大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年9月15日 併映「海のGメン 太平洋の用心棒」
監督:田中徳三
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:笠原良三 東條正年
撮影:武田千吉郎
録音:奥村雅弘
照明:伊藤貞一
美術:下石坂成典
音楽:鏑木創
編集:山田弘
助監督:勝呂敦彦
製作主任:吉岡徹
出演:勝新太郎 田村高廣 野川由美子 岩崎加根子 細川俊之
シネマスコープ モノクロ 89分
激戦が続く最前線だが大淵連隊に少しばかり平穏な時間が訪れた。二ヶ月ぶりに輸送トラックが到着すると、染谷伍長は大宮一等兵と水巻一等兵に郵便物の受領を、黒磯一等兵に糧秣の受領を命じた。本当は糧秣の方へ行きたい大宮だったが、染谷に叱られたため渋々連隊本部に向かった。その帰り、郵便物の中に自分宛ての物があることを知った大宮は封筒に描かれた絵からそれが吉原御影楼の梅香からだとわかった。だが字が読めないため水巻に今すぐ読めとせかしたのだった。ところがそこは軍旗室の前。たまたまそこを通り掛かった香月少尉に制裁を課されたが、頬を打たれた大宮は咄嗟に水巻をかばった。手紙を読ませた責任は自分にあるからだ。その行動に好感を持った香月は、戦場において戦友をかばう心は貴重だからその心を大事にしろと言った。滅多に人から褒められない大宮にとってその言葉はとてもうれしかった。
分隊に戻る途中でトラックの前を通り掛かった大宮は水巻に郵便物の包みを渡すと先に帰れと言った。そして米俵を運ぶ黒磯を呼び止めると今から犬飼軍曹を眠らせると言った。その方法を耳打ちすると黒磯は担いでいた米俵を渡した。大宮は犬飼に近づくと米俵でいきなり殴って気絶させその隙に倉庫から油の入った一斗缶を盗み出した。川にたどり着くと黒磯が手榴弾を投げ込み大量に浮いた魚をせしめた。それらを調理場で天ぷらにしていると赤池曹長が香りを嗅ぎつけてきたが後で持って行くと言ったらおとなしく帰った。その日の夕食は魚の天ぷらが一品追加されたが、大宮の上司である有田上等兵は臭いが気になると言って食べなかった。点呼の時間になり染谷がやってきたが、どうも大宮の様子がおかしい。理由を聞くと腹が痛いというのだ。大宮が盗んできたのはひまし油であり、有田の分の魚まで食べたことで他の人よりも効き目が早かったのだ。その後は便所の争奪戦となった。
戦局が思わしくないことから大淵大佐は軍旗隊を迎えて連隊の士気を高めることにした。皆で軍旗に敬礼をするが、そのみすぼらしい姿を見た大宮は呆れた。日本はもう新たに旗を作ることも出来ないような状況に追い込まれているのだ。
屋台的映画館
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