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家族ゲーム

  • posted at:2025-01-12
  • written by:砂月(すなつき)
かぞくげーむ
にっかつ撮影所=ニュー・センチュリー・プロデューサーズ=日本アート・シアター・ギルド
配給:日本アート・シアター・ギルド
製作年:1983年
公開日:1983年6月4日
監督:森田芳光
製作:佐々木志郎 岡田裕 佐々木史朗
製作補:桜井潤一
企画:多賀祥介 山田耕大
原作:本間洋平
脚本:森田芳光
撮影:前田米造
照明:矢部一男
録音:小野寺修
美術:中澤克巳
編集:川島章正
助監督:金子修介
記録:森永恭子
装飾:山崎輝 八木雅彦 小林聖樹 歌田昌昭
衣裳:越智雅之
結髪:榊原あけみ
特機:城田幸夫
スチール:竹内健二
現像:東洋現像所
製作進行:宮内真吾
製作担当:藤田義則
出演:松田優作 伊丹十三 由紀さおり 宮川一朗太 辻田順一
スタンダード カラー 106分

高校受験を控える中学三年生の沼田茂之が家庭内にいることで、父親の孝助や母親の千賀子、そして兄で高校生の慎一までもがピリピリしていた。成績優秀な兄と違い勉強が苦手な茂之にはサボリ癖があり、テストの時期になると腹が痛いと言って学校を休んだ。その割にはプライドが高く、進路指導の教師から神宮高校を薦められても偏差値の高い西武高校にこだわった。それはその学校に通う慎一への対抗心だった。これまでに何人かの家庭教師がつけたが一向に成績が上がらないため、孝助は新たな家庭教師に望みを託すことにしたのだった。沼田家にやってきたのは大学に7年も通っている吉本勝という男で、夕食を終えると孝助は家族に聞かれたくない話をするために彼を車へ連れて行った。その話とは報酬についてだった。孝助には茂之の成績が上がらない理由が何処にあるのかわからなかった。そこで基本給の他に成績が上がる毎に歩合給を出すと提案したがその基準を決めていなかった。話し合いの結果、クラスの順位がひとつ上がる度に一万円ということで落ち着いたが、孝助の声は震えていた。

国語の答案用紙が返ってきたが、点数は26点だった。順位はビリから9番目。ふざけた答えばかりの用紙を見た吉本が抑えた怒りで何考えてんだと凄み、次のテストが来週あることがわかると授業は何処まで進んでいるんだと言った。茂之が黙って開いたページには松尾芭蕉の奥の細道が載っていたが、落書きがその上を支配していた。それを見てあきれた吉本は奥の細道を読んでわからない漢字や言葉をノートに書き出せと命じた。すると茂之は彼が目を離している間に「夕暮れ」という言葉を2ページに亘って書き続けたのだった。こんなことをして何になるのかと吉本が尋ねると、茂之はつまらない時間を楽に過ごせるからだと答えた。吉本は舐めるんじゃねえぞとつぶやき呼吸を整えると一発殴った。鼻血を出した茂之はショックを受けたが、この出来事をきっかけにして二人の間に主従関係が完成した。さっき言ったことをやってみなと吉本が言うと茂之は素直にノートに書き始めた。

屋台的映画館
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ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌

  • posted at:2025-01-08
  • written by:砂月(すなつき)
びーばっぷはいすくーるこうこうよたろうえれじー
東映
配給:東映
製作年:1986年
公開日:1986年8月9日 併映「BEE FREE! 」
監督:那須博之
企画:長谷川安弘
プロデューサー:黒澤満 紫垣達郎
原作:きうちかずひろ
脚本:那須真知子
撮影:森勝
照明:野口素胖
録音:宗方弘好
美術:大嶋修一
編集:田中修
助監督:成田裕介
製作担当:服部紹男
音楽:矢野立美
音楽プロデューサー:高桑忠男 石川光
主題歌:「JINGI・愛してもらいます」中山美穂
挿入歌:「ビー・バップ・パラダイス」ビー・バップ・少年少女合唱団
技闘:高瀬将嗣
カー・スタント:TA・KA
刺青:河野弘
衣裳:波多野芳一
メイク:中元睦子
スチール:久井田誠
製作宣伝:荒井一弥 石井薫
演技事務:河合敬一
製作進行:武石宏登 岩下真司 多田野貴裕
製作協力:セントラル・アーツ
出演:仲村トオル 清水宏次朗 中山美穂 宮崎ますみ 中野みゆき
アメリカンビスタ カラー 95分

最近勢力を伸ばしつつある城東工業の不良グループに不意を突かれて後ろからガツンとやられたヒロシは、トオルから鼻に詰めた鼻血止めのティッシュをからかわれたことで怒りが倍増し、商店街にいた城東の制服を着た奴らに仕返ししようとした。ところがそこにいたのは強面の別人だったことから、ビビったヒロシは知り合いに呼び掛けたフリをして逃げた。同じ頃、ノブオとその仲間は同じ愛徳高校の女子生徒から体がぶつかったのを触ったと因縁をつけられ困っていた。するとそこに城東の原田たちが割り込んできたことで話がややこしくなった。相手が愛徳だと知った原田はノブオを蹴り飛ばし、近くを歩いていたトオルとヒロシが偶然彼を受け止めたのだった。ノブオを痛めつけたのが自分を殴った原田だと知ったヒロシはタイマンで勝負し簡単にケリがついた。原田を土下座させたまではよかったが、城東のグループが加勢にきたことがわかると勝ち目がないと見て逃げることにした。街中を駆け抜ける二人。すると順子と話しながら駅を出て来た今日子と再会したのだった。トオルたちは彼女がこの街に戻ってきたことを喜ぶ間もなくまた逃走を続けた。そして郊外のスクラップ工場に逃げ込むと機転を利かせた彼らは設備を勝利に結びつけたのだった。

再び2年F組に今日子に戻ってきたことでトオルとヒロシはまた生きがいを見つけた。彼女をめぐって授業中に騒ぎを起こしてしまい今日子から頭を冷やすように言われた二人は屋上でタバコを吸っていたが、そこにやってきた愛徳小悪魔軍団の三人に絡まれるが、相手が1年生ということもあり二人は洟も引っ掛けなかった。放課後、トオルたちがキング卓球場で遊んでいると、みゆきたちは馬鹿にされた仕返しに体の大きな女子生徒を連れて来た。サングラスにマスクをした威圧感のある姿のその生徒は白百合女学院13代目総番のマンモスお妙こと野崎妙子だった。お妙は持ち前の怪力で表の看板を引き抜くと二人に投げつけようとするが、豚ゲルゲだから恥ずかしくて面が見せられないんだろうとヒロシに言われたためこれでもかとマスクを取った。彼女の顔を見た二人はかわいいと口を揃えて言い、お前のようなタイプだったらイチコロで惚れる奴を知っているとトオルが言うとお妙はそれを真に受けて喜んだ。だがその軽い言葉をイマイチ信用出来ない彼女は、それがその場しのぎのデタラメだったらテメエらに彼氏になってもらうからなと威圧した。

屋台的映画館

秀子の應援團長

  • posted at:2025-01-04
  • written by:砂月(すなつき)
ひでこのおうえんだんちょう
南旺映画
配給:東宝映画
製作年:1940年
公開日:1940年1月31日 併映「仇討ごよみ」
監督:千葉泰樹
原作:高田保
脚色:山崎謙太
撮影:中井朝一
應援:高井四郎 源祐介
助監督:小野博之 牛迫緑
助撮影:田中正彦
装置:小池一美
音楽:佐々木俊一
照明:服部修
大道具:鈴木廣吉
小道具:宇野勇
衣裳:津山辰美
現像・録音:富士スタヂオ
フイルム:純国産富士
主題歌:「青春グラウンド」灰田勝彦
・・・:「燦めく星座」灰田勝彦
参加:日本野球連盟
出演:高峰秀子 音羽久米子 小杉義男 澤村貞子 清川玉枝
スタンダード モノクロ 71分

日本野球連盟主催による秋季リーグ戦が盛り上がりを見せた頃、巨人軍とアトラス軍が初顔合わせとなった。本来この二チームは好敵手として知られてきたが、今シーズンのアトラスは主戦投手の大川を戦場へ送ったために投手力が不足した。その結果、悪戦苦闘の甲斐もなく惨敗に次ぐ惨敗。前試合までの勝率は一割二分で最下位に低迷していた。この難局を一身に背負ってチームを率いる高嶋二郎監督は必死の作戦を続けるが、連日の苦闘に疲れた投手陣は強力な巨人打線の前に崩壊した。高嶋家では試合がある日はラジオを聴くことになっており、そこにはいつも姪の秀子がいた。彼女の父親の一郎は高嶋製鉄の社長だが、躾にとても厳しく野球嫌いも相まって弟の仕事には批判的だった。その考え方には母のとも子も賛成で、秀子に謡いの他長唄に踊りにお茶、お花に習字、そしてピアノにフランス語とあらゆるものを学ばせようとしていた。そんなこともあって秀子は何かあるとこの家に逃げ込み祖母に愚痴を聞いてもらうのだ。

アトラス軍は巨人軍相手に0対8で完敗した。試合後、二郎がグラウンドの端で反省していると人丸投手がやってきて今日はすみませんでしたと謝った。すると二郎は君一人に任せるのは始めから厳しいとわかっていたことなのに無理な使い方をして済まなかったと逆に謝った。人丸は反省ばかりで、努力しても大川のような大投手のようになれる素質がないんだと愚痴った。それを聞いた二郎は負けるといろいろなことを考えるものだと言い、職業として選んだ以上やれるところまでやって行こうと力づけた。

その後もアトラス軍は零敗を続け、大ファンの秀子の心は穏やかではなかった。二郎の娘の雪子と話していてもいつしかその話題になった。ある日、秀子は学校の帰りにアトラス軍を激励する秘策を雪子に打ち明けた。それから数日後、二人はアトラス軍の練習場を訪れた。陣中見舞いと称して籠一杯の焼き芋を持ってきたがそれが目的ではなかった。秀子が作詞し雪子が作曲して応援歌を披露すると、明るく覚えやすいその曲を聴いた選手たちは勇気づけられた。

屋台的映画館
げきじょうばんおいしいきゅうしょくふぁいなるばとる
「おいしい給食」製作委員会(アミューズメントメディア総合学院=テレビ神奈川=BS12 トゥエルビ=イオンエンターテインメント=北海道放送=北陸朝日放送=TOKYO MX=群馬テレビ=とちぎテレビ=テレビ埼玉=千葉テレビ放送=KBS京都=サンテレビ=九州朝日放送=鹿児島放送=琉球朝日放送)
配給:AMGエンタテインメント=イオンエンターテインメント
製作年:2020年
公開日:2020年3月6日
監督:綾部真弥
製作総指揮:吉田尚剛
企画:永森裕二
製作:近藤和之 森内譲 有馬一昭 小玉満 伊藤祐介 水島鮎子 青柳恵一 長谷川哲男 出口雅史 小森健一郎 南哲也 久保仁 北島秀一 堀ノ内正洋 賀数朝夫
プロデューサー:岩淵規
脚本:永森裕二 綾部真弥
撮影:小島悠介
照明:大庭郭基
録音:井家眞紀夫
美術:伊藤悟
装飾:遠藤雄一郎
小道具:千葉彩加
衣裳:小磯和代
ヘアメイク:近藤美香
フードスタイリスト:松井あゆこ
編集:岩切裕一
監督補:田口佳
助監督:湯本信一
制作担当:池田勝
エキストラ担当:島野道春
音楽:沢田ヒロユキ ペイズリィ8
主題歌:「君の花」松本大輝
アソシエイトプロデューサー:小笠原宏之
制作プロダクション:MEDiAND
企画:AMGエンタテインメント
出演:市原隼人 武田玲奈 佐藤大志 豊嶋花 辻本達規
アメリカンビスタ カラー 102分

1984年秋、常節中学校では中間試験が行われていた。1年1組を担任する甘利田幸男は試験期間が嫌いだった。何故なら給食がないからだ。そのために学校へ来ていると言っても過言ではない程給食が好きな彼だが、それを生徒に悟られてはならなかった。大人は厳格で威厳を持ち模範であらねばならないと考えていたからだ。それ程までに給食が好きになったのには理由があった。母親が作る食事がまずいからだ。甘利田家では頑張っている母親を傷つけないために「おいしい!」と食べる。たまに出前を頼む時は父親が涙して喜んだ。だから給食は彼にとって一日で最も充実した食事だった。試験終了のチャイムを聞いた甘利田は喜びに打ち震えていた。明日からまた給食が始まるからだ。食育を謳う常節中学校はまさに彼のためのような学校だった。

翌早朝、甘利田が学校の校門前で挨拶運動をしていると、同じクラスの生徒・神野ゴウが登校してきた。神野も甘利田と同じように給食が大好きなのだが考え方がまるっきり違っていた。正統派の甘利田に対し神野は給食をよりおいしく食べる方法を追求していたのだ。例えば鯨の竜田揚げに家から持ってきた小袋入りのタルタルソースを掛けることなど甘利田にとって御法度だった。美味いに決まっているからだ。しかも彼は食べながら勝ち誇ったような笑みを浮かべるのだ。そんな神野を敵対視する甘利田は普段の笑顔まで見下されているように感じていた。

その日は教育実習生の三人が着任する日だったが甘利田にはどうでもいいことだった。彼の興味はその日の献立表に書いてあった鯨のオーロラソースにしかなかったのだ。鯨といえば竜田揚げだが、そもそもオーロラソースとは何なのだろうか。そう考えているうちに足は自然と給食室へ向かっていた。事前に知っておけばプランが立てられるのだが。そう考えながら部屋の前をうろついていると給食配膳員の牧野文枝が出てきた。偶然を装うが新メニューを探りにきたことはバレており、神野も同じようにきたことを知ると奴に何と言ったのかと詰め寄った。驚いた文枝がお昼までのお楽しみと言って追い返したと説明すると甘利田は安堵した。自分だけ抜け駆けしてメニューの内容を知るのはフェアではないし、そんなハンデはプライドが受け付けなかった。

屋台的映画館

総理の夫

  • posted at:2024-12-24
  • written by:砂月(すなつき)
そうりのおっと
「総理の夫」製作委員会(日活=東映=テレビ朝日=トライストーン・エンターテインメント=朝日放送テレビ=ローソンエンターテインメント=東映ビデオ=実業之日本社)
配給:東映=日活
製作年:2021年
公開日:2021年9月23日
監督:河合勇人
製作:鳥羽乾二郎 村松秀信 西新 佐藤政治 今村俊昭 渡辺章仁 與田尚志 岩野裕一
エグゼクティブプロデューサー:福家康孝 柳迫成彦 三輪祐見子
企画・プロデュース:谷戸豊 橋本恵一
プロデューサー:山本章
共同プロデューサー:小久保聡 大森氏勝
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
原作:原田マハ
脚本:松田沙也 杉原憲明
音楽:富貴晴美
撮影:木村信也
照明:石黒靖浩
美術:黒瀧きみえ
録音:日下部雅也
編集:瀧田隆一
装飾:鈴村高正
VFXスーパーバイザー:赤羽智史
衣裳:遠藤良樹
ヘアメイク:百瀬広美
スクリプター:杉本友美
選曲:長澤佑樹
音響効果:松井謙典
助監督:木ノ本豪
制作担当:赤間俊秀
製作幹事:日活 東映
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
出演:田中圭 中谷美紀 貫地谷しほり 工藤阿須加 松井愛莉
アメリカンビスタ カラー 121分

善田鳥類研究所に勤務する鳥類学者の相馬日和は朝のバードウォッチングと野鳥観察日誌をつけることを日課としている。出張の朝も同じルーティンをこなすと妻・凛子を起こし朝食を作った。他の大学の研究グループと合同で渡り鳥の標識調査の北海道で行うことになっており、心を躍らせていることが顔に出ているのを凛子から指摘された。観測値は北海道の東の端にある電波の届かない自然に囲まれた場所で、彼はそこで充実した十日間を過ごした。調査を終え成田空港に着いた日和がスマートフォンの電源を入れると見知らぬ携帯電話からの着信履歴があった。しかも分単位でだ。不審に思い掛け直すことなく空港を出ようとすると、今度は複数のマスコミに囲まれた。思わぬ質問攻めに圧倒されていると見知らぬ女性から手を引かれて停めてあった車に乗せられた。

突然現れた女性は直進党広報部職員で内閣広報室に配属されたばかりの富士宮あやかだった。どうやら凛子の担当になったらしいが、何が起こったのかわからない日和は彼女がしゃべることに助手席でただ頷くことしか出来なかった。だが高速道路沿いにある大型電光ビジョンに流れる速報のニュースを目の当たりにすることでようやく事態が飲み込めた。妻が史上最年少で日本初の女性総理大臣になったのだ。凛子は与党直進党の総裁選挙で勝利し第111代総理大臣に指名された。つまり日和も日本初の総理の夫となったのだ。職場に行けば所員たちからもてはやされたが、その後は問い合わせの電話が鳴りっぱなしで業務に支障が出るようになり恐縮するばかりだった。そんな中、彼の母親である崇子が尋ねてきた。崇子はソウマグローバルの会長で、研究所に多額の寄付をしていた。恩着せがましい性格は溺愛する息子にも容赦なく、そのせいで日和は母親に頭が上がらないでいた。崇子は彼の姿を見つけるや否や、嫁が総理大臣になるなんて寝耳に水だと文句を言った。そして組閣にはソウマグローバルの会長としてひと言意見を言いたいと言い出したのだ。国会議事堂へ向かう車の中で小言を並べられているとあやかから電話が掛かり、勝手に出歩かないで下さいと言いましたよねと指摘された。彼女からは専用のスマートフォンを渡されていたが、GPSの機能で居場所を確認されていたのだ。崇子と国会議事堂へ向かっていることを知ったあやかから今すぐ戻ってくださいと怒鳴られた日和は、初日から母親と政治との板挟みに遭った。

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