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八月の濡れた砂

  • posted at:2024-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
はちがつのぬれたすな
日活
配給:ダイニチ映配
製作年:1971年
公開日:1971年8月25日 併映「不良少女 魔子」
監督:藤田敏八
企画:大塚和
原作:中岡京平
脚本:藤田敏八 峰尾基三 大和屋竺
撮影:萩原憲治
照明:大西美津男
録音:古川恒夫
美術:千葉和彦
編集:丹治睦夫
助監督:松岡明
色彩計測:前田米造
現像:東洋現像所
製作担当者:松田文夫
音楽:むつひろし ペペ
主題歌:「八月の濡れた砂」石川セリ
演奏:ザ・ハーフブリード サンロックアンサンブル
技斗:田畑善彦
出演:村野武範 広瀬昌助 テレサ野田 藤田みどり 隅田和世
シネマスコープ カラー 91分

夏休みの早朝、海岸をバイクで走っていた西本清は男たちの乗ったオープンカーから少女が放り出されるのを目撃した。一人取り残された彼女は衣服を脱ぎ捨て裸になると海で何もかも洗い流そうとした。清が後ろから近づき声を掛けると、少女は慌てて服を着て何事もなかったように髪をとかした。そんな彼女を清はバイクに乗せて送ることにしたのだが、少女がいつまで経っても行き先を言わないため、とりあえず営業前の海の家へ連れて行くことにした。そこは兄・武の出店であり、今なら誰も来ないことがわかっているから安心だ。一旦家に帰り、武の妻・文子のタンスから洋服を持ち出すが店に少女の姿はなかった。陽が高く上り海の家の手伝いをしていた清は客として来ていた女性から名前と朝方いた場所を聞かれた。特にやましいことはなかったが、いつまでも黙っていると女性は金を置いて出て行った。気になって後をつけると車に乗ろうとしていた女性から白状しなさいと一喝された。その女性は三原真紀といい、妹・早苗を暴行した犯人を捜していたのだ。清は弁解するが信じて貰えず言われるがままに車に乗った。最初は軽口を叩いていた清だったが、その行き先が警察だとわかると激しい口調で抗議した。真紀は警察に突き出す気はなかったが、強引な手法で試そうとしたのだ。頭にきた清は彼女を助手席へ押し込むと運転席に乗り込み車を走らせた。そして人気のない場所で停めて真紀を犯そうとしたのだ。だが足を踏ん張った時にシフトレバーを折ってしまい、情けなさと申し訳なさで熱が冷めてしまった。

その日の夕方、青い顔をした清が歩いて海の家に戻ってくると、高校を自主退学した親友の野上健一郎が声を掛けてきた。彼の顔を見て何かあったことを察した健一郎は母・雅子が営むバーへ連れて行くことにした。健一郎がナポレオンを飲みながら清と話していると財界の大物・亀井亀松が客としてやってきた。母子家庭で育った健一郎は母に求婚する亀松に敵愾心を持っていた。二人が口論する中、自分がいるのは場違いだと考えた清は気分が悪いと言って店を出た。そして海の家に置いていたバイクで向かった先は真紀の車だった。誰もいない車内で座席を倒して目を閉じるといつの間にか寝入ってしまった。清は窓を叩く音で目覚めたが、辺りはもう明るくなっていた。誰かと思い体を起こすと、そこには早苗がいた。

屋台的映画館
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徳川いれずみ師 責め地獄

  • posted at:2024-03-22
  • written by:砂月(すなつき)
とくがわいれずみしせめじごく
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年5月3日 併映「懲役三兄弟」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
脚本:石井輝男 掛札昌裕
撮影:わし尾元也
照明:和多田弘
録音:堀場一朗
美術:西森義允
音楽:八木正生
編集:神田忠男
助監督:俵坂昭康
記録:川島庸子
装置:近藤幸一
装飾:柴田澄臣
美粧:鳥居清一
結髪:白取里子
衣裳:高安彦司
擬斗:三好郁夫
緊縛:辻村隆
進行主任:俵坂孝宏
出演:吉田輝雄 橘まゆみ 片山由美子 藤本三重子 賀川雪絵
シネマスコープ カラー 95分

両親に先立たれ病弱な弟の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らす由美だったが、借金はいつの間にか九両に膨らんでいた。そんな彼女に目をつけた与力の鮫島は借金の形に屋敷奉公させると言った。その屋敷には何処までも続く曲がりくねった長い廊下があり、けばけばしい彩りの奇妙な間取りの小部屋がいくつも並んでいた。そして怪しげな男と女。由美が連れてこられたのは大黒屋という売春宿だった。彼女がまだ男を知らないことがわかると鮫島は無理矢理迫るが、由美は隙を見て逃げ出した。入り組んだ廊下を進み迷い込んだ先は刺青をした女郎たちの待機部屋だった。由美を見た女主人のお竜は彼女をとても気に入り、客を取らせることなく傍に置くことにした。

大黒屋の決まりで刺青を彫ることなった由美は刺青屋敷に連れて行かれた。刺青師の彫秀は彼女持つ吸い寄せられるような肌に惚れ込み、これなら将軍上覧の彫物大会で一位になれると目論んだ。そうなれば二代目彫五郎の座は約束され、娘のお鈴も手に入るのだ。彫秀の兄弟子の彫辰が大会の一位を条件にお鈴が欲しいと病人の彫五郎をうるさく責め立てたことから苦し紛れにした約束だった。二人の腕は五分と五分だが彫五郎にはわかっていた。彫辰の彫り物には凄まじい殺気がある「陰」。一方、彫秀は清らかで品がある「陽」。彫五郎には御前試合でどちらに軍配が上がるかは目に見えていたのだ。

鮫島は大黒屋に新たな儲け話を持ってきた。オランダ商人のクレイトンを通じて刺青女を外国へ次々と売り飛ばすことにしたのだ。だがそれでは女の数が足りないことから、鮫島は女牢名主と直々に会い内密に取り調べたい女を連れて破牢せよと命じた。女牢名主はうろたえて断ろうとするが、刀を抜かれると言うことを聞くしかなかった。同じ頃、彫秀は由美の刺青を完成させた。師匠から盗んだ技をもとにして構想を練り上げた最高傑作を誰よりも先に見て欲しかったのは彼女自身だった。彫秀は由美を風呂場へ連れて行くが、由美は二人でいる時間を長く過ごしたことで彫秀のことを愛してしまったのだ。その話を聞いていたお竜は彫秀を出入り禁止にし、地獄を味わわせるために由美を緊縛師の弦造に預けた。仕置きだけのはずが由美は弦造に女にされてしまい、妬んだお竜は彼女の下半身に貞操帯を嵌めたのだった。

屋台的映画館

復讐の歌が聞える

  • posted at:2024-03-19
  • written by:砂月(すなつき)
ふくしゅうのうたがきこえる
松竹=俳優座
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年9月27日
監督:貞永方久 山根成之
製作:岸本吟一 佐藤正之
原作:石原慎太郎
脚本:石原慎太郎
撮影:酒井忠 金宇満司
美術:小島初雄 野呂真一
音楽:真鍋理一郎
録音:中戸田次男
照明:久保田照和 萩原寿保
編集:福井貞男
助監督:吉沢修巳 朝間義隆 斉藤貞郎
製作主任:加藤正夫
製作補:松永英
現像:東洋現像所
録音:東京スタジオセンター
協力:那須ビューホテル 岩井診療所(霞が関ビル)
出演:原田芳雄 内田良平 岩本多代 東野英治郎 松本克平
アメリカンビスタ モノクロ 90分

降りしきる雨の中、一人の男が看守に見送られながら出所した。看守は小さくなっていく背中を見ながら「可哀想に。ついてない男だ」とつぶやいた。7年ぶりに娑婆へ出た竹中克巳は雨に濡れながら最寄りの駅まで歩いていたが、その後ろには尾行する一台の車があった。運転手の相川は窓口の駅員に友人だと嘘をついて行き先を聞き出すと日光まで追跡することにしたのだが、その途中で見失った。翌日の朝刊には出所直後の男が滝壷に飛び込んで死んだという記事が載り、それを見てほくそ笑んだ協立産業の城所譲二社長は緊急会議を開いて全ての関係者を集めた。そして竹中が投身自殺したことを報告すると皆複雑な表情を浮かべた。城所や役員たちにとって7年前の事件は忘れられない出来事であり、竹中の死でようやくそれも終わりを告げたのだ。

1年後、協立産業の関連である化粧品会社で不測の事態が起きた。その会社では本業を隠れ蓑にして麻薬の精製を行っていたが、横流しが発覚したことで穴の開いた分を取り引きが行われる横浜へ社長の徳田が直接持って行くことになった。だが彼は運転手に変装した謎の男によって殺された。これをきっかけに関係者が次々と変死を遂げたが、その傍には決まってスペードのトランプカードが落ちていた。殺されたのは麻薬に絡んだ人物だと考えられたが、予想外だったのは会社を辞めてキャバレーで占い師をしていた高木までが殺されたことだった。周囲に敵は多いが、可能性があるのは相川だと城所は考えた。彼の居場所を知る城所は二人の部下に動向を探るよう命じた。するとついに相川が最初の被害者の証であるスペードのエースということがわかったのだ。ところがその部下たちも死体となって発見され、その傍にはジャックとクイーンが落ちていた。これ以上犠牲者を増やしたくない城所は唯一思い当たる人物の名を挙げた。それは竹中だった。彼の死が新聞に載った後、城所は詳細を知るために警察へ出向き証拠を調べた。すると遺品はあったが死体は見つかっていなかったのだ。城所はもしものことを考えて襲撃に備えることにした。

屋台的映画館
げきじょうばんえんじんせんたいごーおんじゃーたいげきれんじゃー
テレビ朝日=東映エージエンシー=東映ビデオ=東映
配給:東映
製作年:2009年
公開日:2009年1月24日 併映「’08真夏のゴーオンライブ!」「’09ニューヒーロー戦力ファイル!」
監督:諸田敏
製作:石井徹 亀山慶二 松田英史
企画:日達長夫 梅澤道彦 小川政則
エグゼクティブプロデューサー:鈴木武幸 杉山豊 疋田和樹
プロデュース:加藤和夫 佐々木基 矢田晃一 日笠淳 和佐野健一
原作:八手三郎
脚本:香村純子 荒川稔久
音楽:大橋恵 三宅一徳
撮影:松村文雄
照明:竹田勝三
美術:大谷和正
編集:佐藤連
録音:宮葉勝行.R
選曲:宮葉勝行.R
記録:渋谷康子
助監督:加藤弘之 荒川史絵
進行主任:南條記良
音響効果:阿部作二
視覚効果:沖満
音楽プロデューサー:前山寛邦
オープニング・テーマ:「炎神戦隊ゴーオンジャー」高橋秀幸(Project.R)
エンディング・テーマ:「明日もゴーオンジャー」岩崎貴文(Project.R)
キャラクターデザイン:酉澤安施 篠原保
デフォルメキャラクター:K-SUKE
企画協力:企画者104
資料担当:葛西おと 松井大
デザイン協力:プレックス
造型:前澤範
製作協力:東映テレビ・プロダクション
特撮監督:佛田洋
アクション監督:石垣広文
出演:古原靖久 片岡信和 逢沢りな 碓井将大 海老澤健次
アメリカンビスタ カラー 57分

世界的な総合スポーツ用品メーカー・スクラッチ。真咲美希特別開発室室長の娘・なつめの誕生日会に出席するために宇崎ランや深見レツと待ち合わせしていた漢堂ジャンだったが、害地水気スペシャル目蛮機獣・ヌンチャクバンキが現れたためゲキレッドに変身して戦うことにした。遅れてやってきたゲキイエロー(ラン)、ゲキブルー(レツ)と力を合わせるが、臨獣トータス拳のリンギ・空裂波(くれっぱ)で別の空間へ飛ばされた。騒ぎを聞きつけた炎神戦隊ゴーオンジャー(江角走輔、香坂連、楼山早輝、城範人、石原軍平)がやってくると、ヌンチャクバンキは時劣態(じれったい)を5人に見舞った。時間差でダメージを食らったゴーオンジャーが苦しむ間にヌンチャクバンキは姿を消したが、そこに現れたゲキバイオレット(深見ゴウ)とゲキチョッパー(久津ケン)は彼らがジャンを襲った敵だと思い勝負を挑んだ。

話し合いにより彼らが噂のゴーオンジャーであることを知ったゴウとケンは協力することにした。だが謎なのは蛮機族ガイアークの作った蛮機獣が邪悪の獣拳「臨獣拳アクガタ」を使っていることだった。そこでゴウたちはゴーオンジャーをスクラッチにいるマスター・シャーフーに会わせることにした。スクラッチは表向きは総合スポーツ用品メーカーだが、ゲキレンジャーをサポートするための部署が特別開発室だった。その真の目的は「獣拳」を科学的に進化させることにあった。マスター・シャーフーは激獣フェリス拳の使い手でゲキレンジャーの師匠に当たるのだ。関係者と1年ぶりの再会を懐かしむゴウたちだったが、なつめはそこにジャンたちがいないことに気づいた。彼らが異空間へ飛ばされたことを知ったマスター・シャーフーは、その拳法が恐らく空裂波でガイアークの背後に臨獣殿の残党がいたとしたら狙いは慟哭丸だろうと言った。それは永遠の時を生き退屈を紛らわすためだけに世界を滅ぼそうとした無間龍・ロンを封じた玉だった。二度と出てこられないようにジャンが身につけて守っていたが、それがガイアークの狙いだとしたら地球は最悪の事態を迎えることになるのだ。道先案内ロボット・ボンパーの解析でポイント4835に空間の歪みがあることがわかると、マスター・シャーフーがゲキワザで穴を開けた。

屋台的映画館

サルベージ・マイス

  • posted at:2024-03-12
  • written by:砂月(すなつき)
さるべーじまいす
「サルベージ・マイス」製作委員会(広島ホームテレビ=キングレコード=アマゾンラテルナ)
配給:ティ・ジョイ
製作年:2011年
公開日:2012年3月24日
監督:田崎竜太
製作:大辻茂 重村博文 倉内均
企画:亀井修 西垣慎一郎 重松修 椎名保
エグゼクティブプロデューサー:戸崎和良 紀伊宗之
プロデューサー:西冬彦 田原絹子 小川勝広 若林雄介
脚本:田口忠
撮影:小松高志
照明:藤森玄一郎
録音:九連石由文
美術:龍田哲児
編集:相良直一郎
音響効果:松浦大樹
ポストプロダクションプロデューサー:篠田学
VFXスーパーバイザー:大萩真司
カラリスト:長谷川将広
キャスティング:山口正志 安生泰子
ヘアメイク:酒井夢月
衣裳:齋藤ますみ
特殊造形:奥山友太
助監督:塩崎遵 山本大輔
アクションコーディネーター:永嶋美佐子
ラインプロデューサー:田口雄介
音楽:安川午朗
主題歌:「BIONIC CHERRY」ももいろクローバーZ
制作プロダクション:アマゾンラテルナ ダブ
アクション監督:西冬彦
出演:谷村美月 長野じゅりあ 佐藤祐基 長田成哉  リチャード・ウィリアム・ヘセルトン
アメリカンビスタ カラー 82分

世の中の騙され奪い取られた宝の数々を盗み出し、本来の持ち主に戻すのが怪盗サルベージ・マイスと相棒のマリクの仕事だった。ある夜、マイスとマリクは国際歴史美術館に忍び込み目的の虚空宝来菩薩像を盗み出すことに成功したが、そこに謎の集団が現れた。何が起こったのかとマイスが戸惑っていると、マリクは彼女を殴りつけ「お前とのサルベージは今夜で終わりだ」と言った。窃盗グループに幹部として迎えられることになったマリクはマイスを裏切り、像だけ奪ってその責任を縄で縛り上げた彼女になすりつけようとしたのだ。ピンチに陥るマイスだったが隙を見て抜け出し、大暴れして窃盗グループの一人から像を奪うと姿をくらました。

今はサルベージ・マウスとなった彼女もマスクを取れば一人の女性となる。有栖川真唯は虚空宝来菩薩像を元の持ち主の世良美智枝というおばあさんに返したが、介護ヘルパーとして来ていた山重という女性に帰ろうとしたところを呼び止められた。彼女はこの仕事をしていると怪盗の噂を良く聞くと言い、真唯の立ち振る舞いから怪我をしていることを言い当てた。自分の正体がばれているのではないかと不安に思った真唯は急いでその場を去った。その頃、広島では国際歴史美術館に展示されていた美術品が全て盗まれたことが話題になっていた。その額は1億6千万円にも及び、マリクが残した証拠のせいで「怪盗マイス」に容疑が掛かっているのだ。そのことを知った真唯はくやしがるが歩みを止める訳にはいかなかった。

広島の街をきれいにするために結成された自警団「広島クリーンズ」。その団長は人一倍広島愛が強い女子高生の宇佐木美緒だった。華奢に見える彼女だが実は空手の有段者で、ゴミ拾いだけでなく社会のゴミまで片付けようとした。ある夜、広島クリーンズがパトロールをしていると非常ベルが鳴った。広島西洋美術館からヴェネチアン・カラフェを持ち出したマイスと鉢合わせした美緒は対決するが、「広島の女の子は大したことない」と言われスイッチが入った。

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