東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年4月26日 併映「不良番長 のら犬機動隊」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
脚本:掛札昌裕 鈴木則文
撮影:増田敏雄
照明:中山治雄
録音:堀場一朗
美術:雨森義允
編集:神田忠男
助監督:依田智臣
記録:石田照
装置:吉岡茂一
装飾:宮川俊夫
美粧結髪:東和美粧
演技事務:森村英次
スチール:諸角義雄
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
進行主任:西村哲勇
挿入歌:「ジュテームはサヨナラのはじまり」サンドラ・ジュリアン
音楽:荒木一郎
出演:杉本美樹 サンドラ・ジュリアン 池島ルリ子 三原葉子 衣麻遼子
アメリカンビスタ カラー 89分
十一代将軍徳川家斉の治世の頃、巷には遊楽淫蕩の空気が漲り江戸文化爛熟期と言われた文化文政の世が訪れた。精力絶倫の家斉は御台所を別にして二十一人の愛妾を抱え五十四人の子を得た。幕閣の主とした問題は姫や若君の処遇であり、そして今三十四番目の清姫の嫁入り先が連日検討されていた。そんな中、九州唐島藩藩主小倉忠輝が家柄人柄何れも相応しいのではないかという話になり、例え女嫌いであっても尾州、水戸、紀州を始めとする全国の親藩譜代各藩に独り身の大名家が見当たらないことから忠輝の一択となった。
文政七年甲申三月、清姫を乗せた輿は唐島城に御国入りした。御付年寄以下御用達まで総勢千三百名を数えた。初夜を迎えるに当たり教育係の藤浪は近習からの情報で忠輝の一物が馬並みであることを張形で示すと清姫は目を丸くした。一方、家老の米津勘兵衛も恋愛経験のない忠輝に女の扱いを指南した。だが忠輝はそのようなことは御免だと突っぱね、女の機嫌を取るために今日まで武道に励んできた訳ではないと声を荒げた。すると勘兵衛は、女体を征服することは清姫を征服すること、清姫を征服することは葵の紋を征服することでございますとまくし立てた。輿入れの後、初夜を迎えることになった忠輝は勘兵衛からの教え「ある時は浅く、ある時は深く、これを二十一回繰り返すこと」を念仏のように唱えた。やがて清姫が寝所に入ってくると教え通りに三所攻めを行い城門深く進入しようと試みるが、清姫から余計な手数は掛けなくて良い言われ意気消沈した。それでも諦めずに試してみるが、秘所は草深くて何処がどうなっているかわからず途中で止めた。寝所から出てきた忠輝が落胆していることに気づいた勘兵衛は太鼓で合図をすると言い、それに従うことで何とか契りは終わった。ところが味気ない交わりだったと清姫から聞いた藤浪は憤慨しそれは武骨者の殿のせいだと勘兵衛を叱った。御褥辞退を言い渡され困った勘兵衛は忠輝を女好きにするために商人の博多屋伝衛門の力を借りることにした。伝衛門は忠輝を洋館に連れて行くと三日三晩女漬けにした。そして最後の仕上げとして用意したのはフランス人娼婦のサンドラだった。透き通るような肌を持つ彼女により漲る程の自信を得た忠輝は帰城するなり清姫を抱こうとした。だが勝気な正確な故に清姫は忠輝を拒絶したのだった。周囲の反対を押し切り忠輝はサンドラを側室に迎えることにした。それを聞いて黙っていられないのは清姫だった。獣呼ばわりされた忠輝は城下を視察し、下々の男女が自由に交わっていることを知った。我が身の窮屈さに不満を爆発させた彼は徳川幕府への反発として前代未聞の「閨房禁止令」を発した。
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