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トラック野郎 度胸一番星

  • posted at:2015-06-19
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうどきょういちばんぼし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年8月6日 併映「サーキットの狼」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:野上龍雄 澤井信一郎
撮影:飯村雅彦
録音:井上賢三
照明:山口利雄
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:福湯通夫 森光正
記録:勝原繁子
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
装置:畠山耕一
装飾:高井義典
美粧:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣裳:河合啓一
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「恋歌」八代亜紀
企画協力:(株)カントリー
協力:新潟交通株式会社 白根凧合戦協会 佐渡汽船(株) 佐渡観光協会 バンダグ更生タイヤ販売各店 亀田製菓(株) 山八運輸(株) 松川運輸(株) ニットータイヤ(株) 哥麿会
出演:菅原文太 愛川欽也 片平なぎさ 夏樹陽子 宮口精二
シネマスコープ カラー 100分

日の暮れた雨の新潟県・曽地峠を急ぐ一番星こと星桃次郎とやもめのジョナサンこと松下金造。用を足したくなった桃次郎はトラックを路肩に停めると濡れない木立に入って立ちションを始めた。大あくびをした彼がふと水子地蔵の方を見やると、その横に白装束の女性が立っていた。美貌に心を奪われた桃次郎がはしたない物を隠しそこで何をしているのかと尋ねると、女性はあなたを何年もお待ちしていましたと言った。そして「佐渡で」と言い残すと消えて行った。心配した金造が様子を見に来ると、桃次郎は木に抱き付いていた。曽地峠は幽霊の名所と言われていたのだ。呆れた金造がトラックに戻ると、何故か助手席に女性が座っていたのだ。自分にも幽霊が出たと大騒ぎしたが、ただのヒッチハイカーだった。脈があると感じた金造はドライブイン「越後獅子」にトラックを停めたが、彼女はそこの2階にあるバー・ヘッドライトで働くことになっているホステスだった。

翌日、新潟青果市場に到着すると金造は鹿児島からのスイカを下していた。すると桃次郎がこれしかなかったと言って佐渡へのバラ荷の仕事を持ってきた。彼の魂胆を知っていた金造が方々を回りながらあの幽霊を探すんだろうと言うと、桃次郎も新潟にいればあのホステスといい仲になれると思っているんだろうと言い返した。それを聞いた金造は、カボチャばかり食べてたらたまにはメロンやイチゴも食いてえじゃねえかと怒鳴った。彼は妻の君江と大ゲンカしていたのだ。納得した桃次郎は、今夜ヘッドライトでたらふく食ってこいと言った。そしてそのあと佐渡だぞと約束した。めかし込んでドライブインに乗り込んだ金造がホステスの江波マヤを口説こうとしたそのとき、外で大きなクラクションが鳴った。駐車場にやってきたのはジョーズ軍団というタンクローリー集団で、彼らは停車していたトラックの無線機を次々と破壊し始めた。軍団のリーダーである新村譲治は、4チャンネル無線は我々のものであり違反した者には制裁を加えると警告した。マヤがその譲治を追いかけてきたことを知った金造は短い恋が終わったことに気付いた。

約束通り金造は桃次郎とともに佐渡島に渡った。西三川小学校笹川分校へ電子オルガンを届けに来た二人だったが、担当の教師は生徒たちと山へ行ったというのだ。受領してもらうために桃次郎たちは山へ向かい、道すがら砂金採りをしている老人に先生の行方を尋ねた。その聞き方に激怒し叱りつけると、桃次郎は驚いて去って行った。一方、その気になればいくらでも稼げると言った老人の言葉に心を奪われた金造は、トラックを売ってこの地に骨を埋める覚悟を決めた。独り言ちながら進む桃次郎は、道端にある水子地蔵が気になりふとその先を見やると、あの幽霊にそっくりな女性が立っていた。彼女は乙羽水名子といい、分校で教師をしていた。水名子が独身だと知った桃次郎は、この地に骨を埋める覚悟を決めた。

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嗚呼!!花の応援団(1976年)

  • posted at:2015-06-16
  • written by:砂月(すなつき)
ああはなのおうえんだん
日活映画
配給:日活
製作年:1976年
公開日:1976年8月21日 併映「四畳半青春硝子張り」
監督:曽根中生
プロデューサー:三浦朗
原作:どおくまんプロ
脚本:田中陽造
撮影:山崎善弘
照明:松下文雄
録音:橋本文雄
美術:柳生一夫
編集:山田真司
助監督:山口友三
色彩計測:鈴木耕一
現像:東洋現像所
製作担当者:天野勝正
音楽:コスモス・ファクトリー
主題歌:「嗚呼花の応援団」異邦人
・・・:「南河内大学節」異邦人
挿入歌:「南河内大学校歌」南河内大学応援団
南河内大学応援技術指導:日本大学応援団
大阪城応援協力:大阪経済法科大学応援団 大阪経済大学応援団
撮影協力:高瀬道場 大阪経済法科大学
技斗:高瀬将敏
出演:今井均 宮下順子 香田修 深見博 伊佐山ひろ子
アメリカンビスタ カラー 99分

河川敷で応援団旗を虫干ししながら昼寝している南河内大学応援団親衛隊の富山一美と北口良一。一回生の彼らは応援団に入る気など更々なかったが、入学当日に副団長の下村薫らから強引に迫られいつの間にか入団していたのだ。一回生をゴミ、二回生を奴隷、三回生になると人間、そして四回生を神様と呼ぶ南河大応援団。だがその四回生をも恐れさせているのが、親衛隊隊長で三回生の青田赤道だった。顔に大きな傷を持ち常にキセルを銜えている凶暴な性格の彼は、上がらずの団旗と呼ばれる重量級の団旗を軽々と持ち上げるほどの怪力の持ち主だが、意外にも下級生の面倒見がいいことで彼らに慕われていた。ある日、団員が相手に重傷を負わせたということで、浪華大が殴り込みに来ることが分かった。団長の木村光太郎は下村の他に統制部長の小川、リーダー長の柏原を集めて作戦会議を行ったが、最強の浪華大とケンカできるような甲斐性者はいないという結論に至った。一人を除いて。今日か明日にも来るという噂があったため、木村は団員を集めると青田を捜し出してここに連れて来いと命じた。そしてミナミの地理に詳しくない富山と北口には奇襲に備えるために裏門を見張れと命じた。その夜、一台の車が門の前に停まり、学ラン姿の大男が降り立った。男は富山たちに、君たちいい面構えしとるのぉとしゃべりかけると日本刀を抜いた。

北口は逃げるようにしてその場を離れると、部室に報告に向かった。相手が一人だとわかり幹部たちは高笑い。ワイが先頭切ったると木村は余裕を見せたが、日本刀を持っていることがわかると急遽変更だと叫び、骨は我々が拾ってやるから一回生と二回生は突撃せよと命令した。大勢で裏門に向かうと、へたり込む富山が正気を取り戻し男が便所へ行ったと説明した。おっかなびっくりとそこへ行った木村たちは出て来さらせと怒鳴った。すると個室からじゃかあしぃと怒声が飛んだ。「チョンワチョンワ」と聞き慣れた声。サングラスとカラスマスクで顔を隠した大男の正体は青田だった。彼はケンカは先手を取った方が勝ちに決まっているのに何故仕掛けないのかと木村に問うた。そして富山と北口にワシと一緒に来たれやと言った。二人は襟を正したが、殴り込みに行くと聞いてうなだれた。景気づけにウィスキーをあおりながら運転する青田の車の天井には丸太が括り付けられていた。その車が空の部室の壁をぶち抜いた頃、南河大に浪華大の応援団がなだれ込んでいた。木村たちは足腰が立たなくなるまで徹底的に痛めつけられた。

騒動の翌日、無傷の富山と北口がいつものように河川敷で応援団旗の虫干ししていると、草むらの向こうから女性の喘ぎ声が聞こえた。声の主は、青田に処女を奪われた婦人警官の今田幾代で、相手がその青田だとわかると退散した。触らぬ神に祟りなし。ところが彼らが目を離した隙に、土手を通過したトラックから捨てられたタバコが団旗を焦がしていたのだ。慌てて消したがあとの祭り。団旗には大きな穴が開いてしまった。死を覚悟して二人がうろたえていると、事を済ませた青田がやってきて今日もいい天気だと昼寝を始めた。キセルを吹かしながら眠る器用な姿に感心していた富山は、北口にある提案をした。

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濡れ髪剣法

  • posted at:2015-06-09
  • written by:砂月(すなつき)
ぬれがみけんぽう
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1958年
公開日:1958年11月8日 併映「抜き足差し足忍び足」
監督:加戸敏
製作:酒井箴
企画:浅井昭三郎
脚本:松村正温
撮影:武田千吉郎
録音:大角正夫
照明:岡本健一
音楽:鈴木静一
美術:太田誠一
編集:菅沼完二
邦楽:中本利生
制作主任:橋本正嗣
装置:三輪良樹
装飾:松本末吉
背景:高橋作次
美粧:福山善也
結髪:石井エミ
衣裳:後藤定子
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉島暢
普通写真:藤田輝夫
助監督:遠藤力雄
撮影助手:青柳寿博
録音助手:近藤正一
照明助手:美間博
美術助手:上里忠男
移動効果:柴田裕
記録:中井妙子
演技事務:松浪錦之助
進行:今村喬
出演:市川雷蔵 八千草薫 中村玉緒 大和七海路 阿井美千子
シネマスコープ モノクロ 59分

剣の腕は家中一だとうぬぼれる遠州佐伯藩の若殿・松平源之助は、許嫁である隣藩小田切家の息女・鶴姫の前でいいところを見せようとした。立ち合いで次々と相手の木刀を跳ね上げて行く源之助。それが芝居であることを見抜いていた鶴姫は、あれなら私でも勝てますわと皮肉を言った。そして、あなた様の周りには事勿れを願うご機嫌取りばかりで、本当の自分を知らずにお過ごしならねばならないとはお気の毒にでございますと言うと、それに腹を立てた源之助は鶴姫の近習・林主水に相手をしろと怒鳴った。不安げな主水に鶴姫は構わずお相手しなさいとけしかけた。力の差は歴然で、木刀を主水に払い落とされて勝負がついた。だが負けず嫌いな源之助は、今度は組み打ちで勝負だと言い出した。言われるがままに受けて立つ主水。すると源之助は一瞬の隙をつき主水を投げ飛ばしたのだった。へたり込む若殿に鶴姫は喝采を送った。その夜、鶴姫の言葉が心に引っかかっていた源之助は、操り人形の領主では領内の民百姓に申し訳ないと考え込んでいた。そこで竹馬の友である近習の芝田敬四郎を部屋へ呼ぶと、地位や権力のない素っ裸の自分が何を出来るかを試してみたいと話した。

翌朝、源之助は置手紙をして姿を消していた。それを知った敬四郎の父で次席家老の孫太夫は慌てふためき、息子に後を追わせた。その頃、ひとり江戸へ向かう源四郎は駿府はずれの茶屋で団子を頬張っていたが、やがて満腹になり立ち去ろうとすると女将からお代を請求された。だがその意味が呑み込めず、ようやくそれが金のことだとわかるとそれなら城に参って孫太夫に申せと言った。無銭飲食で逃げられてはたまらないと女将は源之助の頭を持っていた柄杓でひとつ叩き、わかったら着物を脱いで行けと言った。渋々言うとおりにする源之助。そこを通りかかったお伊勢参りの戻りの江戸柳橋芸者・蔦葉は物好きにもお代をかわりに支払い、彼をキ印だと決めつけて心づけを渡した。すると源之助は団子代として印籠を手渡しさっさと店を出て行った。古着屋で旅らしい衣裳を手に入れた源之助は、海道でやくざ者といざこざを起こしてしまった。拳では敵わないと考えた彼は懐から小判を取り出すとそれを渡し、御免と立ち去った。その様子を見ていた人入れ稼業の大和屋弥七は面白いと源之助を家に連れ帰ったのだった。その頃、松平の屋敷には鶴姫が訪ねてきていたが、源之助が不在だと言えない孫太夫は返事に窮していた。そこであの武芸以来、高熱を出して寝込んでいることにしたのだ。それを聞いた鶴姫は、女に言い込められ試合に負けたぐらいで熱を出すような女々しい殿御とはお目にかかりたくないと怒って帰ってしまった。うなだれる孫太夫のそばにやってきたのは、明朝早々に江戸へ出立するという結城甚兵衛だった。甚兵衛がその前に若君に一目会いたいと申し出ると、困った孫太夫は疱瘡でふた目とは見られぬご尊顔となり重篤に陥っているとさらに嘘をついた。それを真に受けた甚兵衛からの書状を受け取った江戸家老・安藤将監はとても喜んだ。江戸藩邸で病床にある主君信濃守とともに源之助が亡くなれば、息子の采女に跡目を継がせて鶴姫と祝言をあげさせ、行く末はお家を乗っ取ろうと企んでいたのだった。そんなことを露とも知らない源之助は、大和屋の仕事で江戸藩邸の奴を務めた折に、将監が乗った駕篭の行く手を妨害した旗本を追い払ったことを気にいられ、三両二人扶持の若党に召し抱えられた。

屋台的映画館

サイボーグ009 怪獣戦争

  • posted at:2015-06-03
  • written by:砂月(すなつき)
さいぼーぐぜろぜろないんかいじゅうせんそう
東映動画
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年3月19日 併映「少年ジャックと魔法使い」「たぬきさん大当り」「マグマ大使」
監督:芹川有吾
製作:大川博
企画:関政次郎 平沢明 旗野義文
原作:石森章太郎
脚本:飯島敬 芹川有吾 白川大作
作画監督:木村圭市郎
美術:福本智雄
原画:若林哲弘 高橋信也 上村栄司 大橋学
動画:桜井勇 玉沢武 榎本有也 白川忠志 鹿島恒保 平村文男 山田一広 玉沢君子 岩塚美子 谷口公子
色彩設計:西山英子
彩色:関口雅子 高橋永江
特殊効果:林冨喜江 岡田良明
仕上検査:小椋正豊 西元敦子
ゼログラフィ:松本寿夫
背景:辻忠直 牧野光成 小林七郎
トレース:谷口恭子 市村和子
撮影:池田重好
編集:千蔵豊
録音:小西進
音響効果:大平紀義
記録:中垣禧代
演出助手:宮崎一哉
製作進行:堤四四三
現像:東映化学工業株式会社
音楽:小杉太一郎
主題歌:「サイボーグ009」マイスター・ジンガー
声の出演:太田博之 ジュディ・オング 藤村有弘 曽我町子 鳥山京子
シネマスコープ カラー 60分

世界各地の海にプレシオザウルスが出現し、標的となった都市が廃墟と化していた。ギルモア博士は、その恐竜が放つ強力な超音波によって相手が粉々に破壊されていることから、死の商人ブラックゴースト団が新兵器の怪獣を開発して再び動き出したのではないかと考えていた。そこで秘密基地に近い場所にいた009と004を呼び出すとかいつまんで事態を説明した。すると博士と同居している赤ん坊の001が観念移動能力で現れ、グズグズしてないで早く仲間を集めるんだと009に言った。イギリスにいる007と中国にいる006を電報で呼び寄せると、007は鳥などに姿を変えてアメリカにいる002と005に知らせた。一方009はフランスへ飛び、003を迎えに行った。だがバレリーナという念願の夢を叶えた彼女にとって、再び戦うことはそれを捨て去ることと同じだった。しかしブラックゴーストと戦えるのは自分たちしかいないという言葉に悩み、009や仲間たちと運命をともにすることにしたのだ。空港から車で基地向かっていると、正面から来た車が対向車線をはみ出して来た。009は何とかやり過ごしたが、相手の車はガードレールに激突した。運転していた少女はショックで気を失っただけで傷を負っていなかったため、009は基地へ連れ帰ることにした。008も揃うと博士はサイボーグ戦士を研究室に連れて行った。窓の外には機械工学にも造詣が深い博士が設計したドルフィン号が水上に浮かんでいた。この戦闘艇は空中や水中、地中でも活動が出来る万能機で、新たな試みとして対超音波砲を取り付けたのだ。怪獣を模したロボットからは本物と同等の超音波が発せられたが、ドルフィン号に装着されたパラボラ状の装置がそれを吸収すると変換して発射した。ロボットは粉々に砕け、新兵器の威力が証明された。非常に高いIQを持つ001の計算で太平洋の真ん中にあるブルガ島付近に現れる可能性が高いことがわかると、009はサイボーグ戦士を引き連れて出発した。

艇内で006が食事を作ろうと準備をしていたところ、じゃがいもが入った袋の中からあの少女が出てきて腰を抜かした。彼女の名前はヘレナといい、怪獣に殺された両親の敵を討つために密航したのだった。何でも手伝いするから連れて行って欲しいと懇願するヘレナの姿を見た003は、今更降りてもらうわけにはいかないから連れて行ってあげましょうと009に言った。そのとき部屋のライトが消え、外から物音がすることから009たちは海中に潜ることにした。すると眼前には無数のクラゲが群がっていた。ドルフィン号に張り付いたクラゲが電気を吸い取っていたことが停電の原因だった。クラゲを排除し安堵したのもつかの間、今度はミサイルを装備したエイが襲ってきたのだ。このような恐ろしい武器を作るのはブラックゴーストに違いないと9人は確信した。

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ニッポン無責任時代

  • posted at:2015-05-26
  • written by:砂月(すなつき)
にっぽんむせきにんじだい
東宝
配給:東宝
製作年:1962年
公開日:1962年7月29日 併映「喜劇 駅前温泉」
監督:古澤憲吾
製作:安達英三朗 森田信
脚本:田波靖男 松木ひろし
撮影:斉藤孝雄
美術:小川一男
録音:斉藤昭
照明:隠田紀一
調音:下永尚
音楽:神津善行
挿入歌:「ハイそれまでョ」
・・・:「無責任一代男」
・・・:「やせ我慢節」
・・・:「五万節」
・・・:「ドント節」
・・・:「スーダラ節」
監督助手:長野卓
編集:黒岩義民
合成:松田博
現像:東京現像所
製作担当者:喜多村俊男
出演:植木等 ハナ肇 谷啓 中島そのみ 重山規子
シネマスコープ カラー 86分

バー「マドリッド」のホステス・麻田京子は、常連客の黒田有人から太平洋酒の株購入の話を持ち掛けられた。この会社の株価が最近上昇している理由はこの男が大量に買い占めているからだった。黒田が京子を口説いていると、太平洋酒の谷田総務部長と会計の大塚が来店した。それがわかると黒田は顔を隠して店を出て行った。京子は谷田たちの席につき、株買い占めのことをさりげなく聞いた。すると谷田は顔色を変え、誰に聞いたのかと問いただした。彼らはそのことで氏家勇作社長に怒られたばかりなのだ。だが京子は忘れたとすっとぼけた。株主総会の前なのにと落胆する二人のところへやってきたのは、平均(たいらひとし)という男だった。氏家社長と軽い付き合いをしているという彼は、用事があるから勘定を一緒にしといてと京子に告げて店を出た。大塚は均のことを京子に尋ねたが、初めての客なので何も知らないと言った。しかも勘定は二人にツケといてという意味だったことがわかり、騙されていたことを知った。均はその足で氏家邸を訪ね、家政婦が止めるのも構わずに部屋に上がり込んだ。すると騒動を聞きつけてやってきた妻の洋子は、いつ帰ってくるかわからない主人を夜遅くまで待ってもらっても困ると言った。均は氏家の翌日の予定を聞き出すとあっさり引き下がった。

健吉・咲子夫婦宅の二階に下宿している均は、競馬でしくじって会社をクビになり今は失業中の身。そんな彼は一山当てるために健吉からスーツを借りることにした。健吉はまだ月賦が残っているそのスーツを貸すのを渋ったが、均がポケットの中のへそくりを見つけると仕方なく了承した。翌日、青山斎場の受付に現れた均はさりげなく係員と交代した。氏家が郷里の先輩である松山一郎元大臣の葬儀にやってくることを氏家邸で知り先回りしたのだ。そして目的の人物が現れるとトイレに行くと言って席を離れた。氏家に近づいた均は、松山が病気で倒れた後も社長のことを気にしていたと伝えた。さらに太平洋酒乗っ取りに絡み、亡くなる前日に枕元に呼んで協力を頼むと言ったと出任せを並べると、氏家はいい相談相手が出来たとそれを信じ明日会社へ来なさいと言った。ところが均はすぐさま会社に駆けつけ、松山の遺した言葉が気になると言って再び接触したのだった。社長室で二人が談笑していると、株の買い占めをしているのが誰だかわかったと谷田が入ってきた。彼は均を見るなり何だという顔をしたが、均が社長の知り合いで松山の相談役、さらに総務部で面倒見ろと言われれば黙って従うしかなかった。谷田の報告で株の買い占めを行っているのは乗っ取り屋で有名な黒田産業であることがわかった。そしてその黒幕を缶詰や食品で業界ナンバー1の山海食品と疑った。第一位の氏家と第二位の富山商事社長の株を合わせれば半数近くになることを知った均が新橋の料亭での接待を提案すると氏家も話に乗った。翌日の夜、早速もてなしが行われたが、富山は乾杯を済ませると用事があるといって早々に出て行った。彼には黒田との先約があったのだ。

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