日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年10月14日 併映「波止場気質」
監督:舛田利雄
企画:久保圭之介
脚本:江崎実生 中西隆三
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:橋本文雄
美術:大鶴泰弘
編集:辻井正則
助監督:河辺和夫
現像:東洋現像所
色彩計測:安藤庄平
特殊技術:金田啓治
製作主任:牛山正夫
音楽:伊部晴美
主題歌:「仔猫のミミ」羽田のり子
挿入歌:「あたしの貴方」羽田のり子
技斗:峰三平
出演:二谷英明 杉山俊夫 白木マリ 芦田伸介 和泉雅子
シネマスコープ カラー 82分
横浜に入港した外国航路の客船から降りた男はタクシーを拾って東京へ向かうが、その途中で何者かにつけられていることに気づいた。ある街の小路に入るとタクシーを降り小走りで先を急ぐがそれでも車は追いかけて来た。そこでわざとジグザグに移動しているとその車は交差点で花屋のトラックと衝突したのだった。ケンカが始まったため男が戻って仲裁すると、尾行していたのが高岡組の子分だということがわかった。一緒に来て欲しいと言われたが、男はいずれ行くが強制されるのが好きじゃないと断った。もめ事を丸く収めたことで男は花屋の運転手・堅田勝から感謝され、このままじゃ気が済まないから送らせてくださいと言われた。久しぶりだから銀座で飯が食いたいと男が言うと、勝は丁度配達するところがあるからとその方面に車を走らせた。安田花店に到着すると勝は仕事に取り掛かろうとするが、今日から他も店から仕入れることに決めたと店主から言われショックを受けた。何が気に食わないんだと詰め寄るが店主は言葉を濁した。すると後ろで控えていたやくざのパンチが炸裂し勝は一発でノックアウトされた。男が拘わらないようにしながらのびた勝を連れ出そうとしていると、あんた何処かで見た顔だねえと店主が言った。彼は元ボクサーでウエルター級チャンピオンの山下英治だった。
勝を荷台に乗せたトラックは彼の勤め先である六本木の梶原フラワーショップの前で停まった。英治が勝を担いで降ろしていると、その様子を見て店の中から飛び出してきたのは、花屋にレストランを併設するこの店のオーナーの妹・梶原ゆかりだった。彼女はどうやら勝の恋人らしく、いつも騒動を起こす勝に手を焼いていた。そんな彼の頭にバケツの水を掛けると勝はびっくりして飛び上がったのだった。笑い声に誘われて店の奥からオーナーが出てきたが、英治はその顔を見て愕然とした。彼はかつてタイトルマッチで闘ったライバルで、試合中の強打で失明させた梶原英夫だったのだ。今でも呵責に苦しんでいる英治は償いのために日本を離れて働いていたのだった。
屋台的映画館
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