップ号だった。調整作業が行われ発射が時間の問題となっている中、安達博士を訪ねてきたのは国際防衛警察の有明警部だった。組織の秘密調査の結果、イラン代表のアーメッド教授に不審な点があるというのだ。だが見学者の中に彼の姿はなく、捜しているとサイレンが鳴った。実験室で異常があることに気付いた勝宮が中に入ると岩村幸一技師がアーメッドと格闘していた。アーメッドは「ナタール」という遊星人に操られ、熱線砲を奪おうとしたところを岩村に見つかったのだ。彼は建物の外に逃げ出すと飛来した円盤に助けを求めたが光線で焼かれた。地面に残った人型の影の上に落ちていた小さな金属塊を分析した結果、怪電波の受信機であることがわかった。

国連は月面に前線基地を構築しているナタールの意図を探るためにスピップ号を派遣することに決め、1号機には安達博士を長とする8名、2号機にはリチャードソン博士を長とする8名が搭乗することになった。そして怪電波の発信地点とされるトビエツスキー山脈の左側と緑の海を中心とする100キロから150キロの地点が二機の着陸予定地点に指定された。その頃、搭乗員の一人にナタールの魔の手が伸びていた。

屋台的映画館

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