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東京原発

  • posted at:2022-07-19
  • written by:砂月(すなつき)
とうきょうげんぱつ
「東京原発」フィルムパートナーズ(グランプリ=バサラ・ピクチャーズ=日活=衛星劇場)
配給:ザナドゥー
製作年:2004年
公開日:2004年3月13日
監督:山川元
エグゼクティブプロデューサー:北川雅司 横濱豊行 川上國雄 石川富康
プロデューサー:池田哲也 石原真 西健二郎 福田豊治
ラインプロデューサー:山本章
音楽プロデューサー:長岡和弘
脚本:山川元
撮影:北澤弘之
美術:稲垣尚夫
照明:内原真也
音楽:崎谷健次郎
録音:米山靖
編集:阿部亙英
助監督:宮城仙雅
製作担当:森賢正
エンディング曲:「TOMORROW」崎谷健次郎
企画制作:アートマン
出演:役所広司 段田安則 平田満 田山涼成 菅原大吉
アメリカンビスタ カラー 111分

大胆な発言とド派手なパフォーマンスで都民から絶大な支持を得る天馬都知事はある日臨時会議を招集した。会議室に集められたのは津田副知事、笹岡産業労働局長、佐伯政策報道室長、石川都市計画局長、大野財務局長、泉環境局長の6人だった。意気揚々と入ってきた天馬は都の財政を一気に立て直す方法が見つかったと誇らしげに言った。これまでにやってきたのはいわば焼け石に水。それを解決するには東京に原子力発電所を誘致するのが一番だと言った。会議室が静まり返る中、最初に口を開いたのは佐伯だった。まさか本気ではないですよねと言うと、天馬は俺が冗談でこんなこと言うわけないじゃないかと叱った。彼が原発を誘致する理由、それはバラマキ法と批判される原子力発電施設等立地地域振興特別措置法を利用してバラマかれる側に回れば莫大な補助金が交付される上に公共事業の補助率が引き上げられる。おまけに自治体の借金返済のかなりの部分が地方交付税で手当てされ、製造業者へは税制の優遇もあるのだ。天馬は佐伯に今すぐ記者会見を開く準備をするよう命じるが、津田はもっと議論すべきだと提案した。そして議論はくだらないと主張する天馬に対し何故自分たちを招集したのかと問うと、観念して全員の意見を聞く気になった。当初は反対意見が大半を占めていたが、都民が大量の電気を使うことで福島や新潟の素晴らしい自然環境や景観が失われて行くことを考えればコンクリートジャングルの中に斬新な建造物が増えても問題ないと天馬が言うと次第に意見は賛成の方へ傾いて行った。原発施設を観光の目玉にすることも考えられるからだ。

タバコ休憩を終えて再び会議が始まると、天馬は他にもある利点を挙げた。都市部に発電所を造れば漁業権などの莫大な買収費用や長い距離の送電コストが必要なくなる。そうなれば企業の電力コストが大幅に下がり、利益が上がれば税収に繋がる。それが一般家庭にまで及べば消費が拡大し景気は上向き、税収も増えるのだ。原発が海に面しているのはタービンの冷却に海水を使用しているからだが、発電時に出た温排水を都内中に張り巡らせた熱パイプで循環させれば東京都は巨大な冷暖房都市に生まれ変わるのだ。だが問題はその原発を何処に建てるかだ。笹岡が恐る恐るその質問を口にすると、天馬は平然として新宿中央公園だと言った。

屋台的映画館
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