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二階の他人

  • posted at:2020-01-13
  • written by:砂月(すなつき)
にかいのたにん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1961年
公開日:1961年12月15日 併映「小さな花の物語」
監督:山田洋次
製作:今泉周男
原作:多岐川恭
脚本:野村芳太郎 山田洋次
美術:宇野耕司
撮影:森田俊保
照明:須藤清治
編集:谷みどり
録音:栗田周十郎
録音技術:沼上精一
音楽:池田正義
監督助手:不破三雄
装置:若林孝二郎
装飾:鈴木八洲雄
撮影事務:大久保安夫
衣裳:斉藤耐三
撮影助手:鶴見正二
録音助手:松本隆司
照明助手:金沢清
進行:岸本公夫
出演:小坂一也 葵京子 瞳麗子 平尾昌章 関千恵子
シネマスコープ モノクロ 56分

若いサラリーマンの葉室正巳は明子との結婚を機に、郊外に家を建てた。だが方々からの借金を月給と賞与で返すには気が遠くなるほど時間が掛かることから、他人に二階を住まわせて部屋代と食費を徴収しその期間を短縮する計画を立てたのだ。居住者に決まったのは小泉夫妻だった。夫の久雄は会社勤め、妻の晴子はホステスとして働いていたことから月々の支払いは問題ないと判断し許可した。ところがいつまで経っても家賃はもらえず、気を使って言い出せないまま二ヶ月分が滞った。気の弱い正巳の代わって明子が催促を行うが、晴子は今まで親の家にいたから呑気なクセがついちゃってと言い訳した。すぐに何とかすると言いながらも、三日経っても音沙汰がなかった。明子には任せていられないと意気込む正巳だったが、いざ久雄を前にすると何も言えないのだった。

日曜日、晴子を連れてやってきた久雄は正巳の前で土下座した。そして悪いのは全て自分の、いや政治の責任だと言った。彼は学生時代にデモで捕まったことがあり、それを中傷した者のせいで会社をクビになったのだ。久雄が毎日出掛けるのは職探しで、ようやく次の就職口が見つかるかも知れないところだった。明子は心配したが、久雄の話を真に受けた正巳もう少し待ってやろうよと楽観的に言った。明子がひとりになると晴子がやってきて心の内をこぼした。部屋代は支払いを忘れていたのではなく見栄から出た嘘だった。涙ながらに語るその姿に、もう少し待ってみようと思うことにした。その一週間後、久雄の合否判定があったが残念な結果となった。そのことを知った正巳は、自分が勤める会社の倉庫の守衛に欠員があることを思い出し、部長に久雄を推薦した。

ある日、豊橋に住む長兄・鉄平と大ゲンカし家を飛び出した母・とみを次兄の信哉が正巳の家に連れてきた。するととみは小泉夫妻と馬が合いそのまま居ついてしまったのだ。半月が経つ頃、久雄は仕事に行かずに二階でとみと花札賭博で時間を潰すようになった。部長から咎められたことで頭に血が上った正巳は、帰宅後すぐに注意した。ところが久雄は力のない自分が守衛に向かないと言い出す始末。そこで正巳は、あなたが働く気になるまで絶対に食事を出さないと断言した。家計をやりくりする明子は頭を悩ませていた。二階を他人に貸して生活の足しにしようとしたが、未だに部屋代はなし。とみの食事代が増えたことで必要経費を差し引くと二千円の赤字になった。そもそも家賃を当てにしたことが間違えではなかったのかと考えた彼女は、いっそ諦めた方がいいのではないかと相談した。それを聞いて腹を括った正巳は小泉夫妻の追い出しに掛かったが、今度は晴子が開き直り次の住処が見つかるまで出ないといい出したのだった。

屋台的映画館
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砂月(すなつき)
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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