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少林老女

  • posted at:2023-06-07
  • written by:砂月(すなつき)
しょうりんろうじょ
Gold Roger LLP(ジョリー・ロジャー=KPG)=エースデュースエンタテインメント
配給:ジョリー・ロジャー
製作年:2008年
公開日:2008年5月24日
監督:寺内康太郎
製作:大橋孝史 小林洋一
プロデューサー:上野境介 宇田川和恵
企画:川島正規
キャスティングプロデューサー:大竹理永
アシスタントプロデューサー:高波朋美 館内亨太 中川憲子
脚本:寺内康太郎 カロルコ
撮影・照明:関将史
美術:畠山和久
編集:福井鶴
VFX:佐上佳嗣
音楽:藤野智春 窪田顕之 碇英記
アクション監督:小原剛
録音・助監督:中川究矢
制作担当:新井聡
主題歌:「あなたが命」千太郎
挿入歌:「少林老女」石川涼太
音楽プロデューサー:倉田真二
制作プロダクション:トルネード・フィルム
出演:浅見千代子 長澤奈央 仙波和之 漆崎敬介 矢崎まなぶ
アメリカンビスタ カラー 72分

郵便配達員の岡本一平は封書を届けに「小林」という表札が掛かった一軒家を訪ねるが、いくら名前を呼んでも返事がないため念のため扉に手を掛けてみた。すると鍵は掛かっておらず、心配になり中を覗いてみると一人の老女が倒れていた。慌てて駆け寄るが何度呼び掛けても返事はなし。そこで警察に通報することにした。息をしていない縁もゆかりもない人と警察が到着するまで一緒に過ごすことになった岡本は傍に落ちていた一本の巻物が気になり暇つぶしに読んでみることにした。そこには彼女が歩んだ人生が書かれていた。

1942年に満州で生まれた小林美代子は戦争により孤児になった。そんな彼女に手を差し伸べ実の子供のように育てたのは少林寺の陣老師だった。老師は秘伝の少林寺拳法を彼女に教えたが、その修行はつらく苛酷なものだった。一般の女性のように化粧や恋をせずひたむきに修業に励んだ彼女に老師は道場を継がせ死んだ。それは美代子が二十歳のときだった。老師がいなくなってからたくさんの強い道場破りがやってきたが相手にならなかった。だが2年前、以前負けたぺぺという男が連れてきた一本足と名乗る女武芸者に敗れたことで少林寺を去ることになり武僧たちは皆彼女について行った。初めて負けた悔しさと少林寺を奪われたショックで美代子は深い悲しみに陥ったが、マサルは太っているから一本足で立てないという理由で、公麿は美代子の一番弟子だからという理由でついてきた。あてもなくさまよう三人はいつ間にか都会を歩いていたが、金がないため腹が減っても食事をすることが出来なかった。だが大盛堂商事ビルの大型ビジョンに映し出されたお笑いトリオ「安田大サーカス」の漫才をヒントに公園で芸の練習を行った。その時に得た投げ銭で買ったあんパンをベンチで食べているとホスト風の男が声を掛けてきた。彼はタニー・ルドルフビッチという飲食店の経営者で、三食昼寝付きで働かないかと誘ってきた。

巻物の最後には「2巻へ続く」と書いてあった。彼が今まで読んでいたのは1巻であり、いつの間にか美代子の人生に引き込まれていた岡本は続きが知りたくて仕方がなかった。そこでタンスの引き出しなどを開けて探していると戸棚の一番上に入っているのを見つけた。早速開いてみると「これまでのあらすじ」が書かれていた。そんなものいいよと呟きながら岡本はその部分を飛ばして読み始めた。

屋台的映画館
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(秘)極楽紅弁天

  • posted at:2023-06-04
  • written by:砂月(すなつき)
まるひごくらくあかべんてん
日活
配給:日活
製作年:1973年
公開日:1973年8月25日 併映「肉体犯罪海岸 ピラニヤの群れ」
監督:曽根中生
プロデューサー:三浦朗
脚本:田中陽造 曽根中生
撮影:森勝
美術:渡辺平八郎
録音:秋野能伸
照明:高島正博
編集:岡安肇
音楽:月見里太一
助監督:海野義幸
色彩計測:水野尾信正
現像:東洋現像所
製作進行:山本勉
出演:片桐夕子 芹明香 山本涼 織田俊彦 丹古母鬼馬二
シネマスコープ カラー 70分

江戸の片隅には宗門人別帳から削除された無宿者たちが住む帳外長屋があった。そこには瘋癲のお紺や男とみれば誰とでも寝るお品、女に目がない弥五郎など個性的な連中が住んでいた。そんな彼らの面倒を見ているのがオランダ先生こと平賀源内だった。ある日、銭にがめつい松婆の主導で女たちは日本橋で物乞いをすることになった。商店に押し掛ければ大抵の店主は面倒なことになってはたまらないとあっさり銭を出すが、呉服を扱う越後屋だけは違った。松婆たちは今まで一文も施しをもらったことがないこの店の前で座り込みを行うことにしたが、お紺とお品は奥からきれいな着物で出てきた越後屋の娘のお絹に目を奪われ一体自分たちと何処が違うんだろうと話した。

いつまでも松婆たちが帰らず商売にならないことに業を煮やした越後屋徳兵衛は地廻りを呼んだ。するとそこに長屋の男たちが加わり、今度は助っ人が加勢に入ったことで騒ぎは更に大きくなった。その頃、遣いを終え帰宅していたお絹をお紺とお品は捕まえた。身包みを剥した彼女の体を二人はまじまじと眺め、持っていたビー玉を穴の中に差し入れてみることにした。ところがまるで竹筒のようにすぐに出てきてしまうため、お品はお紺も同じことを試してみるが入ったまま出てこなくなった。どうしようと慌てていると地廻りが追い掛けてくると言って松婆が逃げてきた。お紺が一度着てみたかったお絹の着物に袖を通すと、遠目からしかお絹を見たことがない地廻りたちは彼女を本物と信じたのだった。

騒ぎが収まった越後屋を訪ねたのはお絹と縁談を行うことになっている善養寺新三郎だった。新三郎は小姓組に就任するために必要となる支度金を用意出来ずに困っていた。そこで徳兵衛は旗本中の名家といわれる善養寺家と縁組することが今後の商売に有利に働くと考え縁談を持ち掛けたのだった。だが新三郎はまだお絹の顔すら見たことがなく、例え三千両の持参金が用意されていると言われても簡単に承知するわけにはいかなかった。やがてお絹が帰ってきたという知らせが番頭からあり徳兵衛は急いで会わせようとするがその顔を見て驚いた。彼はお絹の着物を着たお紺を叩き出そうとするが、新三郎はそれが誰であろうと女を殴ることは許さんと徳兵衛を投げ飛ばしたのだった。そして縁談を断るとお紺を連れて出て行った。

屋台的映画館

忍者秘帖 梟の城

  • posted at:2023-06-01
  • written by:砂月(すなつき)
にんじゃひちょうふくろうのしろ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1963年
公開日:1963年3月24日 併映「伝七捕物帖 女狐小判」
監督:工藤栄一
企画:橋本慶一 三村敬三
原作:司馬遼太郎
脚本:池田一朗
撮影:わし尾元也
照明:前田光秋
録音:野津裕男
美術:富田治郎
音楽:鈴木静一
法竹吹定:海童道宗祖
編集:河合勝己
助監督:山内鉄也
記録:河島利江
装置:米沢勝
装飾:川本宗春
美粧:林政信
結髪:桜井文子
衣裳:小林勝
擬斗:足立伶二郎
武芸指導:中島正義
進行主任:田村裕夫
出演:大友柳太朗 大木実 高千穂ひづる 本間千代子 立川さゆり
シネマスコープ カラー 91分

天正九年、織田信長が伊賀を攻略した。羽柴秀吉率いる大軍の前に伊賀忍者は全滅の危機に瀕したが、なおも執拗な抵抗を繰り返していた。秀吉の手の者に父と母が鱠のように斬られるのをただ見ているしかなかったあゆらは悔いて自害した。そんな妹や両親の仇を討つために葛籠重蔵は秀吉への復讐を誓った。師匠の下柘植次郎左衛門からは構えて人並の心を持つなと教えられていたが、今はそれを否定することを恥と思っていなかった。生きた人間が死んだ者たちへしてやれることはただ仕返しあるのみと考えたのだった。

十年の歳月が流れ、明智光秀の乱により信長の天下は崩落し、新たに豊臣秀吉が我が世の春を謳歌するに至った。重蔵は下忍の黒阿弥とともに人里離れた家で暮らしていたが、ある日次郎左衛門が娘の木さるを連れて訪ねてきた。秀吉への復讐の火が消えていないことを知った次郎左衛門は重蔵にそれを仕事にしてみないかと言った。その依頼人は堺の今井宗久という商人で、二日後の丑の刻に東福寺山門で落ち合うことになっていると伝えた。

雨が降る二日後の丑の刻、小萩という女が迎えにきたが宗久との関係を明かさないため後ろから斬り掛かってみた。すると彼女はいとも簡単に見切って傘の柄で刀を受け止めたのだった。小萩は愛染堂まで案内すると帰って行ったが、そこにいたのは宗久ではなく島津家の松浦蔵人と漁師上がりの雲太郎だった。だが役人の囲まれ罠にはめられたことに気づいた重蔵は蔵人を小柄で一突きすると建物を抜け出し堺へ向かった。屋敷に忍び込むと宗久は重蔵がくるのを待っていた。小萩は宗久の養女であり小松谷に住んでいることから連絡役を任せていたのだ。茶人でもある宗久は重蔵を茶室に招くと仕事依頼の理由を説明した。秀吉は立ち上げた遠征軍を朝鮮へ差し向けようとしたが、そのおかげで朝鮮と明国との商いの道が絶えてしまった。このままでは自滅あるのみ。そこで宗久は朝鮮に攻め込む前に秀吉を亡き者にしようと考えたのだ。秀吉が死ねば権力の帰趨が始まり戦となる。そうなれば商いがうまく行き、中には一緒に手を組んで天下を目指そうとする者が出てくることは間違いなかった。重蔵がそれは三河の徳川家康ではないかと尋ねると宗久は口をつぐんだ。

屋台的映画館

犬神家の一族(2006年)

  • posted at:2023-05-29
  • written by:砂月(すなつき)
いぬがみけのいちぞく
「犬神家の一族」製作委員会(角川ヘラルド映画=日本映画ファンド=TBS=オズ=ソニー・ミュージックエンタテインメント=Yahoo! JAPAN)
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年12月16日
監督:市川崑
製作:黒井和男
プロデューサー:一瀬隆重
製作統括:信国一朗 榎本和友 井上雅博
企画:椿宜和 濱名一哉 北川直樹 喜多埜裕明
原作:横溝正史
脚本:市川崑 日高真也 長田紀生
音楽:谷川賢作
テーマ曲:大野雄二
撮影:五十畑幸勇
美術:櫻木晶
照明:斉藤薫
録音:斉藤禎一
調音:大橋鉄矢
編集:長田千鶴子
キャスティング:山口正志
助監督:宮村敏正
製作担当:黛威久
ライン・プロデューサー:福島聡司
ライン・プロデューサー補:松枝彰
監督補佐:手塚昌明
製作プロダクション:オズ
出演:石坂浩二 松嶋菜々子 尾上菊之助 富司純子 松坂慶子
アメリカンビスタ カラー 134分

昭和二十二年、信州・那須市に金田一耕助という私立探偵がやってきた。那須ホテルを探すその男は道で偶然そこのはるという女中と出会ったが、案内された建物はホテルとは名ばかりの古びた旅館だった。「犬神佐兵衛伝」という書物を読んでいた金田一は部屋に入ってきたはるに窓から見える犬神家の屋敷にまつわる話を尋ねた。それは七ヶ月前に死去した犬神製薬の創始者の佐兵衛が遺した「犬神御殿」で、この街のほとんどの人が犬神製薬のおかげで暮らしているようなものだった。湖でボート遊びをする女性に興味を示した金田一だったが、突然ボートが沈み始めたため慌てて救助に向かった。だが誰よりも早くボートにたどり着いたのは下男の猿蔵だった。ボートに乗っていたのは犬神家に寄寓する野々宮珠世で、誰かによって船底に穴が開けられていた。

金田一が湖から帰るとホテルの主人がお客がきていると言った。それを聞いて慌てて二階に駆け上がるが部屋には誰もいなかった。灰皿には吸い掛けのタバコ。何処に行ったんだろうと廊下でキョロキョロしていると洗面所からはるの悲鳴が聞こえた。何事かと駆けつけると男性が口から血を流して死んでいた。彼は金田一に仕事を依頼した古館法律事務所所員の若林豊一郎だった。所長で犬神家の顧問弁護士である古館恭三は重要参考人として警察に拘留された金田一と面会し、調査の依頼したのが若林であることを確認した。金田一は佐兵衛について書かれた書籍とともに手紙を受け取ったが、そこには近く犬神家の一族に容易ならぬ事態が起こるのではないかと書かれていた。古館には思い当たる節があった。佐兵衛の遺言書は事務所の金庫に保管してあるが、誰かに読まれた形跡があったのだ。金庫を開けられるのは古館の他に若林しかいない。彼が遺言書を読まなければならない理由があったに違いないと考えた古館は改めて金田一に調査を依頼した。

屋台的映画館

怪談お岩の亡霊

  • posted at:2023-05-25
  • written by:砂月(すなつき)
かいだんおいわのぼうれい
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1961年
公開日:1961年7月2日 併映「ふり袖小姓捕物帖 血文字肌」
監督:加藤泰
企画:神戸由美
脚本:加藤泰
撮影:古谷伸
照明:井上義一
録音:平太郎
美術:桂長四郎
編集:神田忠男
助監督:堀池幸三
音楽:高橋半
記録:墨はつ子
装置:大西悟
装飾:川本宗春
美粧:林政信
結髪:西野艶子
衣裳:佐々木常久
擬斗:島義一
進行主任:神先頌尚
出演:若山富三郎 沢村訥升 伏見扇太郎 桜町弘子 三原有美子
シネマスコープ カラー 94分

無頼の限りを尽くす御家人の民谷伊右衛門は賭場の帰りの腹いせに暗闇で辻斬りを行った。そのことに感づいた妻のお岩は恐ろしくなり実家に戻っていた。お岩の父四谷左門は貧乏浪人で借金は嵩むばかり。そこで彼は前金一両でお岩の妹お袖を按摩の宅悦のもとへ奉公に出すことにした。観音様の境内にある楊枝店の店番をする仕事だと聞いていたが、裏稼業の女郎屋で働かされることは知らなかった。

お袖に恋い焦がれる足守藩士の佐藤与茂七はすぐにでも逢いたいという気持ちでいたが、同士の奥田庄三郎から翌日の支度があるから屋敷に戻ろうと諭された。それでも自分の心が抑えられない与茂七だったが、宅悦の妻お色がお袖を楊枝店に連れて行くところを偶然見てしまい愕然とした。店の女に尋ねると楊枝店の女は大抵夜の客を取る売り物だという。望みなら話をつけてあげるという女の言葉に憤慨した与茂七は、訳も聞かずに帰るのかと止める庄三郎を振り切って屋敷に戻った。

お袖とお色に別れを告げた左門を遠くから窺っていたのは伊右衛門と博奕仲間で薬売りの直助だった。伊右衛門は左門のもとへ駆け寄るとお岩とは依然として夫婦の関係にあるから会わせてくださいと頭を下げた。すると左門は毅然とした態度で辻斬り強盗を婿に持った覚えはないと突き放した。一方、お袖に目をつけた直助はその夜宅悦の女郎屋へ行くと初見世の彼女を指名した。ところが二階の客が一両を支払っていると聞き居ても立っても居られなくなった直助は二両余りの金を叩きつけ文句があるかと言った。そして売り物になる話など聞いていないと嫌がるお袖を無理矢理部屋に連れて行った。二階の客はお袖のことが諦めきれない与茂七とそれを見守る庄三郎だった。抵抗する声が彼女のものだとわかると二人はその部屋に乗り込み直助を力ずくで追い出したのだった。激しく憤る直助は伊右衛門と結託し、直助が呼び出した左門を伊右衛門が、千鳥足で帰る与茂七を直助が斬殺した。だが直助が殺したのは与茂七ではなかった。与茂七とお袖を部屋に残して門前の小料理屋に向かった庄三郎はお色が間違えて持ってきた与茂七の羽織を着ていたのだ。

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