東宝映画=東宝映像
配給:東宝
製作年:1973年
公開日:1973年9月1日 併映「化石の森」
監督:松本正志
製作:田中収
原作:平井和正
脚本:石森史郎 福田純 松本正志
撮影:上田正治
美術:竹中和雄
照明:佐藤幸次郎
録音:伴利也
音楽:真鍋理一郎
主題歌「狼の紋章」杉田二郎
・・・「狼のバラード」杉田二郎
合成:三瓶一信
スチール:橋山直己
タイトル:片岡裕幸
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
監督助手:奈良正博
編集:武田勲
現像:東洋現像所
製作担当者:森知貴秀
出演:志垣太郎 安芸晶子 加藤小代子 本田みちこ 松田優作
シネマスコープ カラー 84分
博徳学園高校で英語の教師をしている青鹿晶子はある満月の夜に不思議な少年と出会った。その少年は新宿の歩道橋で四人のチンピラに絡まれていたのだが、頭を殴られようと無抵抗を貫いていた。そのうち痺れを切らした一人が抜いたナイフを彼の腹に突き刺したのだが、少年が顔色一つ変えないため恐ろしくなった男たちは逃げ出したのだった。その様子を遠目から見ていた晶子は気分が悪くなり、気を失ってその場に倒れた。駆けつけた警官によって意識を取り戻すが、少年の姿はなく血溜まりにナイフが落ちていた。
数日後、少年が晶子の高校に転校してきた。犬神明という名の彼は暴力事件を度々起こす札つきのワルだった。だが相手が命を落とすような大ケガを負っても何故か無過失、無責任として処理された。成績が優秀な明は人類学者の両親によって育てられたが、三歳の頃にアラスカで研究中だった両親は諜報活動と間違えられて殺された。アメリカでレストランチェーンを経営する叔母の山本勝枝に育てられ、小学校までニューヨークにいた。寄付金が目当ての大貫校長は定員を欠いた二年C組に入れるつもりでいたが、晶子が受け持つそのクラスには不良グループのリーダー・羽黒獰が在籍している。彼の父・羽黒武雄は暴力団東明会の最高幹部だが、大貫は息子がトラブルを起こさないようにと釘を刺していたため同じクラスに入れても問題ないと自信を持っていた。だが転校初日に騒動は起きた。犬神が自己紹介を終えると空いていた羽黒の席に着いたからだ。子分の黒田力也はナイフをチラつかせて脅すが、そこに羽黒がやってきたため教室の空気がピンと張り詰めた。だが彼は犬神を凝視すると出て行った。
事件のことは知らないという犬神を医務室に連れて行った晶子はシャツを脱がせてナイフ傷を確かめようとしたが全く見当たらなかった。かと言って自分の目の前で起きたことを否定することは出来なかった。そこに入ってきた羽黒の恋人の小沼竜子は羽黒一派があなたの命を狙っていると面白がるように言うが、犬神は顔色一つ変えなかった。
屋台的映画館
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