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必殺仕掛人 春雪仕掛針

  • posted at:2016-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつしかけにんしゅんせつしかけばり
松竹
配給:松竹
製作年:1974年
公開日:1974年2月16日 併映「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」
監督:貞永方久
製作:織田明
原作:池波正太郎
脚本:安倍徹郎
撮影:丸山恵司
美術:梅田千代夫
音楽:鏑木創
主題曲:平尾昌晃
録音:平松時夫
調音:松本隆司
照明:三浦礼
編集:太田和夫
監督助手:熊谷勲
装置:川添善治
装飾:印南昇
進行:玉生久宗
擬斗:湯浅謙太郎
かつら:八木かつら店
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:内藤誠
出演:林与一 緒方拳 岩下志麻 夏八木勲 地井武男
アメリカンビスタ カラー 89分

新年早々、人足口入稼業の音羽屋半右衛門から呼び出しを受けた針医者の藤枝梅安は、前金として七十五両を渡すことを条件に、奉行所に捕まる前に三人の盗賊を始末するという依頼を受けた。半右衛門は表稼業は口入屋だが、裏稼業は世の為にならない人間を消す仕掛人の元締をしていた。日本橋の漆器問屋・小津屋に盗賊が押し入り、店の者や女子供までが惨殺され金品が奪われた。梅安は近頃の盗人はやり方が荒っぽくて仕方がないと笑ってみたが、半右衛門は多くを語らなかった。この仕事を依頼したのはかつての盗賊で今は花屋をしている小兵衛だった。小兵衛は盗賊仲間徳造の娘・お千代を育て上げたが、小津屋の後妻に入った彼女が事件に巻き込まれたにも拘らず生きており、身代わりとなった女の顔が見分けがつかない程ズタズタに斬られていたことから、お千代が手引きしたに違いないと考えていた。そこで彼女を立ち直らせるには勝四郎、三上、定六を殺すしかないと思いつき半右衛門に三人の始末を依頼したのだった。

梅安はまず足抜けしようとした遊女を金で買い彼女らで一儲けしようと企む定六に的を絞った。まず銭湯でくつろぐ彼の背後に回ると脳髄に針を突き刺すとさりげなくその場を去った。そして定六の異常に気付いた客たちが騒ぎ始めると医者として現れ死を確認した。遺体が長屋に運ばれるとおりんに早くおっかさんのところへ帰りなさいと身請けの証文と小判を渡した。仏もたまには人助けをするんですねえと笑いながら部屋を出て行く梅安を憎しみの目で追っていたのは浪人の三上だった。彼は梅安を追いかけ斬りつけたが、梅安はひらりと身をかわすと脱兎のごとく逃げ出したのだった。逆に命を狙われる立場になった彼は自宅に戻ると身支度を整え、居候をしている浪人の小杉十五郎に一声掛けて出て行った。

小兵衛は定六が始末されたことを知ると音羽屋に立ち寄った。半右衛門は、お千代は生かしておいても為にならない女だと言ったが、小兵衛は自分が娘同然に育てたこともあって周りの男たちに騙されているだけだと譲らなかった。それを聞いた半右衛門が後で悔やむことになりますよと忠告すると小兵衛は言葉を失った。その頃、お千代は三上、山次と大坂屋の寝所にある三千両を強奪する計画を話し合っていたが、定六が仕掛人によって昨夜殺されたことを知ると顔色を失った。

三上が執拗に梅安の命を狙う理由。それは梅安が仕掛けた女が彼の女房だったからだ。料理屋の仲居をしていた三上の女房は女将を毒殺して店を乗っ取った。梅安は依頼を受け仕掛けを成功させたが、その際に三上から顔を見られていたのだ。奴が探り出してきた時が俺の命の境目だと梅安は自分に言い聞かせ、明後日の暮れ六つに自宅へ戻る覚悟を決めた。

屋台的映画館
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